家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

循環する古建具――山の物置にて

2005年08月28日 | 山小屋・ログハウス
 「スーパー親爺の普請道楽」というエントリで紹介した物置作りの進捗。

私が山小屋に来たのはかれこれ2ヶ月ぶりだが、この間、私の父は山小屋に足繁く通い、こつこつと物置作りにいそしんでいた(この点、父は「家づくり、行ったり来たり」の現役なのである)。
写真で見ていただければわかるが、現在は壁に取りかかっている。

 この建物、いわずもがなのローコストなのだが、最近流行のローコスト手法とは全然違う次元でローコストを実現中なのである。

前のエントリでちらりと紹介したが、ひとつはタダで手に入れた材を柱、梁などの構造に使っていること、もう一つのキモは建具である。
旧住宅で使っていた建具を解体する前に取り外してとっておき、再利用しているのだった。
(この木製建具を見れば、我が家がついこの前までいかに気密と縁遠い生活をしていたかということがよくわかる。超低気密のおかげで結露の心配はまったくなかったが、冬は寒かった。温暖な地方でなかったらとてもたえられなかったろう)

実は写真に見えてない部分に、さらに古い建具をはめこんである。その建具は2代前の住宅、すなわち旧住宅の前に住んでいた住宅から取り外して保存しておいたものである。
手が込んだ建具というわけではない。愚直に作られていて「まだまだ十分に使える」ため、とっておいたらしい。
こうなると、単なるものずきではかたづけられない。貧乏性道楽とでもいったらいいのか。

 さらにさらに、この物置につける戸も実は「骨董品」なのである。古物商の免許を持つ親戚につきあってもらって、古民具のオークションのようなところで安く仕入れてきた。
それは蔵の戸だったらしく、もはやいつごろのものかさえよくわからないシロモノだ(いずれお披露目するつもり)。

何世代にも渡って使い続けるわけで、建具達からみれば、「建具冥利につきる」といったところではないだろうか。