塀ごしに、お隣の葡萄棚が見える。
まだ苗木のころから知っているから、大きくなったなあと、隣のことでも気にかかる。
葉が茂り夏の日よけにもなっていた。
八月になると可愛い葡萄の房に紙袋が沢山かけられた。
昨日、お隣の奥さんが、コンコンとドアを叩き、二房の葡萄を届けてくれた。
袋ばかり多いのですが、中身は意外に虫にやられてたり、腐っていたりして、収穫に乏しくて……。
奥さんはしきりに弁解これつとめられる。
いえいえ、楽しませていただきました、とこちらも恐縮しながら頂戴した。
そういえば、初夏の枇杷のころには、こちらが同じような口上を述べながら、枇杷の実を届けに行った。
離れて眺めると、黄金色の枇杷が枝もたわわに実っているように見えるのに、傍で見ると、ナメクジにやられ、鳥についばまれ、差し上げられる実はほんの少しだった。
お互い、貴重な実りを分け合っている。
さて、葡萄。
小粒だが、甘味はしっかりしていて、格別の味わいであった。
まだ苗木のころから知っているから、大きくなったなあと、隣のことでも気にかかる。
葉が茂り夏の日よけにもなっていた。
八月になると可愛い葡萄の房に紙袋が沢山かけられた。
昨日、お隣の奥さんが、コンコンとドアを叩き、二房の葡萄を届けてくれた。
袋ばかり多いのですが、中身は意外に虫にやられてたり、腐っていたりして、収穫に乏しくて……。
奥さんはしきりに弁解これつとめられる。
いえいえ、楽しませていただきました、とこちらも恐縮しながら頂戴した。
そういえば、初夏の枇杷のころには、こちらが同じような口上を述べながら、枇杷の実を届けに行った。
離れて眺めると、黄金色の枇杷が枝もたわわに実っているように見えるのに、傍で見ると、ナメクジにやられ、鳥についばまれ、差し上げられる実はほんの少しだった。
お互い、貴重な実りを分け合っている。
さて、葡萄。
小粒だが、甘味はしっかりしていて、格別の味わいであった。
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