呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

ディーゼル油/「山寨柴油」

2009年08月31日 | 未分類
  中国に「山寨」という言葉がある。元もとの意味は山中の砦と言う意味で、昔の盗賊や放棄した人民が山林の中に構えた根拠地のことを意味している。管理を逃れて山中に隠れるという意味だったのが、意味合いがだんだんと変わり、今ではコピー品の意味を持つようになってきた。皆さんもご存知の通り中国にはまだまだコピー品が多い。衣料品やブランド看板といったものが代表的であり、携帯電話もブランド名こそ違うものの、概観は完全にコピーされているものがある。この話題を取り上げるきっかけになったのは新聞で「山寨柴油」という単語を見たからだ。柴油とはディーゼル油のことなのだが、なんとディーゼル油の「山寨」が出回っているというのだ。通常のディーゼル油と比較したものが次の表だ。 
 
0号国際ディーゼル油
山寨柴油
硫黄分
0.05%以下
0.22%
酸性値
7以下
35.2
残留炭素分
0.3以下
0.17
引火点
55以上
59
凝固点
0以下
-2
   「山寨柴油」は見た目は非常にきれいなナツメ色らしいのだが、硫黄分と酸性値が大きく基準から外れている。硫黄分が高すぎるとディーゼルオイルの不完全燃焼をもたらし、普通以上に黒い煙を吐き出すようになる。道理でもの凄い黒煙を撒き散らす車が要るわけだ。また、酸性値が高いディーゼル油を長期間使用すると、エンジンにかなりの腐食作用をもたらすとのことだ。
  「山寨柴油」が他のコピー品やニセモノと違うのは、大多数のユーザーが正規品と思って購入使用しているという点だ。中国も環境保護に力を入れているとは言うものの、このような「山寨柴油」は製造者にとっても販売者にとっても非常に収益性が高い(通常のディーゼル油よりも収益性が高い)こともあり、なかなかなくなりにくいようだ。ユーザーの意識改革だけでは解決できないと思われるので、製造者と販売者の環境に対する意識をいかに高めていくかももちろん大事だが、結局どれだけ取締りを厳しくするかに左右されるだろう。

上海のデンジャラス遊園地 

2009年08月27日 | 未分類

  8月に上海の松江に本格的な遊園地がプレオープンした。その名も歓楽谷、英語名はhappyvalleyだ。どんなところかはウェブサイトをご覧頂きたい

 


  ところがどっこい、余りにも故障が多くて歓楽谷(happyvalley)ならぬ、驚魂谷(terrifiedvalley?)と呼ばれている。なんとプレオープンしてから13日間で12件の故障が発生しているのだ。ここで8月25日に起こったケースを紹介しよう。「疯狂精霊」という名のジェットコースター(下の写真)でだ。

 


  ことは3時ごろに発生した。ジェットコースターが最高位置で突然止まってしまったのだ。子供向けなのでそれほど高くないものの、それでも地上から10メートル程度の高さで約10分間も停止してしまった。その後動き始めたものの動いたり止まったりの状態が続き、下り場に戻ることなく安全階段から下りるハメになってしまった。乗客は当然文句を言うわけだが、その返っきた回答や、責任者の発言にこれまたびっくりだ。

「この故障は正常範囲内といえる。大人が風邪をひくようなものだ。1万回も動かしてき始めての現象であり、正常範囲内だ。」

「確率的には1万分の1に過ぎない」

「非常に普通の小さな問題に過ぎず、なんら危険なものではない。」

  本気でこんな風に考えているとしたら
エキスポランドの二の舞になりかねない。こんな発言だ大問題だ。エキスポランドは死者が出たことをきっかけに最終的には倒産という結果が出たわけだが、それくらいのことがないとわからないのだろうか。このような甘い考えで運営し続けていくのは非常に危険だ。中国はものすごいスピードで移り変わっている。それは誰でも知っている。例えばビルひとつ立てるにしてもかなりの短期間でできてしまったりする。しかしその裏にこの遊園地のように安全面を軽視したりはしているケースも少なくないように思えてしまう。スピードが速ければいいというものではないはずだ。少なくともこの遊園地はもっとバッシングされてもいいはずだ。

