昔は政治家、医者、企業役員など、いわゆるエライ人達の趣味は、ゴルフと囲碁が常道であった。だがゴルフはバブル崩壊で接待費が使えなくなり、逆に廉価化・大衆化・スポーツ化の道を辿り、金持ちのステータスにはならなくなってしまった。一方の囲碁のほうは、昔は昼休みになると将棋を指したり囲碁を打つ人をよく見かけたものであるが、いつの間にかそうした人たちの姿を見ることは皆無になってしまった。そもそも現代では、囲碁というゲーム自体を知っている若者が、ほとんど居なくなってしまったという悲しい状況に陥っているのである。
一時期マンガ『ヒカルの碁』の大ヒットにより、子供たちの中で囲碁ブームが起こり、最年少五冠王を達成した井山裕太本因坊を誕生させたきっかけになっている。だがマンガ終了後は、子供たちの囲碁熱もあっという間に醒めてしまったようだ。そして誰も囲碁のイの字も言わなくなり、囲碁をするのは定年後の暇な老人たちだけというイメージだけが一人歩きしている。
ところが最近、女性向けのフリーペーパー『碁的 -GOTEKI-』のヒットや、囲碁バーなどのお洒落な居酒屋によって、ファッションとして囲碁に興味を持ち始めた囲碁ガールたちが登場している。また学童保育などで、頭の体操にとても役立つということで、年配のボランティア指導員たちが、子供たちに囲碁を教え始めているという。こんな活動がじわじわと実を結び始め、いままで囲碁を知らなかった女性や子供たちにも囲碁の楽しさが浸透し始めているようである。
考えてみれば、囲碁は平安時代からの日本の伝統文化であり、右脳の発達を促して大局的な戦略思考を培うことの出来る貴重なゲームである。そして碁石と碁盤さえあれば、老若男女誰でもどこでも遊べる、お金のかからない娯楽でもあるのだ。逆に言えば、なぜこんな素晴らしいゲームが今まで忘れ去られていたのか不思議なくらいである。
現在日本の国技だった大相撲が、外人達に凌駕されてしまったように、囲碁も韓国と中国には全く歯が立たなくなってしまった。これは日本人のハングリー精神が欠如しただけではなく、圧倒的な囲碁人口の低下と、マスコミの扱い方の低下に起因しているのてはないだろうか。韓国では囲碁の国際棋戦で優勝すると、一般紙の一面トップ扱いとなり、国民的な英雄となるらしい。そして子供たちに対する囲碁教育施設も充実しているという。
これでは、日本が勝てなくなるはずである。囲碁は先に述べたように、本当にためになる楽しいゲームである。そこで日本がまた世界のトップに戻るよう、若い人たちには是非、囲碁を覚えて楽しんでもらいたいものである。
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