日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 すみません。興奮しているので筆致が乱れるかも知れないことを最初に謝っておきます。

 前々回紹介した例の
『趙紫陽軟禁中的談話』、自分のために確保しておいた1冊がきょう香港から届きました。仕事で外出する際にポストをのぞいたら届いていたので梱包されたままのものをバッグに詰め込み、地下鉄に乗るなり取り出してむさぼり読みました。

 もう目次だけでお腹一杯です。昔話や中共政権成立後の歩みに関する見方に始まって、トウ小平論、江沢民論、胡錦涛&温家宝論、そしてトウ小平と趙紫陽の「改革」に対する見解の相違点などが趙紫陽自身によって語られているのです。……さらに、

 ●後進国が革命に勝利した後すぐに社会主義をやってはならない。
 ●中国の特色ある社会主義とは一党独裁を強固なものにすることでしかない。
 ●いま中国がやっているのは最悪の資本主義だ。
 ●社会問題の一切の根源は全て高度に集権化された政治制度にある。
 ●この体制は事実上腐っている。問題は民主によるチェック機能がないことだ。

 といった刺激的な標題が目白押し。これらは私が端折ったり意訳したりしていますが、趙紫陽自身によってこれらのことが実際に語られているのは本文を読めばわかります。ビリビリします。震えがきます。……他にも、

「総書記とは名目だけで、実際は(トウ小平や陳雲の)秘書長にすぎなかった」

 と、トウ小平時代下の胡燿邦から趙紫陽へと続いた「総書記」職の本質を喝破。そしてあの天安門事件(1989年)当時の核心部分についての趙紫陽視点による生々しい回想も、かなりの分量で掲載されています。

 現在の最高指導者である胡錦涛について趙紫陽は、

「四中全会の講話で馬脚を露わした」

 とバッサリ。胡錦涛は中国共産党の正統的なイデオロギーという「調教道具」によって育て上げられた若手幹部だとし、毛沢東に傾倒するような胡錦涛の姿勢を評して、

「こういう正統的なイデオロギーに支配されている頭では、新たな理念を考え出し、使命感や歴史的責任感を持って中国の政治局面を改めていくなんてことは不可能だ」

「それに胡錦涛にはそれをやれるだけの気迫も力量もない。これではゴルバチョフがそうだったように、既得権益集団によって固められた現在の制度に潰されてしまうだろう」

 と厳しい見方を示しています。話題はさらに民主や自由そして台湾問題にも及ぶなど、もう緩急自在にして縦横無尽。失脚して軟禁状態にありながら、趙紫陽が時事問題に通じていること、また歯に衣をきせない鋭い物の見方は「そこまで言うか!」と予想以上でした。

 一方で、軟禁中とはいえこれだけのことを語るべき相手に語ることができる環境に、中共内部に趙紫陽を密かに保護する政治勢力(たぶん胡績偉など改革派の長老蓮)が存在していたことを感じさせます。

 ……と、ここまで乱雑に書いてはみましたが、実際には時間がないのでまだほんの少ししか読んでいません。本腰を入れて精読すれば面白い話がまだまだわんさか出てくるだろうと思うともう楽しみで楽しみで、私の読書は当分この本に没頭することになりそうです。

 ともあれ史料価値だけでも一級品の値打ちがあり、一種の「趙紫陽語録」でもあるため、いずれ和訳本が出るかも知れませんが、これは原書(=翻訳という手垢にまみれていない趙紫陽の肉声)も手元に置いておくだけの価値ある内容だといえます。

「趙紫陽とトウ小平の間には意見の対立する部分があった。民衆を鎮圧しない共産党は断じてマルクス主義の共産党ではないというのがトウ小平の見方。一方の趙紫陽は、民衆を鎮圧する共産党は断じて中国人民が求める共産党ではないという見解。そして趙紫陽はトウ小平にNoと言った。その言葉は真理であり、その姿勢は勇敢であった」