  まさにデンジャラス遊園地、たかが遊園地のアトラクションに乗るのもこれじゃあ命がけだ。


クロスボーダー人民元決済の利用状況がいまいちだ

2009年08月26日 | 未分類
  とある上海の試点企業が、上海で通関する際に輸出核銷単が不要だったものが、深圳で通関しようとしたときに輸出報関単には必ず核銷単が必要だと言われ、最終的にはあらためて米ドルで通関したという話がある。結局、実務の細かなルールが統一されていないため、場所によって取り扱いが異なってしまっているのである。《クロスボーダー貿易人民元決済試点管理弁法》では「通関及び輸出税額還付(免除)を行うときには外貨核銷単の提出を必要としない」という文言がちゃんとあるのだが。。。一方で、税額還付については「関連規定に従って輸出貨物税額還付(免除)政策を享受する。具体的な輸出貨物税額還付(免除)管理方法は国務院税務主管部門が制定する」とだけあり、これは確かに細かに定められてはいない。

  上海では過渡的措置として企業が輸出報関単正本と国内増値税発票正本を提出すれば税額還付を認めており、国家税務総局と税関総署が正式な実施細則を公布した後にその規定に従って統一的に執行することにしている。実務面で先行している形だ。

  一般的に多くの中国国内企業は様子見状態である。輸出税額還付等の政策が明確になっていないこと、人民元高の期待が弱まっていること、中国国内試点企業の人民元決済に決して積極的でないこと、これらが主な原因となっている。

  活用してもらうためには結局企業が「人民元決済したい」と思う土壌作りが必要になってくる。そのためには、人民元の為替リスクの問題を別にすると、中国国内企業が人民元決済は便利である、国外の貿易相手が人民元決済を受け入れるというのも大事になってくる。また、そもそもの試点企業の数自体も少なすぎる。上海で92社、中国全土でも365社に過ぎない。

  中国人民銀行条法司の司長である李波氏と財政部税政司の副司長である鄭建新氏が24日に関連規定をまさに策定しているところであると発言している。李波氏は関連規定が出揃った後に、今度は中国国内の試点範囲、試点区域、試点企業を増やしていく意向を示している。

  現在のところ、《クロスボーダー貿易人民元決済試点管理弁法》が中国人民銀行、財政部、商務部、税関総署、国家税務総局、銀行監督管理委員会の連名で、《クロスボーダー人民元決済試点管理弁法実施細則》が中国人民銀行単独で公布されている。結局のところ、税関総署や国家税務総局による《実施細則》レベルの通達が発表されないと企業も身動きをとりづらいということだ。これらは既に策定中と言うことなので、正式に公布されればまた風向きも変わってくるのだろう。

倒壊しても値上がりする?

2009年08月25日 | 未分類
  上海で建築中のマンションが6月27日に倒壊したことについて一度書いたことがある。まだ覚えている方も多いだろう。

(参考)
上海のマンション倒壊のその後

  このマンションは蓮花河畔景苑と言う名前だが、ディベロッパーである梅都公司が未販売の90戸の6月26日付販売価格表を発表した一週間後に、倒壊した棟のある小区(団地.居住区.住宅街)の第三者社による不動産評価を発表した。そのうち、倒壊していない棟の6月27日時点での評価価格は15,300元/㎡~19,676元/㎡、これに対して倒壊してしまった棟の不動産評価が2009年8月13日時点で18,111元/㎡~21,348元/㎡という数値が出てきる。倒壊してしまったものは倒壊していないという過程のものだと思われるが、2ヶ月弱で結構な幅で上がっている。しかしまあこんな短期間でこんなに上がるものなのか。

  個人的には上海に不動産はこわくて買えない。日本で仕事していたときに平成7年に14億円の評価だったのが平成14年の評価で2億円にまで下落している物件を見たことがあった。7年間でなんと7分の1にまで下落していたのだ。日本もバブル全盛のころはおかしいと思っている人はそれほどいなかった。ところが中国においては不思議な安心感を感じている人は少なくないだろう。実際に国際金融危機の中でも相対的には影響は小さいほうだ。何かといえば中国に期待する風潮も見られる。上海の不動産に関しても調整局面に入った時期もあったようだが、それにしてもこの上がり方はどうだかなあと思う。上海のオフィスの入居率は供給が急激に増加したこともありいまいちのようだが、マンションは結構売れているようだ。

  私はマクロ経済を専門的に研究しているわけではないので、単なる個人的な感覚の問題ではあるが、やっぱり不動産市況についてなかなか理解しづらいものがある。同じように感じている人も少なくないのではないだろうか。

外国籍従業員への外貨建て給与支払い

2009年08月24日 | 未分類
 今年の2~3月に掛けて江蘇省において外国籍従業員向け中国国内口座への外貨建て給与支払いができなくなっていることを以前に紹介したことがある。

