呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

上海市おける外商投資プロジェクトの発展改革部門による審査

2011年05月31日 | 日記

201134日付で《上海市外商投資プロジェクト認可暫定管理弁法》、そして2011426日付で《上海市発展改革委:一段と当市の外商投資プロジェクト認可権限を委譲することに関する若干意見》(滬発改外[2011]022号)が公布されました。これらの中で、外商投資プロジェクトの審査権限について次のように定めております。

 

そして、この権限をさらに委譲することもあわせて定めており、具体的には次のとおりです。

 

上海での外商投資プロジェクトの審査はそのほとんどが商務委員会で完結しており、発展改革委員会が出てくる場面はあまり見られないのですが、他地域においては外商投資プロジェクトを発展改革部門が審査するケースもあるように、国家レベルの通達では発展改革委員会は外商投資プロジェクトの審査に関与しており、これに合わせるような形となっております。200410月に《外商投資プロジェクト認可暫定管理弁法》が国家発展改革委員会から公布された際に、各地にヒアリングを行ったことがあります。ヒアリングのポイントは商務部門と発展改革部門は各々どんな役割を果たすのかというものでしたが、そのときは地方によって答えが分かれておりました。当時上海の発展改革部門にもヒアリングしたのですが、外商投資プロジェクトの審査に関してはあまり関係なさそうな回答を得た印象があります。今般このような通達があえて出されましたので、発展改革部門が行うべき責務として「プロジェクトの審査」が発展改革部門に行われるようになっていくものと思われます。


外貨資本項目管理の一部緩和

2011年05月29日 | 日記

 

 2011523日付で《国家外貨管理局:一部資本項目外貨業務審査権限と管理措置の取消、調整に関する通知》(匯発[2011]20号)が公布され、201161日より施行されることになりました。

 

 この通知の中で5つのポイントについて触れられています。

 

1.貿易貸付登記管理における延払期限超過登記の認可の取消

企業は輸入報関単の税関発行日時の120日以後に延払引出登記を行う場合、所在地外貨局で期限超過登記の認可手続きを行う必要がなくなります。

 

2.貿易貸付登記管理における前払金の払い戻しの認可を取り消し

企業の前払金に払い戻しが発生する場合、直接貿易貸付登記管理システムにログインして抹消手続きを行うことができ、そして経常項目外貨管理関連規定に従って払い戻し資金の入金等の手続きを行うことができるようになります。

 

3.国外上場企業の国有株式の保有を減じることで得る外貨資金の全国社会保険基金への送金の備案の取消

国外上場企業の国有株式の保有を減じることで得る外貨資金の全国社会保険基金への送金について、外貨指定銀行にその処理を授権します。

 

4.国家外貨管理局各分局、外貨管理部は現行の対外担保管理規定に従って、管轄内に登録している外貨指定銀行のために融資性対外担保残高指標を査定(総局が指標を査定するものを除くと明確に規定)します。

 

5.貿易貸付における前払いの基礎比率を30%から50%に引き上げ

 

 

 全体をご覧いただければわかるように、外貨が国外に出て行くことに関して、締め付けが緩和されていることが見てとれます。この動きから、中国にはかなりのホットマネーが入ってきており、これを吐き出すために「走出去」を促しているのではという見方もあります。


商業プリペイドカード購入に実名制導入

2011年05月26日 | 日記

 2011523日付で《商業プリペイドカード管理の規範に関する意見》という通達が公布されました。なかなか面白いです。なんと、金額によってですが、プリペイドカードの購入に際して実名登記制度を導入しようとする内容になってます。気になる部分を見てみましょう。 

 

一つ目として、商業プリペイドカードに実名登記制度を確立する。記名商業プリペイドカードを購入及び一回で1万元以上の無記名商業プリペイドカードを購入する単位または個人に対して、カード発行人により実名登記を行う。 