 という、趙紫陽のブレーン兼秘書だった鮑トウ(元党中央政治改革研究室主任)の序文にある一節が素晴らしいです(翻訳下手ですみません)。

 ――――

 それから先日靖国神社に立ち寄って、例によって海軍カレー&海軍コーヒー&零戦を楽しんだあと、売店をのぞいてうわーっと思いました。私が観ることのできなかったアニメ作品
『アニメンタリー決断』が、いつの間にかDVD化されているではありませんか。

 この作品に対する詳細はこちらを。

 ●君は「アニメンタリー決断」を知っているか
 http://www.h2.dion.ne.jp/~sws6225/

 私は数年前、このサイトで『アニメンタリー決断』という作品が過去に存在していたことを知り、もはや観る術がないことに切歯扼腕していたのですが、久しぶりにのぞいてみたら、DVD化などによって面目を一新していました。

 さて遊就館の売店でこれを発見した私は思わずDVD-BOXに手を伸ばしたのですが、あいにく手持ちの現金に余裕がありませんでした。レジで尋ねるとカードは使えないというつれないお言葉。そしてただなならぬ殺気に振り返ると配偶者が鬼の形相。

 ……ああ天なるかな。

 仕方がないので副業の原稿料が振り込まれるのを待つことにしましたけど、以下に紹介しておきます。拙宅は近くにレンタル店がないのですが、仮にレンタル店があってそこで借りることができたとしても、やはりDVD-BOXを買うことになると思います。『趙紫陽軟禁中的談話』と比較することはできませんが、これはこれで価値ある作品ですから(少なくとも私にとっては)。

アニメンタリー決断 DVD-BOX

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アニメンタリー 決断 VOL.1

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アニメンタリー 決断 VOL.2

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アニメンタリー 決断 VOL.3

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アニメンタリー 決断 VOL.4

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アニメンタリー 決断 VOL.5

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 ――――

 勢いに任せて『アニメンタリー決断』まで紹介してしまいましたが、私の場合、これを買っても観るのは少し後になるかと思います。しばらくは一意専心『趙紫陽軟禁中的談話』にハマることになりそうですから。想像していた以上の内容、この一言に尽きます。

 何はともあれ、取り急ぎファースト・インプレッションまで。

 ――――

 ※『趙紫陽軟禁中的談話』は私のルートであと何冊かは入手できそうな気配ですが、私の地盤方面の書店はすでに軒並み品切れ状態。香港在住の方は中環(セントラル)か銅鑼湾(トンローワン)あたりの大手書店に行けばまだ手に入るのではないかと思います。

 ※先日靖国神社の帰りに神田神保町まで足を伸ばしてみましたが、「内山」や「東方」には『趙紫陽軟禁中的談話』はありませんでした。まあ「内山」は同書を出版している香港の政論誌『開放』すら置いていませんし(なぜか『開放』だけ扱っていません)、「東方」に至ってはアレですから。冗談でもレジで「党員割引はありますか?」なんて聞いちゃいけませんよ。「はい」という答が返ってきそうで怖いじゃないですか(笑)。

 ――――

 【追記2007/02/27/02:24】
4冊入手しましたのでよろしければどうぞ。とりあえず私の方はこれが最後です。偶然手に入れば散発的に出すことはあるかも知れませんけど、旧正月明けで仕事も忙しくなってきましたので。

#001『趙紫陽軟禁中的談話』
#002『趙紫陽軟禁中的談話』
#003『趙紫陽軟禁中的談話』
#004『趙紫陽軟禁中的談話』




コメント ( 22 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
泣くも笑うも決断ひとつ (車探偵長)
2007-02-26 23:27:49
「決断」ですか。
懐かしいですね。
小学生のころ見てましたっけ。
 
 
 
Unknown (チンネ)
2007-02-27 00:58:51
うぅ・・・。
なんちゅーか
アメリカとかでコメディ映画を見た時に、周りの人(御家人氏ほかベテラン支那ウオッチャー)が大笑いしている中で、英語についていけない日本人(私)が笑いどころを逃しているような、そんな疎外感を感じちゃってます。