  これをきっかけとして他地域でもすぐに同じような動きにはならなかったようだが、最近になって上海でも怪しい動きが出てきている。一部銀行において外国籍従業員向け中国国内口座への外貨建て給与支払いをストップした、あるいはストップしようとしているという動きが見られ始めている。

  たしかに、中国国内は人民元決済が原則なので、外国籍従業員向け外貨給与支払いと言うのは間違ったことかもしれないが、国家外貨管理局が編集した《経常項目外貨業務手引》(2003)の中で「外国籍従業員収入項目の外貨購入支払」という項目の中で必要資料も含めて説明されており、その根拠となる通達まで記載されている。実務で行われていたことが国家外貨管理局も認める書面で認められていたのだ。しかしながら、「中国国内は人民元決済が原則」という考え方が台頭してき、外貨建て給与へブレーキが掛けられ始めている。そんな中で、引き続き外貨で給与を受け取りたい外国籍従業員のために以下のような方法が紹介されているのを見つけたので、以下に紹介しよう。

(1)先に国外口座に給与送金
① 本来給与負担すべき国内企業が外貨給与を国外親会社の口座に送金(明確な規定のない非貿易送金の形式で送金)。
② 国外親会社が給与を外国籍従業員が国外に開設した口座に送金し、その個人口座から外国籍従業員の国内の個人口座に送金。
または、
国外親会社が直接当該給与を当該外国籍従業員が国内に開設した外貨口座に送金する。

(2)先に国内口座に給与送金
国外親会社が外国籍従業員の国内口座に直接送金し、その後本来給与負担すべき国内企業が「立替給与支払い」の形式で、国外親会社に送金する。
または、本来給与負担すべき国内企業が国外親会社に給与相当額を先に送金し、国外親会社が外国籍従業員の国内口座に直接送金する。

  (2)については「立替金送金」という問題は残るが、「立替金送金」を認める地域もあるので、そこは現地で確認すればいいだろう。

  さあ、皆さんは今後どのように対応していきますか?

魁!! 総経理塾第1課のご案内

2009年08月21日 | 未分類
  私は直接タッチしないのですが、弊社の親会社である日本総合研究所が以下のような勉強会を上海で開催するのでご案内いたします。

『中国現地法人の経営者として考える経営の心構え、大切にしていること』 etc.
日  程: 【第1課】 9月11日(金) 15:00-17:30/懇親会 18:00-21:00
開催地: 上海(中国語学校 『漢院』 蘆湾区皋蘭路28号)
主 催: (株)日本総合研究所 / 軟脳軟件(北京)有限公司 上海分公司 / 協 力:上海潜龍文化傅播有限公司(Bros)

●『魁!! 総経理塾』とは...
・本塾は、既存のセミナーや勉強会や交流会等の枠を越えた、経営者の理念・哲学・経験の交流の場であり、熱き経営マインド(心)を刺激しあう場です。
・20~30人程度の少人数の経営層の方々にご参加いただき、講師による講演および双方向のディスカッションを行いながら、それぞれの現地法人経営者としての悩みや考え方、意識を共感・刺激し合い、気付きの得られる場にしてきたいと考えております。
・日系企業の中国でのプレゼンスの低さに危機感を覚え、「会社の99%は経営者で決まる!」という考えの下に企画した、経営者の、経営者による、経営者のための場です。

●【塾生対象者】
経営層(董事長・総経理・董事など)
経営層に近い経営マインドの高い役職者層(副総経理・部長など)

●『魁!!総経理塾』プログラム(予定)
・共通テーマ
『中国現地法人の経営者として考える経営の心構え、大切にしていること』 etc.

・【第1課】 9月11日(金) 15:00-17:30/懇親会 18:00-21:00
希森美康集団(シスメックス中国地域)  董事長 樋口 裕 氏

シスメックス株式会社所属。中国地域CEOと現地法人5社の董事長。
1963年生まれ。ネスレ日本株式会社に就職後、ネスレUSAにて新規事業部長、ネスレ南アフリカにて製造部長、QA部長、工場長、ネスレAOAにてアジア・オセアニア・アフリカ市場向け製品開発統括本部長を歴任。
国際ビジネスでの交渉術や多数国での市場開拓の経験を生かし、中国地域副董事長として2006年4月来任、2008年4月より現職にいたる。
来任以来3年で売上を 50%、営業利益を倍に伸ばす。また、中国への社会貢献にも力をいれ、四川地震の時には約3億円の寄付と数ヶ月に渡り多数社員を現地医療施設に送り医療検査業務サポートを行う。

・今後の開講予定
【第2課】 2009年11月上旬 【第3課】 2010年1月中旬 【第4課】 2010年3月上旬
【第5課】 2010年5月中旬  【第6課】 2010年7月上旬

