国税庁の統計によると、日本企業の約20%が3月決算だと言う。もっと多いはずだと思っていたが、実はこの統計は中小企業も含めた全企業が対象だからであり、上場企業だけに絞れば数年前までは約80%が3月決算なのであった。だから決算発表や株主総会が5~6月に集中してしまうのである。
逆に言えば、上場会社以外の会社はさほど3月に集中していないことになる。これは私の個人的な推測であるが、所得税の確定申告が暦年主義であるため、個人事業から零細企業に法人成りした場合、そのまま12月決算を引き継いでしまうことが一つ。もう一つの理由は、顧問税理士さんが3月決算の集中を嫌って、3月以外の決算日を薦めてしまうためではないだろうか。
まあ零細・中小企業の決算日は別として、大企業や上場会社はなぜ3月決算を選ぶのであろうか。そもそも発端は日本国や地方自治体の決算が、毎年4月から翌年3月までを会計年度としているため、企業側がこれに合わせたと言うのが定説となっているようだ。また公共事業や許認可が必要な事業を営んでいる場合、決算日をお役所と併せておいたほうが都合よく処理できることもある。
それから上場会社に3月決算が多いのは、3月決算でないと格好がつかないと言うこともあるが、実は株主総会を集中的に実施して総会屋を分散させ、株主総会を迅速に終了させたいと言う助平心もあったようだ。だから多くの上場会社が6月○○日頃に株主総会を同時開催しているではないか。
しかしながら、米国をはじめとして、海外では12月決算の企業が主流である。ことに中国では12月決算が法令で義務付けられている。そんな中で、国際会計基準がだんだん厳しくなり、連結決算をする場合には、親会社と子会社の決算日を一致させなくてはならない方向へと進みつつある。そしてついに数年前、「花王」など会計システムの進んでいる企業で、3月決算から12月決算への移行がはじまったのである。さらに最近ではJTや資生堂などが12月決算へ動き出している。
とは言っても、まだまだ日本では3月決算企業が多い。だが時代の流れは速くまた誰にも抗えないものである。いずれは日本も12月決算が主流になってゆくのだろう。そのときはお役所も暦年基準かもしれない。そうなると入学式も1月になり、「早生まれ」という概念もなくなるのだろうか。
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