呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

薬局での非薬品の取扱いが増加

2010年08月31日 | 日記

 中国薬品小売発展研究中心(MDC)が発表したところによると、2009年の中国薬品末端市場の規模は5818億元に達し、前年比20%近くの伸び率となっている。このうち、74%にあたる4300億元余りが病院を通じてのもので、純粋な小売市場は全体の26%の規模に過ぎないという。2009年の薬局の総数は38万、チェーンストア企業は1994ある。そしてトップ100にランクインしているチェーンストア企業の販売総額は40%程度を占めており、前年比5ポイント増加している。

 

 


 20093月に発表された新医改(医薬衛生体制改革の深化に関する意見)では、「住民の医者にかかる費用負担を有効に軽減、医者にかかるのが難しい、医者にかかるのは高いという状況を適切に緩和する」というのを短期間で実現することを目標とし、そして、「都市住民を健全にカバーする基本医療制度を構築し、一般大衆に安全、有効、便利、廉価な医療衛生サービスを提供する」ことを長期目標としている。そして、新医改実施後の薬品小売業に変化が生じた。新医改により、医療保険範囲が拡大され、消費者にとっては病院に行くことで国家の補助が受けられることから、自ずと業院を選好することになった。そのため、小売薬局の市場シェアが減少し、病院の販売比率が上昇したのである。また、薬局の取扱い品も保健品や化粧品にシフトして行っている。一般的な薬品は利益率が低く、そのため保健品や化粧品にシフトして行っているのだ。「マツモトキヨシ化」していってるといえる。

 

 41都市での小売市場データでも小売薬局は非薬品に重点がシフトしているという結果が出ている。2009年の非薬品販売は薬品販売を大きく上回っている。そして、非薬品の中でも保健品とその他日用品及び食品類商品市場シェアが2008年比増加しており、この二大類別は小売薬局の多角化経営がはじめに選択する品種で、また保健品の販売はその4割程度を占めている。

 

 保健品、化粧品といえば日本企業は得意分野といえよう。どちらも許認可がうっとうしい品目だが、実際にWatsonsも上海だけ工商登記ベースで約80店舗あり、ビジネスとしてのチャンスはあるといえるだろう。


基本に立ち返ろう

2010年08月31日 | 日記

 マッキンゼーが発表したところによると、2009年の中国の年間消費額は3.4兆元(約42.5兆円)に達している。とにかく膨大な数字だ。そりゃあ中国国内での販売を考えたくもなるわけだ。さて、さらにその発表の中身を見ていこう。

 

1.中国消費者の新たな特徴


 中国の消費者の新たな特徴というものが見え始めてきている。

(1)これまで中国の消費者の収入水準は低く、大部分の消費は生活必需品(主に食品及び衣服)に向けられ、食品だけでも家庭消費支出の30%を占めていた。その後所得が増加するにつれ、消費者の消費構成における非生活必需品及び半生活必需品の比率がどんどん大きくなって来ている。


(2)中国の消費者は消費の頻度が下がってきている代わりに一回あたりの消費金額が増加してきている。欧米では一回あたりにどっと買い物する人が多く、中国でも買い物の傾向としては欧米化しつつあるといえる。


(3)中国の消費者が買い物する主たる要因は商品の成熟度と機能性がトップ、次に感覚、つまり自分に合うかどうか、自分の家庭に価値があるかどうか等だ。中でも、家庭の要素がどんどん大きくなってきており、他国の消費者よりもここのポイントが大きい。


(4)中国の消費者は往々にして価格の高い商品の品質が良いと考える傾向にある。

 

2.都市群マーケティング


 都市群、報告の中では地理的位置という言い方もしているが、これが消費と生活態度の重要な要素となっている。例えば、深圳では
85%の外来人口がおり、多くが商品購入を決める要因としてテレビ広告を挙げている。一方、広州では現地人が75%を占め、口コミが重要なマーケティングの手段となっている。これは深圳と広州が二つの異なる都市群であることの証明といえる。

 

 そして、報告の中で都市群マーケティングにおける三つの主な順序というものが紹介されているので、ここで紹介しよう。

 

