呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

居留証2年間延長に成功!

2009年11月27日 | 未分類
  早いもので上海に駐在して早7年たつ。今年も居留証延期手続きの季節がやってきた。7年もいるのでいつもどおりの1年ではなくて2年で申請してみようとふと思った。まずは就業証延期手続き。これはあっさりとクリア。いよいよ居留証延期手続きだ。1年延期の場合は代理人手続きが可能だが、複数年だと本人が窓口に行く必要がある。パスポートを去年切り替えたばかりなので古いパスポートを持っていったほうがいいと総務からアドバイスを受けていたのだが、探すのも面倒であり、また出入国管理局にデータが残っているはずなので、古いパスポートを持たずに行った。出入国管理局のデータで私が7年いるということはわかっているのだが、連続勤務5年以上じゃないので手続きできないといわれた。

窓口 「連続5年以上の勤務じゃないとだめだが、あなたはその条件をクリアしていない。」

私  「は?毎年居留証延期手続きしている記録が残っているでしょうが。」

窓口 「あなたの2004年以降の居留証延期手続きは被扶養者としてのものであり、勤務者としてのものではない。」

私  「つまりなんですか、嫁が私を養っていたということか?」

窓口 「そういうことだ。」

私  「明らかに登録内容が間違っている。」

窓口 「それはあなたが証明することだ。こちら側の問題ではない。」(この言い方がまたむかついた)
    「文句があったら上司に言ってくれ。」

私  「ぐおらあああああああああああ!!!!!!」(少しエキサイト!)

 結局、副処長(窓口担当者の上司)のいる特別窓口で処理してもらい受理されたわけだが、出入国管理局の記録では私は5年間も被扶養者だったようだ。何じゃそりゃ。何でこの状態が5年も続くかなあ?

ピザハットのサラダバー、さようなら!

2009年11月26日 | 未分類
  この写真を見てくだされ。



  知っている人もいるかと思うが、これは実はピザハットのサラダバーである。ビザハットのサラダバーは一回こっきりという制限があるため、多く盛れば盛るほどお得だ。そして、写真のような見事な作品が出来上がるわけだ。あたかもビルを建てるかのようにパイナップルをレンガに見立て、ドレッシングをセメントに見立て、大根を鉄筋コンクリートに見立て、とうもろこしや干しぶどうを隙間を埋めるために利用するという技が使われたりしている。まさにサラダバー職人、サラダバーマスターだ。

  ところがピザハットのメニューからサラダバーが消えつつある。さらに、新規に開設する店舗にはサラダバーというメニューが組み入れられないとのことだ。多くの人がたかだか32元のサラダバーでこんなことをされると儲からないからだという見方をしている。ピザハットはこの見方を否定し、「サラダバーは既にお客さんを満足させられなくなっている」とのコメントを出している。うーん、余り納得感がえられないコメントだ。みんな楽しんでいるのに。いずれにせよ、サラダバーというメニューがどんどんなくなっていくので、これからはサラダ建築がどんどん見られなくなってくる。ひとつの時代の終わりを告げる出来事といえるだろう(ちょっと大げさかな?)。

税関が最近厳しい

2009年11月25日 | 未分類
  常熟の知り合いによると、税関の人事異動によりいままで付き合っていた税関職員がかなり入れ替わり、あたらしく蘇州から税関職員がやってきたそうだ。せっかく今まで築き上げてきた税関との関係がこれで振り出しに戻り、また一から関係を築き上げていく必要があるとぼやいていた。それだけならまだいいが、新しく来た税関職員たちがやたらと厳しいことを行ってくるそうだ。やれ保証金を積み増しするだとか、免税設備のリストを出して来い(免税設備が申請どおりに使用されているかどうかのチェック?)だとか、資金負担を増やすようなことを言ってくる。特に後者はいったん取得した奨励類プロジェクトの資格を剥奪しかねないというような話だ。つまり、商務部門が奨励類プロジェクトと認定したものを税関が認めないかもしれないということだ。数年前に蘇州で同じようなことがあったが、蘇州税関の職員がやってきたということで同じようなことを始めようとしているのだろう。皆さんの所在地では同じような動きありますか~?

