呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

2008年中国十大経済ニュース

2008年12月31日 | 未分類

  今年最後の記事書き込みになります。本年におきましてはご愛読いただきましてありがとうございました。来年も引き続き宜しくお願いいたします。

  さて、経済参考報等をはじめとしたメディアが共同で2008年中国十大経済ニュースを発表しております。

1.《労働契約法》の実施

2.南方の一部地区で重大な氷雪災害により、直接経済損失1500億元余り発生

3.5月12日四川汶川で大地震発生、救援活動と再建計画を実施

4.オリンピック開催

5.三鹿ブランド粉ミルク事件

6.《中共中央:農村改革発展推進の若干の重大問題の決定》

7.上海株式市場が最低値を記録

8.国際金融危機発生

9.製品油価格税費改革が2009年1月1日より実施することを決定

10.「三通」が基本的に実現

  ちなみに、2007年の中国十大経済ニュースは次のようなものでした。

1.物権法が成立

2.労働力市場法制が大きく進展 

3.民生問題解決のための多くの政策を発表

4.投資会社(中国投資有限任公司)設立

5.未来経済社会発展新目標を確定

6.上海株式市場が最高値記録後大幅下落

7.人工衛星発射

8.省エネルギー・排出削減を政治的業績の考査指標に組み入れ

9.貨幣引き締め政策を実施

10.伝統祭日を法定祝祭日に組み入れ

  純粋な経済記事だけ見ますと今年は暗いニュースが多かったといえるでしょう。そしてその兆候は昨年に上海株式市場の大幅下落が見られたことから、昨年から始まっていたといえるように思います。振り返ってみますとサブプライム問題は昨年9月に発生、そして今年9月にはリーマンブラザースの破綻と、悪い材料が一気に発生したという状況です。いずれも中国発ではないもののこれらがもらした影響は深く、多くの企業が生産調整、それに伴う人員整理等を行い始めております。特に輸出型企業については外需頼みということもあってより深刻な状況にあるといえるでしょう。中国は大規模な景気対策を行ったとこともあり、来年下半期からは回復に転じるとコメントしている人もいますが、少なくとも今の情勢を見る限りではそれほど楽観できるような状況ではないように思えます。外需の回復は中国の力だけではどうにもなりません。既に現象として現れていますが、出張者が減少しはじめています。人事異動のタイミングで駐在員も減少していくことになるでしょう。このような状況の中、中国の内需でどこまで景気回復を主導できるかがポイントになりますが、駐在員や出張者が減少すれば当然中国人社員の力でどこまで盛り返せるかということになります。今まで中国人社員の力を蓄積してきた会社とそうでない会社の差が現れてくるようになるかもしれません。経済情勢が悪いものの、いや悪いからこそ今こそ現地化を大きく推進するタイミングともいえるでしょう。

一般納税人認定基準が緩和

2008年12月30日 | 未分類
  以下は新旧増値税暫定条例実施細則の「小規模納税人の基準規定」の部分について対照してみたものです。

現行増値税暫定条例
実施細則第24条
条例第11条にいう小規模納税者の基準規定は下記の通り。
(1)     貨物の生産または課税役務の提供に従事する納税者、及び貨物の生産または課税役務の提供に従事することを主とし、貨物の卸売りまたは小売を兼営する納税者で、年間増地価税販売額(以下、課税販売額という)が100万元以下の者
(2)   貨物の卸売または小売に従事する納税者で、年間課税売上額が180万元以下の者
年間課税売上額が小規模納税者の基準を超える個人、非企業的団体、経常的には課税行為の発生しない企業は、小規模納税者とみなす。
新増値税暫定暫定条例実施細則第28条
条例第十一条がいうところの小規模納税者の基準は次の通り。
(1)     貨物の生産または課税役務の提供に従事する納税者、及び貨物の生産または課税役務の提供に従事することを主とし、貨物卸売または小売を兼営する納税者で、年間増値税課税販売額(以下課税販売額という)が50万元以下の者
(2)   本条第一項第(一)号が規定する以外の納税者で、年間課税販売額が80万元以下の者
本条第一項がいうところの貨物の生産または課税役務の提供に従事することを主とする、とは、納税者の年間貨物生産または課税役務提供の販売額に占める年間課税販売額の比率が50%以上を指す。