(1)   製品品種と製品組み合わせの調整を行うこと。

 都市によって好みは異なるので、そのあたりを読み違えないこと。

(2)   どのようにブランドを作り上げるかを考えて市場マーケティングを行うこと。

 現地でもっとも有効な伝達方法は何か、これによりコストパフォーマンスの最も良いマーケティングを行うことができる。

(3)   どのようなチャネルと方式を通じて販売を行うかをはっきり考えること。

 都市によって消費者のスタイルが異なる。そのため販売のスタイルを使い分ける必要がある。例えば、北京の消費者はデパートで買い物するのを好むが、上海は専門店で買うのを好むというのがひとつの例だ。

 

 

 要するに中国での販売は中国消費者の消費性向がどうなっているかを把握する必要があり、しかしながらそれを闇雲にやってもしょうがない。なぜならば、中国は場所が広大であり、地域によっても特徴が異なることから、都市によってどのように進めていくべきかを見極めていく必要があるということだ。まあ、当たり前のことといえば当たり前だ。ものすごく当たり前だ。ただ、調査を行った結果あらためてその当たり前のことが明らかになったわけで、この当たり前の結果に対して売り手側としてはピンとはずれな動きをしないようにしないといけない。しかしながら現実にはピンとはずれな動きを見せてしまう企業もいる。中国消費者の好みを真剣に考えることなく、自社の自慢の商品を売ってしまうのが典型的な例だ。また、中国で知名度がないにもかかわらず、それをカバーするような動き、例えば広告であったり、プロモーション活動であったりだが、こういったものに力を入れない例も見られる。お金をかけられないのならそれを知恵でカバーしないといけない。その知恵をひねり出すことができなければ後は運に頼るしかなくなる。さすがに運だけに頼るわけには行かない。特に上海なんて世界中のありとあらゆるタイプの企業が進出してきているので競争が厳しい。やはり基本に立ち返ってどのような商品が受け入れられやすく、どのようなチャネルが効果的で、どのように消費者に知ってもらうか、これらを研究することに集中して知恵を絞っていくことが必要だといえよう。


外資系企業のハイエンド設備価格が大幅値下げ

2010年08月28日 | 日記

 外資系企業のハイエンド設備価格が大幅に値下げされている。電力関係だが、GE、シーメンス、アレヴァ、ABBといった外資企業のミドル・ハイエンドの設備は中国国内の同類製品よりも30-50%高かったのが、値下げ後は一部の設備については中国国産品よりも安くなっているという。従来外資系の値決めというのは「コスト+合理利益」ではなく、その商品力を以ってできるだけ高く値決めするという傾向があったとのことのが、中国企業が力をつけてくるにつれ利幅が減ってきている。このような状況の中、外資は値下げに踏み切ることでシェアを維持しようとし、これに対する中国企業の対抗策はやはり値下げになってしまっている。結局これだと中国企業のダメージも大きい。


 外資系がこのような動きをしてきているのは国内市場を獲得していこうという狙いと中国企業の自主革新を阻むことが目的だという見方がある。中国企業がせっかく研究開発してもその芽が出ないようにさせるのだ。別の見方としては、外資企業の現地化が進んだことでコストが引き下げられ、価格に反映させることができるようになったからだというのもある。

 

 いずれにせよ、商品力・ブランド力のある外資の製品が価格面でも優位に立つようであれば、中国企業にとっては非常に厳しくなる。特に中国は日本や欧米と違い世界に通用するようなブランド力のあるメーカーがないため、外資にこのような動きをされると中国オリジナルブランドの確立はますます厳しくなる。中国の中だけで勝負していくのであれば中国企業もまだまだ大丈夫だが、やはりいずれは世界に出て行きたいはずだ。そのためにはまだまだやるべきことがあるはずだが、どこまでできるだろうか。なんだかんだいって中国でものづくりをしている外資メーカーはまだ海外から部品を輸入しているのも少なくない。中国国内でそれなりのレベルのものを見つけられないからだ。こういった状況をみると、あらためてブローバルブランドを対数生み出してきた日本という国の戦後の復興はまさに「東洋の奇跡」と言われただけのことはあるとあらためて思う。