でも御家人氏のコーフン具合はひしひし伝わってきますよ。
和訳が早いトコ出てくれるとうれしいな。(岩波新書あたりから出版なんてことになったら最悪ですけどね)
版権とかどうなってんだろう。

89年の天安門事件は色々な意味で中共王朝のターニングポイントで、もはや自ら制御できない段階へと列車が爆走し始める決定的な事件だったんですね。
驚異的な経済発展を「冷戦後の波に上手く乗った名サーファー」と例えた本もありましたが。
あとはエンジンがぶっ壊れるか、線路から脱線するか・・・コキントウが壊れかけたブレーキを必死で引いている光景が浮かぶ・・・。
 
 
 
決断と趙本交換鑑賞しませう! (dongze)
2007-02-27 01:13:48
御家人さん、
チェック遅いですね、「決断」DVD持っておりますよ~。
双方で交換して見ませんか~~。
 
 
 
Unknown (通りすがり)
2007-02-27 03:32:27
お初でいきなりですが

全然理解していないで妄想話になってしまうのですが、、ご自身で翻訳&出版とかできないモノなのでしょうか?


出たら間違いなく購入ですよ。


1年くらいblogは拝見しておりますが、御家人殿であれば通常の翻訳本ではなく、時代背景とか含めコメント付きで出せるかなとおもうわけで、あまり深く大陸史を理解していない私のようなモノにとっても非常にありがたい本になるのではないかと・・・・思うわけです。

 
 
 
知恵をめぐらせ、頭を使え (Hiro-san@ヒロさん日記)
2007-02-27 05:27:43
御家人さ~ん。「アニメンタリー決断」DVDのご発見おめでとうございます。私も調子に乗って、リンクを置いていきます。
http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1082980
 
 
 
ネットでも買えますね (dongze)
2007-02-27 06:38:02
御家人さん、
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/DetailMulti?refSdCode=040000000TSDS-75409&Action_id=111&Sza_id=A0

当方の利用した出版流通のネットショップでは買えますね。自宅近くの本屋に配送してもらえますよ。
 
 
 
みなさんコメントありがとうございます。 (御家人)
2007-02-27 07:19:35
>>車探偵長さん
>懐かしいですね。
 全然懐かしくないですよー観ていませんから私は。幼稚園のころから零戦にハマっていたのに何故この番組に気付かなかったのか?毎週日曜に放映されていた米軍の戦争記録フィルム番組は欠かさず観ていたのに。みとめたくないものだなわかさゆえのあやまちというものを。

>>dongzeさん
>チェック遅いですね、「決断」DVD持っておりますよ~。
 私だけ仲間はずれという訳ですか……orz。でもネットショップの情報、ありがとうございます。「趙紫陽本」が買えるのかと一瞬期待してしまいました(笑)。

>>ヒロさん
 ヒロさんまで私をのけ者にするのですか(笑)。しかし「アニメンタリー決断」からあそこまで話を展開できるとはさすがにヒロさんですね!みなさんヒロさんのリンク必見です。そして氷解!!私は仮面ライダーを観ていたので知らなかったのだと思います。しかし悔しい……。

>>チンネさん
 申し訳ありません。中国語を読めるのをひけらかしているつもりは全くなかったのですが、私が想像していた以上に充実した内容なのでつい興奮してしまいまして。それに私は胡燿邦・趙紫陽時代から中国と付き合い始めて、趙紫陽が失脚した天安門事件当時は上海にいましたから思い入れがひとしおなのです。
 日本語版を激しく希望です。いま産経の「トウ小平秘録」を読んでいる若い世代のみなさんに読んでほしいです。「昔の中国の方がマトモじゃないか」と思うかも知れません。
 実際には20年前も現在も中共政権は病持ちなのですが、発展途上だった20年前の方が前途に夢を持てたということなのでしょう。いまや経済構造から環境問題まで袋小路で、胡錦涛や温家宝の選択肢はほとんどありませんからねえ。
 ……てことは誰がトップでもどうせ打ち得る手は一緒だから、別に胡錦涛や温家宝でなくても、なんてことを考えている人がいても不思議はありませんね。


