Sinks in Alcohol

節操なくお酒に沈む、ある酒飲みの半生

酒への逆風

2007年10月12日 | その他
ビールの売り上げが低迷しているらしいです。
今期(2007年1月~9月)のビール類の出荷量は前年同期比1.3%減の3億6347万ケースで、この数字は、92年から開始した統計の中で、過去最低の数字だとか。
今年は暑かったのに、それでも前年割れしているということで、酒離れが懸念されているらしい。

僕からみると、酒離れが進むのは当然の流れだと思うなあ。
世の中には、次から次へと面白いものがあふれ続けているわけですよ。
昔と今を比べて、どちらが「楽しみの選択肢」が多いのか?当然、今じゃないか、と思う。
お酒だって、「楽しみの選択肢」という観点から見れば、その一つでしかない。
選択肢が増えれば、一つあたりにかける時間は減少しますよね。

ビールに限らず。
日本酒だって、ワインだって、蒸留酒だって(焼酎はどうか知らんが)、全体的に売り上げは低迷していると思う。
酒造りに携わっている人たちからみれば、今の方向性は当然危機的な状況だし、なんとかして打破したいと思っていると思う。

焼酎ブームが落ち着いてきて、これからはまた日本酒だろう、と言われたりしている。
たくさんの優れた蔵元さんがいて、美味しいお酒を醸して世に出して、海外でも高い評価を受けて。
酒飲みとしては、これはもちろん嬉しい。
これからも、美味しいお酒や出してほしい。

でも、最初に書いたように、減少方向は変わらない。
これはもう、必然の流れだろう。どうしようもないと思う。

ただね、いっくら出荷量が減っている、といっても。
完全にはなくなりません。
ひとつの楽しみとしての酒は、その愛好家がいる限り、絶対無くならない。
酒の歴史は、人類の歴史とほぼ同時に始まったといわれるくらいなんです。

これからは、消費者の厳しい視線にさらされることにはなるだろう。
まさに群雄割拠だし、美味しくないものは売れない、そういう時代に入ってきている。
そして、国も酒税をどんどん上げるだろう。
喫煙者が減って、タバコ税が上がったように。
つまり風当たりはより厳しくなるよ。

でも、それでも、酒という文化は残っていくし、その中でより洗練されていく。
僕はそう信じているんです。

今夜も美酒を求めて。