日本のドラマを通じて中国を知る

2010年08月27日 | 日記

 昨年「わが家の歴史」というドラマのエキストラに参加してから佐藤浩市にはまっている。色んな作品を見てきたが、最近「官僚たちの夏」というドラマを見た。異色の官僚と言われた佐橋滋をモデルに、高度経済成長を推進した通産官僚たちの姿を描いたものだ。

 

 これを見ると日本の高度経済成長の流れが良くわかる。と同時に、これを今の中国と比較することもできる。
アメリカの圧力により迫られた繊維輸出の自主規制、自動車業界の再編、自由貿易化の圧力、公害問題、オリンピック開催をきっかけとした急ピッチの成長、大阪万博、思い起こしながら書いているので順番はばらばらだが、これらを今の中国に当てはめるとそのまんまだ。沖縄・小笠原返還はさしずめ香港・マカオ返還のようなものか。ちょっと違うか。

 よく似ているのだが、日本と中国はやはり違う。中国の経済発展はかなり外資に依存しているのに対し、日本の場合は外需に頼った部分は多いものの、自国でもモノ作りがかなり貢献している点だ。中国の製造業はなんだかんだ行って今もなお低廉な労働力や土地に依存した産業が多いが、日本はやはりモノ作りだ。匠という言葉があるが、これはまさに日本のモノ作りの精神をよく表している。自動車や家電がその代表的な例だろう。中国製品も良くなってきているが、日本の匠レベルのこだわり間は感じられない。中国が改革開放路線に転じたのが1978年、今年で32年だ。日本が1945年に敗戦を迎えて32年後というと1977年に当たる。この都市の日本は神戸に地下鉄が開通、ソニーが13型カラーテレビ「サイテーション」を発売、ダイハツ工業が「シャレード」を発売、日本初の静止気象衛星「ひまわり」(後の「ひまわり1号」)打ち上げ、この頃は既に先進国レベルに達していたといえるだろう。中国も部分的地域的には先進国といえる部分もあるが、やはりモノ作りとなるといい物を作れるようになってきてはいるのだろうが、ブランド力はまだまだ弱い。フォーブス世界有力企業ランキングを見てみよう。少なからずの中国企業がランクインしているが、その業種は主に金融、資源系という国家背景のある業種、そのほかだと建築会社が入っている。いわゆるメーカー形となると264位の宝山鋼鉄だけだ。

  
 フォーチュン500の日本・中国企業(クリックすると拡大できます)

 バブル崩壊以降の日本経済は低空飛行気味だ。でもフォーブスランキングを見ると日本企業数多くランクインしている。こう見ると、日本もまだまだ捨てたものじゃない。頑張れ、日本!


adidasがネット販売開始

2010年08月26日 | 日記
 adidas、日本人なら誰でも知っているドイツのスポーツブランドだ。今年上半期のadidasの中国における業績は前年比マイナス16%と低迷している。昨年以来100店舗ほど閉鎖もしている。要するにパっとしていなかったのだ。ところが、タオパオの決済ツールであるアリペイが発表したところによると、8月17日にadidasはタオパオに旗艦店を開設したのだが、最初の三日間で一日平均300万元以上の売り上げを達成したという。これはタオパオにおける同類商品のトップの売り上げだ。開店してから3時間以内で3000件の取引が行われ、3.6秒に一件が成約したという。 ショップの画面を見ると李氷氷、ジェット・リー、angelbabyと、そうそうたるメンバーで広告を行っている。



 李寧という中国のスポーツブランドがある。このブランドのネット販売も最も売れている店舗よりも多く売り上げているという。



 昨年4月16日にやはりタオパオに開店したユニクロも開店当日の取引件数が3000件近く、30万元以上の売り上げを達成したと報道されている。今ではタオパオモールの2/3の売り上げは特にプロモーションを行っていないような店舗を有していない地区からの売り上げであるという。このほか、ZARAも9月2日よりネット販売を開始することが発表されている。