  現行増値税暫定条例実施細則では「貨物の卸売または小売に従事する納税者で、年間課税売上額が180万元以下の者」が小規模納税人とされているのに対して、本条第一項第(一)号が規定する以外の納税者(要する貨物の卸売または小売に従事する納税者のこと)で、年間課税販売額が80万元以下の者」が小規模納税人とされております。これを違う表現で言いますと、貨物の卸売または小売に従事する納税者に限定して言えば、要するに商貿企業について、現行増値税暫定条例実施細則では年間課税売上額が180万元以上、新増値税暫定条例実施細則では年間課税売上額が80万元以上であれば一般納税人として認められるということになります。新増値税暫定条例では生産型消費税から消費型消費税へ変更となることが最も大きな話題となっていますが、よくよく読んでみると一般納税人として認定される基準が大きく緩和されていることがわかります。一般納税人に関する規定は柱となる増値税暫定条例以外にもたくさんありますので、これらが全面的に見直されないうちは両方の解釈が混在することになるかもしれませんが、大きな方向としては緩和されていくことになると言えるでしょう。これについて上海市の税務局に聞いてみたところ、「50万元とか80万元の売り上げをクリアすれば一般納税人資格の申請を行うことができる。」というものでした。ご参考まで。

上海人憧れの職業はこれだ!

2008年12月29日 | 未分類
  上海市政協文史資料委員会というところが「上海市民価値観変化状況調査」というものを発表した。これによると上海市民にとって声望が高い職業は次のとおりとなっている。

① 政府機関責任者(要するに公務員)(20.8%)
② 科学研究人員(11.6%)
③ 大学教師(10.5%)
④ 企業及び機関責任者(原文:企事業単位負責人)(10.2%)
⑤ 医師(9.9%)

  多くの市民は企業意欲に乏しく、また起業することをリスクと恐れているようだ。上海市民は職業を選択するときの要素として収入と安定を重視しており、そのため政府機関の人気が高くなっている。次のデータは起業に対してリスクがあることがよくあらわされている。

起業家は高い社会地位を有する・・・11.6%
非常に豊かというわけではないが、現在の経済状況には満足・・・30.6%
先進的な科学と技術を有していないので、起業しても成功しない・・・29%
人のために働く運命にあり起業する能力がない・・・26%

  実際に起業に対してリスクが大きいと感じている人も6割以上いた。およそ鶏口牛後とは全く逆というのが実情だ。

  また、所属する職場の人気としては党政機関(33.6%)、外資企業(23.2%)、国有事業単位(17.6%)となっている。

  中国の場合なんとなく見栄の部分が強く、人に使われるくらいなら自分でやるほうがましだというように見えるが、このデータを見る限りでは少なくとも上海では我々が思っている以上に人々は保守的・現実的になってきているのだろう。また起業するまでもなくそれなりの生活ができるということもポイントと思われ、これは社会が徐々に成熟してきていることの現われとも言えるだろう。