>>通りすがりさん
 日本語版ということであれば、私を雇用している零細企業か私が副業でコラムを書いている香港の零細出版社に版権を取らせるべく動いてもらうことくらいはできます。でも当然ながら日本での販路を持っていないので結局日本の大手出版社にすがることとなり、仲介役となってしまう零細出版社にとっては実入りが薄くて多労少得。……開放出版もそんなことをしなくても日本にルートを持っているでしょう。

>通常の翻訳本ではなく、時代背景とか含めコメント付きで出せるかなとおもうわけで
 素人の私にはとてもそんな力量はありません。あと時代背景や解説を加えたりすると翻訳本でなくなってしまうので、契約が複雑化してロットになりません。まあ時代背景や解説は『漫画アブナイ!中国』を手がけた創作集団・曙機関さんがいますから案ずるには及びません。私はこのブログで昔話をしているくらいが丁度いいです。
 あと「殿」づけはどうかご勘弁を。御家人さんと呼んで頂ければ当人は喜びます。
 m(__)m
 
 
 
Unknown (玄武)
2007-02-27 07:32:21
御家人さんの手による翻訳本が読みたい、というニーズは確実にあります。
御家人さんが抱える現実問題、大きな困難を理解した上でのお願いです。多くの翻訳本が無機的機械的で、日本語としてこなれていなくて、原文の持つ迫力等が削がれちゃってますよね。「翻訳せずにはおれん」という意欲を持つヒトこそ、最高の翻訳者。ご再考を・・・無い物ねだりを承知の上で。
 
 
 
『アニメンタリー決断』 (Scara)
2007-02-27 16:00:04
そういう名前だったのですね。子供の頃に見て、結構印象に残っています(お陰で左翼にならずに済みましたw)。ただ、放送年月日を確認するとリアルではなかったかも。地方でしたから再放送でしょう。

> ●後進国が革命に勝利した後すぐに社会主義をやってはならない。
> ●中国の特色ある社会主義とは一党独裁を強固なものにすることでしかない。
・・・・
う~む。資本主義たる前提(所有権の保障)を欠き、民主主義に繋がる伝統(信教の自由や多元的思想の許容、分権的政治制度)もない中国においては、趙紫陽の『正論』ですら私には空疎に聞こえ、あの国を一国として統治することは不可能と言った司馬遼太郎氏の方が現実的だと思ってしまいます。
ともあれ、翻訳本が出ることに期待します(できれば、御家人さんの翻訳でじっくり読みたいですねw)。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2007-02-27 19:31:08
私も御家人さんによる翻訳を激しく希望します。
もし出版されたら、目に入るなり買うでしょう。

余談ですが、江沢民は親父を日本兵に殺されています。彼の常軌を逸した反日姿勢もそこに根ざしているのでしょうね。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2007-02-27 19:42:13
申し訳ございません。 先程投稿した者です。上記の内容は事実と異なっておりました。不勉強を恥じる次第です。彼の実父は日本の特務に協力していただけでした。
 
 
 
Unknown (御家人)
2007-02-27 23:18:27
>>玄武さん
 翻訳は私には無理なのです。まず翻訳力がないというのが第一。私は確かにこの10年ばかり香港や台湾の雑誌でコラムを書いていますし、その守備範囲における仕事では評価を頂いております。でも同じ中国語でも作文力と翻訳力というのは別物でして、私は自由に書かせてもらうのは好きなのですが、原文に忠実に和訳する(意訳を含めて)のは束縛されているようで嫌なのです。実際に翻訳できるだけの技量もありません。
 第二は、翻訳者は常に乾いた態度で臨まなければならないと考えているからです。例えば今回の本であれば、書かれている内容やその背景に関する知識はあるけど、趙紫陽やあの時代に特に思い入れのない人、あるいは思い入れがあってもそれを押し殺して仕事ができる人でなければなりません。押し殺せない私にはその資格がないのです。


