呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

大卒の初任給が回復基調に

2009年12月28日 | 未分類
  大卒の2010年の初任給が回復基調にあるという。
  
 
企業の初任給
大学生の予想
2008年
2691元
3049元
2009年
2474元
2348元
2010年
2694元
2849元
 
  雇用側が大卒に対する初任給2694元に対し、大学生が希望する初任給は2849元、これは2008年の水準に戻りつつあるといえる。経済が回復基調にあることの証といえるだろう。トップ3は金融、ハイテクと不動産だ。全体を見てみよう。
 
  学位別に見ると、大専卒業生の平均初任給が1468元、本科卒業生の平均初任給が2036元、修士卒業生の平均初任給が2946元、博士卒業生の平均初任給が4325元となっている。学位別の違いがかなり大きいことがわかる。
 
  都市別に見ると、一級都市の卒業生給与は二級都市よりも10%程度高くなっている。北京・上海・広州・深圳等の都市の2010年の大専・本科・修士卒業生の平均初任給は2800元程度に達しており、天津等の二級都市だと2500元から2600元あたりとなっている。
 
  企業類型別に見ると、欧米独資企業の平均初任給も3649元まであがってきており、これは2009年よりも6.57%上昇している。非欧米独資企業の初任給も8.03%上がっている。国有企業と民営民营企業の上がり幅も大きく、どちらも10% を超えている。全体の卒業生給与を見た場合、卒業生の初任給は上から欧米企業、非欧米企業、国有企業と民営企業となっている。
 
  皆さんの企業でもよそがどれくらいの水準なのか気になっていることだろうし、このようなデータを参考に水準を決めているところも少なくないだろ。皆さんの企業ではどんなもんでしょうか?

大事な大事な身分証が。。。

2009年12月23日 | 未分類
 広州の某銀行で起こったアンビリバボーな物語。

  ある日趙さんが銀行に3万元の振り込み手続きに行った。その際に窓口で身分証を提示した。手続きは無事終わったのだが、後から身分証が手元からなくなっていることに気づき、考えに考えたのだが銀行で返してもらっていないのではないかと思い始めた。翌日銀行に行ったところ、手続きを行った窓口担当者がいなかったので、その他の人に問い合わせたところ、身分証は銀行には残っていませんとの回答だった。翌日も銀行に行ったのだが、身分証はやはり見つからなかった。これは再発行するしかないと思い始めていたところ、
偶然振り込み手続きをしたときに後ろに並んでいた人と会う機会があった。そして、その人から、趙さんは身分証を持たず去って言ったと教えてもらった。これを聞いて趙さんはあらためて銀行に身分証について確認しに行ったところ、当日の窓口担当者を見つけたので、聞いたところその担当者は身分証を返していないとは認めなかった。しかし趙さんが証人がいると言ったところ、しぶしぶ返していないことを認めたのであった。

 その後、経理(マネージャー)とやらが出てきて、身分証を返却しなかったことは銀行のミスであることを丁重に詫びたのだが、なんと身分証を預かって日を跨ぐ場合、個人情報漏洩を防止するためとの理由で銀行の本店で定めたルールにより処分しなければならず、シュレッダー処理したと言われた。

  えええええええええええええええええええええ?
  嘘でしょおおおおおお?
  身分証ですよおおおお!





  外国人で言えばパスポートをシュレッダーされたようなものだ。当然趙さんは激怒。事件として届け出たものの、銀行との話し合いはまだ決着していない。これは余りにも目茶苦茶だ。法律的にはやはり銀行は保管義務があり、処分するなどもっての他となっている。銀行も時にわけのわからないルールが定められている。例えば、両替の際には身分証またはパスポートが必要ということなのだが、香港人が中国大陸に来る場合、パスポートではなく通行証というものがあれば入国することができる。そして銀行で香港ドルを人民元に両替しようとして通行証を提示したところ、パスポートじゃないということで両替を拒否されたことがある。そりゃおかしいでしょー!そもそもパスポートなしで出入りできる相手にパスポートを要求すること事態がおかしい。それも今回と同じで銀行で定めたルールだからダメなものはダメということで、結局両替できなかったのである。逆に言うとそれだけパスポートや身分証を重視しているにもかかわらず、シュレッダーしてしまうなんて。趙さんかわいそう。