二つ目として、商業プリペイドカードの非現金購入制度を実施する。単位が一度にカードを購入する金額が5000元以上または個人が一度にカードを購入する金額が5万元以上の場合、銀行送金方式を通じて購入することとし、現金を使用してはならない。送金方式を使用してカード購入する場合、カード発行人は仕向、被仕向口座名称、口座番号、金額等を逐次登記を行わなければならない。

三つ目として、商業プリペイドカードの限度額発行制度を実行する。無記名商業プリペイドカードの額面が1000元を超過せず、記名商業プリペイドカードの額面は5000元を超過しない。

 

ということで、無記名式の商業プリペイドカードを痕跡なく購入するため銀行送金でなく現金で購入するのであれば5000元未満に抑えなければなりません。5000元でも結構な金額ですが。この通達の中でも、「国家工作人員、特に指導者幹部は公務活動に際していかなる形式の商業プリペイドカードを受け取ることも厳格に禁止する」と特にありますように、商業プリペイドカードを使ってのプチ贈収賄は結構あるのでしょう。この通達でもってなくなることはないでしょうが、面倒にはなるのでしょうね。今回はプリペイドカードに関する通達ですが、既に禁止されているキャッシュカードに現金を入金して渡してしまうようなワイロも現実には今でも存在していますので、こんな通達が出てもワイロそのものはそう簡単にはなくならないでしょうねえ。

 


中国での農作物の生産

2011年05月24日 | 日記

朝日ビール、住友化学、伊藤忠商事の三社合弁で山東省煙台に設立した朝日緑源農業高新技有限公司という会社があります。2006年3月28日に設立された会社です。土地を賃借して牛乳やイチゴを生産しており、同社の製品は青島や上海の大型スーパーで販売されているので、見かけたことがあったり、実際に購入したことのある方もいるかと思います。

 

 中国で農業生産となると、日本側は日本の農業技術が漏洩するのではないかと心配するかと思うのですが、現地の《経済参考報》というメディアではこれを中国の資源の外資による侵食であるかのように報じています。なんでそうなるのかなあ。ちょっと中身を見ていきましょう。

 

 同プロジェクトの精神としては、「山東省ひいては中国の農業改革の支援を希望する」、「先進的な農業技術があり、農業生産経営の秘訣、人材、農業用機械設備と優良な種苗、山東省ひいては中国の農業の発展に注力」というものです。ところが現地では土地は希少な資源で、外資が大範囲にわたって農業栽培に入ってくると、長期にわたり耕地を使用し、中国で生産した農業製品を輸出することになり、中国の希少資源を占拠するような形になってしまうという考え方があるようです。朝日緑源農業高新技有限公司の製品は中国国内向けですし、ちょっと考えすぎのような気が。。。現地では同社を見習って先進的な技術、経営理念等を導入しようという機運が見られているという話なのですが。。。

 

 日本の果物で現在中国への輸出が認められているのはリンゴと梨くらいです。中国向けに農業製品を売りたいと思っているところは多いのですが、色々と規制もありなかなかそれも難しい状況で、それならば中国で作ればいいやという考えになるのもわかります。中国で作るということは技術移転にもつながるので中国側にも喜んでもらえるだろうと考えることもできますし。入ってこられる側というのはそう思うものなのでしょうかねえ。むしろ奨励してもらってもいいくらいと思うのですが、何か他の意図があるのでしょうかねえ。


日中年金協定の交渉が早期開始へ

2011年05月23日 | 日記

 日経新聞より。

 社会保障協定、早期交渉開始で一致 日中外相会談』

 要するに中国では7月から社会保険法が施行され、これに基づき外国人、当然日本人にも社会保険料の納付が義務付けられることになるのですが、日中双方で納めた社会保険料の二重払いを防止するための協定を結ぶ準備を始めましょうということです。社会保険法については何度か書いたことがありますが、外国人には適用されないという見方が一部でありましたが、個人的には外国人にも適用されると思っていましたので、あらためてそれが再確認できたということがいえます。

