呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

国美電器のサプライヤーのぼやき

2011年05月10日 | 日記

 

 今日は蘇寧電器に次ぐ家電量販大手の国美電器について紹介します。

 

2010年度

売上高

店舗数

売上伸び率

蘇寧電器集団

1562億元

1342

41.4%

国美電器

1549億元

1346

15.0%

 

 国美電器はもともとトップを走っていたのですが、元代表者の逮捕とかもありグラグラしているうちに蘇寧電器がものすごい伸ばして一気に抜き去ったという感じですね。

 

 さて、労働節の三連休は小売業にとって稼ぎ時です。北京国美のこの三連休での売り上げは前年比2倍近くにまで増加しました。しかしながらこの三連休が終わると同時に国美への商品供給を2-3ヶ月ストップするというサプライヤーが現れています。国美が徴収する費用が余りに高くやっていられないというのがその理由です。

 

 あるサプライヤーによると、国美に商品を卸すにあたりサプライヤーは十数種類の費用を支払う必要があったのですが、これをベースにさらに増加され、その名目は、差別化型番プロモーション費用(販売額の5%)と販売ボーナス費用(販売額の1%)の二項目です。また、こういった費用については交渉の余地がほとんどない、というか全くないようです。国美は拡張路線(2010年度は100店舗増加し826店舗にまで増加)を走っていますが、この資金的なツケがサプライヤーに回せれているという感覚を持っているようです。

 

 以上はここ最近の話ですが、そもそも少なからずのサプライヤーが余りたくさん納入したくないと考えている状況は今に始まったことではないようです。その理由としては、(1)売れなかった場合は値下げ販売され、損失につながってしまうこと(まあ、これは当たり前のことか)、(2)いったん国美に納入すると、休日・祝祭日にはものすごい値下げ販売をされてしまうこと(まさに労働節休暇がこの例です)、(3)国美の倉庫に納入後2ヶ月で売れ残り扱いされ、そうなると日割りで倉庫物流費が徴収されるほか、さらに値引き販売させられるか、返品させられることになってしまうこと、とぼやくサプライヤーもいます。また、費用徴収で文句を言おうものなら商品代金決済してくれないなんて声もあります。そもそも商品代金自体も商品が店頭で売れた後で始めて決済してもらえるのにです。国美の一店舗で8001000万元程度売らないと採算が取れないなんていう話もあります。そうそう、あと接待攻勢も必要のようですね。接待だけならわからなくもないのですが、自分の遊んだお金の領収書まで回してくるそうです。昔の日本も接待攻勢はあったんでしょうが、ここまでやっていたんでしょうか。その時代に働いていなかったのでよくわかりませんが。というような状況もあって、国美への納入額の減額を考えるところも少なからず出てきているようです。

 

 しかし本当に箱を持っている側の立場が強すぎますねえ。大きいことはいいことだの精神なんでしょうか。

 

 明日は物流について書きますね。