2009年上半期検索キーワードランキング

2009年11月24日 | 未分類
  このブログにはアクセス解析機能というものを組み入れており、これによりどのようなキーワードで検索してたどり着いたかがわかるようになっている。このブログのアクセス数もそれほどたいしたことはない(読者の方々、宣伝しておくんなはれ!!!)が、何かしら傾向が見えるかもしれないと思いちょっと整理してみた。



 1月は残念ながらデータがなく、2月以降のデータのみであるが、上半期の検索キーワードで今年を振り返ってみようと思う。

  2月のキーワードで目立つのが「増値税」だ。おそらくデータが残されていないが1月も「増値税」が多かったものと思われる。なにせ今年から増値税改革が行われたからだ。これにともない、固定資産の仕入れ税額控除が可能になるとともに、設備免税輸入制度が廃止された。外商投資企業向けの代表的な政策が大きく転換することをもたらした改革である。

 3月になって「特別納税調整実施弁法」が上位に入ってきているが、これは2月から既にランクインしている。
1月にニュースレターを配信しているが、いわゆる移転価格に関する通達だ。これは4月にも上位にランクインされている。

  また、同じく3月だがこの月のトップキーワードは「来料加工」である。4月から6月にかけても上位を占めている。1月に「来料加工」に関する記事をアップしているが、3月から6月にかけてはアップしていない。とはいうものの、この頃あたりから来料加工工場の現地法人化に注目が集まりはじめたものと思われる。

 5月にはいると、就職活動が一気に上昇した。4月からランクインしているキーワードだが、5月・6月とトップをキープした。大学生の就職難の記事自体は1月と4月にアップしているが、5月あたりから注目度がアップしている。

  6月には以旧換新がランクイン、ちょうど内需拡大のための買い替え補助政策が発表されたのと同じ時期だ。

 こうしてみると、思いつきで整理してみたのだが、検索キーワードもなかなかそのときの関心事を示していることがわかる。次回は7月~9月分について整理してみたいと思う。

労働紛争での賠償請求額なんと996万元!

2009年11月23日 | 未分類
  元従業員が会社に対して996万元の賠償を請求する裁判が無錫新区の裁判所に提訴された。996万元とはこれまた大きく出たものだ。原告は最初労働仲裁委員会に5000万元の賠償を請求していたが、却下されたため裁判に訴えることとなった。ここでなぜこのような莫大な金額を請求するような裁判を提訴したか、その背景を見てみよう。

 無錫新区の某企業で働いていた張氏は2007年に贈賄罪で懲役一年の実刑判決を受けた。そして一年の刑期を終えた張氏は、「自分が犯した贈賄罪は、仕事上のものであるため自分ひとりが刑事責任を負うべきではない。また、贈賄罪という罪は自らの将来に及ぼした影響が非常に大きい」という理由から訴えるにいたったのである。会社としては刑事事件を起こした社員を解雇したということであるが、張氏は会社のために行ったので、会社が個人に対して償うべきだという考えだ。

  結局、裁判所も張氏の主張を支持しなかった。会社のために社員が行った行為が罪に問われ、挙句の果てには会社から切り捨てられるとは、昭和のドラマのような話だ。なんとなく贈収賄が多いイメージのある中国、これからもこんな話があちらこちらで出てくるだろう。

中国オンラインゲーム ~はっきりしてくれ!~その2

2009年11月21日 | 未分類
  文化部が《一段とオンライングームの内容管理工作の改善と強化を行うことに関する通知》というものを公布した。この中で、「輸入及び国産のオンラインゲームの内容の審査備案管理の強化」というものがうたわれており、「文化部はオンラインゲームの内容の審査機構及び人員を一段と調整充実させ、オンラインゲーム審査技術要求と工作フローを改善し、そしてオンラインゲーム製品の発展変化に基づいて、内容審査催促を改正改善する」とある。これは「新聞出版総署の前置審査を経ていないオンラインゲームはネット配信してはならない。」を完全に無視した内容といえるだろう。新聞出版総署が公布した通達に対して文化部はその通達を否定するコメントを出していたが、今回は通達という形で否定したのである。こりゃケンカですなあ。