 それにしても7月なんてもう目の前です。駐在員の場合、手取り保証の給与支給が一般的かと思いますが、このスタイルは継続されるでしょうから7月以降は社会保険料部分がコスト増になります。会社としてのコスト増は所詮会社の問題ともいえるのですが、現地採用の場合はどうなるでしょうか。現地採用社員は駐在員のような手取り保証の給与支給となっていない人も多いかと思います。手取り保証であればその個人としては影響はない(会社には影響あり)ですが、そうでない場合は給与が目減りする(会社には影響なし)ことになってしまいます。後者の場合個人にとっては社会保険料も結構バカにならないので、ダメージは大きいでしょう。社会保険料の話題は以前から出ていたので、それなりに覚悟している企業は多いと思いますが。

 中国人社員に対して目先の手取り金額を厚めにして福利厚生をないがしろにするような雇用をするところがあります。社会保険料の基数となる給与を少なくして発票(領収書)と引き換えにお金を渡し、手取り金額をそれ相応にするような方法です。これを嫌う社員もおり、これを転職理由にするような人もいます。あんまりいい方法と思いませんが、現地採用社員に対して、「どうせ年金なんてもらえないし、これでいいよね」なんて言葉で、このスタイルをとる企業が出てくるかもしれませんね。


不動産ディベロッパーの地下金融からの資金調達金利

2011年05月22日 | 日記

 相次ぐ不動産融資関連規制の影響で、ディベロッパーが金融機関からではなく地下金融を通じての資金調達を行うようになってきてます。その適用金利ですが、2008年当たりは25%だったのが、2009-2010年の金融緩和期には10数パーセントに下がり、その後不動産関連融資に対する引き締め策とともにあがってきています。そして現在はここ数年来で最も高い水準に達しており、だいたい30-40%くらいにまで跳ね上がっています。なかには30%で調達できればラッキーだなんて答えるディベロッパーもいます。

 

 地下金融というと聞こえが悪いかもしれませんが、親戚間で行われたりするものもあれば、私営の金融業者、業界協会で行われたりしています。動く資金の規模は数億元から20数億元まで幅は広く、金利が高いので借入期間は主に数ヶ月から1年までの短期であるのが一般的です。

 

 この手の資金調達といえども返済は行わなければならないのですが、住宅販売が落ち込むと借入側の返済源資が不足し、返済が滞ることになりますが、すでにそのような現象も一部で見られ始めているようです。

 

 いくら地下金融とはいえこんな状況なので、不動産バブルがはじけそうな気もするのですがはじけない、仮に都市部ではじけたとしても中へ中へと入っていけばまだまだ続きそうにも思います。中国の不動産はよくわからんです。


中国の化粧品

2011年05月20日 | 日記

 今日は化粧品についてみてみましょう。

 

 まずは化粧品の生産高ですが、下の表にあるとおり年々増加しています。さすがに90年代のような50%増なんていう時代は過ぎましたが、それでも2009年で13%増加しており、今後も毎年平均10%程度は伸びるだろうと予測されています。

 

 

 

 今度は化粧品の種類について見ましょう。アメリカでは市場シェアが最も大きいのは洗顔類、その次がスキンケア類です。一方中国ではスキンケア類のほうが洗顔類よりも大きいです。また、日本では天然生薬類の化粧品が50%を占めており、これが中国ではそれほど大きくありません。また、男性用、児童用、老人用の化粧品もまだまだ動き始めたところという段階です。

 

 中国では外資の化粧品が目立ちますが、外資の市場シェアは70-80%にも上ります。しかし、企業数だけで見れば90%は中国企業です。化粧品は美を追求するものであり、肌に直接影響するものなので、中国製はちょっとと思ってしまうのでしょう。実際に若い女性なんかは中国ブランドは買わないしかったこともないという人は少なくありません。外資でも中国生産のものは多いのですが、ブランドイメージとはかくも大きいものかといったところでしょうか。

 

 

 

