1976年、国連総会で81年を国際障害者年と宣言する決議がされた年に結成した。社会でボランティアに対する機運が高まり、サークルの活動も次第に活発になっていった。
名前には「小づちを振るような手話で、幸せをつくる福の意味」が込められている。結成時のメンバーは市が開いた手話講座の受講生たち約60人。「さあ何から始めようかって。習ったばかりの手話を使いたくて、まずは地元の障害者団体の行事に参加させてもらい、活動を広げていった」。結成時からのメンバーで元代表の寺川慎治さん(59)が振り返る。
活動を通して聴覚障害者が日常生活で困っていることや、不自由を感じていることを多く知るようになった。例えば駅のホームで案内の音声が聞こえなかったり、医者にかかってもうまくコミュニケーションが取れない、役所に行ったらたらい回しにされるなど。寺川さんは「今ではいろいろな行事や案内で手話が付くのが当たり前のようになったが、当時は無かった」という。
毎週の定例会(学習会)で手話の技術を高め、通訳のボランティアや学校へも積極的に出向き、障害者との橋渡し役として周囲の人ができることを学生らに伝えている。「皆楽しそうに活動している」と、3年前から代表を引き受ける足立祥子さん。受章の知らせに「長年されてきた先輩たちの活動が評価された。それを絶やさず守り継いでいきたい」と喜ぶ。
毎日新聞 2015年04月28日 地方版
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます