前回速報した話、……香港の活動家たち(保釣行動委員会)が尖閣諸島に船を出すという計画を発表し、それが中共系メディアによって中国国内にも報じられたという話題ですが、目下のところ続報はありません。
この問題のミソは香港の活動家が船を出すことではなく、そのことが中国国内でも報道されたということです。
この1年半ばかり、胡錦涛政権は「中国民間保釣連合会」に代表される国内の関連組織が尖閣上陸を目指して船出を計画するたびに警官や武警(武装警察=準軍事組織)を投入してそれを実力阻止してきました。むろん「実力阻止」が国内メディアで報じられたことはありません。
それがここにきて香港の動きを伝えるというのは一転して「煽り」に変じたような印象を受けます。
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●どうしていま尖閣?(FromA)2006-06-14 10:00:42
台湾島侵略より簡単だからと思います。尖閣も同様に領有権を主張していますし、一旦占領してしまえば、竹島のように、日本は手出し(攻撃)しないと踏んでいるのではないですか?
要するに、米軍が後ろにいても動けるかどうか解らない腰抜け日本なら、ジャブ撃ってみても損は無いだろうと言うことでは?ないかと思います。
伝聞ですが、日高義樹さんも最近の講演でそのようなことを言われているようです。
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●韓国との竹島問題(N)2006-06-14 12:38:20
にタイミングを合わせてるんじゃないでしょうか。
EEZでも竹島基点言い出しましたからね。
日本に対し中国韓国と呼応して靖国やらいろいろ難癖付けてきてるようですし。
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●台湾政局が目的 (伴ちゃん)2006-06-14 20:49:25
今頃の尖閣諸島は、胡錦涛が担当の台湾攻略が目的と思う。
台湾野党の党首は強烈な反日家。その党首が、現台湾総統(親日家)を窮地に追い込む手段として尖閣諸島を利用する事への援護射撃。
日本の対応を逆手にとり、台湾政局を北京の傀儡にする一貫と推理する。尖閣諸島だけなら、反日暴動まで発展することを押さえられるからだ。
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といったコメントを頂いて私も興味深く読ませて頂いたのですが、北京五輪を前にしており、資本・技術・設備・市場を全て外国に委ねるという歪んだ経済発展モデル、さらに現在の日中関係を考えると、余りにリスクを伴うアクションになってしまうように思います。
例えば、日米安保の範囲内に尖閣諸島が含まれる、つまり尖閣有事には米軍が動くということは米国側が明言しており、そのニュースは中国国内でも報じられました。
それから、尖閣問題を騒ぎ立てているのは一貫して中共政権であり、日本側は尖閣諸島に領有権争いがあるという立場をとっていません。そして騒ぎつつも「領有権争いは棚上げして」というのがトウ小平以来の中共のスタンスです。
日中関係についていえば、いま尖閣諸島に手を出してしまえば日本の対中世論が硬化することは想像に難くありません。むろんそれは中共が最も望まない人物が次期首相となり、その新政権のもとで、中共にとって最も手強い対中政策が採られることになるでしょう。
靖国問題への口出しは内政干渉で済みますが、日本側及び日米安保の建前からいえば、中共が尖閣諸島に手を出すことは歴とした侵略行為です。日本国民のみならず、台湾の対中国民感情も硬化することになるでしょう。軍事力を用いたアクションは台湾人の「台湾こそわが故郷」という本土意識を高めることになっても、統一への気運を生み出すことはまずないかと思います。逆効果です。
軍事力を用いずに、……つまり香港の「保釣行動委員会」が資金難を克服して船をチャーターした際、中国側から巡視船などによる護衛がつくことなく、単独で尖閣上陸を目指したとすれば、これはもう結果が見えています。旧日本海軍の水雷戦隊を彷佛とさせるわが海上保安庁の巡視船・巡視艇による神業ともいうべき操艦技術によって、恒例の「公開処刑」に遭うことになるでしょう。仮に上陸に成功すれば沖縄県警の出番です。
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で、このネタについては数日間寝かせて様子をみていたのですが、私のみた限りでは続報が全くありません。続報がない、ということがニュースといえるかと思います。
それから前回書いたように、胡錦涛系とみられる『中国青年報』や『解放軍報』はもちろん、新華社や『人民日報』、それに上海の『解放日報』すらこの記事をスルーしています。要するに主流派ともいうべき報道媒体には無視された形です。
無視された、ということから今回のイベントが胡錦涛の意思に沿ったものでないことを想像できるのではないかと私は考えているのですが、だとすれば具体的にどういう政治勢力が仕掛けたものかは興味深いところです。「保釣行動委員会」の記者会見をいち早く、しかも最も詳細に報じた「中国民間保釣連合会」の関連スレ(前回参照)は未だに削除されていません。
