風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

実りの秋

2010-09-16 10:32:11 | ご近所
 塀ごしに、お隣の葡萄棚が見える。
まだ苗木のころから知っているから、大きくなったなあと、隣のことでも気にかかる。

 葉が茂り夏の日よけにもなっていた。
八月になると可愛い葡萄の房に紙袋が沢山かけられた。

 昨日、お隣の奥さんが、コンコンとドアを叩き、二房の葡萄を届けてくれた。

 袋ばかり多いのですが、中身は意外に虫にやられてたり、腐っていたりして、収穫に乏しくて……。
 奥さんはしきりに弁解これつとめられる。

 いえいえ、楽しませていただきました、とこちらも恐縮しながら頂戴した。

 そういえば、初夏の枇杷のころには、こちらが同じような口上を述べながら、枇杷の実を届けに行った。

 離れて眺めると、黄金色の枇杷が枝もたわわに実っているように見えるのに、傍で見ると、ナメクジにやられ、鳥についばまれ、差し上げられる実はほんの少しだった。

 お互い、貴重な実りを分け合っている。

 さて、葡萄。

 小粒だが、甘味はしっかりしていて、格別の味わいであった。


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