 ネット販売を研究し始めてから結構経つが、このような華やかな話もあれば全くその逆の話もある。というか、うまくいってないところのほうが多いように思う。中国のネット販売が年々伸びているのは統計でも明らかなので、当然販売手法として無視できない。クライアントも同じことを言っているのだが、研究すればするほど難しい分野だなあと感じているという。結局やり方なのであろう。答えは割りとはっきりしていて、ブランド力があること、実店舗があること、そしてプロモーションをうまく行うこと、当たり前なのだがこれが難しい。特にブランド力に関してはグローバルブランドであればともかく、そうでない場合はいかにアピールするか、プロモーションとともに大きな課題だ。難しいといわれながらも華やかな報道が出ている今回照会するようなadidasにしても、なんだかんだいって知名度がある。李寧は中国ブランドだし、ユニクロも長い道のりを歩いてきて今に至る。きっとZARAもスタートするや否やワァーッと盛り上がるだろう。

 楽天もやってきたし、これから日系企業も今まで以上にネット販売を活用していくだろう。聞くところによると、楽天はその他のネットショッピングサイトと差別化を図るために、入店審査を厳しくしているという。要するに、ここだと安心して買い物ができますよ、ニセモノなんてありませんよ、ちゃんとした商品しかありませんよ、という差別化を図りたいのだろう。先日SNSのマーケットについて紹介したときにも言及したが、ネット系の企業は結構ファンドの資金を活用することで運営できているが、儲けられている企業は意外と多くない。タオパオもマンモスネットショッピングサイトだが、果たして儲けとなるとどこまで儲かっているかという声もある。でもマーケットは大きいし、たくさん売っている企業もある。これからも参入していく企業は増えていくだろう。日系企業を中心とするモールもあるのだろうが、日系企業の商品なら「ここだ」というプラットフォームはあるのかもしれないがすぐには浮かばない。このコンセプトでどこまで勝負できるかという問題もある。やり方次第なのだろうが。もっともっと日系企業の成功例が出てくると、日系企業にとってのネットショッピングの活性化に繫がっていくだろうから、楽天の進出、そして今後の動向というのは日系企業にとってはかなり注目していくべきだ。

人間不信

2010年08月25日 | 日記

 前書きとしてあらかじめ申し上げておくと、私は嘘をつかれたり筋の通らないことをされたりするのを極めて嫌うタイプの人間だ。

 

さて、最近採用募集をかけたところ、何人かから応募があり、日本への交換留学帰りの学生と面接した。面接した感じもよく、「コンサル会社の求人はほとんどありません。給料面はいくらでもいいです、とにかくコンサル会社で働きたいです!」とコンサル業界での勤務を熱望していたということもあり、私としては是非弊社で働いてもらおうということに決め、条件提示を行うことにした。そのときにこの学生からもらったメールの内容がこれだ。

「採用の意向がありまして誠にありがとうございます。
一生懸命頑張ります。
待遇面の返事を待っております。」

 このメールをもらった翌日に条件提示のメールを送ったところ、その日のうちに次のようなメールが届いた。

「内定していただいて誠にありがとうございます。
実は今日また一社より内定の知らせがあって、この会社で就職することになってしましました。
辞退させていただきます。
ご迷惑を掛けして誠に申し訳ございません。
何卒ご了承ください。」

 はぁ?何じゃそりゃあああああああ!!!!!
 

 これはあまりにもひどい。引っ掛けられるほうも悪いという人もいるだろうが、引っ掛けるほうが悪いに決まってる。自分が就職活動をしているときはこんな嘘は絶対につかなかった。かなり正直に話したものだ。まあいい、こういう輩は信用できん。こうやって日に日に疑り深くなってしまうのであった。


値引きしてくれる病院

2010年08月24日 | 日記

 知人から聞いた話だ。知人が体調を崩して病院に行ったところ、急遽入院することになった。外国人は通常外国人病棟に入れられる。知人も当然のごとく外国人病棟に入れられたのだが、たまたまこの方は海外旅行傷害保険に入っていないため、普通に医療費を支払うとかなりの金額になってしまう。入院費は一泊1000元だ。保険もない中でちょっとこれは大変だと話すとなんと600元にしてくれたそうだ。

 まけてくれるんかい!

