Sinks in Alcohol

節操なくお酒に沈む、ある酒飲みの半生

豊賀 純米大吟醸 39% 直汲み生原酒 美山錦 Dスペック 23BY

2012年06月27日 | 日本酒
今期は初購入の銘柄です。

【豊賀(とよか)】


長野県の高沢酒造のお酒。



全量「美山錦」、精米歩合39%の純米大吟醸です。
酵母は長野D酵母。
酒度-1、酸度1.5。
直汲み、生原酒となります。

レビューにいきましょう。


上立ち香はほんのりマスカットを思わせる吟醸香。
麹の香りもうっすら混じっています。

口に含むと、まず舌先に酸、追いかけるように甘みが舌の真ん中に現れます。
ガスも酸の上に覆い被さるように感じられてきます。

口の中で転がすと、ガスが舌先をくすぐるように。
渋味が喉奥手前に感じられます。
酸は舌の両サイドへ。上顎に甘みがタッチ。

後口は甘酸で〆。
ですが、渋味も混じったままキレるので面白いバランスです。
余韻は短めですが、戻り香の滞在時間が長く、心地よい果実感です。


一昨年のメロンジュースとはまた違いますが、マスカット様の果実味はバッチリ。
【豊賀】の魅力がたっぷり詰まった純大ですね。
うまいっす!


アテ無しでもまったく問題ありません。
ここでは「しめじ・水菜・三つ葉のサラダ」で。

川鶴 山田錦 うすにごり 無濾過生酒 23BY

2012年06月19日 | 日本酒
今期よく買っている銘柄の1つです。

【川鶴(かわつる)】


香川県にある川鶴酒造のお酒です。



酒米は山田錦100%、精米歩合70%。
無濾過、生酒、うすにごりです。

レビューにいきましょう。


上立ち香はうっすら麹の香り。
吟醸香はありません。

口に含むと、舌先に発泡感、舌の真ん中に渋味。
渋味に引っ張られるように、すうっと旨味が感じられてきます。
酸は喉奥手前にちょこんと出てきます。

口の中で転がすと、渋味は徐々に強く。
酸は喉奥から動かず。
甘みはほぼ感じられず、含み香も淡いので、全体のバランスとしては渋味と旨味の構成です。

後口は渋酸で〆。
含み香に至って甘みが感じられてきます。
キレは良いですが、余韻は少し長め。


口開けから1日。
現在のバランスは明らかに食中向きで、味の濃い油料理なんかと相性が良さそうです。
時間を置くと、もっと旨味と甘みが際立ってくるかもしれません。
これからじっくりと楽しんでみたいと思います。

アテは、鶏胸肉のオイスターソース炒め。


新政 純米 90% 23BY

2012年06月14日 | 日本酒
頒布会限定酒です。

【新政(あらまさ)】


ラベルの最下段には「あまり米を磨かずに造った純米酒 ~90%磨き純米~ なまざけ」と書かれています。



アルコール15度とかなり低い数字。
精米歩合90%。
米は何か書いていませんが、おそらく酒こまち。

レビューにいきましょう。


上立ち香は、米の香りの中にうっすらと果実感。
吟醸香ではありませんね。
艶のあるトロンとした香りです。

口に含むと、まず舌先に酸、舌の真ん中にぽんと甘みが乗っかってきます。
さらっとしていながらしっかり主張のある旨味がじわっと広がります。

口の中で転がすと、上顎に渋味が感じられてきます。
酸は舌の真ん中に近づいて甘みとくっつく。
旨味は強さを増して口全体に浸透。

後口は酸で〆。
戻り香には若干糠のような香りが混じりますが、キレが良いのでほとんど気になりません。
余韻は甘みと渋味を残し、シャッとキレていきます。


今回は720mlで購入しました。
頒布会限定、値段も1本あたりの価格は設定されていませんが、おそらく1000円を切る価格帯。
コストパフォーマンスは抜群に良いです。

ていうか、コレ本当に精米歩合90%?
信じられませんね。笑
うまいっす!