延払い規制の緩和が正式に公布

2008年12月24日 | 未分類
  12月15日の記事で既に「延払い規制が緩和されそうだ」という内容でお知らせしていたが、外貨管理局から正式に延払い規制の緩和に関する通達《国家外貨管理局:企業貨物貿易における外債登記管理改善の関連問題に関する通知》(⇒原文ここ)が公布された。既にお伝えのとおり延払い限度額が前年度輸入外貨支払総額の10%から25%に引き上げられるというものだ。10月1日よりスタートした延払い規制、90日後の支払いということは最も早い送金は年末年始あたりになるだろう。果たして25%までの拡大でどれだけの企業がニーズを満たすことができるだろうか。9月26日に発表された《貿易貸付登記管理システム(延払い部分)操作手引》(以下、157号通知という)の中で、「大型プラント設備生産企業の延払い基礎比率は最高で30%を超えてはならず、その他の企業の延払いの基礎比率は最高で20%を超えてはならない。」 とあり、一般企業の場合は認められても20%までと読み取れていたものが、今般の通知では一般的に25%まで認められることになるわけだが、157号通知がまだ有効であり、そこでは延払いの基礎比率は最高で20%を超えてはならないとされていること、本通知で25%以上に拡大するケースについて具体的に言及されていないことから、これらを総合すると25%以上の限度枠を必要とする企業に対してどのような運用が行われるかが注目される。本通知の中で「信用状况が良好で、外貨管理規定違反記録がなく、厳格に規定に従って貿易貸付登記を行うことのできる企業は、その生産経営の必要、製品の特殊性、貿易決済の慣例等により、貨物代金前受金比率または貨物代金延払い比率の調整を必要とする場合、国家外貨管理局各分支局、外貨管理部は企業の申請に基づいて比率を調整することができる。」、とり、これを適用して25%以上の限度額が認められるように見えることから、25%ではまだ不足だという企業であれば積極的に申請をしていけばいいだろう。

中国の年金制度改革

2008年12月22日 | 未分類
  日本はついこの間まで年金問題で騒いでいたが(まだ収まったわけではないか)、ここ中国でも年金に関する大きな動きが出てきた。中国では社会保障の一環として養老保険というものがある。企業と従業員が養老保険料を共同で支払い、将来的に従業員が養老年金を受け取るものだ。要するに日本で言うところの年金とほぼ同じと考えればいいだろう。中国では養老保険を納付する義務があり、それ自体は別に普通のことだが、なんと地区を跨って他の会社で勤務すると、前の会社で積み立てていた養老年金を移転して累計することができなかったのだ。そのため、多くの労働者が本来享受できるであろうはずの養老年金を受け取れない、養老保険料を払いたがらない、というような問題があった。この問題がようやく解決される方向にある。現在《社会保険法》の草案が審議されており、養老保険の移転を制度化する内容が含まれている。目標としては2009年末には省レベルでの取りまとめを達成し、2012年には全国レベルでの取りまとめを達成しようとしている。これが当たり前の姿なのだが、あと4年で永年の問題がようやく解決できるということでよしとしよう。

2008年の大学卒業生の平均月給は2483元

2008年12月19日 | 未分類

  中国社会科学院が12月15日に発表した2009年《社会白書》の中で2007年に卒業した卒業生の半年後の大学卒業生の就業状況について調査を行ったところ、平均月給が2483元あるという調査結果が出た。就業先により給与水準は異なり、外資系企業が最も高く、その次が国有企業だ。もちろん地域によって違うのは言うまでもないが、ここはあくまで《社会白書》に基づいたものである。

専攻学科別

高い

フランス語、石油工程、会計、ドイツ語、微電子学、建築学、ソフト工程、情報安全、保険、日本語

低い

臨床医学、小学教育、中医学、教育学、美術学、医学映像学、林学、歴史学、体育教育、音楽学

 

  フランス語専攻は4783元に達している一方で、低い専攻学科に属するものについては1500元から1900元の間にとどまっている。 これだけみると医学を勉強しても給与的には非常に恵まれないということがよくわかる。医者じゃなければこんなものかと思ってしまうだろう。次に職業別に見てみよう。

 職業別

高い

個人財務管理顧問、監査員、医療販売代表、信用アナリスト、日常主管、証券、先物販売商、石油工程、管理分析専門家、貸付員、貸付顧問

低い

内科医師、外科手術医師、中学教師、社会サービス人員、中学特殊教育教師、幼稚園教師、食物科学技術員、データ入力員、農業技術員、中専職業教育

 


