風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

お手紙ありがとう

2012-02-19 11:36:38 | 思い出
     
        折々に処分してきたつもりだが、
         古い手紙の束がまだ大量にあった。
      捨てる前にと読みはじめたら、三日かかっても終わらない。

      昔の人間はよくも手紙を書いたものだと感心する。

      風子が世帯を持ったころは、まだ我が家に電話はなかった。
       むろん、携帯もパソコンもファクスもないから、
     郵便は大事な伝達手段であった。たいがいのことは郵便ですませた。

      結婚してまもなく、東京から九州に移った風子は、
       両親が恋しくてせっせと手紙を書いた。

      両親も忙しいのに、よく返事をくれた。 
      
     「お手紙ありがとう」で始まる手紙が多いから、
      こちらも大量に出していたとわかる。

      ×月×日、博多駅に何時到着、迎えに出てください、
       などという父のハガキもある。

      今なら、メールでたちまち、ピッといくところだが、
       郵便だと数日かかった。

      まだハガキ、届きませんという手紙もある。

       ハガキと手紙、二通一緒に届きました、
    このつぎから、投函日を記入してくださいなどと書いたのも出てきた。

        どちらも三日にあげず手紙を書いていたのだ。
     気が遠くなるような一昔が、目の前に束になってここにある。