家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

お得な話

2005年08月14日 | 我が家のスペシャルな事情
今回私達夫婦は建物の登記にあたって、父から古屋部分を贈与してもらう格好にした。古屋は公的には資産としての価値はほとんど無いと判断され、行政書士によるとその税金は微々たるものになる。
だけど実際には築60年近い我が古屋は古くなっていたからこそ価値のある(と思っている)建物なので、非常にラッキーな気分なのである。
公的にはタダのような価値、しかし実際住んでいる人にとっては高い価値という場合、そのギャップが大きいほど相続・譲渡の面で有利だ。

骨董品はすごい評価になって高い相続税がかかることもあるが、家は事実上「骨董品」になっても相続時に骨董品扱いとはならない。
日本の家の短い寿命(平均30年程度)に対する反省が生まれている中、これを有効に使わない手はないと思う。

世間には「骨董品」に住むのはものずき者だけなどと揶揄する向きもある。我が家は事実ものずきなのかもしれないが、これからの住まいのことを考えたら揶揄してばかりでいいのかといいたくなる。

現在の日本の施工技術で建てる家は(ちゃんと作れば)30年しか持たない家ではない。30年という年月を経過したとき、表面的に劣化・陳腐化していると、構造的にはまだ使えるのに壊したくなってくるだろうが、劣化ではなく骨董的な味わいが出ていれば愛着を持って家を持続できる。そんなことで我が家の場合は無垢材にこだわった。

メーカー・ビルダー側が古い家を「骨董品」と揶揄しているとしたら、商売上の考えから短いサイクルで建て替えさせたいのだな、とかんぐりたくなる。それとも、どこかがはじめた「新築そっくりさん」のような全面リフォームをさせようとしているのだろうかと思う。

私達夫婦が建てた新居も、子供に相続する時、公的な資産価値がタダ同然になっていて、それでもまだまだ使えるような家であってほしい。さらに子供が孫世代に相続する時に、骨董的な風格が価値を生んでいて、それでもまだ使えるとなれば、お得感はなお膨らむ。
その間いくらかリフォームはするだろうが、家を新築しなくてすめば他の資産を膨らませることもできるだろう。