 

 

 

  これを見ても医者というのは恵まれない職業だということがよくわかる。簡単にインターネットを検索してみたところ、「かつては奴隷の如くこき使われる上に月収は10万円以下だった研修医も、2004年度からは月収30万円程度にするよう国の勧告が下りました。徹夜勤務は当たり前の研修医の勤務状況を考えると、明らかに労働基準法の最低賃金を下回るような状況でしたから、ようやく改善の兆しが見え出したことになります。そして研修期間終了後、正式な医者になればすぐに月収50~60万円に跳ね上がります。」という記述を見つけました。要するにそれなりに報われる職業なのである(もらい過ぎという批判もあるのだろうが)。

  要するに国によって職業に対する見方が違うのだろう。金融系が上位に入っているのは日本も同様だが、医者に対する評価が中国ではかなり低いものとなっている。確かに、医者をやめて民間企業に転職する人もいるという。ちょっと日本では見られない現象であるがこれが現実のようだ。


賄賂

2008年12月18日 | 未分類
  ドイツの総合電機大手シーメンスが、事業受注をめぐる世界各地での汚職事件に絡み、米国やドイツ当局に総額約10億ユーロ(約1,240億円)の制裁金を支払うと発表した。制裁金支払いにより訴追を回避するとのことだ。この記事だけを見ると特に中国と関係なさそうだが、シーメンスの中国現地法人で汚職が発生していたようだ。具体的には次のものが報道されている。

(1)シーメンス交通システム
  2002年から2007年に亘り、香港に所在するコンサルティング会社等に2200万米ドルを支払い、これらを通じて中国のお役人に賄賂を贈り、総額10億米ドルにのぼる地下鉄プロジェクトを受注。

(2)シーメンス中国輸変電集団
  2002年から2003年に亘り、2500万米ドルをドバイに所在するコンサルティング会社等に支払い。これを通じて中国のお役人に賄賂を贈り、華南地区の総額8.38億米ドルに上る電力高圧送電線プロジェクトを受注。

(3)シーメンス医療集団
  2003年から2007年に亘り、1440万米ドルの賄賂を5つの中国国有病院に贈り、2.95億米ドルの医療設備の注文をとり、また中国医師に豪華な旅行を提供。

  他にも紹介されていたが、ここまでいいだろう。しかしまあすごい金額だ。受注を取るためにここまでやるか。とてもじゃないが食事をしながら打ち合わせという可愛らしい金額といえない。よく日系企業に比べて欧米系企業はロビー活動が上手だという言い方を聞く。しかし、もしこのシーメンスのようなやり方がロビー活動だというのならば日系企業は別にこんなのに付き合う必要はない。中国は袖の下をうまく活用して物事を進めていくのが肝だという言い方を聞く。そのような現象が見られることは否定できない。しかし、ビジネスは金儲けも大事だが、道徳や倫理観を忘れてはならないはずだ。また、それがビジネスにおけるルールであるべきだろう。

延払い規制が緩和されそうだ

2008年12月15日 | 未分類
  11月の貿易数値が2002年3月以来のマイナス成長を記録した。中国も金融危機の影響を受けていることがこの事実から見て取ることができる。これまで三度にわたり輸出税額還付率を引き上げたり、一部の加工貿易保証金の実転を空転に変更したりしてきたが、このような状況の中、厳しいルールが公布され続けて外貨管理の規制が緩和されそうだ。13日に発表された《国務院弁公庁:当面における金融が経済発展を促進することに関する若干意見》(⇒ここ)の中で、外貨管理のルールが緩和されることが謳われている。具体的には次のようなものだ。

(1)輸出前受金限度額の緩和
  前受金人民元転比率を10%という制限だったものを25%へ引き上げし、一回あたりの金額が小さい輸出前受金であれば人民元転限度額管理に組み入れない。