クローンタクシー

2009年11月20日 | 未分類
  クローンタクシーという言葉を聞いたことがあるだろうか。まさにタクシーのクローンのことである。上海で言うと大手どころのタクシー会社はボディーが水色の大衆、黄色の強生、白色の錦江、緑の巴士といったところがある。通常はこれらのタクシー会社の車両に乗るとまず問題ないのだが、個人で車を購入して勝手に仕様をタクシーと同じにしている非正規のタクシーがあるのだ。これがクローンタクシーだ。

  ある日のことだ。運悪くこのクローンタクシーに乗ってしまった人がいる。当然乗ったときにはクローンタクシーなどと知る由もない。下車時にタクシー代を精算する際に交通カード(交通機関用のプリペイドカード)で精算しようとした。ところがうまくカードが反応してくれない。たまたまもう一枚持っていたのでそれを出したところ、そのカードもうまく反応しない。さらにもう一枚持っていたのだがこれも反応しなかった。しょうがないので現金で精算したのだが、なんと1500元もの損失!痛い!2万円以上ですよおおおおお!

  このクローンタクシーは結局その後つかまってしまったのだが、非正規のにタクシーなのに運転手は交通カードで回収したこの1500元をどうやって現金化しようとしていたのかが気になってしょうがない。

合弁相手のお人柄

2009年11月19日 | 未分類
  最近とある案件がクロージングした。正確には細かな手続きがまだ残っているので本当に終わったというわけではないのだが、肝心な部分が全て終わったという意味でのクロージングだ。

  場所は中国内陸部。案件内容はここに所在する地場企業に対する日本企業による出資だ。余り細かなことはいえないが、色んな通達を適用し、またできるだけ顧客の要望にこたえるようにちょっとしたスキームを考えた。われながらしびれるようなグッドアイデアだと思う。しかしながら何せ場所は内陸部、こちらが正しいと思っていることでもお役所から「知らない」の一言で済まされかねない。対抗するためには根拠を示すしかない。根拠を示せばお役人といえども抗弁できなくなるはずだ。この案件のスキームは3ステップに分かれるが、詰まってしまったのは第2ステップの部分だ。最終的に理解が得られ第3ステップまで進み、批准を受けることができた。顧客にとっても数年越しの話でもあり、当時の社長(前社長)までわざわざお越しになられセレモニーに参加された。前社長も現社長を含めた幹部の方々も本当に嬉しそうだった。その嬉しそうな表情を見て私もとても嬉しくなった。

 ただし、これはあくまで合弁会社ができたというだけの話であり、大事なのはこれからだ。昨日中国における合併買収案件の60%が期待通りの成果を上げていないという記事を書いたばかりだ。この記事の中では双方の企業の「文化」をどう融合させるかが大事だと書いてあり、これに関して全く持って異論はない。しかしながらもうひとつ付け加えたい。今回の案件で日本企業の前社長が宴席の場で最後にスピーチされたのだが、「世界中いろんな国と合弁会社を設立してきた。どんな合弁会社が成功するか、それはひとえに合弁パートナーのお人柄による。だから今回できた合弁会社も間違いなくうまくいく!」と力説された。お人柄がよくなければ文化の融合なんてできない。数字や資料の中で見えないもので、話し合いの中で感じ取るべき部分をここに見たように思った。

企業合併買収の60%が当初期待を実現しておらず

2009年11月18日 | 未分類
  トーマツが《中国企業の合併買収後の文化融合調査報告》を発表した。これによると、2009年の第一四半期において、中国が関係した合併買収の取引金額は次のとおりだ。
 
