呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

2013年度の中国年間平均給与

2014年05月28日 | 日記

 2013年度の平均給与のデータを見つけました。今日はこれを紹介しましょう。

 

1.2013年度地区別持ち場別年間平均給与

 全体平均が45,676元、単純割で月給4,000元弱です。エリアによって異なるのですが、税ぶって東北よりも高いんですね。ちょっと意外。商業、服務業(サービス業)は給料の低い職種が多いこともあって低くなってます。東部はやはり高いですね。

 

 

2.2013年度業界別持ち場別年間平均給与

 一番高いのはIT関係の93,044元、責任者レベルになると243,898元って、これ400万円くらいになります。結構いい金額です。個々には金融が入っていませんが、金融が入ってくるとITより高くなるかもしれません。それにしても飲食業はやっすいなあ。

 

 

3.2013年度会社類型別持ち場別年間平均給与

 やはり外資が一番高く61,694元、責任者レベルで240,838元でこれも400万円くらい。現地で会社運営している立場としては額面が上がってきているのに加えて、円安も結構効いています。1元=12.5円くらいの時代が長かったのが、今では1元=約17円。1万元の月給だと45,000円も違います。45,000円って職種によっては十分一人雇えますからねえ。ホント高くなりました。

 


中国入国外国人延べ人数推移

2014年05月27日 | 日記

 最近中国における日本人在留者数が減少しているという記事を見た人も多いかと思います。例えばこれ。

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/140524/chn14052420400008-n1.htm

 

 中国の在留外国員数推移を調べようかと思ったのですが、ちょっと面倒だったので急きょ中国への入国者延べ人数推移を調べることにしました。対象エリアとして、日本、韓国、欧州、ロシア、アメリカをリストアップしました。ちなみに統計上はロシアが欧州に組み入れられていましたが、ここでは統計上の欧州の合計数値からロシアをマイナスした数字を欧州の数値としています。その結果がこれ。

 

 

  

 2008年と2009年は金融危機の関係で各エリアとも大きく減少していますが、調べた2003年以降2007年まではうなぎのぼり、2010年以降はやや減少のほぼ横ばい。日本に関しては2011年から2013年ともに毎年のように減少しており、特に2009年は大きく落ち込んでいます。欧州は国が多いので、ロシアは近隣ということもあってアメリカよりも多いですね。

 

 この統計はあくまで入国延べ人数なので、必ずしも在留人数と一致しないかもしれませんが、参考にはなるかと思います。

 

 ここまで調べると、国別及び入国目的別人数で比較してみたいと思いましたが、ちょっと作業が面倒でしたので、今日のところは挫折、これでお預けとさせてください。


不動産登記に聖域設けず

2014年05月26日 | 日記

 中国で不動産登記制度が整備されつつあるようです。《不動産統一登記条例》の起草が終わり、その実務のための《不動産登記条例実施弁法》の起草に向けての検討が進んでいます。この程度のことは日本だとどうってことないように思いますが、中国の場合は影響が大きいと言われています。中国のメディアやネット上では不動産登記制度は腐敗防止につながる、不動産価格の値下げにつながらう、不動産市場に影響を与えるといわれています。登記をするという至極当然なことがなぜこんな影響をもたらすといわれているのかというと、出所のわからないお金で不動産を購入している人、特に役人が多いからといわれています。なるほど。

 

 しかし、実は中国の役人が資産を申告する制度はすでにあります。1995年の時点で党政機関県(処)級の領導幹部収入の申告に関する規定》(失効)が存在し、2001年には《省部級現職領導幹部が家庭資産を報告することの規定》が、そして2010年には《領導幹部が個人の関連事項を報告することに関する規定》が存在し、本人、配偶者及び扶養子女が保有する資産についてはきちんと報告すべきというルールがあるのです。まあ、まったくといっていいほど機能していないのでしょうが。不動産登記制度が整備されると、少なくとも不動産に関しては簡単に調べられるようになり、資産状況も明らかになってしまうことから、不動産登記は腐敗防止につながるという見方があるのでしょう。さらに、不動産登記制度が整備されると保有する不動産の状況が明らかになるため、それを分からなくするために現金化しようとする動きが出てくると思われます。現金化すれば調べにくくなりますからね。しかし、これが理由で仮に不動産場暴落した場合、いったい今までの不動産相場は何だったのだということになりかねません。人民解放軍が高級酒を飲むのをやめましょうとなった途端に高級酒の売り上げがガタ落ちしたように、現金化を狙って売却物件がたくさんで相場が下がってしまいかねないということです。そうなったらそうなったでネタとしては面白いですね。