・参加費
600元/回 (定員30名先着順)

・お問合わせ
【中国】軟脳軟件(北京)有限公司 上海分公司
セミナー事務局: 黄 (※日本語対応可)
TEL: 021-62491589
E-mail: huangyan@softbrain.com.cn
【日本】 株式会社 日本総合研究所
セミナー事務局: 吉川
Tel: 06-6243-4650(代)
E-mail: yoshikawa.kanako@jri.co.jp

 申し込みはこちら(クリック先の下の方にクリックするところがあります)

上海市のクロスボーダー貿易人民元決済試点企業リスト

2009年08月20日 | 未分類

 8月6日付で上海市のクロスボーダー貿易人民元決済試点企業リスト92社が発表されております。日系企業の名前も見られます。

 
上海市跨境贸易人民币结算试点企业名单

序号 企业名称
1 宝山钢铁股份有限公司
2 中化上海公司
3 上海上实国际贸易(集团)有限公司
4 上海丝绸集团股份有限公司
5 上海对外经济贸易实业有限公司
6 上海对外经济贸易实业浦东有限公司
7 上海飞马进出口有限公司
8 上海市五金矿产进出口公司
9 宜家(中国)投资有限公司
10 三信国际电器上海有限公司
11 上海保隆工贸有限公司
12 上海电气集团股份有限公司
13 上海振华港口机械(集团)股份有限公司
14 上海城建(集团)公司
15 中国建材国际工程有限公司
16 中化国际(控股)股份有限公司
17 上海中泽国际贸易有限公司
18 上海电气国际经济贸易有限公司
19 上海环宇进出口有限公司
20 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司
21 上海贝尔股份有限公司
22 沪东中华造船(集团)有限公司
23 上海惠普有限公司
24 星科金朋(上海)有限公司
25 巴斯夫应用化工有限公司
26 上海米其林回力轮胎股份有限公司
27 上海船厂船舶有限公司
28 东方国际集团上海利泰进出口有限公司
29 上海三凯进出口有限公司
30 上海八达纺织印染服装有限公司
31 中国上海外经集团有限公司
32 中国东风汽车工业进出口有限公司
33 上海顶达进出口有限公司
34 上海海程经贸有限公司
35 上海东源企业发展股份有限公司
36 上海建浦进出口有限责任公司
37 上海锦江国际贸易有限公司
38 上海原子能工业有限公司
39 上海新世界股份有限公司
40 上海市食品进出口公司
41 上海民光进出口有限公司
42 上海市轻工业品进出口有限公司
43 上海汉森投资发展有限公司
44 上海兰生股份有限公司
45 上海申达进出口有限公司
46 江南造船(集团)有限责任公司
47 中冶集团国际经济贸易有限公司
48 上海玩具进出口有限公司
49 上海龙头(集团)股份有限公司
50 中钢集团上海有限公司
51 上海宝轻资产经营有限公司
52 上海宝隆国际贸易有限公司
53 上海森联木业发展有限公司
54 上海隧道工程股份有限公司
55 中国海诚工程科技股份有限公司
56 上海港口技术工程服务有限公司
57 双钱集团股份有限公司
58 上海化工供销有限公司
59 上海东松国际贸易有限公司
60 上海申隆国际贸易有限公司
61 上海奥颂实业有限公司
62 上海崇商贸易有限公司
63 上海题桥纺织染纱有限公司
64 上海奔腾企业(集团)有限公司
65 上海三问国际贸易有限公司
66 宁波联合集团上海进出口有限公司
67 上海天原国际贸易有限公司
68 强生(中国)有限公司
69 上海晋能国际贸易有限公司
70 上海申龙客车有限公司
71 上海奈那卡斯电子配件有限公司
72 上海兰生大宇有限公司
73 益美高(上海)制冷设备有限公司
74 上海宝山太平货柜有限公司
75 拜耳(上海)聚氨酯有限公司
76 瀚斯宝丽科技(上海)有限公司
77 上海太平国际货柜有限公司
78 上海胜狮冷冻货柜有限公司
79 科凯精细化工(上海)有限公司
80 科宁化工(中国)有限公司
81 上海三菱电梯有限公司
82 上海富士施乐有限公司
83 上海伊诺尔信息技术有限公司
84 上海英联食品饮料有限公司
85 三菱电机上海机电电梯有限公司
86 上海科泰电源股份有限公司
87 上海新进半导体制造有限公司
88 三林万业(上海)企业集团有限公司
89 拜耳涂料系统上海有限公司
90 拜耳(上海)聚合物有限公司
91 上海嘉里食品工业有限公司
92 上海奥托立夫汽车安全系统有限公司


俺達は803だ、動くな!

