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経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

海外視察旅行の課税関係について

2012-09-28 19:20:48 | 達人経理マンへの道

 海外視察旅行は、海外の工場視察や展示会への参加などに併せて、ついでに観光も・・・というケースが多く、渡航費用の税務上の取扱いもその目的と内容により異なってくる。原則として業務に関連する部分は、「旅費」、観光部分は「給与」と認定されるが、視察旅行をしたのが得意先など外部者の場合には「交際費」とされる。     

 昔はこの原則論の解釈をめぐって税務当局と企業との争いが耐えなかった。そこで平成12年10月に国税庁から「海外渡航費用の取扱い」という法令解釈通達が公表され、海外視察等における旅費として損金算入される基準が示され、取扱いが明確となったわけである。その基準はおおむね下記の通りである。

 研修などの業務の割合が90%以上となる場合は、旅行費用の全額を損金にできる
 研修などの業務の割合が10%以下となる場合は、旅行費用の全額が給与課税される
 研修などの業務の割合が11%以上90%未満の場合は、次の計算式で按分する

[業務従事割合とは] 
 (業務従事日数)÷(業務従事日数+観光日数) 10%未満の端数は四捨五入する  
 [損金として認められる額]→ 海外渡航費用等の額×業務従事割合 (それ以外の部分は、給与課税(外部の者に対するものは交際費)される)
 ※但し業務従事割合が50%以上で、その旅行が業務に直接必要と認められる場合は、往復交通費+(往復交通費以外の旅行費用×業務従事割合)=損金に認められる額 となる。 また参加者のうち、別行動をとった者等個別事情のある者がいる場合、その者については、個別事情を斟酌して業務従事割合の算定を行う。

 ●日数区分の単位
 日数の区分は、昼間の通常の業務時間(おむね8時間) を1.0 日としてその行動状況に応じ、おおむね0.25日を単位に算出する。ただし、夜間において業務に従事している場合には、これに係る日数を「視察等の業務に従事したと認められる日数」に加算する。

 ●視察等の業務と認められるものとしては、次のものがあげられている
 イ 工場、店舗等の視察、見学又は訪問
 ロ 展示会、見本市等への参加又は見学
 ハ 市場、流通機構等の調査研究等
 ニ 国際会議への出席
 ホ 海外セミナーへの参加
 ヘ 同業者団体又は関係官庁等の訪問、懇談

 観光等とされるものには次のようなものも含まれる
 イ  自由行動時間での私的な外出
 ロ 観光に附随して行った簡易な見学、儀礼的な訪問
 ハ ロータリークラブ等その他これに準ずる会議で、私的地位に基づいて出席したもの

 休日の取扱い
 原則として、土曜日又は日曜日等の休日の日数を除く。ただし、これらの日のうち業務に従事したと認められる日数は「視察等の日数」に含め、その旅行の日程からみて当該旅行のほとんどが観光と認められ、かつ、これらの日の前後の行動状況から一連の観光を行っていると認められるような場合には「観光の日数」に含める。

 なおここまで書いても、よく理解出来ない人のために、具体例を示しておこう。

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役員退職金の税務上の取り扱い

2012-09-25 16:49:58 | 達人経理マンへの道

 その役員が当該法人の業務に従事した期間、その退職の事情、同規模同業種法人の役員退職金の支給状況等に照らして不相当に高額な部分の金額については、損金不算入となる。

1. 法人の業務に従事した期間とは      
 役員の役位によって職務内容、責任の程度が異なるので、使用人のように単純に期間の長短だけでスライドせずに通常役位によって業務従事期間に乗ずる係数を変えることになる。
2.退職の事情とは       
 定年、死亡、任期満了、自己都合による辞任等の事情が考えられる。  
3.類似法人の支給状況       
 類似法人との対比は、支給額ではなく支給率によって行われるようである。(判例あり)
4.その他の事情とは       
 その法人の収益状況、使用人に対する退職金の支給状況等が考えられる。 
※従って、上記をふまえた役員退職金支給内規を作成しておくことが必要である。 
※特に上記の1と3を重視すべき。
      
