ゴエモンのつぶやき

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障害者雇用 国も一層の後押しを

2012年05月25日 00時50分20秒 | 障害者の自立
 障害者の法定雇用率が引き上げられる方向になった。正式に決まれば、民間企業は現在の1・8%から2・0%になる。国は企業に努力を求めるだけでなく、後押しを強める必要がある。

 引き上げ案を諮問された厚生労働省の審議会分科会が妥当と答申した。政令改正の閣議決定を経て来年度から適用の予定だ。

 障害者雇用促進法は、企業などに一定割合以上の障害者を雇うよう義務付けている。引き上げは15年ぶりだ。対象となる企業の規模は、従業員数56人以上から50人以上に広がる。200人超の企業は達成できなければ納付金を払うことになっている。

 障害者の就労意欲の高まりを受けての見直しだ。昨年度、全国のハローワークを通じて就職した障害者は約5万9千人、新規求職の申し込みは約14万8千人で、ともに過去最多だった。企業も応えていかなくてはならない。

 働く障害者は次第に増えてきているものの、法定雇用率にまだ届いていない企業は多い。昨年6月時点で達成していた割合は全国で45・3%にとどまる。長野県内は57・0%だった。全国の雇用率を企業の規模別に見ると、千人以上での1・84%に対し、100人未満では1・36%と低い。

 中小企業は、職種が限られることや設備を整える負担などの面で難しさがある。景気が低迷してもいる。雇用を進めるため国は手を尽くさなくてはならない。

 これまでも国、自治体がさまざまに取り組んではいる。障害者の職業訓練や就労支援のほか、企業に短期間の試行的な雇用を促したり、雇い入れた場合の税制上の特例を設けたりしている。

 それでも、なかなか進まない面がある。能力や適性に応じて障害者と企業をつないでいけるよう支援を充実させる必要がある。

 障害者雇用を広げるには、上司や同僚となる一人一人の理解も求められる。社会全体で意識を共有していくことが大事だ。今回、審議会の分科会は諮問を受け、その日のうちに答申した。唐突な印象も拭えない。今後、丁寧に周知していくことが欠かせない。

 法定雇用率の見直しは、企業だけが対象ではない。地方自治体など公的機関は2・1%から2・3%に、教育委員会は2・0%から2・2%に上がる。

 都道府県教委は未達成のところが多い。長野県教委は昨年6月時点で1・85%だ。来年度の教員募集で身体障害者の枠を設けた。早期に達成するよう求めたい。

信濃毎日新聞 - 05月24日(木)


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