>>Scaraさん
>そういう名前だったのですね。子供の頃に見て、結構印象に残っています
 うらやましいです。……ていうか強まる疎外感(笑)。

> ●後進国が革命に勝利した後すぐに社会主義をやってはならない。
 これは大躍進や文化大革命のような政治運動を経験してきた趙紫陽の実感でもあるでしょうけど、実は毛沢東が建国前に「新民主主義論」でそれを唱えているのです。大雑把にいえば、中国は成熟した資本主義というものを経ていないから、社会主義化の前に準備段階のような期間がなければならない、というものです。その毛沢東がいわば「新民主主義論」めいたことをやろうとした現実路線の劉少奇やトウ小平を押しのけて大躍進や文化大革命を発動したというのは矛盾ですが、これはたぶん権力の持つ魔性なのでしょう。

> ●中国の特色ある社会主義とは一党独裁を強固なものにすることでしかない。
これは「中国の特色ある社会主義」の提起者のひとりといっていい趙紫陽の実感でしょう。現実が当初の本意からどんどんズレて歪んでいくことに堪え難いという思いが、こうした激語を呼んだのだと思います。
 司馬遼太郎の「国家としての適正なサイズ」という話は私も同感です。少なくとも現在の民度ではあの広大な面積をひとつの国家として統御していくのは統治制度に相当な負荷をかけることとなり、やがてその負荷によって国家そのものがボロボロになるかと愚考します。

>>「2007-02-27 19:31:08」のUnknownさん
 翻訳については上に書いた通りで、私には『趙紫陽軟禁中的談話』の翻訳者たる技量も資格もありません。
 江沢民の反日というのは外交戦略以前に感情的なものを感じます。父親が日本の手先だったという説は私も聞いたことはあります。でもそれを覆い隠すためといったレベルではなく、感情的な印象を受けるのです。前にも書きましたけど恋人を日本人に寝盗られたとか(笑)、そういうトラウマの反作用であるかのようなヒステリックぶりでした。
 あの反日風味満点の「愛国主義教育」は日本人の対中感情をも悪化させましたが、一方で歪んだ形ながらも経済成長を実現したことと相まって、中国人の民度を著しく退行させ、平衡感覚を失わせたと思います。経済成長における歪みは様々な格差や社会問題を生みました。まことに醜悪な中共人です。江沢民には国賊というより「千古罪人」という中国語が似合うと思います。
 
 
 
御家人さま翻訳でぜひ (通りすがり)
2007-02-28 00:10:20
このごろ、各出版社の新書で、
嫌韓、嫌中の本をずいぶん見かけます。
出し時かもしれませんね。印税は安そうですが、
新書のほうが買う側は手に入れやすいし、
いつでもどこでも読みやすいので、
御家人様がみずからどこかの出版社に
売り込みをかけてはいかがでしょう。
迅速かつ正確に翻訳できる方は、
いずれの言語でも貴重ですし。
 
 
 
アニメンタリー決断 (Dig in)
2007-02-28 03:35:12
「アニメンタリー決断」初めて知りました。
当時幼かったので記憶にはありません。
下記でさわりを見てみたのですが、
とても良質の作品のようですね。
全話見てみたいです。

http://www.youtube.com/results?search_query=%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC
 
 
 
趙紫陽 (鴨洛斎)
2007-02-28 10:40:17
色々な規制、自己抑制があるのでしょうが、「トウ小平秘録」では、物足りないですね。早く『趙紫陽軟禁中的談話』を日本語で読みたいものです。
 
 
 
うひうひうひ……、 (曙機関)
2007-02-28 14:53:12
 以前に御家人さんにご相談した『ゼロ戦本』の企画ですが、実はこの『決断』DVDの刊行に便乗したものだったんですよ。


 ところで、話題の趙紫陽本ですが、もし構わなければ某○島社の出版部に持ちかけてみましょうか?