 良心的なのか、それともそもそもの値段がいい加減なのか。真剣に交渉すればもっと安くなったのかもしれないが、なにぶん病の身、入院することが先だということで交渉はしなかった(できなかった)のだが、病院が値引きしてくれるなんて始めて聞きましたわ。

 確かに保険に入ってなくてこんなことになったら大変だ。駐在員の場合はたいてい海外旅行傷害保険で対応できるが、現地採用の場合、会社によってはここまで面倒を見てくれないケースがある。それだとおちおち風邪も引いていられない。


中国における倒産とは

2010年08月23日 | 日記

 中国における企業の倒産の定義が良くわからないという話を聞く。日本の場合、会社の実体がなくならない形での倒産がある。破産や生産の場合始めて会社の実体がなくなるが、手形の二次不渡り、民事再生法、会社更生法、和議申請のような場合は会社自体がなくなってしまうわけではない。

中国で言うところの倒産は直訳すると「倒閉」という単語がある。どこまでの状態が倒産といえるのだろうか。中国で手形の不渡りは日本ほどのマイナスイメージはない。そのため、手形の不渡りを二回出した場合、信用状況としてのイメージが悪くなるだけで、日本で言うところの倒産とまでは言われない。こうなると、中国の場合倒産する会社は極めて少なくなってしまう。だから、中国の会社はなかなか倒産しないというようにも感じられる。中国の場合は実際に企業登記を抹消する場合や営業許可証の取消(吊銷)のようなケースを倒産ということができるだろう。2007年6月以来2010年8月20日の記事までの記事掲載ベースでこれが約80万件ある。ということは、この期間における倒産件数が約80万件と理解すればいいだろう。約3年間で約80万件、年間平均で約27万件の計算になる。2009年の日本の倒産件数は1万5480件、中国の人口は日本の10倍あるので単純にこれを10倍にしても15万件強、約27万件という数字はちょっと大きいように思えるが、日本で言うところの倒産状態に至っていない休眠状態にある会社も含まれるであろうからこんなものかもしれない。


 中国で企業が破産申請の受理された件数は2007年6月の破産法施行以来約3000件で、先ほどの約80万件の0.375%に過ぎない。非常に少ないが、その理由として破産に対するイメージが悪いため、すすんで破産申請を行わない、また破産案件事態が面倒であることから、人民法院(裁判所)が面倒くさがったり、マンパワーが足りなかったりして受理したがらないというのもあるようだ。


 現在最高人民法院が積極的に企業破産案件受理の関連司法解釈を制定している以外に、企業破産法に対して総合的、系統的司法解釈の制定を研究しており、その内容には破産原因の認定標準、法院の破産案件受理の審査フローの手順等が含まれている。この草案は300条近くあるようで、現在関係方面の意見募集を行っているという。中国の破産法には単純な破産以外に、更生、和解に関しても含まれているが、破産法の中に組み入れられていることから、会社自体が消滅してしまう破産の一種と思い込み、これを申請したがらないケースがあるというが、草案が実現した場合、企業の破産法に対する理解が深まり、破産法に対する意識が変わり、ちゃんと申請するケースも増加してくるかもしれない。現在制定中の司法解釈の狙いはここにある。


上海駅の自動券売機

2010年08月22日 | 日記

 久しぶりに上海駅に行ったところなんと自動券売機が設置されていた。いつも駅で直接切符を買おうとすると黒山の人だかりを並ぶのだが、自動券売機になった影響なのか、人の並びが非常に少ない。

 

 予想通りだが、自動販売機の操作に慣れないこと、お札がぐちゃぐちゃなことから、進み方はそれほど速くない。でも手売りの頃と比べると格段の進歩だ。しかし、お札がぐちゃぐちゃなのは何とかならないものか。中国人は拝金主義という言い方もあったが、その割にはお札がぐちゃぐちゃなのが矛盾している。待つのが嫌いな性質でもあり、蘇州に行くのに一等席を買った。二等席や座席なしは直近の時間の切符は売り切れだったのだ。一等席に乗ることもないのでまあいいとしよう。乗ってみると結構ゆったりとしており運転席も見ることができる。悪くない。

