オンラインゲームに対する審査権限がごちゃごちゃしてきている。今年7月に新聞出版総署が輸入オンラインゲームの審査批准管理を強化する通知を発表した。新聞出版総署がオンラインゲームの前置審査と運営状況に対して全面的に把握し整理することを目的としており、オンラインゲームの経営範囲を有するインターネット出版許可証を持たない企業はオンラインゲームの出版運営に従事してはならないというものだ。特に強調しているのは、いかなる企業も中国国内でオンラインゲーム出版運営サービスに従事してはならず、新聞出版総署の前置審査を経なければならないとう点だ。
と、一ヶ月前はこんな記事が新聞で見られていたが、これに関してまた騒がしくなってきた。
《魔獣世界》というオンラインゲームがあるのだが、新聞出版総署が《魔獣世界》の審査をストップし、《魔獣世界》の出版導入申請を返却すると発表した。
これに対して、文化部が《魔獣世界》の内容審査は7月21日に既に終わっており、このゲームの運営は完全に合法だと発表した。要するに新聞出版総署と文化部がまったく反対の見解を出したのだ。9月に《国務院〈「三定」規定〉と中央編弁の関連解釈を徹底的に実現し、一段とオンラインゲームの全市審査および輸入オンラインゲームの審査管理を強化することに関する通知》というものが発表されているが、あらためてこの内容を振り返ってみよう。
1.新聞出版総署の前置審査を経てインターネット出版許可証を持ってはじめてオンラインゲーム運営サービスに従事できる
2.新聞出版総署の前置審査を経ていないオンラインゲームはネット配信してはならない。新聞出版総署が前置審査したオンラインゲームはネット配信することができ、文化部は再審査をしない。
非常に明確だ。でも新聞出版総署と文化部の見解は正反対だ。なんでこうなるかなあ。どうも文化部からするとオンラインゲームは出版物ではなく、オンラインゲームは文化部こそが管理すべきだと考えているらしい。文化部は「オンラインゲームのネット出版」とはオンラインゲームの出版物であり、「前置審査」とは工業信息化部門の許可を経て、インターネットを通じてネットユーザーにサービスを提供する前に、新聞出版総署がオンラインゲーム出版物に審査を行うことであるとしている。要するに文化部は出版物とはあ一種の有形の媒体で、オンラインゲームはゲームユーザーに対してダウンロードを提供するものであり出版物の範囲内に属さず、したがって文化部が管理すべきものだということだ。
別にどんな見解を出してもかまわないが、この状況であれば二つの部門が完全に対立してしまっているので受け入れ側としては困惑せざるを得ない。二部門とも同じ回答であればともかく、このように異なる見解を出されると対応に困ってしまう。なんとか見解の統一を図ってほしいものだ。