2009年08月20日 | 未分類
  家でくつろいでいるときに突然ドアを蹴破られて警棒防を持った警官に「動くな、腹ばいになれ!」といわれたらどうだろう。何も悪いことをしていない人であればあるほど心臓が飛び出るくらいびっくりするだろう。ところがこれが上海で起こった。まず予備知識として803について紹介する。
803とは刑事警察803の略称で、上海市公安局刑事捜査総隊のことを指す。場所が中山北一路803号に所在することからこう呼ばれる。
 
Aさん
  朝の4時ごろたまたまトイレにいたAさん。突然ドアを蹴破られ「我々は803だ、動くな、腹ばいになれ!」
そして建物の一階に連れて行かれ尋問を受けたり、身分証を提示したりしていると、803のうちの一人がこう言った。「間違えた」
  ええええええええええええ?間違えるなよ!803は謝ることもなく退散したのであった。ドアを蹴破られた上に殴られたりしたAさん、可哀想です。
 
Bさん
  夜家族と共に部屋でくつろいでいたBさん、突然ドアが蹴破られ、803が突入してきた。入ってくるなり殴りかかってきた。あっという間に取り押さえられたBさん、傍らには8歳と3歳の子供が呆然としている。そんな中、803は冷蔵庫内の王老吉を飲み始めた。取り押さえられたBさん、身分証を提示しているうちに803は引き上げていった。世売るに間違いだったのだ。そして最後にこんな言葉を残した。「訴えたかったら訴えればいい、我々は803だ。」
 
  他にもいくつか取り上げられていたが、ようするに803が多くの犯罪者を捕らえるために派手に活動をした(ここ10年で最大規模の模様)と言うことなのだが、ここに紹介したさんやBさんのように何の罪もない人にまでひどい扱いが行われ、間違いであるにもかかわらず一言も謝りもせず引き上げたというのだ。結局この日803は65人を捕獲し、そのうち12人は間違い、その他8人が即釈放(要するに間違い)されたのであった。武器も持たない庶民を相手に全くひどい話だ。なお、この模様はニュースでも紹介され、間違って捕獲された人が画面に映っていたようである。うわあ。まさに、「この辱めをどうしてくれるの!」といいたい気分だろう。この辱めをどのように埋め合わせしてもらえるのだろうか。

鳴り物入りのクロスボーダー人民元決済と思われていたのだが。。。

2009年08月19日 | 未分類
 あれほど話題になったクロスボーダー人民元決済が思ったほど取り扱われていないようだ。
  
 7月7日に上海、広州、深圳、珠海、东莞の5都市でスタートし、その初日の広州、东莞、珠海の銀行と香港の银行との間での取引が12件、資金決済額が772.44万元であった。中国銀行深圳分行もまた同じに日830.29万元の金額の人民元決済を取り扱っている。しかしながら、中国銀行深圳分行ではその後の鳥圧かが極めて少なく、昨日時点での累計取扱額が900万元余りに至ったに過ぎない。要するに初日以降はほとんど取り扱われていなったということがわかる。全体的に見て、一件あたりの金額も数万元から大きいのでも数十万元レベルと、ロットは小さいようだ。

 おしなべて広東の銀行では人民元決済の業務量は極めて少なく、最初の一件を取り扱って以降ほとんど取り扱っていないところが大半のようだ。初日に取り扱ったというのは業務取り込みのために銀行側の気合が入ったためなのだろう。

  中国人民銀行東莞支店によると、東莞でも今のところ6件しか取り扱われていないそうだ。

  工商银行深圳市分行は試点開始前から顧客とのコミュニケーションをとっていたことから、比較的多くの金額を取り扱っており、初日だけで1000万元余り取り扱ったものの、累計では2000万元程度の取り扱いに至っているに過ぎない。

  利用されていない原因としては次の理由が挙げられている。

 ① 相手側方が人民元決済を受け入れない
  ② 各地の税関、税務局が実務面での理解が異なる。例えば、人民元決済した場合の輸出税額還付、通関手続き等の実務がクリアしないと企業もやりたがらない。

 ①については為替リスクをどちらがかぶるかと言う問題なので、人民元と言う通貨の信用度がどこまで高まってくるのか、人民元相場の先行きをどう見るのかと言う問題といえるだろう。②についてはこれは中国で新たな政策が実施される場合のおなじみのパターンであり、こういった実務面での「作業」レベルでの企業側及び行政機関側の「慣れ」の問題が解消されるまでに今しばらくの時間を要するだろう。

