家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

住み心地の視点

2004年12月28日 | 家について思ったことなど
住み心地は、いろいろな視点から考えるべきだ。

「夏涼しく、冬暖かい」というのは、気候が厳しいときに家の中でどのくらい快適性を求めるかという視点に立った住み心地である。住宅の供給サイドからはこの言葉が良く聞かれる。

しかし、それとは異なる視点もある。
気候がいい時、その恩恵をどのくらい感じることができるかという視点だ。この視点を重要視した場合、例えば、庭の花や落葉樹がいい構図で見える窓とか、初夏のそよ風がよく通る場所がある、などというのが住み心地をアップさせる要素になる。

人によっては、気候が厳しい時を快適に過すことよりも、気候がいい時を享受することの方が重要ということもあるはずだ。また、1年を通してみて、厳しい気候が長い地域とそうでない地域では何を重要視するか考え方が違ってもあたりまえだとも思う。

気候に限らず、環境のいい面に視点を持つと家作りはがぜん楽しくなる。例えば、「富士山が見える窓がある」とか「山の端に沈む夕日を眺めていられるベランダがある」とか「花火が見える屋上がある」とか「風呂につかりながら庭が見える」などと、わくわくしながら考えることが出てくるだろう。

 そのほか、周辺環境にあまり左右されない住み心地もあるだろう。
「開放感」という住み心地や、素材の「質感」という住み心地などはそうだ。

より多くの、いい「住み心地」を高いレベルで実現するのが理想だが、場合によっては複数の要望を満たす構造が成立しにくいこともありうる。例えば、「夏涼しく、冬暖かい」を高い水準で実現するために、断熱・気密を高めるには開口が少ない方がいいが、やりすぎると眺望や風通しを犠牲にしかねない。開放感を得るために吹き抜けを作ることと、暖房効率を良くすることも高レベルで両立させるのは難しい。

総合的にいい住み心地にしたいのであれば、自分が考える住み心地における重要なポイントはどこにあるか整理しておく必要があるだろう。それらをバランスよくかなえるようにするのがいい。
他人の言う「住み心地」は参考にするとしても、自分の重要な「住み心地」が整理させていないと無駄に振り回される恐れがあると思う。


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