指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『花くらべ狸道中』

2019年09月15日 | 映画
今週は、お三の宮、日枝神社のお祭なので、朝は町内会事務所で寄付をする。町内会に入っていないので、町会費のつもりである。
上大岡に行って用を済ませた後、京浜蒲田に行き、ビデオを探す。
駅近くなのだが、暑いので行けなかったので、久しぶり。

1961年の大映の正月映画の『花くらべ狸道中』を買う。市川雷蔵、勝新太郎が、江戸で狸王者を決める会議に出るために道中に出る。
弥次郎兵衛、喜多八の東海道五十三次で、狸御殿ものである。
雷蔵の相手は若尾文子、彼ら阿波狸の敵の江戸の分福狸の間者で、勝新を騙すが最後は結ばれるのが中田康子。
大映には、中田のような色気のあるモダンな女優がいなかったのか、東宝から中田康子が来ている。

冒頭から歌と踊りで、大阪松竹歌劇団の他、赤坂小梅、スリー・キャッツ、井上ひろし、五月みどりらも出ていて歌う映画で、ほとんどレビュー作品である。
            

全体の80%は、スタジオで撮影されていると思えるが、彼らの歌と踊りが上手いので、大変に楽しく出来ている。
音楽は、浜口庫之助だが、注目されるのはほとんどがラテンであることで、この頃のダンス音楽は、ジャズでもロックでもなく、ラテンだったのだ。

もちろん、最後は、悪玉の見明凡太郎の徳島の分福狸も改心して、平和になってエンド。
なんとも気楽な映画だったが、これが当時の正月映画だったのだ。
美術が内藤昭で、結構前衛的なデザインの背景が出てくる。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。