種類
金額
中国企業間に合併買収
82億米ドル
中国企業による海外企業の合併買収
49億米ドル
海外企業による中国企業の合併買収
229億米ドル
 
  そこそこの金額といえるだろう。しかしながら、この中の60%の企業が必ずしも合併買収により期待していた商業価値を実現しておらず、そしてその3分の2が失敗の原因は合併買収後の文化の融合がうまくいかなかったことによるものと感じているという結果が出ている。多くの企業が合併買収後の企業文化の融合に関心を持ち、相応の対策を打っているようだが、実際にはそれほど効果的ではないようだ。
 
  合併買収前の期待感についてだが、55%の企業が合併買収前に期待していた文化融合モデルを融合式、つまり合併買収双方が文化上互いに浸透させ、補い合い、各々が調整を行うものだとしている。そして35%の企業が被合併買収側が元々有する文化体系を完全に放棄し、合併買収側の文化を採用することを期待している。しかしながら、実際の調査によると、60%の企業が合併買収後の新会社の文化は合併買収側の文化を受け入れており、30%の会社について双方が融合した文化となっている。この結果は合併買収前に考えていたこととは一致していない。
 
  ズレはこれだけではない。75%の企業が合併買収後に使命、展望及び戦略目標を制定しているが、以下のような結果が出ている。

 
新会社の希望や価値観の宣伝が十分でないまたは不明確で
あると思っている
40%
管理層が政策決定方式の選択において双方の文化と優勢分
野の差異を十分に考慮できていない
15%
従業員がポイントとなる業務要求に対する理解、例えば品質、
効率のバランス、長短期利益のバランス方面に一致を達成で
きていない
15%
 
   成功している企業のは二つの特徴があるという。
 
  1.一強一弱の合併買収
  合併買収後の新会社は合併買収側の文化特徴を主とするが、だからといって被合併買収側の文化を否定せず、むしろ良い部分を吸収し、元々の文化に対してより改善した革新的なものとする。
 
  2.強強連合の合併買収
  合併買収後の新会社は十分に互いの文化を尊重し、相互に補い合い、「第三種の文化」を形成する。
 
  ただし、現在のところ中国国内企業の大部分の合併買収においてこの二つのような動きはなかなかみられていない。
 
  大部分の企業が合併買収後の文化の融合を重視すると発表しておきながら、現実には合併買収後の初期段階において、文化の相互受け入れに対して十分重視されていないようだ。重要度は高いと思っているものの優先度が低いというほうが正しいだろうか。異文化の融合はそれほど難しいということだ。合併買収前に相手企業に対する財務・法務を中心とするデューデリジェンス、あるいはさらに踏み込んだ将来どうなるかという意味での事業性や業績改善の可能性、将来キャッシュフローに対して、影響を与える要素を把握するためのビジネスデューデリジェンスで行ったりするが、これらのプロセスでは企業文化についてはなかなか見えづらい部分もあるだろう。実際の話し合いの中で感じ取ることになるだろうし、実がこれが一番大切なのかもしれないと思ったのであった。

民の官に対する勝訴率はわずか3%足らず ~東莞~

2009年11月17日 | 未分類

  東莞市第一人民法院の統計によると、2007年から2009年上半期の、民が官を訴えた行政機関関連の訴訟案件が709件あり、原告の勝訴率が3%に満たないという結果が発表された。社会保障局が訴えられた案件は3年連続して首位であった。
ここ3年間において、行政機関の敗訴率は3%を超えておらず、これは全国水準よりもかなり低い。以下が統計結果である。勝訴率及び敗訴率は行政機関から見た数値である。 
 

 
訴訟受付
結審率
勝訴率
敗訴率
2007年
246
100%
69%
2.4%
2008年
303
100%
73.3%
3%
2009年上半期
160
100%
61%
2.9%

  勝訴率と敗訴率を足し合わせて100%にならないのおそらく引き分けっぽい判決や和解が混じっているからだろう。いやあ、しかしそれにしても官は強い!強すぎだ!

