一昨日、ビルマ・タイ国境の先住民であるカレン族の友人・Lさんが奥さんに頼んで取り寄せた民族衣装を頂きました。感激です。
普段着ではなく一種の晴着なので細かい配色の刺繍が施されていて、見た目もすごくきれいです。
Lさんの夜勤明けを待って恒例の「朝食会」となりました。Lさんのバッグには、あの「FREE KAREN」のカンバッジがついています。私の分と2個だけ試作したもので、図画工作(美術)がずっと苦手科目だった私は、我ながら良くできたものだと頷いてしまいます。
このカンバッジ、Lさんがカレン族の正月の集まりに招待してくれるということで、そのお返しに私が製作を請け負ったもので、参加者の概数が判明した時点で量産にかかることになっています。
今回、民族衣装は2着送られてきました。日本在住5年以上というLさんも、実はこの集まりにはこれまで参加したことがなかったそうです。いまも休日なしで毎日どこかで夜勤をしているLさんですから、私を連れていくために休みを取ってくれるのでしょう。彼の友人には毎日15時間、休日なしで働いている人もいるそうです。
それを思うと何だか申し訳ないのですが、私がカレン族の色々なことに興味を示すことがLさんにはとても嬉しいのだそうで、
「行きましょう、御家人さん、一緒に行きましょう行きましょう」
などと、私の腕を引っ張るかのような積極さで誘ってくれました。
それにしても、イメージというのは大切なものですね。朴訥、勤勉、真面目でどこか純粋なところを残し、はにかんだような笑みを浮かべるLさんの風貌に魅かれ,私は安心してLさんと友達付き合いをするようになりました。カレン族に対する好感度も、相手がLさんでなければ少し違ったものになっていたと思います。
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そうそう。カレン族といえば、何と拙宅の最寄りのコンビニにも1名いることが最近判明しました。いままでずーっと雑談したりしていたのに全く気付かなかったのです。Gさんというのですが、ありふれた中国姓が平仮名で名札に書かれていたので、私は「ミャンマーの華僑」だと思っていました。
「あなたは華僑?」
と尋ねたら頷いたこともあります。日本語はひどく流暢なのですが、どうも華僑という単語を知らなかったようで、以前、フリチベ戦闘服に身を固めた私の前で日本人店員と話していたときも、
日本人「Gさんは華僑なんでしょ?」
Gさん「はい」
日本人「でもフリーチベットはOKなんだ?」
Gさん「ええ」
日本人「不思議だなあ」
などという会話がありました。そのGさんがカレン族だと知ったのは、店長さんと話していたときです。
「彼は華僑じゃありませんよ。地元の人間です。えーと、カレン族、だったかな……」
と言うので当方仰天した次第。華僑だと思っていたので中国人アルバイト同様、踏み込んだ付き合いや話題は避けていたのです。
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先日、「FREE KAREN」カンバッジを装着して来店したら、Gさんが目ざとくそれを見つけて、
「ああ、それ、いいですねえ」
としきりに羨ましがるので、「欲しい?」と聞いたらヘッドハンキングのようにブンブンと首を縦に振って、
「欲しい。欲しいです」
と言うので量産型をひとつ進呈することにしました。それ以来、Gさんとの雑談も政治の話題が中心となり、カレン語のウェブサイトから仕入れた最新情報などを教えてくれるようになりました。
Gさんは30代前半のLさんよりは少し若い印象で、どちらかというと享楽派っぽい外見ながら、軍事政権に押される一方の現地のカレン族の消息を気にしているようです。もちろん軍事政権の後押しをしてミャンマーの属国化を狙う中国の悪口が出ますし、北朝鮮との関係についての話をしてくれたりもします。
そういえばGさんも毎日よく働いています。尋ねてみたら、やはり正月の集まりにもこれまで出たことがないそうです。
Lさんとの「朝食会」では、海上での天然ガス試掘をめぐって、ミャンマー軍事政権と隣国バングラデシュがちょっと険悪な空気になったという話が出ました。試掘にあたったのは韓国企業だそうですが、中国の影を感じる、とLさん。
調べてみると、境界線ギリギリでの試掘のためバングラデシュ側も海軍艦艇を出動させ、陸上でも精鋭部隊を国境付近へ展開させたとか。ただLさんによると、
「軍事政権もバングラデシュも中国を先生と考えていますから、大事件にはならないと思います」
とのこと。
ところでカンバッジの一件は、Lさんが私を招待してくれることに対する返礼だと私は考えていて、本当に民族衣装まで頂けるとは思っていなかったので、奥さんに対するお礼をしなければと私は考えているところです。
「朝食会」ではいろいろ探りを入れてみたものの,そうと察したLさんに全て回避されてしまいました。こちらも何か日本のものがいいだろうと、目下、配偶者と対応を協議中であります。
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ちなみに、あれこれググっていて発見したのですが、カレン族の民族衣装(普段着)はこんな感じのようです。(【※】)
