日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 私は家で仕事をすることが多いので、普通の勤め人に比べれば、外出する機会は多くありません。自然な成り行きとして、街角で香港人に接触するケースもほとんどありません。

 稀に近くで広東語を耳にすると、雑談を試みたりします。私は北京語出身です。配偶者が香港人とはいえ、広東語は仕事で必要な最低限のことを、通じるかどうかも怪しい発音でしか口にできないのですが、そんなことはお構いなしです。

 ただし、愚昧な振る舞いをする香港人を目にするとバトルモードに入ります。それが報道関係者だったりすると、一応同業者のようなもの(副業)なので絶対に容赦しません。

 香港でのことならアウェーだからと思って我慢したりするのですが、幸いここはホームです。いまは体罰禁止が主流なので手荒い真似はしませんけど、まず怒鳴り付けて、水をぶっかけて大人しくさせてから説教を垂れます。意地悪じゃないですよ。あくまでも親切心と老婆心から出た教育的指導です(笑)。

 そんな訳で、香港某局テレビクルーの皆さん。あの日あそこで、「ここはお前らの来る場所ではない」と喧嘩を吹っかけたのは私です(笑)。

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 「あの日あそこで」とは、一週間ばかり前の8月15日午前8時ごろ、場所は靖国神社です。

 私は市井の一隅に暮らす小市民に過ぎず、特別な主義主張や信条はなく、むろん勤王の志士などではありません。ただ、いまこうして毎日呑気に暮らしていられるのも散華された先人のお蔭であり、それを参拝という形で感謝することを自然なことと考えている一人です。

 要するに朝起きたら顔を洗うのと同ようなもので、仕事の打ち合わせなどで近くに行く用事があれば必ず足を運ぶようにしています。実は境内にある「遊就館」という博物館のような場所に、私が幼稚園のころから大好きだった零式戦闘機が展示されており、それを眺めつつ海軍コーヒーを飲むという悦楽があるのも理由のひとつです。

 で、8月15日は近くに用事もなかったのですが、節目ですので足を運びました。拙宅からだと地下鉄ですぐという気軽さもあり、混まないうちに参拝を済ませようと早めに出かけた訳です。

 ……すると、二の鳥居の手前当たりで背後から広東語が聞こえてきました。振り返るとどうやら香港のテレビクルー(3人組)のようですが、私はすぐあることに気付き、バトルモードもとい「教育的指導モード」に入りました。

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「 o畏 o畏 o畏 」(おいおいおい)

 と呼び止めてから、

「 イ尓 o地 係 香 港 人 o黎 o架 ? 」(君たちは香港人か)

 と聞かでものことですが一応念を押しますと、

「 係 呀 」(そうです)

 と愛想よく答えます。たぶん怪し気な広東語を操る変な日本人だと思ったのでしょう。私が取材者ならこれを奇貨として、インタビューに持ち込むところです。

「 電 視 台 ? …… 邊 間 ? 」(テレビ局?……どこの局?)

 と尋ねたらこれも笑顔で答えてくれたのですが、私には聞き取れませんでした。カメラについているロゴも見たことのないもので、TVBやATVでもなければ、有線電視でもないことは確かです。

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 で、和んでおいて水をぶっかけるのが香港人に対する私の流儀です。

「 我 話 俾 イ尓 o地 知 , o尼 o個 地 方 係 唔 o岩 イ尓 o地 o架 」(言っておくが、ここは君たちの来る場所ではない)

 と、いきなり相手の横っ面を張るようなことを言いました。向こうも唐突な言葉に驚いたようでしたが、テレビ局が取材するのに問題ない筈だ、という意味のことを言ってきました。私の思う壷です。

「 有 無 攪 ~ 錯(これが言いたかったw)。 イ尓 o地 又 無 資 格 , 點 可 以 採 訪 o者 」(ヴァカですか?資格もないのに取材できる訳がないだろう)

「 o羊 資 格 ? イ尓 話 香 港 人 無 資 格 採 訪 靖 国 神 社 o架 ? 」(何の資格です?香港人は靖国神社を取材する資格がないと言うのですか?)

 と切り返してきます。ようやく険悪な雰囲気が出てきました。いい感じです(笑)。

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 でも、あとは話を落とすだけです。

「 o甘 イ尓 o地 有 無 press pass 先 ? 登 記 o左 未 ? 」(じゃあ君たち、プレスパスは持ってるか?登録したのか?)

 と指摘してやりました。連中がプレスパスをつけていないから私は絡んだのです。

「 要 登 記 o羊 ? 」(登録が必要なんですか?)

 と、バトルモードに入ろうとしていた相手も虚を突かれたような顔をしています。

「 嘩 , 後 生 仔 , 原 来 o係 香 港 唔 知 o尼 o的 o野 都 可 以 做 記 者 o架 ? 」(うわー、おい若いの、香港ではそんなことを知らなくても記者が勤まるのか)

 ケッ、バーカとばかりにダメ出ししておいて、

「 我 帯 イ尓 o地 去 登 記 處 o個 度 」(登録するところに連れていってやるよ)

 と、「報道受付」のテントまで案内して、プレス登録の手伝いをしてやりました。
「多謝晒多謝晒」と感謝されたのは言うまでもありません。

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 私が言うのも何ですが、
香港のプレスは糞レベルです。

「狗仔隊」

 という異名があるほどです。試しにこの単語をエキサイト翻訳にかけてみたら、

「パパラッチ」

 と見事に翻訳されたので笑ってしまいました。そうなのです。香港のプレスは潜入取材や突撃ルポではなかなかやりますが、つまりはパパラッチの水準で、いつまで経ってもそこから進化しません。先輩がそのレベルで止まるので次の世代もそこまでで止まります。その繰り返しです。だいたい腰を据えて育ててやろうとしてもすぐ別の業界へ転じてしまうので徒労に終わることが多いです。