  東莞の特徴として社会保障局がらみの訴訟案件が多いことが挙げられる。毎年コンスタントに100件前後あり、2007年、2008年、2009年上半期は各々案件総数の40%、29%、25%を占め、行政機関がらみではトップの位置にある。その多くが工傷認定に関する紛争である。いかにも工場が集中している東莞という地域の特徴が良く現れているといえるだろう。

  社会保障局の工傷認定案件数が多い理由として以下のものが挙げられている。

  ① 雇用単位側の工傷保険付保率が低く、雇用単位は訴訟という方式でもって賠償金支払いの引き伸ばしを図る
  ② 訴訟コストが低い(訴訟一件につき50元)
  ③ 法律の条文であいまいなものがあり、工傷認定に対する見方が分かれてしまう
  ④ 労働者の権利意識の高まり

 以上の理由であれば今後も公傷認定関係の訴訟は減少していかないだろう。しかしながら、②、③、④はともかく、①の理由についてはまじめにやっている企業にとっては関係ない話だ。とはいうものの、とある地方で聞いた話だが、社会保障関係をまじめに付保していないのが当たり前になっているところがあるようで、そのような地域でまじめに付保するとかえって周りから後ろ指を指されてしまうそうだ。社会保障を付保しないわけだから当然コストは安くなるわけだが、実際に問題が起こったときのことを考えると話したそのような地域に進出すべきか疑問が残る。なんだかんだいってこれからも進出する企業もまだあるだろうが、進出に際してはこのあたりのリスクについても検証する必要があるといえるだろう。


上海における娯楽場所管理の強化

2009年11月16日 | 未分類
  娯楽場所という響きは日本的感覚からするとゲームセンターやカラオケボックスのようなところをイメージすると思う。中国でもそういうところが含まれるのだろうが、どちらかというと風俗業的なネガティブなイメージでとられられることについて理解できる人も少なくないだろう。

  新聞報道によると、今年に入って以来上海市公安は取締りを強化し、売春等の犯罪に対して4000余りを摘発し、380余りの場所を業務停止させたとのことだ。そして、上海市において公安機関が娯楽場所管理を強化するための六大措置を推し進めると発表した。六大措置に含まれる主な内容としては次の通りだ。

 ①連合連動での法律執行機能の執行
 ②娯楽場所管理統制標準の執行
 ③従業人員実名登記
 ④娯楽場所への備案登記制度の執行
 ⑤安全検査設備の配備(⇒どんな設備なんだろうか?)
 ⑥禁止物品を入れないこと

  上海では既にICカードによる従業登記を行っているものが10万人ほどいるそうだ。

  新聞の中で取締りを行った二つの例が紹介されているが、ひとつは浦東新区の東昌路のSPAで、もうひとつが松江の美容室や足マッサージ屋の例だ。特に東昌路は陸家嘴ビジネスエリアにあり、要するに私に勤務している会社の近くにあるので、あんなところでもそんなことがあったのかとちょっと驚いたのであった。日常生活の中であまりにも身近な場所にあるというのが日本と違うところである。そのせいもあってついついふらっと行ってしまう人もいるのだろう。いずれにせよ厳しく取り締まりつつあるようで、うかつな行動は慎みましょう!

中国オンラインゲーム ~はっきりしてくれ!~

2009年11月10日 | 未分類
  オンラインゲームに対する審査権限がごちゃごちゃしてきている。今年7月に新聞出版総署が輸入オンラインゲームの審査批准管理を強化する通知を発表した。新聞出版総署がオンラインゲームの前置審査と運営状況に対して全面的に把握し整理することを目的としており、オンラインゲームの経営範囲を有するインターネット出版許可証を持たない企業はオンラインゲームの出版運営に従事してはならないというものだ。特に強調しているのは、いかなる企業も中国国内でオンラインゲーム出版運営サービスに従事してはならず、新聞出版総署の前置審査を経なければならないとう点だ。

  と、一ヶ月前はこんな記事が新聞で見られていたが、これに関してまた騒がしくなってきた。《魔獣世界》というオンラインゲームがあるのだが、新聞出版総署が《魔獣世界》の審査をストップし、《魔獣世界》の出版導入申請を返却すると発表した。

 これに対して、文化部が《魔獣世界》の内容審査は7月21日に既に終わっており、このゲームの運営は完全に合法だと発表した。要するに新聞出版総署と文化部がまったく反対の見解を出したのだ。9月に《国務院〈「三定」規定〉と中央編弁の関連解釈を徹底的に実現し、一段とオンラインゲームの全市審査および輸入オンラインゲームの審査管理を強化することに関する通知》というものが発表されているが、あらためてこの内容を振り返ってみよう。

  1.新聞出版総署の前置審査を経てインターネット出版許可証を持ってはじめてオンラインゲーム運営サービスに従事できる

 2.新聞出版総署の前置審査を経ていないオンラインゲームはネット配信してはならない。新聞出版総署が前置審査したオンラインゲームはネット配信することができ、文化部は再審査をしない。

 非常に明確だ。でも新聞出版総署と文化部の見解は正反対だ。なんでこうなるかなあ。どうも文化部からするとオンラインゲームは出版物ではなく、オンラインゲームは文化部こそが管理すべきだと考えているらしい。文化部は「オンラインゲームのネット出版」とはオンラインゲームの出版物であり、「前置審査」とは工業信息化部門の許可を経て、インターネットを通じてネットユーザーにサービスを提供する前に、新聞出版総署がオンラインゲーム出版物に審査を行うことであるとしている。要するに文化部は出版物とはあ一種の有形の媒体で、オンラインゲームはゲームユーザーに対してダウンロードを提供するものであり出版物の範囲内に属さず、したがって文化部が管理すべきものだということだ。

  別にどんな見解を出してもかまわないが、この状況であれば二つの部門が完全に対立してしまっているので受け入れ側としては困惑せざるを得ない。二部門とも同じ回答であればともかく、このように異なる見解を出されると対応に困ってしまう。なんとか見解の統一を図ってほしいものだ。

ウォルマートがついに広州に進出

2009年11月09日 | 未分類
  ウォルマートは珠江デルタにおいて東莞、汕頭、湛江、韶关、江門、茂名等において既に少なくとも20余りの店舗を開店しているが、広州へは進出できていなかった。そしてようやく13年がかりで広州に進出した。

  大手スーパーの好又多、万客隆は本部を広州に設け、ウォルマートは本部を深圳に設けた。ウォルマートは本部管理性を実施している。家楽福(カルフール)等の小売業者が一般的に採用する地域管理性との最大の違いは、ウォルマートは中国のどこかの都市に出店した場合、税収を全て本部所在地の財税部門に納めることになる。いいかえると、ウォルマートが広州で稼いだものは全て深圳に納めることになる。こういうことなので、広州はウォルマートの受け入れに対して前向きではなかった。広州市政府がウォルマートに出した条件は、中国本部または決済センターを広州に移すこと、さもなくば広州に地域管理制を採用し、広州で稼いだお金を広州で納税すること、というものであった。結局ウォルマートが選択したのは後者で合弁会社を設立して出店するというものであった。広州はウォルマートの本部を移させることをあきらめたが、深圳本部の分支機構ではなく独立法人として開店させることにあったので、広州で稼いだお金は広州で納めるということで決着したのであった。いかにも地域保護主義的は話であり、この業態に限らず全国展開するような場合、このようなケースに直面することを想定しなければいけないのがいかにも面倒だ。

  さて、今後は中国国内の小売市場についてみてみよう。ここ最近の特徴としてはミドルエンドから両側に、つまりハイエンドとローエンドに分散して行っている。ミドルエンドに位置している伝統的な百貨市場は飽和しており、高級品を専門的に販売する高級百貨店や専門店がアウトレットに転換していくのが今来年のモデルチェンジの方向といわれている。また、スーパーは粗利が低すぎる(正常なスーパーの粗利は8-12%の間、価格戦を行うと5-6%まで下落し、マイナスとなることもある)こともあり高級スーパー・百貨店へのモデルチェンジを図ろうとしているところもある。高級スーパー・百貨店の粗利は18-22%の間は固く、衣類のみを取り扱う百貨店は最高で総合粗利が26%に達することができると言われている。