 外資と中国系では技術面、研究開発面、設備面、管理面での差がまだまだ大きいといわれています。そのためどうしてもローエンドのものしか生産することができていません。おのずと中国ブランドのイメージもダサくなってしまうわけです。

 

 また、中小が乱立しているという状況もあります。中国全土における化粧品生産企業は約3700社、このうち約3300社余りが年商5000万元以下の規模にあります。2009年において、年商1元以上の中国化粧品企業は40ちょっとしかなく、5元以上となると上海家化、重慶奥妮、北京三露,深圳斯達、湖北宝,広州雅倩といったところくらいしかありません。かたや国際ブランドだとメガレベルの規模の企業が多く、80%以上を占めております。

 

 販売手法の問題もいわれています。販売チャネルを例に取ると、中国の日用化粧品販売チャネルは主に代理店卸売り、卸売市場、百貨店、スーパーの4つがあり、中でも代理店卸売りがもっとも主要な方式となっています。この方式だと商品をスピーディーに並べることができますが、中間で発生する費用も多くコスト高であること、間に入る業者が多いためブランドイメージを保証しづらいことが問題としてあります。

 

 以上のように、化粧品に関しては外資の独壇場といったところですが、生薬類化粧品では中国ブランドは比較的強く、上海家化の「佰草集」や、霸王の「本草堂」といったブランドを身にしたことのある人も多いのではないでしょうか。

 

   

 

 

 「佰草集」を例に取ると、2010年にすでに洗髪、入浴、エッセンシャルオイル、スキンケア、フェイシャルパックの5シリーズで200以上の商品があり、ここ数年は40%以上のスピードで成長しており、今後数年も少なくとも30%は延びるだろうと予測されています。「佰草集」の収入は30%が直営専門店、70%が加盟店、で構成されており、2010年には専門店はすでに830店あるのですが、さらに拡大を図ろうとしています。中国ブランドでもそれなりのものがあるんですね。生薬を使っているという点が国際ブランドと違うところですね。この二つのブランドは私も確かに広告で見たことがあります。特に「本草堂」なんてアジアの歌姫といわれる王菲を使っているので結構カネがかかってるんでしょうねえ。化粧品の広告の世界では中華圏のスターのほうが日本のスターよりもギャラが高いとも聞いたことがあるのですが、ものすごい金がかかってるんでしょうねえ。


繊維類の輸出税額還付率引き下げか?

2011年05月19日 | 日記

 繊維品の輸出税額還付率が引き下げられるかもしれないという報道が最近続いています。具体的には現在16%の還付率を11%にまで下げるというものです。なんと5ポイントもの引き下げです。予想されている時期は7月といわれていますが、一気に5ポイントも下がることはないのではないかとも見られています。繊維品の輸出を行っている企業は粗利が1-2%程度しかないところが多く、還付率が5ポイントも一気に下がってしまうとやっていかないからというのがその理由です。内販の比率が高いところは影響が少ないのでしょうが。原材料高、人件費高に続いて還付率引き下げが現実化してしまうと、ただでさえ日本向け製品は検品基準が高いために工賃も高いので、ますます価格競争力がなくなります。繊維品の日本向け輸出というビジネスもそろそろ頭打ちになってくるかもしれないですね。


小売店の入場料は商務部のお墨付き

2011年05月18日 | 日記

 ここのところスーパーや家電量販店等の小売店のサプライヤーに対する入場料のバッシング気味の報道が続いていたので、ひょっとするとそのうち入場料というものが規制されてなくなってしまうかもしれないと思っていたのですが、どうも逆の方向にあるようです。商務部のスポークスマンがスーパーの高額な入場料、リベート等に関して発生している問題に対して、「入場料問題は一定程度において合理性があり、市場化の家庭におけるひとつの正常な現象であるが、商品価格の上昇に影響をもたらしており、関連方面においてこれに対して規範化する文書をまさに起草している。」とコメントしております。要するに入場料は確かに問題を起こす要因になっているが、決して間違ったシステムではないということです。商務部では《小売商・サプライヤーの公平取引管理弁法》の中で六種類の不合理な費用を徴収してはならないと定めています。六種類の不合理な費用とは次のとおりです。 

