功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『沈黙の復讐』

2011-08-25 22:44:18 | マーシャルアーツ映画:中(1)
「沈黙の復讐」
原題:BORN TO RAISE HELL
製作:2010年

●シルベスター・スタローンや李連杰(ジェット・リー)など、名だたる筋肉スターが勢揃いした『エクスペンダブルズ』。この超大作を製作するに当たり、多くの格闘俳優たちに出演のオファーが飛び交ったのですが、スティーブン・セガールとジャン・クロード=ヴァン・ダムの2人はそれを蹴ってしまいました。
ヴァンダムは都合により出演をキャンセルしましたが、彼はこの一件を境に他の格闘俳優と共演する機会を増やしていきます。『Assassination Games』でスコット・アドキンスと再会し、『Dragon Eyes』でカン・リーと遭遇。『Universal Soldier: A New Dimension』ではドルフ・ラングレン&アドキンスの2人と顔を合わせ、アニメ映画の『カンフーパンダ2』では声優としてジャッキーと共演していました。

 一方、セガールはプロデューサーであるアヴィ・ラーナーとの確執により出演依頼を断りました。彼は他者との共演に対してオープンになったヴァンダムと違い、ひたすら我が道を突き進んでいます。本作はそんなセガールが『エクスペンダブルズ』以降、唯一ともいえる夢の対決をメインに添えた作品なのです。
本作で彼と闘うのは、なんと『太極神拳』のダレン・シャラヴィ!近年は『イップ・マン』で甄子丹(ドニー・イェン)と闘い、某スパイ大作戦の最新作にも出演が予定されているという名ファイターです。果たして、彼がどこまでセガールに迫れるのか気になるところなのですが……。

 ストーリーはセガールと麻薬の売人グループ(リーダーはダレン)とロシアンマフィアによる、三つ巴の抗争を淡々と描いています。山場らしい山場は無く、テンプレートな死亡フラグで死んでいく部下がいたりと、物語に関しては実に平々凡々。後半では売人グループに妻を殺されたマフィアのボスが、利害の一致したセガールと手を組むという燃える展開があったりします。
さて注目のセガールVSダレンですが、両者の直接対決はラストの一戦のみ。闘いはセガールのペースで進み、開始10秒足らずでダレンが血まみれになってしまうものの、自慢の足技で何とか凌いでいました。残念ながらダレンの実力が発揮されたとは言い難いファイトでしたが、内容は『グリマーマン』のラストバトル、『イン トゥ・ザ・ザン』のVS慮恵光(ケン・ロー)を彷彿とさせる激突だったと思います。

 現在『エクスペンダブルズ』の続編『The Expendables 2』が製作中ですが、待望のチャック・ノリスとジョン・トラボルタ、そしてヴァンダムの参戦が確定しているそうです。しかし、一方で何故か李連杰が離脱し、代わりに甄子丹の加入が検討されています(以前予定されていた楊斯の出演は流れてしまった模様)。今後も出演キャストは変動しそうですが、個人的には今度こそセガールの出演が実現して欲しいと願って止みません!