 

 なお、《不動産統一登記条例》は6月までに起草を終え、国務院に報告する段取りとなっているとのことです。そして、2018年までには不動産登記情報管理基礎プラットフォームの運航が始まるという計画なので、資産開示が理由で不動産相場の下落につながるのであれば2018年を見据えてその1-2年前には相場に動きができ来るのではないでしょうか。地方都市ではすでに不動産相場の雲行きが怪しくなってきているようですが、制度の整備により都会の物件の相場も怪しくなってくるかもしれませんね。


蒼井そらブランドの下着

2014年05月25日 | 日記

 なぜだか中国で人気のAV女優蒼井そらが、中国でG-SELF(そらシリーズ)という下着のクリエイティブディレクターを担当し、この下着が5月28日より発売開始になります。G-SELFは高級下着SPAKEYSといういブランドと組んでのものですが、中国での蒼井そらの知名度はご存知かと思いますがかなりのものでして、この下着の展開もかなり注目されているようです。

 

 

 

 中国の広告で効果が現れそうなのは日本人芸能人は今のところ多分このひとくらいなのでしょう。


2014年中国日用消費財ブランドTOP50

2014年05月21日 | 日記

 Kantarが発表した2014年中国日用消費財ブランドトップ50です。 食品、飲料、健康・美容と家庭用ケア用品類のブランドが含まれています。

 トップ5のうち、康師傅、旺旺は台湾系、伊利と蒙牛はともに牛乳ブランドです。そしてトップ8は昨年と同じになっています。

 トップ3は浸透率が約90%と突き抜けており、第4位75.4%を差をつけており、トップ3の存在感の大きさが目立ちます。

 日本ブランドはというと、見落としているかもしれませんが40位にグリコが入っているだけです。もうちょっと入っているかと思っていたのでちょっと意外と思いつつも、中国市場での評価はこんなもんなのかと思いました。中国内販と日本ではよく言っていますが、寂しい結果ですね。なんとかしたいです。

 

 

 

 


先週に引き続いての上海セミナー

2014年05月15日 | 日記

 先週に引き続き今日は加工貿易に関するセミナーを開催しました。今日もたくさんの方にお越しいただきました。誠にありがたい限りです。分野は同じでも内容は異なりますので、レジメ作成の労力は結構なものでしたが、これでひと段落したので、やれてなかったことも前に進めていけそうです。

 

 


中国の飛行機はよく遅れる

2014年05月12日 | 日記

 中国で飛行機に乗ったことのある人で、不愉快な思いをしたことがない人はいないのではないでしょうか。そうです、遅れるのです。

 2013年6月のデータを見ますと、世界の35空港の中でディレイ率のトップが北京、2位が上海となっており、ディレイ率は北京で81.7%、上海で71.3%と送れる確率のほうが高いというデータが出ています。最近では中国国内線も大都市間をつなぐ便はかなり状況はよくなっているようですが、そのしわ寄せが地方都市にいっていると聞きます。

 なお、成田空港の提示到着率は95%で、北京や上海とは全く比べ物になりません。

 

 

 

 その他の都市ですが、広州、昆虫、南京、成都、長沙、ウルムチといった都市でディレイ率が50%、半分が遅れるということです。

 

 2012年のデータを見てみましょう。当時の提示到着率は74.83%、4便のうち1便が遅れるということですが、感覚的にはもっと遅れているように思います。なお、ディレイがこれだけあることにより乗客がロスした時間は2億時間と算出されています。毎日57万時間、一人平均40分ロスという計算だそうです。

 

 なお、アメリカの航空統計のディレイ率は15分で切っているのに対して、中国では30分とされており、実態的にはこの統計の数値どころではないということがうかがえます。

 

 次に、消費者保護団体が行ったアンケートによると、怒りの5つ星なるものが発表されており、それによると、

 (1)提示に搭乗、機内で待たされる

 (2)ディレイするとわかっていながらチケットを販売

 (3)遅い便に先に飛ばせて、先に出発すべき便を後回し

 (4)機長ともめた(おそらく乗客と機長がもめたことかと思われます)

 (5)22時間もの間機内に閉じ込め

 ④はともかく、それ以外はひどいもんですなあ。

 

 さて、いつものように遅れる飛行機ですが、何を理由に遅れているのでしょうか。5大要素なるものがありますが、それを見ていきましょう。

 運航管理:40%

 上空交通量制御:25%

 天候要因:21.6%

 空港保障:3.7%

 となっております。

 

 なお、中国の空域資源は民間用はわずか20%しかなく、アメリカの85%と比べて大きく見劣りします。

 