セクハラ訴訟

2009年12月22日 | 未分類
  ある新聞記事でセクハラ訴訟について紹介されていた。既に日本語のウェブサイトでも取り上げられているので、既に知っている人もいるだろう。

 広州市某区の人民法院で、とある日系企業のセクハラ訴訟の判決が下された。結果は原告であるセクハラ被害者の勝訴、企業と当事者の敗訴というもので、判決内容は当該人員が行った行為はセクハラに該当し、書面による謝罪と3000元の賠償金という決着であった。

 セクハラは証拠が残りづらいものであることから認められにくい傾向にある。本件は広州におけるはじめてのセクハラ訴訟における原告勝訴案件であったが、本件については会社の忘年会の模様をとった写真が証拠となった。事件の流れを見てみよう。

 原告の女性であるAさんは以前からセクハラに悩まされていたという。2008年8月に当事者であるBが日本本社から派遣されてきた。Bは赴任から一ヶ月余りたった頃から、Aさんに対してちょっかいを出したり、首や腰を触ったりするようになった。周りは笑い話としてしか見てくれなかったり、他の同僚も「我慢するのよ!」というだけだった。
そして忘年会がやってきた。この日Aさんはついに我慢の限界を超えたのだ。
 Aさんは突然後ろから腕を引っ張られ、胸部にも当たったように感じたのでとっさに身を守ろうとした。 

 

 今度は首を押さえられ窒息しそうになった。周りに助けを求めたものの、BはおかまいなしにさらにAさんを追いかけた。

 


 その後Bはステージで歌を歌い始め、Aさんの名前を連呼した。Aさんはテーブルの下に隠れたが、BはAさんを見つけて抱きしめようとしたり、首を押さえたり、胸を触ったりした。 

 
 
  (ここでは目元をスミ塗り処理しているが、新聞紙上ではスミ塗り処理されておらず、実名報道されている。)

 Aさんはショックのあまり忘年会の翌日は同僚に欠勤手続きを依頼した。その後の流れは次の通りだ。

  2009年1月4日:Aさんは総経理に事情を説明し、総経理は翌日に電話するといった。
  2009年1月5日:総経理からの電話連絡はなかった。
  2009年1月6日:Aさんはに自ら二つの要求を出した。ひとつは書面による謝罪、もうひとつは二度とセクハラしてこない旨の保証書を会社が発行することというもの。
  2009年1月7日:会社はBを含む4人の日本人と2名の中国人組合委員が状況報告・協調会を開いた。そこで発表されたのは次の通り。 

総経理はBの行為が誤ったものであることを認める。しかしながら、「Bの行為はAさんに対する好意からきたものであり、またBは忘年会の席上で酒を飲みすぎてしまったものによるものである。もしBに書面での謝罪をさせると彼に汚点を残してしまう」、という理由からAさんの要求を拒否。Bは、「元々Aさんとうまくやっていくつもりのものであったが、結果として思いに反してそうならなかった。嫌な思いをさせたことについては申し訳ない。自身とAさんの育った環境の違いもあり、考えが至らない部分があった。」

   また、Aさんにとってショックだったのは、組合員の二人の中国人が自分の権利を守ってくれず、逆に「総経理は忙しい中会議を開いたのもあなたの面子を慮ってのものだ。」と言ってきたことであり、さらにそのうちの一人は無断欠勤を理由に解雇すべきと主張していたことだ。
 