判例に基づく適正退職金の算出方法     
(算式A) 功績倍率 = 退職給与支給額÷最終適正役員報酬月額×在職年数 
(算式B) 適正役員退職金額 = 最終適正役員報酬月額×在職年数×適正功績倍率
 昭和55年5月26日東京地裁判決の功績倍率 3.0 (当時の同業種同規模法人の最高が3.0だったため)
 昭和50年2月25日最高裁判決の功績倍率 2.1   
 ●昭和51年5月26日東京高裁判決の功績倍率 7.5   
※ なお実務上、国税局側では功績倍率3.0を上限と考えているようである

「補足事項」

1.損金経理が必須条件(株主総会等で支給額が確定した事業年度又は実際に支給した事業年度で処理する)
2.役員の退任という事実がなくても、次のような場合は、損金算入が認められる
 常勤役員が非常勤になった場合(代表権を有する者や、経営上主要な地位を占めている者は除く)
 取締役が監査役になった場合(代表権を有する者や、同族会社の特定株主等を除く)
 分掌変更等で変更後の報酬の額が変更前の報酬に比して激減(概ね50%以上)したとき
3.役員から執行役員に就任する場合の役員期間の退職金の扱い
 会社法上の取締役等を退任し、その退職慰労金が株主総会の決議を経て支給され、新たな契約関係を締結し、今後支給される退職給与の計算上取締役在任期間は通算しない場合は、損金に算入される
4.従業員から執行役員に就任する場合に支給する使用人期間の退職金の扱い
 原則として、執行役員就任時に使用人期間の打ち切り支給したものであれば、退職給与として損金算入することが出来る

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不況時の経営視点(その4)

2012-09-10 11:50:13 | 達人経理マンへの道

 研究開発費に限らず、固定費化している経費については、ひとつひとつなぜ必要なのかを吟味して、継続するか削減するかを決めてゆかねばならない。また現状の企業構造や仕事の流れ等を変えることにより、大幅に経費削減が可能な場合がある。具体的に次のような項目を検討して見ることである。

外注が固定化している作業を、余剰人員でまかなう事により外注費を削減する
逆に外注に出したほうが効果的な業務であれば、社内から外注へ出しても良い。ただし不況下では、これに従事していた人員が丸ごと減少する見込みがない限りやめたほうが良いだろう。結果的に外注費の増加だけで終わる場合が多いからである。
営業拠点が分散され過ぎている場合は、その周囲の主要拠点に集合し合理化を計る。
営業と経理、または外注と部分的にダブった業務を行っている場合は、その業務を一本化して合理的なシステムを築く。
本社機能が肥大化している場合は、何のための部署なのか、その仕事を辞めたら会社は本当に困るのか、などの理由を調査してみよう。その結果、会社にとってメリットが薄い部署や仕事があれば直ちに廃止することだ。
業務の流れには、かなり疲弊し陳腐化しているものが必ずあるはず。昔のことはきっぱり忘れて、現在の環境の中で最も適した流れに組み替えてしまおう。そのためには若い人の意見を聞くことも大切である。
広告や販売促進の方法についても、従来通りの手法を延々と続けているが、余り効果が上がっていない場合がある。これも皆で意見を出し合って、効果的な手法に変えて見れば良い。

 経費の削減項目については他にも山ほどあるが、それは後に別視点で述べることにする。ここで言いたいことは、前からやっていた事が偉い訳ではない。既成概念に囚われずに、現状に即したフローや機能の変革を行おう。決して単純な経費削減が目的ではなく、効率的な「経費変換」が目的であるということ。そうすることで、従業員のモチベーションの低下を防ぎながら、結果として大幅な経費削減が実現可能となるのである。 

(完)

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不況時の経営視点(その3)

2012-09-07 11:17:07 | 達人経理マンへの道

③経費削減

 不採算事業の撤退があれば、何の苦もなくその事業で使っていた経費は削減されることになる。問題はそれ以外の経費削減である。よくこまめに消灯させたり、ノー残業デーを創ったり、カラーコピーを禁止したりという話を聞く。酷いのになると、鉛筆は1センチになるまで使え、エレベーターを使うな、トイレの紙を使うなと言うのである。
 まるで小学生並の発想しか出来ない役員の多いことか。こんな役員にこそ、さっさと退任してもらえば、その幼稚な経費削減の何十倍・何百倍の削減効果があると言いたい。

