日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)










 私が愛してやまない故郷の社会人野球チーム・日立製作所野球部が、真夏の祭典・都市対抗野球大会の最終予選である北関東大会の最後の難関・代表決定リーグで3戰3勝して見事優勝、8月末から開催される東京ドームでの本大会出場を決めました。

 東京の梅雨明け宣言はまだですが、私の夏はこれでスタート。それにしても3連勝での全勝優勝には驚きました。何年ぶりのことなのか、資料をチェックしないとちょっとわかりません。そのくらい久しぶりの快挙なのです。

 最後の試合は、いま現在の北関東地区では最強といえる富士重工が相手。終わってみれば6-1と快勝のようにみえますが、5回を終えるまでは心臓バクバクの緊迫した投手戦でした。

 富士重工は私が予想した通り、日立打線が苦手とする左腕・阿部をぶつけてきました。わが日立は全国レベルで通用する唯一の手駒・エース伊波投手が中1日で先発です。

 伊波投手は疲れのせいかいつもの抜群の制球力が影を潜め、直球でなかなかストライクをとれずに四球を連発、決め手の変化球は富士重工打線に見極められるという苦しい立ち上がり。

 富士重工の阿部投手も万全の出来とは言い難く、両チームともランナーを出してはチャンスを潰すといった緊張した展開。

 しかし日立打線が4回表にようやく先制するとその裏は伊波投手が三者凡退に抑えて、やっと試合が動きました。しかし富士重工打線に対して1点だけでは安心していられません。

 果たせるかな、5回裏に制球の乱れた伊波投手を捉え、富士重工が1-1の同点に追いつきました。すると走者を残したまま二死をとった時点で、日立ベンチが動いて何と伊波投手を降板させ、代わりに新人左腕の門脇投手へスイッチ。

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 ここで私は頭を抱えてしまいました。

 今年はこの試合を含めて日立野球を12試合観戦しているのですが、新人投手の中で抜きん出た存在とはいえ、全国レベルのチームを相手にすると打者一巡を抑えられれば僥倖、といった実力です。むしろ一巡しないうちに点を奪われることの方が多く、まだ同点なのに門脇を出すとは自殺行為ではないか、と。

 ところがこの門脇投手、度胸が良いらしくマウンドでニコニコしながらその回の後続を切ると、尻上がりに調子を上げていき、9回裏まで富士重工打線を抑え切ったのです。

 試合を決めたのは6回表の日立の攻撃。走者が出たところで富士重工は投手を阿部から小出に交代。おおお何というナイスアシストと私は膝を掴みました。出来が良くなかったのかも知れませんが、ここで早くも阿部を降板させるとは、日立打線にとって願ったり叶ったりです。

 効果はすぐに現れました。日立は小出をたちまち攻略して連打連打で4点を奪取してマウンドから引きずり下ろし、次に出てきた投手からも9回に1点を入れてダメ押し。6回以降は不安を一掃させてくれた門脇投手の好投ぶりを楽な気持ちで観戦することができました。

 そして試合終了となって応援席からは歓喜の紙テープ。大会MVPには伊波投手が選ばれました。住金鹿島戰での見事な完封勝利に加え、この日も苦しみながら富士重工打線を5回まで僅か1点に抑えたのですから、当然の受賞といえるでしょう。




この日のスコア。




写真中央が伊波投手です。




最高の結果に私も大満足。


 これで私も最後の夏に東京ドームで日立野球を観ることができます。感激であります。よかった。本当によかったなあ。……と思いました。

 試合終了後には社歌斉唱。都市対抗で日立野球を初めて観てから今年で38年目の私は、社歌など小学生のころから諳んじていました。しかし、この日ばかりは途中で声が詰まって歌えなくなってしまいました。

 そのあと待望のAさんとの再会。がっちりと握手しつつ話しているうちに、また目が潤んで来てしまったので早々に退散。

 日立ベンチのすぐ上の客席を通ったとき、偶然、伊波投手が所在なげにベンチ横のところに座っていたので、「伊波さん」と声をかけて挨拶し、立ち上がってネット越に向かい合ってくれたのでお礼を言いました。わが特異な風貌ゆえか、津田沼のオープン戦のときに握手して願をかけたことを覚えていてくれたようです。

「いやあ、今日はどうもダメでした」

 などと伊波投手は照れていました。自分にとって最後となる都市対抗で日立を観られる嬉しさを私は改めて口にしようとしたのですが、どうも情けないことに感極まって、半ばからは言葉にならなくなってしまい、ただ何度もお辞儀を繰り返すことしかできませんでした。


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 何はともあれ、私の夏がこれで幕を開けました。生涯最後ながら、最高の夏になりそうです。





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