  その後さらにBさんに情報が入ってきた。会社が以前の勤務先に調査を入れていたというのだ。そのときの友人から「あんな何か悪いことしたの?公安があんたんことを調べに行くらしいよ。」。Aさんを解雇するために過去について調べまわっていたということのようだ。

  Aさんはこの二日後に会社に電子メールで、口頭での謝罪は受け入れられないと送ったところ、会社からは書面での謝罪は絶対ありえないという返事が返ってきた。 ここでAさんは痺れを切らして弁護士に相談し、弁護士レターを会社宛に送信したものの、これもまた拒否されてしまった。

  そうこうしているうちに、1月22日にAさんになんと解雇通知が届けられた。無断欠勤を理由としたものだ。これを最後に、Aさんは訴える決心をしたのであった。今年3月Aさんは訴状を提出し、会社とBに対して40万元の賠償と書面謝罪を要求した。そしてその結論は冒頭の通りAさんの勝訴という結果であった。  
  
  これより以前の広州で受理したセクハラ訴訟は全て原告の敗訴に終わっている。重慶女性教師が校長を訴えたセクハラ訴訟は原告の敗訴」(これはセクハラ法立法(2005年に婦女権益保障法の改正とともに追加)後の初の案件)、「女性の病人が医師に下半身を触られたセクハラ訴訟は原告の一審敗訴」(北京初のセクハラ訴訟)等々、ほとんど敗訴している。証拠不足が原因だ。たまたま今回は忘年会の席上での写真が決め手となり、賠償金こそ3000元しか認められなかったものの、その他についてはAさんが勝訴した。原告の勝訴は広州でも初めての事例だ。 しかし、残念なことに今も尚Bは判決を履行しておらず、今までどおり仕事をとしているという。

  全体をご覧になってたぶん同じように思われたと思うが、まず起こってしまったという事実がそもそも間違いであるということ、そして、その間違いの処理方法を誤ったために訴訟にまで発展してしまったといえる。もし最初からAさんの要望どおりにしていたらここまで事態は広がっていただろうか?こういう場合に従業員をうまく押さえつけて事態を沈静化させるのも管理者としての役割だという人もいるだろう。しかしそれとても筋が通っている必要がある。しかもいまもなお当事者のBが勤務し続けているというのは今後想定しうる事態まで考えると果たして妥当といえるだろうか?自社の従業員、同地区に所在する他企業、あるいは同地区に所在する他企業の従業員は同社に対してどのように見るだろうか。

  以上はあくまで新聞記事を元にした内容である。当事者は事実関係が違うというかもしれない。内容が完全に事実であれば言い訳のしようがない。しかしながら、新聞の一面に写真まで出てしまった以上、危機管理というもの対する意識が欠けていたといわれても仕方がないと言わざるを得ないだろう。酒の席のことだからいいではないかという考え方があったのだろう。しかしながら、もう既に日本語のウェブサイトでも情報がかなり出てしまっている。手遅れだわ。


来年の海外留学生数は12,000人

2009年12月21日 | 未分類
  国家留学基金管理委員会は国家留学基金が助成する方式で、2010年は全国から各種留学人員12,000人を選抜する計画をしている。そのうち、大学院生が6,000人、高級研究学者、訪問学者(博士課程修了後の研究生を含む)等が6,000人という内訳となっている。

  優先的に助成する学科専門分野はエネルギー、資源、環境、農業、製造、情報、生命、空間、海洋、ナンテクノロジー及び新材料と人文、応用社会科学分野だ。また、同時に芸術類、外国語類と国際地域問題研究関連専門分野の選抜派遣も強化していく計画だ。
 
 2009年1~11月末までにおいて、公費で出国した留学人員は12,715人、そのうち博士学位を学んだ研究生と联合養成博士生が5,624人、これらは選抜された総数の44%を占める。1996年から2009年11月までで、公費での出国留学人員の合計は58,419人、戻ってきている率は97.16%を占める。