 御家人さんが本の概要を書いてくだされば、必ず検討させますよ。

 
 
 
Unknown (チンネ)
2007-02-28 17:47:27
気に障る言い方になって恐縮ですが、御家人氏が言われるように、
翻訳という作業は訳者の意思が極力反映しないように注意する必要がありますし、そうでなければ上の方で私がコメントしたような「(訳者の考えが反映されてしまう)岩波的翻訳」になってしまう可能性があります。ブログを読んでも御家人氏は趙紫陽にかなり思い入れがあるような感じですから。
それにやっぱり御家人氏のチナヲチは基本的に「プレーヤー」であって「実況者・解説者」ではないような・・・。

皆さんこの人なんてどうですか?
石平氏
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E5%B9%B3
この人の本を1冊持っていますが、例の反日デモの事件も御家人氏ばりの分析をしています。
その上、中国の人(千葉県在住)ですから微妙なニュアンスも伝えきれるんじゃないでしょうか。政治スタンスもチンネ好みだしw
 
 
 
決断 (ぬばたま)
2007-02-28 20:50:41
懐かしいです。ガキの頃観た映像が今も頭に残っています。
多分、ハードスケジュールで制作されていたのでしょう。セルの合成がときどき乱れていた記憶があります。監修はあの児島襄さんだったはずです。記憶違いならごめんなさい。
 
 
 
Unknown (御家人)
2007-03-01 03:57:19

>>鴨洛斎さん
 「トウ小平秘録」は天安門事件を前にした党上層部での綱引きが佳境に入りつつありますね。でもそこをまだ「中国『六四』真相」に頼っているようでは目新しさが感じられず、書き手自身の消息筋情報なども不十分でちょっと失望しております。「中国『六四』真相」は前にも紹介しましたが天安門事件関連では定番の1冊。和訳本も出ています。

●来日直前に産経が渾身の「六四特集」、踊れや踊れ温家宝。
http://blog.goo.ne.jp/gokenin168/e/51d5a3e3a8f6af0795d8fd5be1e021b0

 ところが今度出た『趙紫陽軟禁中的談話』の天安門事件に関する趙紫陽自身の回想を読んでみると、「トウ小平秘録」で描かれる趙紫陽とはちょっとニュアンスが異なるのです。
 李鵬や北京市当局による針小棒大的状況報告の影響や、その時期になぜ趙紫陽は予定通り北京を離れ北朝鮮訪問に行ってしまったのか、また趙紫陽とトウ小平との関係などについて一種の新事実ともいえる内容が『趙紫陽軟禁中的談話』に含まれています。トウ小平論についても同書には趙紫陽自身による様々な談話が収録されています。
 「トウ小平秘録」は時間的に同書を参考には出来なかったでしょう。惜しいところです。この連載についての現時点までの感想をいうなら、私のようなリアルタイムにあの時代を経験した者にとっては、色々な資料を精読しよく吟味してまとめ上げているものの、ただそれだけでそれ以上の瞠目すべき価値は感じられない、というところです。辛口ですみません。
 でもあの時代を体感していない若い世代にとっては非常に価値のある内容だと思います。今後出るであろう『趙紫陽軟禁中的談話』の和訳本を「トウ小平秘録」と重ねて読めば、天安門事件にとどまらず、トウ小平やトウ小平時代への認識がより深まると思います。


>>通りすがりさん
 上にも書きましたけど私には『趙紫陽軟禁中的談話』の翻訳者たる力量も資格もありません。誤訳を恐れているのではなく、思い入れがあるためについ意訳しすぎてしまうとか、行間や本全体から醸し出される一種の空気を必要以上に熱くしてしまうに違いないからです。


>>曙機関さん
>以前に御家人さんにご相談した『ゼロ戦本』の企画ですが、
>実はこの『決断』DVDの刊行に便乗したものだったんですよ。
 なるほどそれで「零戦」ではなく「ゼロ戦」なのですね。納得。