アテは「烏賊と里芋の煮物」。

古典生もと ドメイヌソガ 美山錦 2011

2012年06月04日 | 日本酒
今回は少し変わったお酒を。
頂き物です。

【ドメイヌソガ】


長野の小布施酒造のお酒。



美山錦100%使用、精米歩合90%。
自然派ビオロジックと書かれています。
古典的な生もと造りのお酒です。

面白いのは、精米歩合90%なのですが、米の栽培に農薬と肥料を使わないため、収穫できる量が通常よりかなり少なくなり、その結果、精米歩合30%相当のコストがかかっていること。
そこまでして自然造りを徹底したお酒を他に知りません。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香は甘酸っぱい香り。
吟醸香ではありません。

口に含むとまず舌先に酸。
次いで舌の中心に甘みがポンと降りてきます。
鼻には麹様の香りが抜けます。

口の中で転がすと、すうっと通る旨味が出てきます。
酸は舌の奥のほうで甘みと結びつきますね。

後口は甘酸で〆。
梨のような透き通った甘みと渋味が最後に感じられます。
キレは良いですが、余韻も伸びやか。


口開けから1ヶ月ほど経過していますが、今の状態はかなり良いですね。
日本酒らしい香りはあるものの、味のバランスは白ワインのようです。


アテというか、これに合わせてみました。
ハンバーグの粒マスタードソース。


初雪盃 純米吟醸 槽搾り 無濾過生原酒 22BY

2012年05月30日 | 日本酒
だいぶ更新に間が空いてしまいました。
godanism、その間は外のイベントに顔を出す機会が多く、家飲みがほとんど出来ていませんでした。
また少しずつ、再開していこうと思っています。

今回ご紹介するのは、当ブログでは初の銘柄となります。

【初雪盃(はつゆきはい)】


愛媛県の「協和酒造」のお酒。



麹米「山田錦」、掛米「松山三井」、精米歩合は50%。
無濾過生原酒、直汲みとなります。

まずはレビューにいきましょう。


上立ち香はほんのり甘く香ります。
吟醸香も少し含まれます。

口に含むと、まず舌先に酸、そして舌の中心に甘み。
すっと渋味が両脇を固めます。

口の中で転がすと、酸は喉手前に瞬間移動。
舌に乗ったままの甘みと結びつきます。

後口は渋酸で〆。
辛みをちょこっと残していきます。
余韻は比較的長めで、渋味と戻り香の甘みがほのかに。


甘みの起伏は比較的なだらかで、中間に盛り上がりがあります。
酸と渋はその甘みと結託して、上品な和菓子のような甘みを作ります。
料理に寄り添う方向の味ではありません。
が、甘みがしっかりあるのにこれ1本でずっと飲めてしまう珍しいバランス。
うまいですね!


それにしても、おそらくですが、愛媛のお酒を購入したのは初めてです。
初めての愛媛のお酒がコレって、もしかしたらすごく贅沢かも。笑

飛露喜 純米吟醸 愛山 23BY

2012年05月18日 | 日本酒
2連続でこの銘柄。

【飛露喜(ひろき)】


相変わらずもっとも入手困難な飛露喜です。



酒米は愛山、精米歩合50%の純米吟醸。
純米吟醸の中でもこの規格だけは、毎年生で出荷されます。

さっそくレビューにいきましょう。


上立ち香は果実味を伴った吟醸香。
この香りは【飛露喜】特有のものに思います。

口に含むと、まず舌先に酸。
酸を覆うように甘みが感じられてきます。

口の中で転がすと、舌先の酸はそのままで甘みだけ上顎へタッチ。
砂糖を連想させる上品でなつっこい甘みです。
舌の真ん中には渋味がちょこんと乗ってきます。

後口は甘酸で〆。
戻り香は熟した南国フルーツ系の甘みが感じられます。
辛みを最後に残しますが、余韻は長め。


中間のバランスは好ましいですが、後口が若干ぼやける印象。
これなら前回の「雄町」のほうが好きです。
とはいえ、温度を戻していくと旨味がにゅうっと出てきて、これはこれで美味しい。

アテは「豚バラと新じゃがの照り煮」。


先月の宅飲み会で出したのと同じです。

飛露喜 純米吟醸 雄町 本生 23BY

2012年05月13日 | 日本酒
今年も郡山「泉屋」さんの頒布会最終月の商品はコレ。

【飛露喜(ひろき)】


酒米「雄町」、精米歩合50%。
純米吟醸、生酒です。



相変わらずラベルには「雄町 94%」と書かれていますが、真偽のほどはわかりません。
というか調べるのめんどくさい(^^;