(・∀・)カコイイ!……ではありませんか。私が頂いたものは晴着なのでカラフルな刺繍が細かく施されたものになっていますが、この普段着も渋いです。ていうかそもそもオジサン渋過ぎ。
私はこの写真をプリントアウトして「朝食会」でLさんに見せました。シンプルながら味のあるバッグが良さげで、聞いてみるとカレンバッグというもの。胸元で結び目を作っているのは特別な意味がある訳ではなく、単に長さを自分に合う丈にするためだそうです。おおお。
すると、説明に聴き入る私の表情を読んだのか、
「私も持っていますからあげますよ。小さいサイズですけど」
とLさんが言い出したので慌てて辞退しました。
「いや違うんです。御家人さんがカレン族のものを使ってくれるのが私には嬉しいんです」
などとやり取りしていたのですが、
「いや、取材とかデモのときに使いたいから、せめてA4サイズがしっかり入るくらいの大きさでないと」
と私が何とか逃げ切りに成功。日本の通販やネットショップだと高いので、今度二人でビルマ料理を食べに行くときに、専門の雑貨店に立ち寄る。……という線で落ち着きました。
頂いた民族衣装は着心地もよく一発で気に入ってしまいました。でもこの写真のようなシンプルなものにも魅かれます。何やら私は「年末進行」が終わって暖かくなってきたらエスニックに走りそうな流れになってきました(笑)。
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あ、もちろん中国のことは忘れていません。昨夜も福建人の経済専攻の奴と胡錦涛の重要講話、それから今後の中国のマクロ経済がどうなっていくか、などについて結構突っ込んだやり取りをすることができました。
相手はなにぶん政治運動未経験で現状肯定派、そして愛国主義教育を全身に浴びて育った江沢民チルドレンですから、私が示した懸念やシナリオは「そうなることはありませんよ」と一蹴されてしまいました。
でもこいつ、「諸侯経済」が現出したころに生まれた世代のひとりですから、経験値は満足にありませんし、経済がハードランディングするときの予兆や現実感にも乏しく、そのあたりの話題を手触り感覚で共有できないところが私の兄貴分であるカリスマ経済学者とは違います。
ただ広東省で顕著な工場閉鎖や失業問題、それから貧富の格差などに話題を振ってみると、一応深刻だという認識があり、不安を感じているようです。
ともあれ、フリチベ殴り込みで始まったコンビニ絨毯爆撃が、私の場合は結局こういう話をするようになってしまうのですね。
次回の立ち合いに期待。
【※】http://blog.livedoor.jp/yochifuji/archives/50266741.html
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総理がいない間にろくな審議もせずに採決に持ち込まれそうです。
とんでもない改悪で、突っ込みどころしかない法案なのですが、
最も大きな問題点は『日本人の片親の認知”のみ”で子供は日本国籍がもらえる』ことです。
認知のみで未成年の子供に国籍を与えると、主に中国が中心となって「認知を買う」犯罪が急増するのは目に見えてます。
中国人夫婦の間に生まれた子供でも、日本人の男性が認知すればOKというザル法で、
しかも、事前審査なしで受理時点で即国籍付与です。
最悪の場合、法案施行と同時に19歳11ヶ月の子供を大量に認知させると、
来年の総選挙で大量の中国系偽装日本人が投票権を持ち、
2013年には中国系偽装日本人が大量立候補、日本は中国に乗っ取られる可能性があります。
有志がせめてDNA鑑定だけでも盛り込もうと動いていますが、
マスゴミはスルー状態で、もう時間がありません。
詳細は↓こちらにありますので、ぜひご参照くださいませ。
まとめWiki (新)
http://kokuseki.wiki.exeexe.net/wiki/
まとめwik ←こちらは現在メンテナンス中
http://www19.atwiki.jp/kokuseki/
ちなみに中国語のDVDの後ろの解説は以下のものと同じでした。
http://www.icebin.net/post/1022.html
山岳民族としてごく自然に風景に溶け込んでいるという感じですね。同時にずっしりとした存在感が発散されているのがたまりません。ちなみにこのオジサンには遥かに及びませんが、Lさんにもずっしり感がそこはかとなく漂っていて、それも彼に好感を持てる理由のひとつです。
ちなみに私がカレンバッグに惚れた理由は、単に素朴なデザインというだけでなく袈裟懸けで身体にピタリと密着できるからです。時代劇を観ていると、武士が佩刀の柄を左手で抑えて疾走するシーンが出てきますよね。手荷物を持って思いっきり走るにはあのスタイルが一番なのです。片手にビジネスバッグやPCケースなどを持って走っていては速度が出ませんし、背負い型のバッグだと上下に揺れて邪魔な上に、中身がガチャガチャして気になるのです。
……これ、上海での民主化運動で私服に追撃されたときの実戦体験に基づくもので、いわば「戦訓」ですね(笑)。
>>23さん
