いまさらではあるが、初心に戻って『会計帳簿類の法的保存期間』について簡単にまとめておこう。
1.会社法
● 株式会社は、会計帳簿の閉鎖時から10年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要資料を保存しなくてはならない(第432条2)
● 株式会社は、計算書類を作成した時から10年間、当該計算書類及び付属明細書を保存しなければならない(第435条4)
会計帳簿と事業に関する重要資料の具体的明示はないのだが、一般的には次のものと解釈される。
1)会計帳簿とは
総勘定元帳、仕訳帳(会計伝票)、現金出納帳、預金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上明細帳、仕入明細帳
2)事業に関する重要資料とは
企業により異なるが、稟議書・取締役会議事録・重要な契約書などを指すものと思われる
3)計算書類とは
貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書および個別注記表
2.法人税法
青色申告の承認を受けている会社等は、、下記の帳簿書類を備え付けてこれにその取引を記録して、当該帳簿書類を事業年度終了日の翌日から2ヵ月後(注1)から7年間、納税地において保存しなければならない (法人税法第126条第1項)。
上記の具体的な解釈については、法人税施行規則第54・59条第1~4項、別表22に記載されているがこれを簡単にまとめると、次の通りとなる。
1) 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、預金出納帳、受取・支払手形記入帳、売掛金元帳、買掛金元帳、貸付金元帳、借入金元帳、有価証券台帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳、経費帳等
2)棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに決算に関して作成されたその他の書類
3)注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し
注1) 確定申告書の提出期限の延長の特例を受けている場合は延長期間を加算する(原則3ヶ月後)
注2) 上記3)の書類のうち、帳簿代用書類、契約書、契約の申込書、預貯金の入出金・口座開設又は解約に際して作成された書類、為替取引に際して作成された書類、現金の入出金・支払手段の授受に際して作成された書類、請求書、支払のために提示された手形又は小切手、棚卸資産の引渡しに際して作成された書類等以外の書類(法人税法施行規則第59条第3項の表の第1号の上欄に揚げる書類を定める件)。
注3) 一定の基準を満たすマイクロフィルムリーダ又はマイクロフィルムリーダプリンタを設置し、当該書類を撮影し一定の要件を満たすマイクロフィルムを、当該マイクロフィルムに撮影された当該書類を検索することができる措置を講じて保存する方法による。(法人税法施行規則第59条第5項に規定する保存の方法と定める件)。
3.永久保存したい書類
法的には保存期間が定められているものの、事業継続のため永久保存したい重要な書類がある。
例としては、営業報告書、有価証券報告書、税務申告書、定款、登記関連書類、免許関連書類、不動産関連書類、その他重要な契約書・申請願・届出書などが挙げられる。
★下記の2つのバナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ! またこのブログ記事が役立った又は面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。