日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 アジアカップ、いよいよ決勝が明日に迫りましたね。
 私は日本の勝利を信じて疑わない方なので、何点とれるか、それを楽しみにしています。
 それから、これまで日本代表に大ブーイングを浴びせてきた中国人サポーターが、首都北京での決勝という最高にお膳立てされた舞台で日本に敗れた場合どうなるか、というのも楽しみですね。反日掲示板などをのぞいてみると、私とは逆に、みんな中国の勝利を疑っていないようなので、負けて開催国のメンツを潰されたことで如何なる化学変化が起こるか、これは見物です。

 それはともかく、アジアカップ絡みでいろいろなニュースが出ているようです。私が某巨大掲示板の某スレにいる利点は、同好の士がいることの心強さの他に、互いに色々なニュースを持ち寄って情報交換ができる、ということにもあります。ひとりで集められる情報など所詮限りがあって、見落としもままあるので、これは特にありがたいのです。

 で、そういう中にこんな記事がありました(ちなみにこのブログは読者がいるなんて僥倖を全く期待していませんので、中国語が読めることを前提に書いています。引用記事が中国語であっても翻訳はしませんので悪しからず)。

 ●ヨルダンと日本のフツーでない関係 PK戦でのゴールチェンジは経済援助への恩返し?
 http://cn.sports.yahoo.com/040801/55/24noq.html
 何だか居酒屋での会話が活字になったような感じです。

 ●中国代表GKが記者会見で「小日本」発言
 http://sports.sina.com.cn/n/2004-08-04/00201042470.shtml
 リンク先ではすでに修正されていましたが、複数の反日サイトで「よくやった」という声が相次いでいたので事実なんでしょう。実際には「日本」ではなく侮蔑語の「小日本」を使ったようです。

 中国政府も負けてはいません。本来なら開催国としての仕切りの悪さを恥じるべきところですが、中国にはもちろんそんな面の皮の薄い人はいやしません。

 ●中国外交部「日本のメディアは騒ぎ過ぎ。サポーターの行為と政治を結び付けるとは遺憾」
 http://japan.people.com.cn/2004/8/5/20048593215.htm
 外交部スポークスマンの発言ですが、「少数の中国サポの行為はスポーツマンシップに反するもので賛成できない」と、マナーの悪い観客がごく一部であるとした上で、「日本のメディアが騒ぎ過ぎるのも遺憾だ」と続きます。

 日本政府が中国サポの行為について中国に正式に抗議したようですが、その返事がこれなんでしょう。確か日本のニュースでは「中国政府はサポーターに自制を求めた」ということになっていた筈ですが……実際は、俗に言う逆ギレってやつでしょうか。見出しから日本メディアを悪者扱いですからね。
 それにしても、「少数の者が……」+「日本メディアも騒ぎ過ぎる……」というコンボ、どこかで見た覚えはありませんか?昨年末、日本での中国人犯罪急増&凶悪化について、中国当局が出した声明がそれでしたね。「悪いのはごく一部の連中で、日本のメディアも騒ぎ過ぎる」。

 騒ぎ過ぎ、ですか。どうせなら日本のマスコミはもっと大袈裟に騒いで、日本人の対中認識を正確なものにしてほしいものです。まあ試合中継だけでも十分すぎるほどの効果がありますけどね。もうテレビ朝日も「君が代」に対するブーイングを公言するようになっていますし。このアジアカップで対中嫌悪感が一気に高まっていることは確実でしょう。それは喜ぶべきだと思います。改めて言いますが、中国への嫌悪感の高まりは、日本人の対中認識が正確になりつつあることの反映なのですから。

 ただ、中国指導部は上記の対応を示す一方、内心はマズいことになったと思っているのでしょう。外交部の声明は国内向けでもあるので弱味を見せられず、横柄な態度になったのでしょうが、『人民日報』が一方で市民に冷静さを求めるコラムを掲載しているのを見つけました。

 http://sports.people.com.cn/GB/31928/32018/34077/34088/2687741.html
 読んでみると、何というか小学生くらいの子供に諭すような調子です。反日をたきつけてきたのは他ならぬ中共自身ですから、強く諌めるような調子になれないのが面白いです。慎重に言葉を選んで書いている感じが伝わってきます。

 前に書いた『中国青年報』(胡錦涛の広報誌)の評論を苦い薬とすれば、これは糖衣でくるんで飲みやすくしたという感じです。ネット世論から集中砲火を浴びた『中国青年報』の評論こそ転載しませんでしたが、党中央の機関紙である『人民日報』にソフトな内容ながらもこういう記事が出た、ということは、胡錦涛・温家宝を軸とする現指導部の間では一応の意思統一がなされた、とみるべきなのかも知れません(念のために言っておくと、党総書記と国家主席の座を退いた江沢民は現指導部には含まれていません)。少なくとも『中国青年報』の評論が出た時点(7月29日)よりはまとまってきている、ということなのでしょう。
 まあ社会にも不穏な空気があることですし(別の機会に説明します)、反日騒動の鉾先がいつ反政府に転じるか、わかったものではありませんからね。それを第一の理由とすれば、対日関係の悪化とオリンピック開催国の資質を海外から問われるのを避けたい、ということもあるでしょう。

 何はともあれ、「好戯在後頭」(お楽しみはこれから)、ということです。


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