  このほか、大手小売業者は空白地帯となっている市場を取り込むため、三四線都市の商業資源を奪おうとしている。「大が小を飲み込む」という局面が国内二三線市場ひいては一線市場の郊外地区で頻繁に見られるようになりそうだと言われている。今後の各小売業者の動きに注目だ。

最近の上海オフィス賃料状況

2009年11月08日 | 未分類
  世界的会計事務所であるアーンスト&ヤングが浦西エリアの越洋広場を退去して上海環球金融中心(SWFC)の43~50階まで入居することになった。同ビルの最大のテナントになる。ここで新聞等で紹介されている賃料水準等についてみてみよう。

  SWFCが対外的に出している賃料は15元/㎡/日だそうだが、同ビルの所在する陸家嘴エリアのオフィスの一般的な賃料水準は6~7元/㎡/日程度だそうだ。空室率が上昇している状況において、多くのAクラスオフィスはフリーレント期間を長く設けたりすることで、表面的な賃料は大して値引きしないものの、実質的な賃料が結構なディスカウントとなっているケースがある。

 新聞報道によると7月時点でのSWFCの入居率は1月の4割から今では5~6割の間にまで上昇したものの、賃料は8-10元/㎡/日レベルにあるという。2007年末時点では20元/㎡/日に達したこともあったが、その当時と比べるとかなりの下落だ。

 
ジョーンズラングラサールが最近発表した第三四半期の上海CBD地域のA級オフィスの平均賃料は6.1元/㎡/日にまで下がってきており、その中でも陸家嘴エリアのA級オフィスの平均賃料は5.9元/㎡/日まで下がってきている。浦西CBDのA級オフィスも4.4%下落し、6.3元/㎡/日まで下がってきている。


上海A級オフィスの供給増、吸収量および空室率(1997年~2009年第三四半期)
(出典:第一財形日報)


上海第三四半期A級オフィス市場データ
(出典:第一財形日報)

 賃料下落の原因は景気が落ち込んだことも一因であるが、もう一つの要因としてはオフィスの供給量が増えすぎたことだ。
CBリチャードエリスによると去年のオフィス供給量は111万平方メートルに達し、これはその前三年間の2.4倍にもなる。そして今年のオフィスの供給量は87万㎡に達しており、需給関係から見てマーケットの回復ななかなか難しい状況にある。

  さて、今後はどうなるのだろうか。高力国際が明らかにしたデータによると、2009年通年の賃料の下げ幅は15%程度に達し、2011年に底を迎えてから回復すると予測している。陸家嘴エリアでは
上海センターも建設中で2014年の竣工が予定されている。これよりも前にマーケットが回復するということだ。現在建設中のビルもあるが、このマーケットの状況だ。オープン時期によって賃料が大きく左右されそうだ。

偽札

2009年11月07日 | 未分類
  中国で生活している人であればお札の受け渡しに当たり入念にお札をチェックされたことがない人はいないだろう。買い物のとき、タクシー代の支払いのときなんかがそうだ。これは要するに偽札をつかまされたくないことから生じる自己防衛の行動だ。

 今年1月以来、上海での偽札事件を190余り摘発し、容疑者を280人余りを逮捕、押収した偽札は1100万元余りに上った。上海で偽札が1000万元を越えたのは初めてのことだ。警察の分析によると、偽札は自動販売機に狙いをつけ始めているということだ。

  傾向として偽札が増えているようだ。なにせ中国では小額紙幣ですら偽札が流通しているからややこしい。

  人民元の自由化というものが最近ではしばしば話題になるが、どうも偽札が多いというのも自由化する上での障害らしい。一部で貿易代金の人民元決済が始まっているもおのの、それほど活用されていない。国際間決済で実際にお札を目の当たりにすることはないが、ひょっとするとこんなところが原因になっているのかもしれない。