(2)延払い限度額の緩和
  延払い限度額を前年度輸入支払額の10%までという制限だったものを25%に引き上げ。

(3)審査の簡略化
  人民元転比率や個別限度額審査の手順を簡素化し、審査時間を短縮化。


  当初公布されたころから非常に不満が多く聞かれた通達であったが、経済情勢の悪化に伴い結局緩和されることになる模様だ。このレベルの緩和がどこまで企業にとってメリットがあるかという問題があるが、フェイバーであることには違いない。もう少しこの情報を早く入手することができていればJETROセミナーの中で披露することができたのだが。とにかく後は外貨管理局の通達を待つだけだ。

本人確認書類があるのに銀行手続きができないとは。。。

2008年12月14日 | 未分類
  いつも給与を振り込んでもらっている地場銀行からキャッシュカードのグレードアップをしたので取りに来て欲しいと以前連絡をもらっていたが、居留許可やパスポートの更新等もあってかなりの間放置していた(ちなみに私は日本のパスポートである)。ようやくそれらも完了したのでキャッシュカードをもらうべく銀行に行ってきた。そして書類への記入をする際に、パスポートが新しいものに更新されたので、その情報も更新しておいて欲しいと言ったところ、旧パスポートがないと受け付けられないという。私の頭の中では「??????」である。本人が写真入のパスポートという身分証明を持ってきていながら銀行手続きができないのである。本人が写真入のパスポートという身分証明を持ってきていながら本人確認ができないというのである。同姓同名の人が云々というが、生年月日まで一致している同姓同名の外国人がどれだけいるというのか。パスポート番号が入ったものとして免許証を持っていたが、それも確認資料として受け付けられないという。そして銀行が言うには新パスポートしかないのであれば銀行が保存しているデータと一致しないため、今後両替手続きや大きな金額の出金は一切できなくなると言われてしまった。まるで差し押さえのようなものだ。こちらとしては旧パスポートなんて役に立たないのでとっくに処分した(本当は取りに帰るのが面倒なので処分したことにした)、正規のパスポートがあるのに手続きを受け付けないなんて差し押さえそのものだと猛烈に抗議したところ、口座開設時の控えとしてとってある旧パスポートのコピーを探すので、改めて連絡するということで落ち着いた。今のところまだ連絡をもらっていないが、どう決着するだろうか。(⇒その後銀行は私が過去において両替した際に残していたパスポートのコピーを探し出し、それをエビデンスとして手続きを行ったのであった)。

2008年12月11日JETRO主催外貨管理セミナー模様の報告

2008年12月11日 | 未分類

  今日はJETRO主催の外貨管理セミナーに講師という立場で参加させていただいた。内容は話題の延払い規制に関するものだ。9月に東京と大阪、10月にも上海で2回行っており、これが5回目になる。それにしても本当に多くの方にご来場いただいた。写真をごらんいただければわかるように、本当に客席はぎっしりだった(聞いたところによると参加者は160名とのこと)。後になるほど情報量が多く入ってくるので、当然のことながらより多くの情報を還元することができる。これだけ多くの方に集まっていただければ還元のしがいがあるというものだ。

  セミナーに向けて情報を収拾していく中でなんとも驚いたのが、保税区企業の延払い限度額についてである。延払い限度額は前年度輸入外貨支払総額の10%までとされているが、外貨管理局のデータは企業の行った核銷をベースとしている。保税区企業は自主通関を行わない場合核銷を行う必要がないため、外貨管理局に保税区企業の核銷データも残っていない、だから保税区企業の輸入限度額もないということである。従って保税区企業が延払いを行うためには一件ずつ個別に申請せざるを得ないということになる。なんとも面倒な話だ。核銷を行う必要がないというのは保税区企業のメリットであるといえるが、これが却ってあだとなってしまった形だ。外貨管理局には核銷以外のデータをベースと刷ることで解決してもらいたいものだが、どうも外貨管理局だけで片付く問題ではなく、税関とも協議していかないといけないようなので、当面今の状態が続きそうな感じだ。
 