ともあれ、レビューにいきたいと思います。


上立ち香はほんのり果実味を伴った吟醸香。
【飛露喜】独特の香りだと思います。

口に含むと、まず舌先に酸、次いでぽちゃっとした甘みが感じられてきます。
じんわりと広がるように、甘みを追いかけるように旨味。
酸は舌先のまま。

口の中で転がすと、酸が移動開始、舌の両サイドをつたって上顎へ。
甘みと旨味のバランスは崩れず、舌の真ん中に渋味が出現します。

後口は甘酸で〆。
含み香はアルコール感が少し立ちますが、絶妙な華やかさ。
余韻に辛みをポンと置いていきます。


うまいです!
口当たりから嚥下するまでの間になだらかな旨味の起伏があり、甘みと酸味のバランスは素晴らしいです。
23BYの【飛露喜】では今のところベストじゃないかな。


アテは「鶏もものチーズはさみ焼き」。


粒マスタードを乗せるとうんまぁ~い♪です(^^)

白鶴 純米吟醸 山田錦/白鶴錦

2012年05月06日 | 日本酒
今期出るらしい、との噂はかねてより聞いていて、楽しみにしていました。
日本酒生産量一位の銘柄です。

【白鶴(はくつる)】


はせがわ酒店のプロデュース規格。
純米吟醸2種類、片方は全量「山田錦」、もう片方は全量「白鶴錦」です。



精米歩合はそれぞれ50%。



「白鶴錦」とは、山田穂と渡船を交配させた白鶴独自開発の酒米だ、と裏ラベルにあります。
山田錦は山田穂と短桿渡船の交配米ですので、腹違い兄弟のお米になります。笑

さっそくレビューにいきましょう。

まずは山田錦のほうから。


上立ち香はほんのり香る吟醸香。
果実感はほとんど感じませんが、派手でもなく控えめでもない、塩梅の良い香りです。

口に含むと、舌先に酸。
少し遅れて舌の真ん中に渋が感じられてきます。
ピリッとした辛みと、甘みを持った含み香が絡まりますね。

口の中で転がすと、渋は抑えめになり、代わりに酸が旨味と結びつきます。
含み香はリンゴのような果実味があります。
透き通った旨味は柔らかで、非常に上品。

後口は渋酸で〆。
辛みが浮上してきて全体を引き締めます。


お世辞ではなく、これはうまいです。
中間では、のっぺりとした金属感のある舌触りがあるので、それが苦手な人はいると思いますが、総じて非常に完成度の高い、はせがわ酒店らしい酒質です。


次は白鶴錦のほうを。


上立ち香はやはりほんのり香る程度の吟醸香。
心なしかやや甘めの果実感があります。

口に含むと、ふんわりしたうまみがまず感じられます。
アタックのある酸や渋味は感じられません。

口の中で転がすと、舌の両サイドから辛みが出てきます。
酸は舌先から、渋は喉手前からうっすらと出てきて、微かな甘みを引き立てます。
含み香はあまり強くありませんがやはり青リンゴ系。

後口は酸で〆。
辛みの要素がなく、キレはあるもののほんわかとした余韻です。


うーむ、これもうまいです!
カドのない柔らかな口当たりと、起伏の緩やかな中間がステキですね。

godanism 的には「白鶴錦」のほうが、独自性があって好きですが、万人受けするのは「山田錦」のほうかも。


【白鶴】がもつブランドイメージ。
それはパック酒「まる」に代表される、低価格帯の日本酒を造るというものです。
地酒蔵が目指す方向とはまるで真反対のお酒を造り続けている。
はっきり言って、私は美味しいとは思わないし、自分で買うことはまずありません。
料飲店でも頼みません。

今回なぜ【白鶴】を買ったのかといえば、【白鶴】の技術力をもって味を追求したらどんな酒が出来るのか、に興味があったからです。
大手清酒メーカーが持てる技術を結集したら、やはりそれは相当完成度の高い日本酒が出来るのではないか。
その予想は今回、当たったと言ってよいでしょう。

ただし、1.8Lで3,000円という値段は、【白鶴】のブランドイメージからすれば高すぎる。
料飲店で出すとすれば1合700~800円の値付けになってしまうことを考えると、飲んでもらう前に、売ること自体が難しい。
だから、もし今回の【白鶴】の企画が今期限りなのだとしたら、そもそもセールスとして失敗だと思うのです。
ちゃんと認識を新たにしてもらうという意味では、短くても3年前後のスパンで造り続けてもらう必要があるでしょう。