 

     契約を締結または継続することを理由に受け取る費用

     すでに国家関連規定に従って商品バーコードを取得し、そして小売商経営場所内で正常に使用することができるサプライヤーに、店内コード購入を要求して受け取る費用。

     店内コードを使用するサプライヤーより実際のコストを超過するバーコード費用を徴収すること。

     店舗改造、改修時に、サプライヤーより受け取る当該サプライヤーの特定商品販売エリアのために特に用いられない改修、装飾費。

     販促サービスを提供せずに、祝祭日、店舗記念日、新店開業、再開業、企業上場、合併等の理由により受け取る費用。

     その他の販売商品と直接関係のない、小売商自身が負うべきまたはサービスを提供しないで受け取る費用。

 

 

 

 実態的にはこの六種類の費用がまったく発生していないはずがなく、商務部もその実態はわかっているようです。わかっているのならまずそれを是正する方向に行かないといけないのに、なんと入場料というシステム自体は肯定的に捕らえています。これじゃあ入場料をバッシングする報道が続いてもなくなることはなさそうですね。


上海市外国投資工作委員会の懇親会

2011年05月17日 | 日記

 今日は上海市外国投資工作委員会が主催する懇親会に参加してきました。

 

 

 

 場所は虹橋ヒルトンホテル、場所的にはちょっと不便かな。オープニングの挨拶に引き続き、ビッグプロジェクトに貢献した企業や個人に対する表彰が行われ、その後ディナーという流れでしたが、会が始まるまでの間はいろんな人との名刺交換会のような感じでした。私も中国コンサルを始めて8年くらいになりますが、お名前だけ知っていてお会いしたことのなかった人と会うことができたり、ここしばらくお会いしていない人ともお会いすることができました。「最近文章をあまり書いてないね」なんて言われたりしましたが、確かにニュースレター自体はネタが枯渇していることもあって各本数は減ってきてますが、実際のところは従来の投資コンサルとは異なる分野(いわゆる経営コンサルの分野)をブログ主体ではありますが書いており、文字数自体は増えているのであります。また、上海市の審査担当者の方と久しぶりにお会いしました。そういえば商業分野が開放されて商業企業の設立案件が増加し始めたころ、よくこの人と直接やり取りしたことを思い出しました。今はもう自分で行くことがないので、ちょっとしたノスタルジーを感じました。うんうん、あのころは若かったなあ。


中国におけるメンズアパレル

2011年05月16日 | 日記

 今日は中国のメンズカジュアルについて紹介みます。メンズも一時に比べるとよくなってきましたねえ。やはりファッション化の波は女性がはじめに来て、男性にはその波がいつ来るかと思っていたらようやく来始めたのではないでしょうか。もうスラックスに革靴でジョギングするような人もほとんど見かけなくなりましたしね。 

 

 さて、東華大学が北京、上海、広州、成都、武漢、ハルピンの6都市で「中国市場服装ブランド価値評価」というメンズカジュアルに関する調査を行いました。この調査の中で消費者指数(好きなブランドと読み替えてもいいでしょう)という数値でランキングを出したのが次のものです。

 

 

 

 イメージをつかんでもらうために上位5位にはいっているブランドのブランド名や写真を抜き出してみました。

 

 

     

    威客多(vicutu)                                                             杰克琼斯(JACK JONES)

 

 

 

       雅戈尔(youngor)                                                   七匹狼(septwolves)

 

 

  

          沙驰(satchi)                         尼威尔(tonywear)

 

  

            牧王(joeone)                                                     利郎(LILANZ)  

 

 

   

               蓝豹(lampo)                                                     卡尔丹顿(KALTENDIN)  

 

 

 

                报喜鸟                                    马克华菲(MARKFAIRWHALE)

 