胡錦涛は支配下にあるメディアに報道させないようにすることはできたけれども、「中国民間保釣連合会」の関連スレには手を出せない(削除できない)。また中共系通信社・中国新聞社から配信されて国内メディアに掲載された関連ニュースを削除させることもできない、という力関係に基づいた事情が浮き彫りにされたかのようです。
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もっとも、もし今回の報道が「反胡連合」(反胡錦涛諸派連合)が「擁胡同盟」(胡錦涛擁護同盟)に対して仕掛けた一撃だとすれば、目下のところ「燃料」としては低質で、不完全燃焼にすら至っていないというほかありません。ただ、あるいは別方面からの第二幕があるかも知れません。とは、
●中国国内で尖閣問題の総本山は「中国民間保釣連合会」。むろん香港の「保釣行動委員会」との連携がある。
●「中国民間保釣連合会」の会長は反日活動家の代表格・童増。
●その童増は「中国民間対日賠償請求連合会」の会長を兼任。
●「中国民間対日賠償請求連合会」の目標は民間による対日戦時賠償請求訴訟を中国国内でやること。
……という「童増つながり」です。
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●中国人の強制連行訴訟、2審も原告側が敗訴(読売新聞 2006/06/16/19:24)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060616i112.htm
第2次大戦中に強制連行されて、日本の鉱山などで強制労働させられたとして、中国人41人(提訴後、17人が死亡)が、国やゼネコンなど10社を相手取り、1人当たり2000万円の賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が16日、東京高裁であった。
赤塚信雄裁判長は、不法行為から20年過ぎると賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用して請求を棄却した1審・東京地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。
原告側は上告する方針。(後略)
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という折りも折りです。この「訴訟を中国国内で」という動きも続報が絶えてすっかり鳴りを潜めてしまった格好でしたが、ここにきて息を吹き返す可能性はあります。
既報していますが、「中国民間対日賠償請求連合会」の「対日」は日本政府だけでなく、中国に進出している関連日本企業を血祭りに挙げんとの意図を含んでいます。この動きが再燃するかどうかはひとつのバロメーターとしてみてやってもいいのではないかと思います。
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「ピューリサーチ社の国際好感度調査」の2006年版
今年は日本の調査が行なわれています。
http://pewglobal.org/reports/display.php?PageID=825
日本の中国に対する好感度 28%
中国の日本に対する好感度 21%
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日本のメディアににらみを聞かせてこの結果ですから・・・。たがが外れたらどうなることか・
>中国の日本に対する好感度 21%
データが逆ですね。
日本の中国に対する好感度が21%です。
恐ろしいことに…中国人が日本人に対するよりも、日本人の対中感情の方が悪化してしまいました。
これは、前代未聞のことだと思います。
日本人の方が、より相手国の事が嫌いだという事です
もしかすると、電話やネットもチェックされる可能性があるんでしょうかね。じゃなければ色々言うはずですね。「今の政府は、環境対策を怠っているから、あまり良いイメージを持っていない」とか「所得格差が半端じゃないので最悪だ」とか「役人は腐敗している」とか。ちょっとヘンですよね。単なる愛国心の発露と捉えていいのだろうか?
それはそうと、中国は経済過熱といえる状況になってきましたね。5月の統計だとより一段と加速しています。地方が突っ走っていますねえ。中央も色々と対策を講じましたが、それが有効なのかどうかは第三四半期まで眺めてみないとわからないでしょう。経済についていえば、昨年よりも中央のタガが弛んでいるのは事実です。ボディブローのように効いてくる内憂かと思います。
中国人の28%が日本に対して好印象を持っている≒3億9千万人の中国人が親日的である。
『3億9千万人の中国人』とサラリと述べましたが、日本の人口のざっと3倍。物凄い人口です!
ちなみに、日本人の21%というのは、およそ2千5百万人程度です。(これもなかなかの人口ですが)
現在中国にはおよそ3億9千万人の親日家がいるらしいですが、、、彼らは一体、何をやっているんでしょうね?少なくとも「反日」ムードの下、主流の流れを作っているような感じはしません。これら、親日中国人と反日糞青や珍獣との区別が付きにくいのが難点です。地下にもぐっている「親日家」を見つけ出して仲良くするのは、不可能に近いと感じます。
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