   

 蘇州へ行ったのだが、新駅ができていた。以前から蘇州は町の規模の割には駅がしょぼいと思っていたが、ようやくちゃんとした駅ができた。まだできたばかりということもあり、駅の周りはまだまださびしかったが、そのあたりはこれからだろう。

 

 上海に戻ってきて外灘公園を歩いてみた。工事が完了して以来初めて行った。なかなかきれいだ。

     

 久しぶりにこんな一日を過ごした。


上海での風俗取締り

2010年08月21日 | 日記

 思いついたときに行っているのだろうが、なんとなく今年は中国全体で風俗 関係の取締りが増えているような気がする。重慶ヒルトンホテルや北京のナイトクラブの取り締まりは現地でも大きく取り上げられた。今回は上海で行われたケースを紹介しよう。

 

 今年に入ってから上海ではインターネットのエロサイトと三小黄(黄色は中国ではエロの意味があり、ここでいう三つの小さいエロとは小さい床屋、小さい足浴、小さいマッサージ店)、娯楽レジャー場所といった風俗関係の取締りを強化している。今年に入って依頼この手のところを1800件余り処罰しており、エロサイトは60余りを閉鎖させてる。

 

 さて、具体的な取り締まりについてみてみよう。818日に上海市徐匯区のとあるエリアに公安が突撃した。これで14店舗を摘発、そしてこれにより捕らえられたのが60名近くだ。一回の突撃で60名か、凄いなあ。日本の暴走族の取締りより凄かったりして。

 

      

       しらばっくれるオーナー           取締現場      連行される場面       ここには入りたくない

 

 外国人が含まれているという報道はなかったので、きっと「どローカル」な場所だったのだろう。いやあ、怖い怖い。こういうところには近づかないことですね!


中国SNS市場の現状

2010年08月20日 | 日記

 易観智庫易観国際が中国SNS市場に関するデータを発表している。

 
ユーザー数

 

2009

2010年予測

1.76億人

前年比+68.3%

2.16億人

前年比+22.7%

 

 
市場規模

 

2009

2010年予測

7.766億元

前年比+55.9%

10億元以上


 もっとも有名な
SNSサイトである開心網のユーザーは現在8600万人、人人網というサイトで1.4億人が登録されている。これだけのユーザー数を抱えていながら、必ずしも儲けが出ているわけではない。開心網が自ら1億元の売り上げを達成したと発表している以外では、人人網を含むほかのSNSサイトの利益水準は明らかではない。結局産業規模としては大きくないといえる。その主な原因はやはりユーザーにサービスに対してフィーを支払うという意識を持つ段階にいたっていない、要するに課金を受け入れてくれないのだ。中国互聨網絡信息中心(CN-NICによると、SNSサイトの収入源の約80%は広告収入で、会員から得られる収入は15%、その他が5%という内訳になっている。会員からの収入をいかにして増やしていくかということになるが、数年以内に会員からの収入を増やすスキームに転換できるという見方は少ない。ネット系のビジネスは一見華やかできらびやかなのだが、利益を上げようとなるとなかなか難しい。SNSサイトでも既になくなってしまったものもいくつかある。ファンドの資金に頼っていたのが、ファンドのほうが回収を待ちきれずに資金注入をストップしたことにより閉鎖してしまったSNSサイトもいくつかある。中国での課金というのはなかなか難しい。上に書いたようにまだまだ時間がかかりそうだ。


怪しい有機野菜

2010年08月19日 | 日記
 中国にも有機野菜がある。以前置いてなかったスーパーでも置くようになってきたので、需要が増えてきたのだろう。しかしどうもこの有機野菜が怪しいらしい。
 有機野菜と認められるためにはその基準がちゃんとあるのだが、それが守られていないケースが散見されるそうだ。

