風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

ハングル

2018-11-04 23:03:45 | はらから集いてソウル

 英語ができるかと人に訊かれたら、いやいや、まったく、と答える。

謙遜ではない、英語なんてとてもとても……と思っていた。

しかし今回、韓国でハングル文字に接して、私たち日本人は英語ならかなりデキルんだなと

あらためて思った。

 たとえばレストランでメニューを見たとする、英語ならFishとかMeatとか書いてあれば、

ああ、肉なんだとか魚なんだと分かる。

化粧品売り場でHand crem書いてあればそのままハンドクリームだと分かる。  

中国や台湾なら漢字だから、読めないまでもおよその意味がまあ分からないこともない。

厠所とあればトイレだなとか、養生館とあればマッサージかなあと思う。

珈琲店、服務台などは訳さずにそのままで分かる。

そのてん、ハングルは見たことはあってもまるで読めない。

なにかの記号のようにしか見えない。

レストランのメニューを見ても、わたしにはまったくチンプンカンプンで手に負えない。

妹は韓国語を習い始めたそうで、

ハングル文字はときの王様が大衆にも読めるように考案した文字なので

規則性があるからコツを覚えたら大丈夫という。

 遙ちゃんたちに促されて、レストランでは妹が片言で注文をしていた。

           ↓    (英語ならなんとか意味が通じる)

        

         ↓    地下鉄のカード

        

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7年ぶり

2018-11-03 11:09:28 | はらから集いてソウル

 案内役の遙ちゃん一家とは7年ぶりの再会である。

忘れもしない2011年3月11日、東日本大震災による福島第一原発の事故があった。

メルトダウンと東電が認めたのは二ヵ月ほどあとだが、

当初から大事故であることは外国勢がよく知っていた。

 本国からの指令でぞくぞくと日本脱出がはじまりすぐに航空機は満席になった。

当時日本支社の駐在員だった遙ちゃんのダンナにも

韓国本社から帰るように指示が出たが帰国便がとれない。

混乱のなか、無沙汰つづきの東京の弟からわたしのところに電話がかかった。

 遙たちがね、困ってるんだ、とりあえず新幹線は乗れそうなので

福岡まで行くからお姉ちゃんちに泊めてくれない?

 いいよ、というわけで、彼らは我が家に一泊して、

 翌日博多港から釜山へ向かう船で帰韓した。

あのとき五歳だったユウトくんはいまオーストラリアで中学三年生になった。

長身の父親をさらに越えて、いまクラスで一番背が高いという。

7年前、五歳だったユウトくんを、ユウトちゃんと呼んだら、ユウトちゃんと呼ばないでと

可愛い声で抗議された。ではなんと呼ぶの、と訊ねたら、ユウトって呼んでといわれた。

 博多港の出国口で手を振って別れた彼らと再会したのは仁川空港の到着口であった。

  

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離婚再婚

2018-11-02 11:50:02 | はらから集いてソウル

 妹のいまの夫は二度目の再婚相手である。

最初の夫との間に二児をもうけたが、下の子が三歳のときに別れて、

すぐに今の夫と再婚した。

 前夫との離婚理由は頑固で我儘な姑のことで

前夫自身に恨みつらみがあったわけではない。

事情があって二児のうち長女を夫側が、長男を妹が引き取った。

 離婚は大人の都合で子供に罪はないからと、

以後、今にいたるまで子どもたちは双方の親と自由に行き来している。

妹のいまの夫は、引きとった息子をよく可愛がり、

実子が出来て気持ちが変わるといけないからと自身の子は望まなかった

 前夫ものちに再婚したが、こちらの新しい奥さんも、

育てる娘はひとりいればそれでいいと実子を産まなかった。

  子どもたちだけではなく、それぞれの再婚相手もまじえてたまにはみんなで会う

というのだから、まあ恨みっこなしの良好な関係の離婚夫婦といえないこともない。

早苗さんがね、リョウコさんは離婚して正解だったっていうのよ、

早苗さんは前夫の奥さんである。

 とにかく手にあまる姑だったとかで、

晩年は施設でも病院でも大声を出す、暴れるで、どこからも追い出されて

 

結局早苗さんが家で看たのだという、

 だからわたしもうちの子たちも、前ダン(妹は前夫のことをこういう)も早苗さんには頭があがらないの。

 つい先日も妹の孫たちが前ダンのところへ遊びに行ったら、

帰りは早苗さんが車で送ってくれたそうで、リョウコさん、元気ぃ? って……早苗さんも元気だったよ。

 ふうん、というしかない。

             

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妹の夫

2018-11-01 10:06:32 | はらから集いてソウル

 妹の夫は、脳腫瘍の後遺症があり外で働く妹にかわり家事全般を引き受けている。

 料理も? そうよ、あんまり上手じゃないけどね。

元来きれい好きな人で掃除は完璧、洗濯物も妹は畳むだけという。

 酒好きな人だが、

あんたが旅行中は倒れたら助けてくれるひとがいないので、呑まないよ、

と殊勝なことを言って送り出してくれたそうである。

 旅の間も妹は折々に夫に電話をかけていた。

 呑まないって言ってたのに、もう呂律が回らないの。酔ってるってすぐわかるのよーー

と妹はおかしそうに笑った。

 安心して呑みたいから早く帰っておいでだって。

 むかしから仲のいい夫婦である。

      

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