雪見障子って誰が考えたものなのだろう。
昭和初期に考案された、というところまではネットで知ることができたが、どこで誰がということまではまだ調べきれていない。
誰が考えたのかは知らないけれど、私はその人を賞賛したい。
日本の建具は西洋の建具と違って、あいまいに空間を区切る。だから開けっ放しという状態も、なんら違和感がない。閉じていても開けていてもいいというところが優れた点であると思う。
雪見障子のすごいところは、そこからさらに細やかな区切り方をするところだ。
普通の建具は閉めたら空間が分断され、開ければ空間がつながる。雪見障子は閉めても小障子を上げれば風景をつなぐ。普通のガラス戸も風景をつなぐが、そっちは開けても閉めても風景をつなぎっぱなしだ。
雪見障子のすぐれているところは風景の切り取り方でもある。腰板と障子に挟まれた風景は横長のパノラマのようになる。それは建具に絵が描かれたようでもある。しかも四季ごとにその絵は変化する。
雪見障子、誰が考案したかは知らないが、名前からして少なくとも雪が降る地方の人間だろう。
当地方は残念ながら雪が滅多に降らない。たまに降ったときは降ったこと自体がうれしくて、犬のように庭駆け回り、家の中から雪の庭を楽しもうという発想をしなかった。ゆえにこの雪見障子越しに雪を見た経験は皆無である。
次は絶対に逃すまいと心に決めている。
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