 華字紙の場合、真面目なニュースの報道をみれば、その大半が『東スポ』レベルか、よくてもスポーツ新聞の政治・社会欄の水準であることがわかります。これは記者の実力の反映でもあり、読者(香港人)のニーズの反映でもあります。

 「一番売れている新聞を読めばその国の民度がわかる」とはよく言ったもので、正にその通りだと私は思います。報道レベルの低さにせよ、知的所有権を全く無視した姿勢、パクリなどはまだマシで日本の雑誌や新聞の写真をスキャンして使ったり記事を無断転載したり、甚だしくは記事を翻訳して作者を自分の名前に書き換えたりすることも厭いません。

 所詮はパパラッチですから、フォーマルな取材に慣れていません。ですから手続きを踏む必要のある場、例えば日本の展示会やイベントなどではしばしば恥をかいたりトラブルを起こしたりします。

 今回も、「カメラさえ担いでいけば大丈夫だろう」という相変わらずな姿勢の無知&無恥っぷりに、ちょっと水をぶっかけてやっただけです。最後には感謝されたので私は徳を積んだことになるのでしょう(笑)。「でもアウェーのときだってそのくらいやってるじゃん」というツッコミは入れないお約束。

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 ちなみに、前述したように私は北京語出身ですから、広東語でなく北京語であれば色々話すこともできます。でも北京語を耳にしても話しかける気にはなりません。

 いまや冗談でなく「中国人を見たら110番」の御時世です。大陸の中国人(台湾・香港・マカオを含まず)は外国人犯罪の国別件数で16年連続トップ。まさに中国語でいう「男盗女娼」(男は泥棒、女は娼婦)ですから、好んで接近する気にはなれません。

 配偶者にも「大陸系の連中とは友達付き合いをするな」と言ってあります。仮にその友達が悪い人間でなくても、そこから友達つながりでどういう筋に行き着くかわかりません。私は御家人、下級幕臣ですからお扶持の少ない貧乏所帯なのですが、一応幕臣ですからお城から遠くないところに住んでおります(風水激悪ゆえの超格安物件)。住所だけをみれば金持ちと誤解されかねないので、殊更そう言って聞かせています。

 あ、上で台湾・香港・マカオと並記してしまいましたが、これは便宜上そうしたまでです。台湾は中共政権とは全く無関係であり、台湾で一国をなしています。ですから本来並記すべきものではないことを最後に強調しておきます。

 それから前掲した私の広東語は無手勝流ですので参考にしてはいけません。香港人の言葉も私の記憶モードですから当てになりません。まあ、あとで配偶者が添削してくれるでしょう。


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 【追記】
日本の海上自衛隊の新造艦について「大和」ないしは「長門」と命名する腹案があったものの、第二次大戦のイメージが強いことを考慮して再検討することにしたらしい……というニュースが日本でも流れましたが、今朝の香港最大手紙『蘋果日報』(2005/08/21)にもその記事が出ています。後段は共同通信電の引き写しですが、よせばいいのに、前半は同紙記者が自ら解説したもののようです。その部分を訳出します。

「『大和』といえば少なからずの人が日本の軍国主義を想起するだろう。なぜなら『大和』は第二次大戦における世界最大かつ最強の戦艦であり、
山本五十六が発動した「神風決死隊」(原文は「神風敢死隊」)作戦の母艦でもある。

 神風特別攻撃隊が初めて公式に編成されたのは昭和19年10月、フィリピンにおいてです。この時点で山本五十六はすでにこの世にいません。昭和18年4月18日に前線視察途上を米戦闘機に急襲されて戦死しています。むろん昭和20年4月に実施された「大和」の特攻作戦にも無縁です。こんなことはちょっと調べればわかることでしょう。

 でも、それができない。資料の蓄積が新聞社にないのと、記者の資質が著しく劣っているためです。せめて検索でもかけりゃいいのに、このあたりは横着+無責任の発露でしょう。ともあれ、日本に対して歴史問題を提起する資格はなさそうです。

 ……ね?香港のプレスなんざ糞レベル、と上述した通り、所詮はこの程度なんです。それを真に受ける読者(香港人)の民度も民度ですけどねえ。保釣運動(尖閣防衛運動)で活動家の領海侵犯阻止に出動した海上保安庁の巡視艇を、「海上自衛隊の軍艦」と敢えて虚報を飛ばしたりもするんですから。

 こういう水準の手合いを引っ張っていくのは気骨が折れますし白髪も増えます。実力に反比例してプライドばかりは変に高い連中ですから(この点はもう水ぶっかけて飼い馴らしていますけど)。旅行で訪れるのと違って、実際に現地に住んでそういうレベルの環境(しかも自分だけ日本人とか)に身を置いてみると、なかなか香港に好感を抱くのが難しいものです。

 でもまあ、馬鹿ほど可愛いと言いますか、文句を垂れたり愚痴をこぼしたりしつつも、相変わらず足抜けができないまま現在に至っております。連中も私によくついてきてくれますし(笑)。前途には一筋の光明すら見出せないのですが、これは香港そのものの問題ですから仕方がありません。(2005/08/21/12:19)



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