工場勤務の人は大変だ

2009年08月18日 | 未分類
  先日華東の某地区の工場に勤務している知人と食事をしていたところこんな会話になった。

Nさん「呉さん、中国って正当防衛って認められるのですか?」

私 「どこまでが認められるのかと言うのはさじ加減次第だと思いますけど、正当防衛の考え方はありますよ。またどうしてそんなことを?」

Nさん 「以前に数百人規模でリストラしたときに周りを囲まれたりするような危ない目に合った人がいたんですが、このご時勢なのでまたリストラをしようとしていて、もし自分がそのような場面に遭遇した場合、手を出してしまってもいいものなのかどうなのかと思って。」

部下S 「でも本当に手を出してしまったら例え正当防衛であっても日本人に殴られたといって民族問題に持っていかれたら大変でしょう。」

私 「そもそも人数が違いすぎるのでもしそんなことになったら少林寺木人拳みたいですなあ!うひゃひゃひゃ!」




  どこかの報道で総経理が何百人もの従業員に囲まれたというのを見かけたことがあるが、Nさんの話を聞いてしまうと結構身近な話なのかもしれない。また、他にも従業員に解雇を宣告する役割を与えられている人(これは駐在員ではない)が解雇通告のたびに襲われたりするというような話しも教えてもらったことがある。工場のように多くの従業員を抱えている会社はこういったリスクを抱えながら毎日仕事をしているのかと思うと頭が下がる思いだ。

食品流通許可証の第1号!

2009年08月17日 | 未分類
  2009年7月30日付で《食品流通許可証管理弁法》というものが公布され、同日より実施されている。従来の《食品衛生許可証》は衛生部門により発行されていたが、本弁法実施以降は新規取得または更新時に生産段階、流通段階、飲食消費段階の各々に属する主体に応じて、品質監督管理部門より《食品生産許可証》、工商部門より《食品流通許可証》、食品薬品監督管理部門より《飲食サービス許可証》を取得することになる。たまたま我が社で食品衛生許可証の手続きを行った会社があるのだが、《食品流通許可証管理弁法》の実施後に手続きが完了したため、《食品衛生許可証》ではなく《食品流通許可証》を取得した。こういうタイミングだったので上海で第1号の《食品流通許可証》となった。いずれみんなこの許可証を取得していくのだろうが、1番と言うのはなかなか気分のいいものだ。自分がかかわったプロジェクトではないのだが。

この余裕は何だ?

2009年08月13日 | 未分類
   お盆休みで休んでいる人も多いのでちょっと軽めの話題を。

先日久しぶりに科学技術館地下をのぞいてきた。衣料品・かばん等をを取り扱う多くの商店が並んでいる。要するにブランド物?が格安価格で購入できるようなところだ。そしてたまたまいくつかの店舗が取り締まられている場面を見た。入ろうとした店に鍵がかかっていたのでおかしいと思ったところ、制服を着た役人(工商局?)があちらこちらからブランド物のかばん等の商品を地べたに並べ色々と話している。その間ずっと鍵は閉められたままだ。これはこれで珍しい光景を見たなあと言うことなのだが、不思議に思ったのは同じような商売をやっているほかの商店にあまりにも緊張感がないことだ。余裕しゃくしゃくだ。目の前の店舗が取り締まられているのに自分のところは大丈夫だと余裕で構えられる何かがあるのだろうか。うーん、わからん。

 

  ところで、偽者を販売した場合、どのような罪に問われるのだろうか。ここでは刑法の観点だけから見よう。あったあった、《中華人民共和国刑法》第140条が該当するようだ。これによると、製品の中に雑物・ニセモノを混ぜ、ニセモノを以って本物とし、不良品を持って良品とし、または不合格製品を以って合格製品として販売した場合の刑罰は次の通りとなっている。
 
販売金額
刑罰
5万元以上
20万元未満
2年以下の有期懲役または拘留
販売金額の100分の50以上
2倍以下の罰金を合わせて課す
または単独に課す
20万元以上
50万元未満
2年以上7年以下の有期懲役
販売金額の100分の50以上
2倍以下の罰金を合わせて課す
50万元以上
200万元未満
7年以上の有期懲役
販売金額の100分の50以上
2倍以下の罰金を合わせて課す
200万元以上
15年の有期懲役または無期懲役
販売金額の100分の50以上
2倍以下の罰金
または財産没収を合わせて課す
 
うーん、刑罰として重いのかどうかよくわからんですなあ。そもそもあの手の店舗が販売額をどの程度真面目に管理しているかわからないし、実際のところは一番右の罰金だけになってしまうのだろう、多分。

カモメBZで紹介されました

2009年08月11日 | 未分類
  ブログの中でもちょっとだけ紹介したことのあるウェブサイトでカモメBZというサイトがある。ここで弊社のことを紹介してもらった。じゃじゃーん!