 ・ 有機野菜を栽培しているところの近く非有機野菜を栽培している場合、ちゃんと仕切っておかなければならないにもかかわらず、それができていない
  ⇒これだと化学肥料が有機野菜栽培地に紛れ込む可能性がある。
 ・ 有機野菜の生産業者は一定の販売量をクリアすると補助金をもらえる制度があり、これを詐取するために販売量をごまかしている業者が少なくない。
 ・ 国家が認定した認証機構より認証を受けて初めて有機食品を名乗れるのだが、認証に当たっての検査水準がまだ標準化されていない。
 ・ 認証期間と業者が癒着しており、認証がきっちりと行われていないケースも多い。
 ・ 有機食品と非有機食品は分けて運送しないといけないにもかかわらず、ひとつの車輌で搬送しているケースも多い。

 以上のほか、栽培者の意識も高くなく、有機野菜というブランドを打ち出すことで、有機野菜は価格も高いためこれによって稼ごうとする業者も多い。有機野菜の認定は厳格な基準があるとはいえ、実際は基準が守られていないケースが多いということだ。

 業者のモラルが低い、認証機構による認証も怪しい、うそをつかれると一般消費者としてはなかなか見抜くことは難しい。中国の場合食品でトラブルが起こると健康への被害が大きいイメージがある。毒ギョーザをはじめとして、最近では早熟粉ミルクも騒がれている。どうしてこうなるかなあ。有機野菜なんて十分差別化できる商品なのに、業界のモラルが低いために胡散臭く感じられてしまう。こんな報道を見ると確かに有機野菜って高いだけで何がいいのと思ってしまうので、あえて値段の高い有機野菜を買うという動機付けが弱くなる。これじゃあまじめな業者が報われないわ。

アントニオ猪木、中国進出ダーッ!

2010年08月18日 | 日記
 憧れのアントニオ猪木さんとお会いする機会がありました!記念に写真を取らせていただきました!チャンピオンベルト(レプリカ)にサインをもらいました!感謝感激胸一杯です!上海でこんな立派なベルトを持っている人はそう多くないはずです。おかげさまで猪木さんに記念撮影を快諾してもらうことができました!

 

 

 アントニオ猪木さんが会長を務めるプロレス団体IGFが中国の武林風というところとプロレス興行に関する提携の調印式が行われ、その後の懇親会で写真撮影させていただいたものです。中国でも日本のプロレス興業がテスト的に小規模で行われたことはありますが、何せ今回はプロレス界の重鎮と地元の格闘技コンテンツとして最大といえるところとの間での提携です。日本ではプロレスはかなり浸透していますが、果たして中国ではどうだろうか。台湾では日本のプロレスをテレビで見ることはできますが、中国では残念ながら日本のプロレスのDVDの海賊版すら見たことがありません。ということは浸透していないということがいえます。世界で唯一上場しているプロレス団体であるアメリカのWWEという団体のDVDは見たことがあります。この団体は8月22日に万博会場内でイベントを開催しますが、やはり一部のコアなファンだけが見るものだと思います。まだまだ中国でプロレス文化は一般的ではありません。プロレスを色眼鏡で見る人もいますが、逆に言えばこのようなコンテンツを受け入れることができるようになるというのは心に余裕が出てくるということかと思います。そういう意味では、経済的に豊かになってきている一部の人達には受け入れられる可能性があるといえるでしょう。また、武林風というところと組むのは賢明な選択だと思います。このような新しいものを中国の実情をよく知らずに独自で進めていくのはリスクが大きいからです。今後は中国人選手の発掘が必須になってくるでしょう。やはり地元のヒーローがいるといないとでは盛り上がりが全然違ってきます。
 世界的に見て日本以外で比較的プロレスが受け入れられているところとしては北米、メキシコ、プエルトリコ、ドイツ、イギリス、台湾、韓国といったところが挙げられると思います。メキシコは覆面レスラーの多い地域(懐かしいところではミルマスカラス)で、プエルトリコもアメリカの団体とうまく連携しているが、この二つを除けば豊かといえるところで受け入れられているといえます。豊かであるかどうかをはかるものとしてプロレス文化の浸透度合いがひとつのバロメーターになるのではないか、プロレスファンならではの勝手な考えだが、意外と当たっていると思いませんか?