 留学生のうち97%以上が帰ってきているということだが、留学先から帰ってこないというのはもう既に昔の話だ。留学経験のある人と話したことがあるが、中国から出たいという気持ちよりも中国で何かをしたいという気持ちのほうが強いように感じられた。しかもこの数値は公費で学んだ人数の統計だけであり、私費留学まで含めるとこの何倍もいるだろう。海外で学んできた人々がこれからますます中国に活力を与えていく。皆さんの会社にもそんな人材がたくさんいるのではないだろうか。

テレビショッピングにも注目~その2~

2009年12月15日 | 未分類
  昨日東方購物というテレビショッピングを行っている会社を紹介したが、今日は橡果国際という会社を紹介する。中国テレビショッピングには大きく二つの方式があり、ひとつがCM方式で行う直販、もうひとつが昨日紹介した東方購物が行っているような、ショッピングチャンネルを利用する方式であり、橡果国際は前者の方式を採用している。

 橡果国際がCM枠を購入するコストは販売収入の約35%、この他営業費用・管理費用が合わせて販売収入の約20%といわれている。逆に言うと、粗利率が55%を超えて初めて利益を生み出すことができる。小売で55%という粗利率が必要とされるのは結構厳しい業界といえるだろう。日本はどうかと思って簡単に調べてみたが、テレビショッピング向け商品販売をアドバイスしている某サイトを見たところ、「現在の採用商品の最低粗利益率は50%です。できれば、60%以上を希望します。」と謳われており、55%という水準は日本も中国もそんなに変わらないようだ。それにしてもこの55%水準は小売業の粗利率が低い中国においてはかなりのレベルだ。一方で、昨日紹介した東方購物のチャンネル使用費(CM枠購入)は年間収入の3%に過ぎず、橡果国際の広告費用35%と比べると非常に小さなものとなっている。ということで、橡果国際の採用している広告費用が大きくなるスキームは今後の発展へのボトルネックといわれている。《テレビショッピング短篇広告及び家庭ショッピング番組管理の強化に関する通知》というものが来年より実施されるが、これにより、CM枠を購入するタイプを採用している中小レベルのテレビショッピング企業が淘汰されると予想されている。CM枠を購入する形でテレビショッピングを行っている会社に対しては良いイメージを持っていない消費者も多く、橡果国際も淘汰されるような企業と同じくくりで見られるようになると、東方購物のようなスキームを採用しているところとの競争に苦しむようになっていくかもしれない。

テレビショッピングにも注目

2009年12月14日 | 未分類
  テレビショッピングを行っている東方購物という会社がある。この会社は上海文広伝媒が45%、韓国CJ社が30%、同方が25%出資しているテレビショッピングを行っている会社である。上海地域以外への販売も行っており、高級商品を取り扱っているのだが、自動車、まで販売しているのだ。そして来年からはなんと不動産まで販売しようと計画している。

  同社は2003年に設立医ら、中高級テレビショッピングチャンネルというポジショニングを打ち上げ、販売額は当初1.56億元だったのが、今年の見込みは28億元、顧客家庭数も2004年の13.5万から今年の10月で250万近くにまで達している。



  新聞報道によると東方購物は世界で始めてテレビで金を取り扱い、中国ではじめて自動車とダイヤモンドを販売した会社であり、もうじき住宅の販売も始める。新たな商品を提供し続けることで、顧客を飽きさせないようにしているのだ。

  自動車に関して言えばBMWのような高級車の販売も行っている。これを販売することで1台あたり数千元しか儲からないそうだが、こういうものを販売することで信頼度が増すという効果があるという。一晩で40台余りのBMWが売れたこともあるそうだ。確かに、中国のテレビショッピングで扱われる商品の中には胡散臭そうなものもあり、そういうネガティブなイメージを排除するには効果的なのだろう。