 まあいずれにせよ、日常的な細かい経費削減に血道をあげても、人件費カットと同様モチベーションの低下を招くばかりで、その削減効果は僅かなものである。もちろん従業員全員の節約意識向上のために、こまめな消灯やコピーの裏紙使用を奨励することはやぶさかではない。だがそれはそれとして、もう少しビジョンがあり、論理的で効果の大きな経費削減計画を立ててみようではないか。

 将来に繋がる試験研究費は、絶対に削減してはいけないというコンサルタントや会社が多い。確かに一般論としてはその通りであるが、それは現場の実態を知らない者の言う決まり文句に過ぎない。
 ある意味聖域として甘やかされている研究開発現場では、往々にして収益に全く貢献しない研究を延々と続けていたりするものなのだ。ただ事業とは異なり、研究価値の数値化は困難だし、完成の見込みも研究担当者にしか見えないため、誰も文句を言わないのである。
 当然のことだが、研究の継続判断は畑違いの経理マンには不可能だ。従って定期的に研究成果の進捗報告会を開催し、社長をはじめ幹部社員全体が議論を重ねたうえで、研究開発の継続または中止の判断を下すしかないだろう。

(以下次回に続く)

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不況時の経営視点(その2)

2012-09-06 10:47:37 | 達人経理マンへの道

①事業戦略の見直し
 まず事業の種類別に業績の分析を行い、採算事業と不採算事業を明確にしておくこと(この判断には、経営に直結する管理会計の考え方 『各論その1』の図表6で示した「事業別損益計算表」の採算利益を参考にする)。
 さらに採算事業、不採算事業の中を分解し、地域別や取扱商品別に採算・不採算を判定する。そしてそれぞれの採算理由と不採算理由を明確にしておくこと。そしてその原因が一時的なものか構造的なものかということも把握しておこう。

 ここまで細かく分析しておけば、自ずと何を拡大し、何を撤退すべきなのかが明白になるはずである。そのうえで、幹部全員を招集し、拡大と撤退の決断を素早く行わねばならない。往々にして分析だけはしっかり出来ているのに、その後の決断が出来ない企業が多いのだ。そうした決断力の弱い企業が、せっかくのビジネスチャンスを逃し、ズルズルと不採算事業を引きずって赤字を拡大してしまうのである。 

②人件費の削減
 まず一律人員削減を行えば、その後に残った従業員が何とかするだろうと言った上場企業の役員がいたが、このような安易な首切りを行っても決して上手くいかない。まず従業員全体のモチベーションが低下し、作業能率が下がったり、辞めて欲しくない人が退職したりする。さらには、必要な仕事は誰かがやらなくてはならず、大混乱を招いた結果、結局また人材募集をするハメになるのだ。

 これこそ実質上の無駄遣いなのである。それよりも、まず全社員の仕事内容を棚卸し、不要な仕事や重複している仕事を改めよう。 またシステム構築・変更などにより確実に省力化が見込めるものは、ある程度資金投入しても、さっさとシステム化してしまおう。
 ここで浮いた人員数と不採算事業で不要になった人員数を、まず採算事業拡大のために活用しようではないか。そしてそれでも余る人員数だけ削減すれば良いのである。ただ当たり前のことだが、人材とは人員数だけ揃えば良い訳ではない。そこで適材適所の配置を目指して、大々的な配置転換を行う必要が生じてくるのである。

  これら一連の作業を、なるべく仕事に支障をきたさないよう、計画を立てて手際よく行わねばならない。そしてどうしても不要になった人材に退職勧告するのは、それらの大転換作業が完全に終了してからのほうがよいだろう。

(以下次回に続く)

