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当事者の思い形に 障害者の母親ら開設 NPOを発足、3年で実現 桜井 /奈良

2015年05月27日 01時16分13秒 | 障害者の自立

 障害がある子供を持つ桜井市在住の母親ら8人が中心となり、今月1日に生活介護施設「日和(ひより)」を同市浅古に開設した。「当事者だからこそできる支援を」とNPO法人を発足させて3年。地域住民や行政の協力も得て完成させた待望の施設だ。【日向梓】

  桜井市郊外の住宅地にある「日和」。「安心して気持ち良く過ごせる場所を作りたかったんです」。同施設を運営するNPO法人「ひかりの森」理事長の小野弘美さん(54)は、手足のマッサージを受ける長女満美(まみ)さん(32)を見つめて言った。

 「日和」は心身に重い障害のある人たちを対象に、食事や入浴の介助のほか、体の動きを良くするストレッチなどのサービスを提供。利用者がゆったりとつかれる大きなバスタブ、明るく広々とした機能訓練室などを備えている。

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 「ひかりの森」は小野さん、副理事長の樋上千香さん(56)ら母親8人が2012年に設立した。8人は同市の「肢体不自由児・者父母の会」で知り合い、20年以上にわたって交流。その中で「重い障害のある子は養護学校を卒業後、家で過ごす例が多い。子供や家族がゆとりを持つ時間が必要と考えた」(小野さん)という。

 重度障害者らの日常生活のサポートを目指し、同年5月から訪問介護事業を始めた。ただ、樋上さんは「訪問では限界があった」と振り返る。当時は入浴や食事の介助が主な業務内容。1〜2時間の訪問中、家族は外出せず家で立ち会うケースがほとんどだった。

 子供たちを預かり、家族の負担を減らす場所が必要だと感じ、施設建設を目標に据えた。

 土地は所有者の賛同を得て、駐車場になる予定だった場所を提供してもらい、借り受けた。県の担当者とは許認可や補助金について折衝。「これまで書いたことがない」(小野さん)ほどの書類を作った。国と県の補助金、メンバーがためた積立金、居宅介護の収益で費用約6000万円のめどを付けた。

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 そしてたどり着いた開業。小野さんらは「奇跡のよう。本当に多くの方々に助けていただいて今日がある」と喜ぶ一方、「これからがスタート」と気を引き締める。

 今後はレクリエーションなどサービスを充実し、手足の機能を高めるマッサージの勉強会を開くほか、現在は仕出し弁当などの食事も自前調理を検討中だ。さらに居室を活用した宿泊を伴うショートステイの受け入れを目指している。「地域の方にも恩返ししていきたい」。小野さんらメンバーは意気込んでいる。

 月〜金の午前9時半〜午後3時半に開所。土日祝日、年末年始は休業。定員20人。問い合わせは日和(0744・43・5370)。
 
毎日新聞 2015年05月26日 地方

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