呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国の金融系の待遇がすごい!

2014年10月30日 | 日記

 中国の大手保険会社で安邦保険という会社があります。この会社の求人案内がすごいのです。何がすごいかというととにかく給料が高いのです。それと、学歴要求や経歴要求があるのはわかるのですが、なぜか身長の要求があります。そこはよくわからないところです。銀行チャネル事業部という部署の求人案内ですが、2つの業務があり、それぞれについて見ていきましょう。

 

1.勤務経験要求なし

 

 

給与

住宅手当

自動車手当

211、985、海外普通大学卒

10,000

4,000

2,000

211、985、海外普通大学院卒

15,000

4,000

2,000

常春藤院校(米名門大学)、

世界トップ10のMBA

30,000

7,000

3,000

(211と985は大学をカテゴライズしたもの。優秀な大学が多い)

そして、身長が男性175センチ、女性が165センチ以上。

 

勤務経験が要求されていないので、新卒も対象になると思うのですが、新卒だとものすごい待遇ですね。

 

 

2.勤務経験要求有

 

3年以上の勤務経験が要求されています。

 

 

給与

住宅手当

自動車手当

211、985、海外普通大学卒

20,000~50,000

6,000

2,000

211、985、海外普通大学院卒

25,000~65,000

6,000

2,000

常春藤院校(米名門大学)、

世界トップ10のMBA

40,000以上

10,000

5,000

 

 そして、同じく身長が男性175センチ、女性が165センチ以上。これはどうしてもわからん。容姿端麗とないだけまだましか。

 しかし、これもまたすごい待遇です。勤務経験3年以上が対象ですが、名門MBA取得者は4万元以上ですよ!手当込だと5.5万元、今のレートだと100万円くらいになります。211、985、海外普通大学院卒の最高値をとると73万元、約130万円になります!今の日系の金融機関が中国の現地人材にどれくらいの給料を出しているのかよく知りませんが、これだけの待遇を出しているところはそうそうないのではないでしょうか。日本メガバンクでもこれだけもらおうと思うとそれなりの年齢と役職が必要になります(駐在員は手当も考えるとこれくらいはあり得ると思いますが)。金融系はどこの国でも高い印象ですが、中国でもここまで高くなってきているとは。ため息が出ます。


19省市で最低賃金標準を引き上げ

2014年10月29日 | 日記

 9月末までで全国の17地区で最低賃金が調整され、その引き上げ幅は14.1%に達しました。14.1%は決して小さな数字ではないと思うのですが、ここ数年の中では最も小さい伸び幅になります。2011年の全国24省市においては平均伸び率22%、2012年の25省市においては平均伸び幅20.2%、2013年の27地区においては17%と、そもそも過去数年の伸び幅が大きすぎると考える方がよさそうです。最低賃金はあくまで最低賃金なので、すべての従業員のこれが適用されるわけではないですが、一応の物差しにはなってしまいますよね。

 

 

 

 円ベースでのお仕事が弊社では多いのですが、最近の円安に加えて人件費を含むもろもろのコストが急速に上昇していると感じてまして、なかなかやりづらい世の中になってきたなあという感じがします。先月大連に行ったときは物価が安いなあと感じたのですが、上海は決して安くない、むしろ高いくらいです。高いなら高いなりの理由が必要なのですが、それを見いだせないものが多いと思うんだな。


中国の住宅価格推移

2014年10月23日 | 日記

 21世紀報道のウェブサイトで主要都市の不動産価格の推移がありましたのでそれを紹介します。なんだかんだ言われていますが、年度で見ますとどこもかしこも上昇していることがわかります。

 今年に入ってからの動きでも緩やかに上がっているところもあれば、頭打ち感が出てやや下がっているところがあります。不動産で引っ張っていくしかないのか、住宅ローン規制も緩和されてます。となると、以下のグラフはまだまだ伸びていくことになるのでしょうか。

 

1.瀋陽

 

 

2.北京

 

3.南京

 

4.天津

 

5.大連

 

6.蘇州

 

7.成都

 

8.深圳

 