もし今回紹介したお酒が、1.8Lで2,000円を切るような価格帯で発売されてきたら、これはぞっとしますね。笑


アテは「春菊の白和え」。

やまユ 純米吟醸 酒こまち 生 23BY

2012年05月01日 | 日本酒
対決列島がすぎ、まずご紹介するのはこのお酒。

【やまユ】


秋田県の新政酒造のお酒。



秋田県の酒造好適米「酒こまち」を全量用い、麹55%・掛50%まで磨いて醸した純米吟醸酒。
酵母は六号酵母、生酒です。

レビューにいきましょう。


上立ち香はほんのり甘く香る吟醸香。
梨のような甘酸の香りです。

口に含むと、まず舌先に酸。
ふんわりと漂う旨味と、ちょこんと感じられるガス感。

口の中で転がすと、喉奥手前に酸。
甘みはその両サイドをキープ。
上空に渋が感じられてきて、トロミのある旨味と結びつきます。

後口は甘酸で〆。
ピリッと辛みを置いていくためキレはよく、余韻は果実感たっぷりです。

口開けから柔らかい口当たりと、果実味あふれるバランス。
【やまユ】の真骨頂ですね。
今期の新政はどれもうまいですが、この「白」がひときわ好きです。笑

アテは鰆の塩麹漬け焼き。


ごーだ宅飲み会 対決列島編 PART4 Final

2012年04月24日 | 日本酒
今回のエントリで「対決列島編」の発表を最後にしたいと思います。

まず、今回の企画の発端となった新潟・長岡にありますカネセ商店様に感謝の意を申し述べたいと思います。
カネセさんが「カネセオールスターズ 対決列島」を企画販売しなかったら、今回のイベントは行われませんでした。
結果として、非常に楽しい会を開くことができました。
本当にありがとうございます。


今回の企画について、結果をブログで発表することに若干の迷いがありました。
というのも、2種類の飲み比べ、そしてその結果を公表するということ。
つまり、飲み比べされるお酒は優劣が付きます。
各蔵が心血を注いで造ったお酒に対し、鑑評のようなことをしてさらにその結果を公にすることに、「何を失礼なことをやってるんだ」という戸惑いがありました。

godanismとしては、まったくそういうつもりで企画をしたものではないこと。
ここに弁明させていただきたいと思います。
今回の会は、銘柄名もほとんど知らない所謂ライトユーザの方から、ブログで発信を行ったりしているヘビィユーザの方まで、幅広い方をお呼びして楽しんでいただきました。
いろいろな方が参加して、それぞれが新たな発見をするイベントになれば良い。
「対決」なんていうのはあくまでその“楽しみ”を演出するオプションに過ぎません。
優れたお酒を見つける会ではなく、自分が好きなお酒を見つける会にしたかったのです。

「こんなにじっくりと味わって日本酒を飲んだの初めて」
「自分の好みの味がなんとなくわかった気がする」
結果、上のような感想をいただくことができました。
これを聞いて、ホントに胸をなでおろす心地がしたのです。

普段から日本酒をどっぷりと飲んでいらっしゃる方からも、身に余るお褒めの言葉をいただきました。
ありがたいことです(^^)


今回、審査員として参加してくださった23名の酒飲みたちをご紹介。
参加者のTwitterアカウントを列記させていただきます(敬称略でごめんなさい)。
4月14日 @Nicowalski @m0r1 @Me_Rock369 @master_ide @tsuchi_ko @usagi_gunsou @kurappa
4月15日 @naocafe @takeo33 @Kyamipan2222 @su_papa @sho_ka @310aya @mu_mu_ @blueslime3
4月21日 @shujin0824 @sake_ino @dians141 @namedaruma56 @sake_daisuki @mosamosa @IamTouma @youtomosake94


最終日のみになりますが、godanism がお出しした料理(の一部)の写真を持って今回の対決列島編の締めくくりといたします。

蓮根のきんぴら


蚕豆の白和え


新玉ねぎのサラダ


鰹の薬味たっぷりごま風味


鶏もも塩焼き


豚バラと新じゃがの照り煮


次エントリからは平常運転で参ります。