この件は私も非常に憂慮して推移を見守っています。超党派議員のグループなどが慎重に事を進めるよう申し入れたりしていますが、成り行きが心配です。しかし河野家、2代目も「傭兵」になるとは思いませんでした。
各派によって見解は様々なのでしょうが、日本国民の代弁者たる国会議員が、このような法律を通そうとしていることに私は憤りを感じています。
>>queさん
ケチョンケチョン、てなこき下ろし方ですね(笑)。まあミャンマー軍事政権を支援しその属国化を狙う中共政権にとって、この作品は「大毒草」に他なりませんから、さもありなん、てなところでしょう。ところでこれ、正規品ですか?(笑)
この機会に説明しておきますと、「大毒草」とは中国の政治用語で、簡単にいえば党中央の方針に華々しく楯突く劇薬的制作物のことです。
昨日も海賊版の日本のドラマを久しぶりにみたので買いだめしたんです。
ランボーは、多分正規版。ケースに入ってるし、シールもはってあり、値段も高いです。
多分ですが。。。
仕事上、私の立場で公言することは憚れるのですが、あれですね。もし海賊版業者が赤穂浪士に出てくる義商のようなもので、その利益がチベットとか東トルキスタンとかカレン族を支援する資金に回るのであれば、私なんかは喜んでひと肌脱ぐかも知れません。
とすれば日本企業も知らないうちにひと肌脱いでいることに(笑)。
時勢が煮詰まって来ると、ついそんなことを考えてしまいます。
実はいま、正月の集まりで手土産として無料配布する予定の私が試作したカレン族カンバッジが関係者(政治活動をしているカレン族の人たち)の間で大好評のようで、たくさんほしいという依頼が来ています。
私は原稿料でまかなえる金額ですから構いませんし、カンバッジでカレン族が元気になってくれそうなので逆に嬉しいのですが(余計なことするなと言われるんじゃないかと心配だったので)、L君が「御家人さんにそこまで頼ることはできない」と困っている模様。
私は「じゃあL君と私の参加費を無料にしてもらおう。私はそれで十分」と答えておいたのですが、それでも納得しないなら、いよいよ写真のようなカレンバッグの現地品(地元でなら安いでしょうから)とのバーター、という形で関係者に引き受けてもらおうかなと考えています(笑)。
安直に口出しできる問題じゃないんで、腕組んで考えちゃいますが。
特にどっちの言い分も、それなりに正当な場合は。
その辺のデリケートな部分を、しっちゃかめっちゃかにまとめて、「おら! わしらは一つじゃーい!」と言っちゃってる支那共産党ってのは、まあ、ある意味すごいもんだな、とは思います。
戦闘服ですね。
本格的な着物に比べれば、値段も手頃ですし、着付けも易しめ。
でもお相手の人となりを知らないと柄を選ぶのがむつかしいかな?
欧米系の方だと扇子とか喜んで下さいますが、ミャンマーだとどうだろう?
あの辺りは竹文化な気もするので、似たような物があるかも知れませんね。
まあ、贈り物の楽しみは選んで半分、送って半分ですから、色々検討してみるのが良いですね。
きっと喜ばれますよ。
>>おむらさん
いつもお仕事お疲れ様です。毒餃子事件以来の一連の御活躍を目の当たりにして、いつか「おむらさん頑張れ!」エントリーをやりたいな、などと実は夢想しています。消費者側の情報はあくまでも限定されたものですから、業界人の口から出る言葉には非常に重みがあるのです。
ビルマも少数民族問題が実はかなり深刻なようです。民族間の反目だけでなく、例えばカレン族に対しても軍事政権が仏教徒を籠絡して組織化し、分断工作を試みているようです。
話題はやや変わりますが、
●ミャンマーの石油パイプライン、中国が経営権(NIKKEI NET 2008/11/17/07:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081118AT2M1702L17112008.html
この記事は必読です。中国による属国化がまた一歩前進した、という深刻な印象を受けます。中国海軍がインド洋で活発に動き回る、というのは悪夢以外の何物でもありませんから。
>>民す党さん
ええ、史上最強の戦闘服です(笑)。生地とかを実際に確認したいのですけど、私にとっては重宝するデザインで味もあり、もう垂涎の的なのです。素朴な普段着にも独特な雰囲気があって、現在限りなく魅了されております。
>>metabolious P.I.Gさん
実は私も浴衣がまず頭に浮かびました。日本らしくて一番いいですからね。現地の気候に照らしても適しているのではないかと。……ところが、Lさん夫人は病気で歩けなくなり、車椅子生活を余儀なくされているとのことで、私も困ってしまいました。まあLさんの日本生活がより楽しいものになるように努めるという間接的なプレゼントでもいいかなあ、と考えています。
そういえば先日の「朝食会」で、L君が「一度富士山に登ってみたい」というので、私の身体に問題がなければ是非一緒にやろう、そうだカレン族の旗を持っていって頂上で翻して写真を撮ろう、これは多分史上初の快挙になるぞ、と盛り上がった次第。「頑張れカレン族&チナヲチ初OFF」になったりして(笑)。
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