>ところで、話題の趙紫陽本ですが、もし構わなければ……
 そんなことをしてはいけません。私にもその気はありません。それから『趙紫陽軟禁中的談話』は「某○島社」で出すべき類いの本ではありません。失礼ながら、「某○島社」から出すとキワモノ扱いされる可能性があり、原書の一読者として作品内容の価値を知っている私はそれに耐えられないのです。


>>チンネさん
 翻訳については全くお説の通りです。それから私はあくまでも素人ですから、たとえ「プレーヤー」であっても、それはプロ野球選手やJリーガーなどではなく、テレビゲームを遊んでいる人(しかもライトユーザー)、という程度のものでしかありません。


>>Dig inさん
 リンク先拝見しました。予想通りの非常にいい感じでした。あれなら間違いありません。配偶者の目を盗んで必ず買いますDVD-BOX!


>>ぬばたまさん
 あのテイストとスタンスをそのままに現在のアニメ技術でリメイクしたら凄いでしょうね。あとCG駆使して日露戦争を映画化してほしいです。旅順攻略とか奉天会戦、そして日本海海戦を観てみたいものです。
 
 
 
目からウロコです (通りすがり)
2007-03-03 22:20:09
たしかに、いい本だ、紹介したいと思っても、
翻訳者の言葉の選択ひとつで全体のニュアンス
さえ変化しますものね。
わたしも読んでみたくて興味津々ですが、
ベストの翻訳が出る日を首を長くして待ちますね。これを、鶴首して、と書くだけでも
思い浮かぶ絵が違うので、訳する、というのは
大変な作業ですね。自分としては御家人さまには
健康第一でいらして欲しいし。うーむ
 
 
 
Unknown (御家人)
2007-03-17 15:22:44
>>通りすがりさん
 御説の通りです。例えば原文の文体が醸し出す独特の雰囲気やリズム感、行間や作品全体から漂ってくる空気というものを日本語で再現するというのは至難の業なのです。
 例えば1980年代末期に中国で大きな反響を呼んだテレビドキュメンタリーに『河殤』という作品があります。私の好きなルポライターの蘇暁康がナレーションの半分を執筆したのですが、彼独特のリズム感、改行による余白やちぎり捨てるような印象的な一句で強烈な余韻を読者に与える文体が私は好きでした。
 ところが後に和訳本が出たので読んでみたら、そういう「味」がことごとく失われていて、原文ではひしひしと伝わってくる当時の改革派知識人の危機感のようなものも半減して幻滅したことがあります。
 最近では『討伐中宣部』、あの焦国標独特の歯切れがよくポンポンとリズミカルな筆致が日本語に移植されるとやはり魅力半減です。中国語のプロ、あるいは中国問題のプロともいうべき人たちが手がけてもそういうことがありますので、翻訳という作業はまことに難事だと思います。むろん私のような素人が手を出していい世界ではありません。
 
 
 
☆☆☆よかった (非典型日本人)
2008-01-17 21:23:35
香港へ行った際に、「軟禁中談話」を買いました。帰りの飛行機で一部読んで、やはりうならずにおれませんでした。かの国を「ヲチ」し、いろいろ論じるためには、やはり中国語を勉強しなくてはなりません。御家人先生に翻訳しろと迫る前に、御家人先生のファンなら、中国語の勉強に挑んでみてはいかがですか。中国に身を置いていない日本人という制約の中で中国を論じるには、大公報とりんご日報と自由時報の中身を自分の眼で比較してこそ、説得力ある言葉が生まれると思います。日本人が主観で書いたトンデモ本でかじった生半可な知識で中国を悪の帝国とののしっても、それはかの国の、日本語をまったく知らずに日本を悪魔の国のごとく喧伝する糞青と大差ないでしょう。それにしても「軟禁中談話」、もっと早く買えばよかったと後悔しています。趙紫陽というスケールの大きな開明的な政治家の存在に圧倒され、また、そういう人物を軟禁し、才能を封殺して、ついに屈辱の死にいたらしめたかの国の悲しさにまた、打ちのめされる思いです。
 
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