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不況時の経営視点とは

2012-09-05 10:01:14 | 達人経理マンへの道

 1990年に始まったバブルの崩壊は、日本の土地神話と株式市場の崩壊が主な原因であり、欧米の景気はまだ順調に推移していた。ところが今回の不況は米国発で、欧州をはじめとして全世界に蔓延してしまい、全く出口の見えない大不況となってしまった。
 この不況の嵐が治まるのは、果たして10年先なのか20年先なのか、今のところ誰にも予測の出来ない状況である。不況の嵐が吹くと、企業の売上と利益が大幅に減り、従業員の給与がカットされ、挙句の果てに雇用のカットに繋がってゆく。

 だから庶民の生活は苦しくなり、消費意欲が消失するため、ますます企業の売上は減少してゆくという悪循環となる。そして損失の止まらない企業のうち、体力のない企業は資金繰りに行き詰まって倒産してしまうのだ。そして上場企業でさえ、次々に破綻している状況になってしまった。
 ことに体力もなく、社会的に影響力もない中小企業を助けてくれる奇特な者は皆無であろう。従って中小企業こそ会社の存続を賭けて、不況時の経営戦略を真剣に考えなくてはならないのだ。

 事業戦略には、現状維持路線、新市場拡販路線、新製品開発路線、異事業展開路線、不採算事業撤退路線の5つの戦略方法がある。
 だが資金力に乏しい不況時には、拡大路線だけは改めなくてはならない。従って当面の間、「異事業展開路線」だけは選択してはいけないのだ。だからといって、「現状維持路線」にへばり付いて、やみくもに経費削減だけを繰り返しているだけでは、先細りするだけで夢も希望も湧かない。そして従業員のモチベーションもだんだん低下してしまう。やがて会社全体が疲弊し、活力が失われて倒産へと繋がりかねないのだ。では一体どのような戦略を立ば不況を乗越えられるのだろうか。

 日本でリストラというと、イコール「人員整理」や「クビ斬り」と直結させてしまうが、本来はリストラクチャリングの略語であり、「事業再構築」のことなのである。従って日本流リストラでは単純に500人削減して終わりだが、米国企業は不要人材を500人減らし、必要人材を200人新規採用するという形をとる。つまり守りながら攻めるといった戦略なのである。
 だからといって、日本には日本の風土と歴史があるので、単純に米国流を踏襲しても上手くいくとは限らない。従って米国流のリストラクチャリングに、日本人の感性を考慮したリストラ戦略をまとめてみよう。

(以下次回に続く)

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自社を評価する (環境分析と総合分析)

2012-08-24 09:56:28 | 達人経理マンへの道

会社を取巻く環境について
 そして会社を取巻く環境については、経理マンと社長の双方で評価し、二者の平均点をとる。配点方法については、質問に項目を達成していれば3点、1年以内に達成する見込みがあれば1点、それ以外なら0点とする。
10問あるので30点満点となる。

 以上、図表3~5の3つの分析表で得た点数の合計が、その会社の現状の点数となる。
100点が満点であるが、始めから満点の会社はないであろう。社長と協調しながら、毎年少しずつ点数を上げてゆく努力をしてゆこう。そして点数が上がったときは、社長を含め幹部社員達と祝杯をあげようではないか。

(完)

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自社を評価する (トップの経営資質分析)

2012-08-23 11:34:24 | 達人経理マンへの道

経営トップの経営資質分析
 次に社長など経営トップの経営能力を分析する。これは社長自身に自己評価してもらうのが効果的である。配点方法については、実践している場合は2点、1年以内に実践する予定があれば1点、それ以外なら0点とする。
15問あるので30点満点となる。

以下は次回に続く 次回は (環境分析と総合分析)

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自社を評価する (決算数値分析)

2012-08-22 18:16:14 | 達人経理マンへの道

 株主・銀行・債権者・税務署など外部の者は、常に貴方の会社をチェックし、もしおかしな経営状態であれば、更に厳しく追及しようと、手グスネを引いている。ところが肝心の会社のほうは、余り自己診断をしていないというのでは非常に情けない。それより反省なき所に発展なしで、いつも同じ過ちを繰り返すことになるだろう。
 それで毎年一回は自己評価を行い、自社の弱点と強みを把握しておこう。これが将来の経営力アップに必ず結び付くはずである。
 とりあえず中小企業用の自己評価例を簡単に述べておこう。