  (記事全体はこちらをクリック)

  弊社が従来会員向けにお届けしていたニュースレター等を弊社ウェブサイトでどなたでもご覧いただけるように無料開放した件を中心として弊社の業務についてご紹介いただいている。無料開放によりアクセス数も大幅に伸びるかと思っていた。伸びてはいるのだがわれたが思ったほどでもない。こういうのは時間を掛けて徐々に広がっていくのだろう。

  さて、あらためて簡単にカモメBZというサイトについて紹介してみたい。このウェブサイトはビジネスと求人の二本柱で構成されている。カモBZ(ビジネス)からはいろんなビジネス情報が収集できる。弊社がセミナーを開催するときにはいつもこちらにセミナー情報搭載をお願いしている。もうひとつのカモメCN(求人)では日本と中国のみならず東アジア及び東南アジアの求人に関する情報が満載だ。どちらも結構な情報量だ。私はカモメBZの方を毎日とまでは言わないものの結構な頻度で確認している。中国業務に携わっている方であればお気に入り登録することをお勧めしたい。

麻薬に関する処罰

2009年08月10日 | 未分類
  ここ最近は酒井法子が逮捕されたことでテレビに釘付けの人も多いだろう。実は私もそのうちの一人だったりして。それほどファンというわけでもなかったが、日本芸能界で女性で覚せい剤等でつかまったのはAV女優とかBC級レベルのタレントが多く、これだけの大物は今までいなかった(と思う)のでそりゃあ注目するでしょう。さて、日本のことは散々テレビ等で紹介されていると思うので、ここで中国での麻薬(ここでいう麻薬は覚せい剤等も服務広義の麻薬)事情を簡単に調べてみた。
 
 中国では昨年裁判所で結審した麻薬犯罪案件は43726件と、前年比31.4%増加、している。また、昨年法律効力を生じる判決を受けた麻薬犯は50307人、そのうち5年以上の有期懲役、無期懲役、死刑の判決を受けたのが16053人、これもまた前年比23.7%の増加となっている。
 
  麻薬の種類は絶えず新しいものが現れてきており、伝統的なヘロイン、アヘンの比率は減少してきている。2007年の事件に関係するヘロインは麻薬全体の75.42%、2008年は65.88%、今年5月末までは61.28%に減少している。一方で、2007年の事件に関係する覚せい剤タイプの麻薬は麻薬全体の12.55%、2008年は20.44%、今年5月末までは24.71%と上昇してきている。そういわれると日本でもヘロインやアヘンと言う言葉は最近聞かれず、今回の酒井法子のように覚せい剤と言う言葉ばかりが聞こえてくる。流れ的には日本も中国も同じなのだろう。

 さて、中国での麻薬に関する刑罰はどうなっているだろうか。《中華人民共和国刑法》を見てみよう。
 
《中華人民共和国刑法》
347
麻薬を密輸、販売、輸送、製造した者は、数量の多寡を問わず、いずれも刑事責任を追及し、刑事処罰に処さなければならない。
 麻薬を密輸、販売、輸送、製造し、以下の状況のいずれかに該当する者は、15年の有期懲役、無期懲役または死刑に処理、また財産の没収に処する。
  (一)アヘン1000グラム以上、ヘロインまたは覚せい剤50グラム以上またはその他の数量の大きい麻薬を密輸、販売、輸送、製造したとき。
 (二)麻薬を密輸、
販売、輸送、製造する集団の主要分子。
 (三)麻薬を密輸、
販売、輸送、製造するのを武装援護したとき。
 (四)暴力を以って
检查、拘留、逮捕を抵抗拒否し、情状が重大な場合。(五)組織的な国際麻薬販売活動に参加したとき。
 
 アヘン200グラム以上1000グラム未満、ヘロインまたは覚せい剤10グラム以上50グラム未満またはその他の数量の比較的大きい麻薬を密輸し、販売、輸送、製造した者は、7年以上の有期懲役に処し、また罰金を処する。
 

アヘン200グラム未満、ヘロインまたは覚せい剤10グラム未満またはその他の少量の麻薬を密輸、販売、製造した者は、3年以上の有期懲役、拘役または完成に処し、また罰金に処する。情状が重大である場合には、3年以上7年以下の有期懲役に処し、また罰金を課する。

