家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

完全同居――家族のスタイル

2005年08月06日 | 我が家のスペシャルな事情
 現代において、完全同居という生活スタイルに対する評判は地の底に落ちている。ちょっと昔までは逆に同居しない嫁を悪者視する風潮が世間に蔓延していた。その反動で、まるで悪事であるかのごとく語られてしまうのもしかたがないことなのかもしれない。
完全同居の若夫婦の夫として、妻に申し訳ないことをしてしまっているような気分にさせられることもある。

そんなことで最近は同居のデメリットばかり強調され、メリットの存在をまったく無視したような極端な意見まで聞かれるが、メリットだってちゃんとある。
デメリット情報は今やどこにも転がっているので、ここではメリットをすこしばかりまとめておくことにする。

経済的メリット
・光熱費、通信費、雑費など家のランニングコストを一括処理できて効率的
・食材に無駄が少ない(ただし、食の好みがぜんぜん違うとそうならない)
・住宅設備(水周り、家電製品)も無駄が少ない。

協力するメリット
・大人の手が多いと家事の作業分担ができて効率がいい
・子供の面倒。私たち夫婦のように共働きだと非常に助かる。経済的な効果もある
・子供の教育。いわゆる「おばあちゃんの知恵」も伝授できるし、情操教育効果も期待できる
・危機管理。誰かの具合が悪くなったときなど、役割を差配して乗り切りやすい
・防犯効果。複数世帯だと完全な留守になりにくい

上記にあげたメリットは、家族内にいい関係が築けないとメリット足りえないものが多い。だから、まったく相性が合わない場合はやっぱり同居はしないほうがいいと思う。

私は信頼し協力し合える関係があるのなら、構成人員が多いほど組織は強いと考えており、それは家族という組織にも当てはまると思っている。結婚するにあたって、最初から両親との同居を希望し、妻に納得してもらって生活を始めた。メリットを期待して。
ただし、たわいもないことでいがみ合うような場面が増え、協力関係が築けないようになったらすぐに両親とは別居しようという覚悟も決めていた。そうなると組織の強さは生まれにくく、しわ寄せが向かいやすい妻につらい思いをさせることになるから。

幸いにして8年ほど経過してもトラブルはなく、その後、私の単身赴任生活が始まっても、妻と子供たちと両親は問題なく暮らしていた。この間に山小屋づくりという大イベントも成功させた。

私は家を建て替える構想をかなり前から持っていたが、同居生活の継続に自信を深めることができたことで、満を持して家づくりを決行することにしたのだった。
10年以上の同居のメリットが生きたことで、その分資金も余分に貯まっていた。
 これも家族が仲良く暮らしてくれたおかげだと感謝している。

 生活のスタイルは各家族それぞれでいいと思う。あるスタイルを強制してはいけない。ただ、それぞれのスタイルの良し悪しは人の意見を聞く前に、自分の家族の性質を知った上でしっかり吟味して決めた方がいい。ある家庭ではダメなスタイルでも別の家庭ではいいスタイルということはあるのだから。