決算数値分析表
 決算数値を使った経営分析指標のうち、健全性・収益性・資金性・安定性・生産性に係る主な指標10件を例にあげたが、自分の会社にあった指標を選んでもよい。
目標(業界平均値など)を定め、ほぼ目標を達成した場合は2点とし、目標を10%以上上回るものを3点、倍以上上回る場合は4点とする。同様に目標を10%以上下回るものを1点、倍以上下回る場合は0点とする。
従って10項目全てが満点なら、40点となるわけである。

 


 以下は次回に続く 次回は (トップの経営資質分析)

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効果的な経費削減のヒント

2012-08-20 11:01:56 | 達人経理マンへの道

 ただやみくもに経費を削減するだけでは、従業員のモチベーションが低下し、会社の中が暗い雰囲気で充満してしまう。従って逆に、必要な経費は増やすという発想も必要であることは先に述べた。そして削減する経費は、目先のことだけに囚われず、多くの従業員が納得出来る削減でなくてはならない。

まず部長以上の人の給与を、偉い順に大幅カットしよう。

さらに役員の定年制を設け、役員退職金制度は廃止する。その代わり役員には自社株式を支給するなどの手当てを行い、モラルの低下を防止するとともに、本気で経営に参画するように仕向ける。

社内接待費、つまり部長が部下を引き連れて飲み屋に行った費用を会社に請求する等の行為を原則廃止する。部下との「飲みニュケーション」も必要だとうそぶく年配者が多い。
 だが、今どき上司と一緒にまずい酒を飲みたいと思う若者は、ほとんど皆無なはずである。部下が喜ぶと考えるのは年配者の錯覚というものであり、結局自分の憂さ晴らしのために部下を巻き添えにしているだけなのである。そんな個人的費用を会社が負担して良いはずがないのだ。

法律で定められている取締役会等や朝礼などを除き、報告中心の会議は全廃する。会議とはお互いに意見を出し合い討議することであるが、実際には報告会に終始し、何も意見を言わない輩が多い。また質問を意見だと思い込んで、やたら分かり切った質問を繰り返し得意になっている輩も多い。
 このような会議を続けていても何の利益も生み出せないので、そんな暇があったら、とっとと営業活動にでも専念して欲しいのだ。報告事項はメールと掲示板で十分対応出来るはずである。また会議で積極的に意見を述べない人の参加を拒否することも必要であろう。

いきなり部長級以上の待遇で迎える50才以上の途中入社(銀行OBなど)は行わないこと。会社の実態も実務も知らない評論家ばかり増えて、金もかかるし面倒を見る工数も増えるばかりで余り益がない。さらにプロパー従業員のモチベーションは低下してしまうだろう。だがそれでも雇う必要が生じた場合は、週に1~2回程度の専門職アドバイザーか、課長以下で実際に実務を行う者に限定したほうがよい。

そして最後に、「経費削減案」を無記名で全従業員に提出してもらう。不要な費用の在り処を一番良く把握しているのは、実務を良く知っている従業員なのであり、全員参加の経費削減を行うためにも是非必要な手筋なのだ。

 これで文句が出るのは偉い人だけで、一般の従業員からの不満はほとんど出ないはずである。またこれら一連の計画については、全社員に知れ渡るようにアナウンスしなくては意味がない。つまり人の上に立つ者が、率先して範を垂れているという事実を全従業員に知ってもらうのだ。
 ここが最も重要なポイントなのである。この布石がないと、たとえ不要と思われる経費を削減したとしても、なかなか従業員全員の理解を得られないからである。そしてこれから行う全社的な大経費削減に成功すれば、従業員の首切りや賃金カットは極力行わない旨も併せて伝えておけば、なお効果的な削減が出来るであろう。要は上からの命令や押し付けではなく、従業員一人一人が会社の利益向上を目指し、経費削減に向かって行く姿勢とパワーが絶対に必要なのである。

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