指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

水俣病の実態は

2008年09月21日 | 政治
川崎市民ミュージアムで、昨年亡くなられた土本典昭監督の『水俣 患者さんとその世界』を見る。
水俣病の実態を世界中に知らせた記録映画の名作だが、実に淡々とした表現で、最後にチッソの株主総会に乗り込み、ご詠歌の詠唱など、総会が大混乱するまでは、ほとんど患者へのインタビューのみで進む。

ところで、水俣病というと思い出すことがある。
以前、横浜市の外郭団体に出向していたとき、某大企業から来ていた人がいた。
きわめて保守的な方で、「差別と偏見」の塊だった。
彼は、水俣市の近くの生まれだったそうだ。
彼曰く、
「水俣病になったのは、大変安い魚を食べた連中である。
普通の人間は汚染されているからと、水俣の魚は食べなかった。あれはごく一部の人の問題で、会社に責任はない」と。
まさに、そうした魚しか食べられなかった人がいるという社会構造が問題なのに。
世の中には、こういう人もいるのだと知った貴重な体験だった。

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