◇生産や販売など取り組む
県内でも初の本格的取り組みとなる農業と福祉を連動させた“農福連携”モデルが阿武町で始動する。27日に町役場で開かれた「阿武町農福連携協議会」の設立総会で、中村秀明町長は「注目の活性化モデルとしてスタートする。教育や観光面などにも波及させ、大きなメリットを期待したい」と述べた。
協議会は▽社会福祉法人E・G・F(野稲忠男理事長)=萩市下小川▽農事組合法人福の里(市河憲良代表理事)=阿武町福田上▽阿武町(中村秀明町長)−−の3者で組織。障害者らが農家などのサポートを受け、農産品の生産、加工、流通などについて連携し、道の駅や学校給食での販売を進める。
総会で「観光、教育、福祉の連携向上」を盛り込んだ設立趣意書や規約を承認。初年度は国の補助約935万円を受け、ほ場整備や実習受け入れなどを進めることを確認した。
農福連携は農業従事者の高齢化や担い手不足の対策として、障害者の就労確保などの課題に一緒に取り組む。このため両法人は農地のあっせんや提供、大型農業機械での作業や技術指導などで連携。一方で障害者の労働力の提供や就労機会の確保などで協力しあう。両者の強みを生かしながら生産、加工、販売を進め、新商品の開発にも取り組む。
拠点は農産物直売所・福の里。隣にE・G・Fが野菜カット工場を建設、来春に稼働させる。野稲理事長(67)は「農業で障害者の自立の手助けなどに力を入れたい」と話した。市河代表理事(67)は「連携によって商品開発を含め地域の活性化に期待したい」と述べた。
〔山口版〕 毎日新聞 2015年04月28日
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