経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

大相撲公傷制度を復活せよ

2024-07-15 17:48:11 | ひとりごと

 2024年3月場所で、『新入幕初優勝』という歴史的快挙を成し遂げた尊富士。相撲ファンの記憶に刻み込まれて将来を期待されたものだが、なんと14日目の朝乃山との一番に敗れた際に右足首を負傷し車椅子で退場することになる。千秋楽はそのまま休場かと思ったら、痛めた足を無理に引きずりながら出場し、豪ノ山を押し倒しで破って文句なしの優勝を飾った。

 そして一躍英雄となったのだが、やはり無理して強引に出場したことが祟って翌場所は全休場に追い込まれてしまう。結局翌々場所は十両に陥落してしまった。さらに十両に陥落した場所も、いまだ痛めた傷が治癒せず、またまた休場となってしまったのである。もしこの休場が千秋楽まで続けば、今度は何と幕下まで陥落してしまうらしい。

 それにしても幕内最高優勝をした者が、翌場所以降に一敗もしていないのに、あれよあれよという間に幕下迄突き落とされるのは如何なものであろうか。それも土俵上での怪我が原因だと言うのだから踏んだり蹴ったり甚だしい。
 これではもし警察官や自衛隊員が職務上怪我をして休んだら、懲戒・減給・無給に処されることと変わらないではないか。もしそんな超厳格な措置がなされたら、もう誰も警察官や自衛隊員になる者はいなくなるだろう。

 かつて大相撲では公傷制度があり、次の場所は休場しても、その次の場所は同じ地位に留まれる という救済措置が講じられていた。ところが一部の力士がこの制度を悪用したため、2003年の九州場所をもって廃止されてしまったのだ。
 また近年は力士の大型化に伴い、土俵上で怪我をして休場する者が激増している。そのよい例が毎場所のように繰り返されている大関貴景勝のカド番相撲ではないだろうか。もともと小さな体を無理して太らせたうえに、毎場所激しい相撲を取るのが彼の真骨頂なのだから怪我をしないほうがおかしいくらいである。

 それでなくともモンゴル勢に乗っ取られそうな大相撲なのだから、怪我をした力士の救済くらいしてあげないと、今後益々力士にさせたくない母親が増えるばかりであろう。かつて悪用されたのなら、悪用されないような仕組みを構築したうえで公傷制度を復活させればよいではないか。
 大相撲を発展させるには、野球の大谷や将棋の藤井7冠のようなスーパースターを育てることが必須である。この度大相撲にも、久々に尊富士という救世主が現れたのに、このままでは腐ってしまうかもしれない。実にもったいない話ではないか。相撲協会はしっかり時の流れを見つめ、かつもっと柔軟な発想と視野を持ち、是非とも公傷制度を復活させて欲しいものである。

作:蔵研人

 

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