 
単位が第2項、第3項または前項の罪を犯した場合には、単位は罰金に処し、且つ、その直接に責任を負う主管者その他の直接責任者は当該各項の規定により処罰する。
 
未成年者を利用し、または教唆して麻薬を密輸、販売、輸送、製造させる、または未成年者に対して麻薬を売却した者は、重きに従い処罰する。
 
多数回にわたり麻薬を密輸、販売、輸送、製造し、処理を経ていないときは、麻薬の数量はこれを累積計算する。
 
 
ふむふむ、これは売ったり造ったり運んだりした場合か。
 
 
  同じく《中華人民共和国刑法》。
第348条
 
アヘン1000グラム以上、ヘロインまたは覚せい剤50グラム以上またはその他の数量の大きい麻薬を不法に保有した者は、7年以上の有期懲役または無期懲役に処し、また罰金を課する。アヘン200グラム以上1000グラム未満、ヘロインまたは覚せい剤10グラム以上50グラム未満またはその他の数量の比較的大きい麻薬を不法に保有した場合には、3年以下の有期懲役、拘束または完成に処理、また罰金を課する。情状が重大である場合には、3年以上7年以下の有期懲役に処理、また罰金を課する。
 
 
これは所持していた場合を対象としているが、これを見る限りでは酒井法子の「0.008グラムの所持」と言うのは該当するものが見当たらない。ひょっとして罪に問われないのだろうか。
 
 
ところがどっこい、《中華人民共和国麻薬禁止法》の中で、 
第59条
以下のいずれかの行為に該当し、販売を構成する場合、法に依って刑事責任を追及する。反税を構成しない場合、法に依って治安管理処罰を行う。
 (一)麻薬の密輸、販売、輸送、製造を行う場合。
 (二)違法に麻薬を保有する場合。
(後略)
 
いちおうこれが微量に保有していた場合に適用されるものなのだろう。じゃあこの「治安管理処罰」とやらを見てみよう。
 
《中華人民共和国治安管理処罰法》
第72条
以下のいずれかの行為に該当する場合、十日以上十五日以下の拘留に処し、そして二千元以下の罰金に処することができる。情状が軽い場合、五日以下の拘留または五百元以下罰金に処する。
 (一)違法に200グラム未満のアヘン、ヘロインまたは10グラム未満の覚せい剤またはその他少量の麻薬を保有する場合。
(後略)
 
やったー、見つかったあああ!要するの中国で酒井法子と同様なケースの(逃走劇はここでは考えず)の場合、重くて「十日以上十五日以下の拘留に処し、そして二千元以下の罰金」、軽くて「五日以下の拘留または五百元以下罰金」ということだ。うーん、思ったほどたいしたことがないなあ。
 
なお、これはあくまで私が個人的に調べたものであり、弁護士意見じゃないので、念のため申し添えておきますね。

従業員教育研修費用の計上

2009年08月07日 | 未分類
  昨日国務院法制弁公室が《従業員技能研修及び鑑定条例(意見募集稿)》を発表した。この中で、雇用単位は従業員給与総額の1.5%—2.5%を従業員教育研修費用として計上して税前利益から控除すること、また雇用単位が一線従業員の教育研修に用いる経費は従業員教育研修経費総額の70%以上であることが要求されている。雇用単位が規定どおりに従業員教育研修経費を計上及び使用しなければ、県級以上人民政府人力資源社会保障行政部門が期限までに正すように指導し、期限までに正さなければ1万元以上5万元以下の罰金に処するという罰則規定までも定められている。そして、この費用の計上、使用方法は、従業員(代表)大会で制定されるべきで、その計上、使用状況は従業員(代表)大会に報告し、従業員の監督を受けるものとされている。

  現行の《企業所得税実施条例》の中で従業員教育経費について「給与賃金総額の2.5%以内は控除可能、給与賃金総額の2.5%超は次年度繰越控除が可能」というように実際に使用されたものに関する控除については既に定められているが、意見募集稿では使用するしないにかかわらず教育研修費用を計上することを要求している。そのため、従来教育研修費用を計上していなかったような会社にとってはそのような義務が発生してしまうことになるが、逆に言えばどうせ計上するのであれば有効に活用しようという考え方もできる。現在は意見募集稿の段階であるが、実際に開始した場合、人材育成を進めていく上でうまく活用すべきものであるといえるだろう。ただ、駐在員比率の高い企業にとってはこの1.5%-2.5%という数値は結構厳しいかもしれないだろう。