日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 のっけから飛ばしていきますが、馬英九ってなぁとんでもねえ野郎でしたね。全くもって前評判通り。ていうか前評判より媚中な感じがするのですけど、どうなんでしょう?

 前回の立法委員選挙と総統選挙で国民党と馬英九に圧勝させた台湾人有権者は、いまごろ悔やんでも遅いのです。大いなる開放政策で中国人観光客の大挙流入を許してしまいました。そのうち台湾に対する中国企業の投資認可なんてとこまで進んだら、台湾はもうおしまいです。

 眺めていてどうしようもないなあ、と思うのは、民進党を筆頭とする台湾の現状維持ひいては台湾独立を掲げている政党が内部分裂したりしていて、有力なものがいないことです。私は民進党が余りにひどく、それに取って代わる政権を狙える台湾人政党がないから、選挙では国民党と馬英九が大勝した、と考えています。

 例えば台湾の『自由時報』あたりでコソーリ活動をするにしても、エールを送るべき有力な政治勢力がいないので困ってしまいます。有権者も同じように困ってしまうことでしょう。この状態を早いところ何とかしてほしいものです。

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 私が思うに、台湾人を4つの世代に分けてみると、悪い言い方ですが一番腐っていて中国人めいているのが第二世代。蒋介石~蒋経国の一党独裁時代に教育を受けて成人しているので、中国人らしく分離独立(内部紛争)も好きなら賄賂も好き(ただし蒋経国自体は、少なくとも李登輝政権成立の地ならしを行ったという点を評価すべきだと思います)。

 じゃあ第一世代はというと、いわゆる日本語世代であって日本の統治下で教育を受けたか教育を受けて成人しています。

 第三世代は御存知「哈日族」に代表される親日的な世代。これは李登輝~陳水扁時代に成人していますから、「自由」「民主」といったものを空気のように、つまりそれが存在していることを自分でも気付かないほど当たり前に思うことのできる世代です。

 第四世代はこれから成人してくる台湾人であって、陳水扁時代に導入された台湾本位の教育を受けています。馬英九が妙なことをしなければ、「自由」「民主」そして「台湾」を空気のように感じるでしょう。問われれば、自分は断じて中国人ではないと断言できる世代です。

 問題はいまの台湾政界は第二世代が中核となっているということです。一般論としていえば、分裂と独裁と賄賂が好きな世代です(独裁が好きだから分裂する訳で)。この世代が台湾の未来を左右してしまうような重大な決断をやったりなんかすると、日本にも影響するのでシャレになりません。

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 国益という点からいえば、日本はもっとアメとムチをチラつかせて、有形無形の強い圧力を台湾にかけるべきだと思います。台湾を絡めとろうとする中共政権の魔の手をぶった斬って、台湾を囲い込むくらいの気合いが必要です。

 それなのに、ああそれなのに。国営放送が「JAPANデビュー」とかいう番組で台湾に対する日本の統治のあり方について歪曲というより捏造&印象操作というべきツッコミ所満載の番組を放映してしまいました。

 放映後の事態の展開ぶりからすると、NHKは良い意味での「壮大なる釣り」を行ったというか、日本のために極上燃料を投下したようでもあり、中国に対する自爆テロを敢行したかのようでもあります。

 ありていは、どこのテレビ局だろうと新聞社だろうと、キティはいる、ということなのだと私は思います。キティ含有率で立ち位置が変わって来る訳で。NHKだって「激流中国」という、中国国内の良識派から喝采を浴びたシリーズものを制作したりしています。キティにできる芸当ではありません。

 今年の6月4日、すなわち天安門事件20周年に際しては、中国国内で視聴できるNHKのニュースが、「六四」に言及するなり真っ黒い画面に変わったということを、その映像つきで報じたりもしました。

 キティは、その持ち前の反日性向でもって番組を制作したに過ぎません。「会社」としては、中国(ていうか党中央宣伝部)からの「激流中国」に関するクレームや、もう独占ドキュメンタリーなんか作らせないようにするよ、などという既得権益への揺さぶりに屈したというところでしょう。

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 ともあれ、キティな番組が全国のお茶の間に流れてしまいました。ところが10年前と異なるのは、本来無力である小市民一人ひとりや有志によるグループが、インターネットという個人でも情報発信の可能な媒体を手にすることで、ひとつのムーブメントをつくり上げたということです。

 その動きが無駄でなかったことは、安倍晋三氏、中川昭一氏、森喜朗氏など親台派の議員を含む合計約60名による議員連盟「公共放送のあり方について考える議員の会」が発足したことでもわかります。





 ちょっと大袈裟にいうと、民の声なき声がネットを通じて増幅され、ついには政界をも動かした、ということになるでしょう。

 番組を制作したキティにしてみると、望んでいたのとは真逆の方向に、反作用が働いてしまった訳です。こういう結果になるくらいなら、無視され忘れ去られる方がどれだけマシかわからないでしょうに(笑)。

 ともあれ、極上燃料が投下され、良い意味でそれによる大炎上が発生し、いまもなお延焼を続けている、というのがいま現在の状況です。私たちとしては、これを絶好機と捉えて、台湾と台湾人、また日本による台湾統治時代について学び考え、また「日本の国益からすると、これからの台湾はどうあるべきか」ということに思いを致す必要があります。

「日本の国益からすると、これからの台湾はどうあるべきか」

 という物言いに反発する向きがあるかも知れませんが、私は、まず日本人であり、常にその立場から物事を考えます。当然ながら何事も日本の国益優先です。チベットをはじめとする中国における少数民族の自治権拡大・分離独立問題はもとより、「08憲章」のような中国内部からの民主化運動に向き合うにしても、私のこの姿勢は一貫しています。

 あえて言いますが、日本の国益に反するなら私はフリチベなんざ潰しにかかりますから。

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 台湾内部のことは、本来なら台湾人たちで決着をつけるべきであり、第三世代の政界における台頭の早からんことを祈るばかりです。

 ただしそれにはまだ時間がかかりますし、現政権が国民党の馬英九によって率いられていることを思うと、日本からも某かの働きかけを行う必要があると考えています。差し当たって、台湾の好ましい変化を願う日本在住の政治グループを応援することが手っ取り早い方法です。

 いま現在にあっては、NHK問題を風化させず、追及の声をいよいよ強めていく方向へ持っていくことが肝要かと愚考する次第。

 あの番組の内容は歪曲だひいては捏造だ、との声を上げつつ、日本による台湾統治の歴史や台湾の現在を把握することです。

 日本による台湾統治について詳しく知ることは、先代の成し遂げたことを再発掘する作業に他なりません。そこには光もあれば影もあるでしょうが、なぜ戦後60年を経ても日本への愛着を捨てない老世代が台湾にいるのか、ということは一考に値するテーマかと思います。

 とりあえず、自分には何ができるか、どういう形でこの問題に参与していけるか、ということを一人ひとりが考えていけるようになればいいな、と私は願っています。




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