指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『東海道は兇状旅』

2021年08月01日 | 映画

1950年の大映作品、原作が秘田余志郎で、秘田は、字幕の製作者で有名だったが、なぜかヤクザの世界にも通じていて、脚本は成澤政茂、監督は久松青児である。

 

                           

もう一つ、この映画で珍しいのは、東武蔵が出ていることで、東は関東の浪花節で有名で、彼は下町小町と言われた女性と結婚して、その間に出来たのが、東恵美子である。東は、俳優座の河内桃子と並ぶ新劇の美人女優だった。

ここでは、東武蔵は、途中の座敷で一節唸っている。

話は、ヤクザの宴会で、藤田進がいて、親分とぶつかり、喧嘩になって、殺してしまう。

藤田は、飲屋の女・岸旗江と結婚しているが、故郷の村に逃げる。安城市である。

そこには、おさななじみだった相馬幸子がいて、二人は将来を誓っていたが、戦争に藤田は行き、二人は結ばれない。

どうしても相馬と一緒になりたいと安城に来たのである。

植村謙二郎などのヤクザも追いかけて来て、立ち回りになるが、さすがに藤田進は柔道の技が上手い。

最後、見明凡太郎の刑事に逮捕されて汽車で安城を後にする。鉄道の立橋の上に、相馬が見送っている。

全体としては、野村芳太郎監督の『張り込み』に似た感じだが、もたもたしている。

 

 

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