 また、東方購物に商品を供給する会社が利益がなくても出品したいというところもあるという。東方購物で扱われているということで、商品自体の知名度が上がり、それが通常の市場での販売アップにつながるというのがその理由だ。

  現在ネットショッピングに注目が集まっているが、テレビショッピングへの注目する会社も現れつつある。これからますます脚光を浴びるようになってくるだろう。

上海の人民元貿易決済が増加中

2009年12月11日 | 未分類
 低調だった人民元貿易決済が増え始めている。一定程度の期間が経過したことと、税関の異地通関等の問題が既に全国範囲で解決していること、人民元貿易決済は外貨核鎖管理の必要はないものの、同様に輸出税額還付を受けることができる等がはっきりしてきたことがその要因だ。9月末までで人民元貿易決済は1億元を突破し、今では3億元を超えているのではないかといわれている。

 今のところ人民元貿易決済は輸出企業が好んで利用している。将来的な人民元高予想のもと、今の段階で輸出代金を人民元で回収しておきたいというのがその理由だ。

  上海では第一陣として92社の企業が試行企業としての認定を受け、第二陣として963社の企業が認定待ちの状態にあり、12月中下旬には認定されることが見込まれている。第二陣の企業について、既に今の段階で開始している企業もあるが、多くは輸入業務からはじめているという。既に利用し始めているところは輸出に際して利用しているのとは反対の動きだが、外貨管理核鎖や輸出税額還付等のオペレーションの問題もあり、最初に始めるときはおっかなびっくり始めるのだろう。

上海の住宅賃料利回りはたったの2%

2009年12月10日 | 未分類
  上海の不動産価格が高騰しているのは既にご存知の通りだが、あまりに高いがゆえに、賃貸にまわした場合の利回りが非常に低い水準にある。美聨物業という会社が出した報告によると、上海の住宅賃料の利回りはたったの2%しかないとのことだ。これは現在の一年定期預金利率の2.25%をも下回る水準であり、ここ3年来で最も低い水準にある。地区別に見てみると、長寧区の賃貸利回りが3.07%で上海で最も高い水準にある。その他は閔行区が2-3%、普陀区、徐匯区、閘北区、虹口区、浦東新区ではだいたい2-2.5%、静安区、黄浦区はたったの1.5-2%となっている。日本の感覚で言うと例えばマンションの賃貸利回りは7%とか10%あたりがよく聞こえてくる水準なので、上海のこの水準は異常値といえるだろう。逆に言うと、利回りから考えると不動産価格はもっと下がるべきであるともいえる。しかしながら、賃貸利回りが低い状況が続いているということは逆に投資者のリスクプレミアムが下がることを反映しており、価格下落の圧力にはならないという見方もある。全く逆の発想だ。上海の不動産マーケットは賃貸利回りだけでは量ることのできない理解しづらいマーケットとも言えるだろう。個人的にはこういうマーケットの不動産を個人投資レベルでは買いづらいの正直なところだ。

アリペイの一日の取引金額が12億元を突破

2009年12月09日 | 未分類
  ネットショッピングの決済ツールとしておなじみのアリペイ(支付宝)が、12月7日に一日の取引量で12億元を突破した。アリペイは元々ネット販売の決済において売り手買い手の双方にメリットのあるエスクロー的要素を加えた決済方法として2003年10月よりスタートした。具体的には買い手が先に代金を支払うものの、それがいったんアリペイでプールされ、買い手が商品を確認して初めて売り手に代金が渡るという仕組みだ。これが爆発的に受けたこともあり、2004年には淘宝網の取引額は23億元に達した。これは2003年の中国国内ネットショッピング市場総規模の二倍以上もの規模にあたる。2008年8月末にはアリペイのユーザー数は1億に達し、その後も国際金融危機の逆境の中でもなお増加を続け、2009年7月にはユーザー数が2億人を突破。今では商品代金決済以外において、公共料金の支払い、クレジットカードの返済、家賃支払い等もアリペイで行うことができるようになっている。個人的には公共料金の支払いにおいて以前のようにいちいちコンビニやその他の窓口に行く必要がなくなり、非常に便利になったことが実感できている。他にも色んな決済ツールがあるのだろうが、ネット決済におけるアリペイのシェアは既に半分以上を占めており、特にネットショッピングの世界においてはガリバー化している淘宝網ともリンクしている。ネットショッピング市場は2008年で77%、2009年において69%の成長が見込まれていることから、これからもますますアリペイが利用されていくだろう。