上海住宅賃料相場動向

2010年08月17日 | 日記

 先月上海房屋租賃指数弁公室が発表したところによると、6月の上海の住宅賃料相場の前月比上昇率が+0.49%という数値となっている。一見たいしたことがないように見えるが、最近の数値としては比較的大きなものであるという。この伸びの要因として挙げられているのが、

     伝統的に活況を呈する時期に来た(卒業生が賃借するのは6-8月)

     住宅価格が高止まりし、これにより少なからずの住宅購入ニーズを賃借でしのいでいたのが、オーナーが売買を賃貸へ回すことにより賃貸市場が活性化した。

     昨年の売買市場が活況だったものの、賃料の値上がり幅は相対的に小さく、これを埋め合わせるような形の値上がりを引き起こした。

     不動産税推進の声が大きくなってきており、このコスト増を見越しての先行値上げ。


の4つだ。いまひとつ納得できないものもあるが、とにかくこのように紹介されていた。

 

次に前期比値上がり幅についてみてみよう。

 

%

平均

一室

二室

三室

ハイエンド

0.50

0.73

0.59

0.37

ミドルエンド

0.46

-

0.54

0.28

ローエンド

0.59

0.88

1.10

-

 

 ローエンドの値上がり幅が最も大きい。数値としてはこのとおりだが、私の知人で賃料更改の時期が来た人がいたのだが、この人は従来9500元の家賃をなんと15000元までの値上げが飲めないのなら出て行けといわれたという。なんと57.9%もの値上げだ。借り手からすると殺意を催すほどの値上げ幅だ。上に紹介したように、賃料相場が上がってきているとはいうものの、57.9%という上がり幅は統計数値からかけ離れたものであり、どういうつもりでこんな常識はずれのことを言っているのかよくわからない。ということで、この知人は当然引っ越すことになった。こんなキチガイオーナーが相手だと交渉自体が成り立たない。私の住んでいるところのオーナーも話の通じない人間なので、私もひょっとして同じような目にあうのかなあと不安に思ったのであった。


中国の保健品市場

2010年08月16日 | 日記
 中国の保健品市場規模は2002年自店は200億元程度に過ぎなかったのが2009年には911億元に達し、これは日本を抜いて世界第二位の市場規模となっており。今年は1000億元を超えるのは必至だ。ところが、保健品市場の秩序はそれほど良いとはいえない。保健品としての認可を取得していないにもかかわらず、保健品であるかのように広告している商品が極めて多いのだ。例として「華納牛頓納豆」という商品があるが、この商品は広告で有名教授、病院、有名人を使って、「脳卒中、心筋梗塞、溶血栓を防ぐ」と謳っており、心臓・脳血管の疾病のある人、高血圧・高血脂・高血糖の人、両親またはその前の代に心臓・脳血管の疾病のある人は「納豆」を食べましょうと謳っており、明らかにその効用を謳っているが、国家薬品化のt区管理局保健食品審査批准データバンクにはこの商品の情報がない、要するに違法広告を行っているのだ。今ではこのような広告は登場する側、ここでは有名教授、病院、有名人に対してまで罰則が加えれることになっていながら、アイも変わらない状況のようだ。しかしながら、この商品は北京保健品市場で唯一の「納豆」類製品で北京保健品広告市場の主役となっているという。これはあまりにも目立つからということで代表例として取り上げられているが、似たようなことを行っている商品は少なくないようだ。もちろん、ここまで明らかな違法とまでは行かないまでも、効用をにおわしているのではないかと疑われるギリギリの文句を使っている商品も多い。要するに、保健品市場というものが、規模こそ大きくなっているものの、まだまだ胡散臭いものも多いということだ。ということは、ここいらで胡散臭くない正統なものを投入するという考えが生まれてくるだろう。そうでなくてもマーケット自体は日本を上回っているのだ。実際、保健品に関する問い合わせも増えてきている。
 それはそうと、日本ならではの食品の代表格のひとつである納豆がここまで受け入れられているというのもちょっと意外な感じがしますね。