 ディレイした時の補償についてみていきましょう。期待している人はあまりいないと思いますが。

 (1)中国国際航空

   4時間遅れごとに300元、最高600元

   荷物のディレイは8時間で500元、最高で1000元

   旅程キャンセル時300元

 (2)南方航空

   4時間遅れごとにつき300元

   荷物のディレイは8時間ごとに500元

 (3)東方航空

   4時間以上ディレイで600元

   荷物ディレイは8時間以上で1000元

 こんなのいらないからとにかく時間通りに飛んでほしいものです。それと、遅れるなら遅れるでしょうがないのですが、ちゃんと乗客に説明してほしいものです。一般的に積極的に乗客に案内することはないですし、質問されても答えにならない答えばっかりで、あれじゃあ乗客も怒りますわ。カウンターに怒鳴り散らしている光景を見たことがある人も多いと思いますが、そういうことなのです。書いているうちに嫌な思いをしたことを思い出してしまいますわ。


久しぶりの上海セミナー

2014年05月09日 | 日記

 久しぶりに上海でセミナーを開催しました。1月以来です。1月の時も参加者は多かったのですが、今回もほぼいっぱいでした。

 タイトルはこれです。

 

 

 まだまだ関心の強い分野のようです。会場の様子です。前からとるのはマナー違反なので後ろから。

 

 

 写真を撮ってもらいました。

 

 

 来週もう一度セミナーを開催するのですが、来週のはちょっとあわただしくて、セミナー終了後そのまま空港に直行して飛行機に乗る予定です。かなりギリギリのスケジュールになってます。

 

 やりたいことはいろいろあるのですが、あれもこれもというわけにもいかないですし、考え出すときりがないですね。


中国の貯蓄率

2014年05月05日 | 日記

 今日は中国の貯蓄率について紹介します。

 

 貯蓄率といいながらまず借入についてから。

 

 この図では38%の中国家庭に負債があり、73%の家庭に住宅ローンがあるということを示しています。

 30-40歳の負債を持つ家庭では、借入総額の平均が家庭年間収入の11倍を超えており、収入の下位25%の家庭の借入額は年収の32倍を超えているということが示されています。

 日本では住宅を購入する際に住宅ローンという借入を行うにあたり、借入額の目安として年収の5-6倍が多いそうですが、中国では物件価格が高い成果この程度だと足らないのでしょうか。銀行の住宅ローン審査も日本とは基準が異なってくるでしょう。昔住宅ローンの審査担当をしていた時は確か年収の40%以内を一応の目安にしていたと思うのですが、中国だと年収の11倍として、返済率をもっと高く見ていないと難しいですよね。

 

 

 次に、貯蓄率そのものを見ていきます。1位カタール、2位クゥエート、3位中国となっています。解説がないのですがおそらくこれはGDPに対する中国全体の貯蓄の比率です。1992年と比べると16ポイントも上昇してます。

 

 ところが、住民貯蓄を見てみると、1992年と2012年ともに中国全体貯蓄の20%と変化がなく、つまり中国全体の貯蓄が増えているといっても、個人レベルで見ると決して増えていないということが言えるかと思います。ちなみに2008年の日本の家庭金融資産のGDPに対する比率は27%くらいでした。

 

 次を見ていきましょう。中国政府の預金残高は2003年以降年間平均37%も増加してきています。

 

 

 収入上位10%の家庭が占める貯蓄金額は74.9%、その次の35%の家庭が占める貯蓄金額は25.1%、そしてその残りの55%の家庭にはほとんど貯蓄がないというデータが出ています。半分以上の家庭に貯金がないということですね。日本だと貯金のない家庭というのはどのくらいあるのでしょうか。

 

 ちなみに最近話題の理財商品ですが、それに投資している比率のことでしょうか、ここでは「愛理財」という表現になっていますが、2012年と比べて2013年は18.2ポイントも上昇してます。

 

 日本人は貯金好きといわれます。確かに将来に対する考え方が保守的な部分が多いのだと思います。こういうのは国の制度やそれをベースに培われた国民性によるものかと思います。個人的に気になったのは中国の場合は貯金や投資よりも借入ですね。借金を好まないとよく言われていますが、その実さすがに住宅に関してはローンを組む人が多く、親が子供のために家を買ってあげるというわけにもいかなくなってきているのでしょう。親からの支援は一部支援にとどめているところが多そうですね。それと、そもそも年収対比借金が大きすぎますが、収入がどんどん増えていくことでカバーしていけると考えているのでしょうね。