2009年7-9月キーワードランキング

2009年12月02日 | 未分類

  上半期キーワードランキングという記事を11月24日にアップしておきながら7-9月のキーワードランキングが今頃になってしまったが、とにかく見てみよう。 

 

 高いねえ、来料加工に対する関心。上半期もあわせると今年ずっと関心が高いキーワードになっている。そして6月くらいから管理性公司のキーワードが目立ち始めたているが、6月12日付記事の地域本部比較 ~~~ 北京 VS 上海の影響だろう。そして、7月22日付記事の上海の地域本部は707社も関心を引いたようだ。地域本部や投資性公司ではなくて管理性公司をキーワードとする検索が増えてきている理由として考えられるのは、

① 投資性公司を設立したいと考える企業は既に設立済み
② 統括機能を担う会社は投下資本の大きい投資性公司でなく管理性公司で十分
③ 管理性公司でも販売機能を持つことができるようになった

 ざっとこんなところではないかと思う。

 統括機能は中国という地域戦略を行っていくうえで非常に重要なものと思う。今や中国市場は巨大化しており、中国における統括機能の必要性を感じている人は非常に多い。統括機能についていろいろな企業と話したことがあるが、聞いた限りではこのような戦略的な判断に関してはどうしても日本本社側のコミットが必要になってくる。日本本社側が中国市場をどれだけ重視しているか、中国市場をどれだけ理解しているか、これが中国のける統括機能に対する意思決定のポイントといえるだろう。


外貨建て給与の両替

2009年12月01日 | 未分類
   先日アップしたニュースレターが意外と反響を呼んでいるようだ。2009年11月19日付で公布された《国家外貨管理局:よりいっそう個人為替売買業務管理を整備することに関する通知》という個人の外貨購入・人民元転の抑制を目的とする内容で、反響を呼んでいるのはこの部分だ。
 
国外同一個人または機構が同日、隔日または連続する複数日に外貨を国内の5以上の異なる個人に送金し、受取人がそれぞれ人民元転。
 
  銀行はこのような行為に対し、年間両替限度額5万米ドルを回避するための行為であるか否かを判断する必要があるという。つまり、銀行の判断によっては両替ができないということになる。
 
  現在中国国内で外貨建給与を支払うことができなくなっており、それでもなお外貨で給与を受け取ろうとすれば国外から送金してもらう必要がある。このような人はそれほど多くないと思っていたので、反響を呼んだのは意外だった。今回の通達をそのまま読むと、とある会社が自社の中国駐在員5人以上に給与送金を行い、受け取った個人がその外貨を人民元転する場合に、銀行の判断によっては不可能になる。個人口座なので大半は地場銀行で両替することになると思う。この手続きを行うが否かはあくまで銀行の判断になるが、あえて私見をいわせてもらうとすると、通常の両替時にパスポートを提示する以外に、日本本社から中国へ駐在させている旨の任命書及び就業証を提示することで、中国が制限したい類の両替ではなく、生活上必要な両替であることを証明すればいいのではないかと思う。ま、地場銀行が今後どういう事務処理をしていくか知らないが、そもそも銀行は「国外同一個人または機構が同日、隔日または連続する複数日に外貨を国内の5以上の異なる個人に送金」しているという事実を本当に真剣にチェックしていくのだろうか。異常な金額であればともかく給与送金レベルでいちいちそこまでやっていられないだろう。