9.上海

 

10.重慶

 

11.杭州

 

12.広州


地方支店の銀行員の給与大幅に下落か

2014年10月22日 | 日記

 なんでも銀行貸出の返済遅延が8月9月と増加しているようです。そして、多くの銀行のが不良貸出について給与査定の項目としていることから、去年と比べて中には40%以上給与が減少する人もいるのではないかといわれています。

 

 新聞記事によると、武漢のある銀行員の昨年の年収は40万元くらいだったのが、こちしは昨年の半分にもいかないという話が紹介されています。温州や仏山あたりの不良債権率は高く、給与への影響は他の地方の銀行員と比べると大きいようです。温州のある銀行員によると、いちおう規定では支店に大きな不良債権がある場合、従業員の給与を90%もカットできるそうです!90%のカットなんてあまりにも厳しい!私も日本で銀行員をやっていた時は業績の芳しくない先を担当していました(1998年から2002年くらい)が、こんな激しい給与カットなんてもちろんなかったです(それにしてもあのころはしんどかった。。。)。さすがに90%というのは大げさで、あくまで規定上は可能なだけで、70%ダウンや80%ダウンとなるケースもほとんどないでしょう。しかし、こんな新聞記事で出るなんて、よっぽど不良債権が増えているのでしょうか。ここで、中国建設銀行の2014年6月末の数字を見てみましょう。

 

 

残高

前年比

延滞債権

1204億元

+337億元

不良債権

957億元

+104億元

 

 延滞債権の増加がかなり目立ちます。残高の1/4以上は昨年なかったわけですから。延滞債権は不良債権予備軍ともいえるので、これが大きいということは将来的に不良債権が増加するリスクを抱えているといえます。不良債権比率は1.04%で、これは前年比0.05ポイントの増加となっています。これらの債権の業種ですが、製造業と卸売小売業が多いとのことで、世間一般が思っているような不動産関連はそれほど多くないようです。銀行が不動産関連に融資しない代わりにシャドーバンキングが発達してしまったということも言えるかもしれませんね。


人気の飲食店の損益を見てみよう

2014年10月20日 | 日記

 外婆家というレストランがあります。私は行ったことがありません。とても混んでるのです。混んでるというよりかなり並んでいるのです。ちょっとくらいならともかく、かなり並んでいるので、並ぶのが嫌いな私は結果として一度も言ったことがありません。そんなにおいしいのかね?おいしいかどうかはともかく、この外婆家の損益表(推測ですが)で損益構造を見てみましょう。

 

 300席×60元(単価)×4回転=72,000元(一日当たり売上)

 食材コスト:45%

 光熱費コスト:5%

 税コスト:5%

 以上を通算したうえでの粗利率は45%となります。

 ということは、一日当たりの粗利益は32,400元となります。一か月だと985,500元になります。さて、ここからその他コストを引いていきます。

 給与:240,000元(平均4000元×60人)

 賃料:146,000元(8元/日/㎡で600㎡を前提、売上高対比約6.7%と中国内としてはかなり低い数値となっています)

 福利48,000元(給与の20%で計算)

 通信:3,000元

 事務費:1,000元

 メンテナンス費用:1,000元

 接待費:2,000元

 その他:3,000元 

 これら小計で444,000元となります。

 これらを通算すると毎月の利益は約541,000元となります。年間で約650万元になります。もうかったら所得税を払わないといけないのですし、ここでは償却負担も含まていませんが、面倒なのでここでは無視します。そして投資した金額が4百万元とすると約7か月で元が取れてしまうという計算です。

 

 全体的に見ますと、私が見たことのある店舗立地からすると賃料設定もちょっと低いかもしれません。なので、中国の相場観から見た場合賃料比率がかなり低いように思えます。賃料を仮に2倍にすると毎月の利益は395,000元、年間だと474万元の利益になります。これでも1年以内に回収できるので十分いいと思うのですが。聞いている話だと回収にはもっと時間がかかるように思うのですが、人気店だと違うのでしょう。以下はこの文章の元となった表です。ご参考ください。