毎週会っているクミちゃんからの古い手紙が出てきた。
便箋三枚の入った封筒を見るまで、貰った記憶がないのである。
綺麗な文字でびっしりと書いてある。
毎週、毎週、姉妹以上に顔を合わせているから、
わざわざ手紙など交わす必要もないはずなので、え、なんだろうと、
広げてみたら、20数年前に風子が入院したときの見舞状であった。
クミちゃんも驚いて、
うっそ! 私があ?
書いた私も忘れてた……、と両方でげらげら笑った。
見舞いに行かなかったから書いたのかなあ、とクミちゃん。
ううん、違うよ、来てるよ、
病院へ行ったら、楽しい入院生活のようで
安心しましたって書いてあったよ。
人の記憶はこうも曖昧なものかと両方で驚く。
いやだなあ、捨てといてとクミちゃんが言うから、
はいはい、そうしますと答えたが、
友情にあふれた貴重な手紙だからね。
たとえクミちゃんのお願いでも、捨てたくない。
何度も読み返してまた仕舞った。
かくして、終活は一向にはかどらない。
便箋三枚の入った封筒を見るまで、貰った記憶がないのである。
綺麗な文字でびっしりと書いてある。
毎週、毎週、姉妹以上に顔を合わせているから、
わざわざ手紙など交わす必要もないはずなので、え、なんだろうと、
広げてみたら、20数年前に風子が入院したときの見舞状であった。
クミちゃんも驚いて、
うっそ! 私があ?
書いた私も忘れてた……、と両方でげらげら笑った。
見舞いに行かなかったから書いたのかなあ、とクミちゃん。
ううん、違うよ、来てるよ、
病院へ行ったら、楽しい入院生活のようで
安心しましたって書いてあったよ。
人の記憶はこうも曖昧なものかと両方で驚く。
いやだなあ、捨てといてとクミちゃんが言うから、
はいはい、そうしますと答えたが、
友情にあふれた貴重な手紙だからね。
たとえクミちゃんのお願いでも、捨てたくない。
何度も読み返してまた仕舞った。
かくして、終活は一向にはかどらない。