   


  10月1日以降に発行された報関単で90日を超えるものは延払い登記の対象になることから、キャッシュベースで影響が出るのは早くて年末年始あたりになる。しかしながら、延払い契約登記は、「2008年10月1日より、新たに締結した輸入契約で、約定した対外支払日が輸入日時より90日を超過するような場合、企業は契約締結後15営業日以内にシステムにログインし、延払い契約登記を行わなければならない。」とされていることから、現在締結しているものでも登記の対象になるものがあるはずである。 せっかく多くの方にお集まりいただいたので、どのくらいの企業が既に手続きを行っているかをセミナー参加者に聞いてみた。しかしながら、実際に登記手続きを行っている方はほとんどおられなかったのには驚いた。最終的にはもうひとつの登記である延払い引き出し登記を同時に行うことで送金を行うことができるようになると思うが、ルール通りの手続きは行ったほうがいいだろう。突然厳格に指摘されてしまった場合、抗弁ができなくなってしまうからだ。

  いずれにせよ、上にも書いたようにキャッシュベースでの影響が出てくる時期も目の前に迫ってきている。やるべき手続きはできるだけ早めに済ませてしまい、また延払い限度額の比率引き上げ申請を考えている場合はまずは申請してみるということをしていったほうがいいだろう。また、キャッシュを作り出し延払いを減らしていくことも延払い規制への対応策のひとつであり、その中で増資や親子ローンといった手段をとるのであれば本社とも早急に協議していく必要があるだろう。もう待ったなしだ。


中国での企業登録地移転

2008年12月10日 | 未分類
  中国での企業登録地を移転するのが大変だということをご存知の方は少なくないだろうと思う。非常に単純な話で、Aという地区からBという地区へ移転するとA地区はその企業が登録していたことにより税金等の収入がなくなってしまうことが原因だ。外商投資企業の登録地変更は商務部門の審査を要する。この審査を通過したとしても税務登記の登録地変更が非常に大変である。そもそも審査自体が難しいケースもある。とにかく簡単には登録地変更をさせてくれないのである。上海市で言えば浦東新区から長寧区や移転するといようなケースもあれば、黄浦区から静安区へ移転するようなケースもあり、ようするにお互い様の世界だと思うのだが、いざ移転となると各区とも手放そうとしないのである。

  ここ上海においてそんな状況が若干ながら変わってきそうな話が聞こえてきた。あくまで検討段階であるとのことなのだが、資本金50万米ドル以下であれば税務登記の登録地変更をすんなりと認める、ただし、実際の納税地点は3年間変更しないというものだ。納税地の変更は3年後になるものの、目先の変更手続きは完結することができる。企業にとっては運営さえできればどこで納税しようがどうでもいい話だと思うので、3年後に控えている納税地変更は別として、目先の手続きをスムーズに終わらせることができるという点でいい話といえるだろう。資本金50万米ドル超であれば商務部門の審査にあたって他部門の意見を集めるというステップが必要になるが、税務登記の変更については同じ考え方になるそうだ。それにしても企業の出入りはお互い様の精神さえあればこんな面倒なことをしなくてもすむというのに。。。

広州の労働仲裁が9月まで順番待ち

2008年12月08日 | 未分類
  広州では金融危機によりもたらされた企業閉鎖、リストラや生産調整等の要因により、労働仲裁の件数が上昇しており、昨年の同時期と比べると2倍近くになっているそうだ。今年1月から11月まででこの種の案件が既に6万件あまりに達しており、この中の相当の部分が昨年と一昨年のものを合わせたものである。給与遅配が60%を占めており、このうち50%以上が協議により解決しているとのことだ。