  6都市全都市でランキング入りしているのがJACKJONES、YOUNGOR、七匹狼です。個人的にはJACKJONESは買ったことがあります。中国ブランドだけの調査かと思っていたのですが、JACKJONESが入っているので、調査対象は中国ブランド限定でもなさそうです。その割にはヨーロッパの超高級ブランドとかが入っていないのですが、ここでは気にしないでおきましょう。

 傾向としてご当地ブランドが好まれる傾向にあるようです。北京のvictu、上海のtonywear、広州の華斯度などがそうです。

 また、北京、上海、広州では好まれるブランドが比較的似たようなタイプである一方で、ハルピンでは福建ブランドが好まれているようで、七匹狼、九牧王、劲覇、利郎といったのがランキングに入っています。でもこれらは北京・上海における位置づけはちょっと劣っていますね。

 都市によってはやり好みが分かれているようです。どういったブランドがどこで強いかを見ること、また自社のブランドとタイプが似ているブランドがどれで、どの地域で受け入れられているのかといったことを把握し、そして自社のブランドプロモーションする上で参考にできるのではないでしょうか。ちょっとブランド数が多いので細かく見ていませんが、業界の方には非常に参考になるのではないでしょうか。


二三線都市の人件費増加率

2011年05月15日 | 日記

 復旦大学管理学院と正略鈞策諮詢公司というところが共同で作成した《2011中国給与白書》によりますと、二三線都市の平均給与増加率は13.18%で、10%以下と予想されている北京、上海、深センよりもずっと高いです。内陸はコストが安いといわれてますが、人件費の伸び率が都市部とくれべてこれだけ高いと、そのメリットが取れるのはいつごろまででしょうかねえ。


中国内陸部を攻める~農村部ビジネス~

2011年05月14日 | 日記

 

世界の工場から世界の市場へ、そしてその世界の市場の中で内陸部市場が注目されるようになってきてます。そしてさらに農村部にまで目を向き始めるところも出てきています。しかしながら、日系企業にとって農村部ビジネスはまだ研究段階にあります。都市と比べて成熟していない市場、地縁による結びつきが非常に強い市場、このような市場を独自で新たに開拓していくことは簡単ではないでしょう。そしてそれは中国企業であっても同じです。これを実現している企業について紹介します。吉峰農機連鎖股份有限公司(以下、吉峰農機という)です。

 

 

 

吉峰農機1998年より営業を開始し、2009年に上場を果たしています。主として国内外の一流の農業機械製品の販売を行っており、日系であればクボタやヤンマーの製品も取り扱っています。

  

同社の取り組み方法ですが、まずその土地のトップ3に入る代理店と交渉を行い、合弁会社を設立するというものです。合弁会社の出資比率は吉峰農機側が51%以上とマジョリティをとる形をとります。設立後はこの合弁会社を起点にしてその土地で業務を開拓していくのです。この手法で2004年から四川市場を開拓し、2006年の時点で90%の加盟者は合弁方式を通じてのものです。中国全土で見ても20106月末時点で直営店が127、代理店は1000以上にも上り、中国最大規模の農機流通企業であるといえます。

 

吉峰農機はこのように地元企業と合弁という形態をとることで、その土地の市場を攻めていったわけですが、これとは逆のケースについても紹介します。徳農農資連鎖超市という農業関連品を販売するスーパー(以下、徳農という)のケースです。徳農は基本的には直営形式を採用し、2004年には山東で800もの店舗を開設し、その2年後には全国で1万店を目指していました。ところが、現地の代理店が自分たち商売が侵食されるのを恐れ、何かと徳農と激しく競争を行いました。サプライヤーとなるメーカーはメーカーで、大手小売業者に支配されることを恐れ、徳農に対して優遇を行いませんでした。その結果、徳農の利益率はきわめて低いものとなり、大失敗といえる結果に終わったのです。