  中にはこんなのもあるらしい。労働契約法のことをわかっている高級管理者や人事担当が、従業員には労働契約を締結させるくせに、自分はわざと労働契約を締結せず、後から労働部門へ「会社が労働契約を締結しようとしない」という理由で訴えて、労働契約法に基づいて給与の2倍をせしめようとする輩がいるそうだ。本当に悪い奴だ。しかしご安心くだされ。广州市労働仲裁の責任者が言うには、この種の案件は労働仲裁部門としては支持しないとコメントしている。とはいうものの、用心するに越したことはない、皆さん気をつけましょう。

上海の常住人口の出生男女比率は115:100

2008年12月05日 | 未分類
  上海戸籍の出生人口男女性比率は107:100で、常住人口の男女比率が115:100に達しているそうです。一般的に正常な出生男女比率は100人の女の子に対して男の子は103から107人の間だそうです。従って、上海户戸籍の出生人口男女比率が107:100というのは正常値に属します。しかしながら、上海の常住人口の男女比率は115:100に達しております。この要因としては、上海にやってくる人たちの仲で、「一部の文化レベルの低い人」(原文の直訳です)は「重男軽女」(男尊女卑のようなもの)の考え方があり、違法に胎児の性別を知り(中国では出生前に男女のどちらかを知らせることは禁止されております)、女の子であることがわかると流産を選ぶような人がいます。これにより非上海戸籍の男女比率で男性比率が大幅に上昇してしまい、常住人口ベースで見た場合の男女比率がいびつになってしまっているわけです。この状況を打開すべく女性の体を大事にしようとか、出産前の男女識別はダメよとか、女の子を可愛いがろうといった運動を展開して、男女出生比率を正常な範囲に収めようとしているようです。

  これだけ男女比率が違ってくるとそりゃあ女性が強くなるわけだ。以前友人から聞いた話だが、街中を歩いていたところ、一組のカップルを見かけた。カップルの女性が突然立ち止まり足を突き出したところ、男性がしゃがみこんで靴紐を直す風景に出くわしたそうです。うーん、さすがにわたしもそこまではできませんといいたいところですが、相手が天海祐希や米倉涼子だったりしたらやっぱりやってしまいそうな気がしたりします。

国家公務員が二年連続で「不適任」と考査されればクビ!

2008年12月03日 | 未分類
  二年連続で「不適任」等級と考査された公務員はクビされるというような言い方がされている。昨日(12/2)国家公務員局は《公務員研修規定》、《公務員奨励規定》、《公務員考査規定》の三つの試行規定を公布し、即日実施するとした。

  《公務員考査規定(試行)》では、「徳、能、勤、績、廉」の五項目での表現及び業務実績で公務員が適任であるか否かの主な考査基準としている。そしてこの結果により公務員の職務、級別、給与及び公務員奨励、研修、クビの根拠としていくということだ。

  考査結果は「優秀」、「適任」、「基本適任職」及び「不適任」の四つのランクに分かれる。本人及び上司や考査委員会が考査ランクを確定し、その結果を公務員に通知し、そして公務員本人に署名させる。優秀ランクの公務員は公示される。

  そのほかにも細々とした内容があるが、ここでは割愛する。最も注目すべきは「連続二年考査結果が不適任ランクの場合、クビする」と明文化されていることだ。

  人力資源・社会保障部の統計によると、1993年から2002年の10年で、全国で処分された公務員は149,929人、平均して毎年約1.5万人にも上る。そしてこれは全体の3%程度の相当する。2006年の,26の省、自治区、直轄市(北京、福建、湖南、広西、西藏を除く)行政機関公務員で処分を受けたのが8,327人で、そのうち除名されたのが914人、中央国家行政期間で処分を受けたのが169人で、そのうち除名されたのが36人となっている。

  以上のように状況があまりにもひどいからということでこのような規定が出てきたのであろう。「徳、能、勤、績、廉」の五項目でフルマークで○をもらえる公務員が果たしてどれだけいるのだろうか。
 

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