 合弁会社は意思決定に時間がかかる、相手に丸め込まれるかもしれない、そんな不安から独資での展開を進めるのが一般的で、総論としては確かにそのとおりでしょう。ただし、市場によっては業務展開の上で合弁形態のほうがむしろそぐわしいケースがあるのは紹介したケースのとおりです。中国企業でも場合によっては合弁を選択する、日系企業にとっても大いに参考となるのではないでしょうか。


会員制&24時間無料配達&無条件返品可能の薬局

2011年05月13日 | 日記

 2010年の中国薬局チェーントップ100の売上高は合計で655.8億元(約8200億円)で、前年比7.65%の増加でした。ただし、これは中国の薬品市場全体の成長率21.9と比べると全然少ないです。ということで、薬局は今後どうして行けばいいのだろうかという記事がちらほらと見られるようになって来ました。そこで今日は河北新興薬房連鎖有限公司という薬局会社を紹介します。

 

 

 

 この薬局は河北省石家庄に本社があり、河北省や北京に店舗を多く構えています。写真を見る限りではあまりぱっとしませんが、2010年に3.1億元を売り上げており、これは薬局チェーンランキングで52位になります。店舗数は約120店舗で、医療保険の適用対象となってます。河北省の衛生部門の規定によりますと、医療保険の適用を受ける薬局は非医薬品を売ることはできません。薬局における非薬品の販売比率が高まっているのがここ最近の動向ですが、これとは逆の動きをしているということになります。このような中で3.1億元の売り上げているのですが、このうち70-80%が会員向けの販売です。私も近所の薬局で薬を買うことがありますが、やはり会員カードを持っています。これをもっていると薬品によっては割引を受けることができたり、ポイントをためたりすることができます。それと同じような感じですね。新興薬房の会員数は55万人で、そのうち90%が石家庄市の人です。

 

 新興薬房は会員数を増やすのが得意だといわれており、新店舗を開くにあたり同社のトップは店長に対して2000枚の名刺を交換すること、1000名の会員を登録することを要求し、こういった取り組みを通じて回転10週間以内で5000名の会員登録にこぎつけるそうです。このノルマ結構厳しそうですね。会員が大いに越したことはないのですが、会員になってもらうだけでは意味がありません。ビビッドな会員になってもらうためにはやはりサービス面をおろそかにできません。ということで、はじめたのが24時間無料配達サービスです。これ以外には、無条件返品サービスというのもはじめました。一般的に、薬をいったんあけてしまった場合、返品できないというイメージがありますが、同社ではこれを受け付けるのです。あけてしまってやっぱり買わないとなった場合、あけられてしまった薬品はもう売り物になりません。ところが「そんなの関係ねえ!」そうです。この15年間で何百回も薬のパッケージを開けられてきたものの、実際にその場でいらないといわれたのはたったの2件しかなかったそうです。そんなものなんですかねえ。よく中国で家電製品を買うときなんかは実際に製品が動くのを確認してから持って買えるというようなことをやっていますが、それを応用したものでしょう。でも薬なんて見た目でわからないし、機械みたいに確認することができないし、そういう観点からは意味がないのでしょうが、顧客アピールにはつながっているようです。

 

 このほかの取り組みとしては、会員との緊密な連絡です。連絡といってもSMSを送ったりといった程度ですが、2年間購入記録がなければ自動削除されるというような管理をちゃんと行っており、また季節の挨拶なんかも送っているようです。なんかデキる車のセールスマンみたいですね。

 

 まだまだ中国ではサービスレベルが低いのが一般的です。温厚な私は4年に一回しか怒らないといわれていますが、さすがに店員の対応にかっとくることもたまにあります。でも一部ではびっくりするくらいのサービスを提供するようなところも出始めてきています。一部ですけどね。一般レベルではまだまだだと思いますので。サービスというソフト面で差別化を図っていこうと考えている日系企業も多いですし、それで差別化できているケースも多いと思いますが、突然変異的にサービスレベルの高い地場の競争相手が出てくることは意識しておく必要があるでしょうね。