家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

モノを飾る場所

2004年11月13日 | 家について思ったことなど
 家を建てるときに忘れられがちなのは、モノを飾る場所だと思う。

昔の家のちゃんとした和室には床の間があり、掛け軸や、陶器などの置物を飾ることができた。
現代の生活でも、モノを飾るということはよくあるはずなのに、総じて飾る場所を備えている家が少ない。和室が減ってきている分、床の間もなくなり、「飾る場所」はますます減っている。
せいぜい、玄関の下駄箱の上が飾り棚になっているくらいではないか。

 その玄関の飾り棚も、生け花が収まることが多い。
飾るモノのうち、「絵画」の収まり場所はなかなかない。
私の昔の家も絵画を飾る場所がなかった。いや、飾る場所はなかったのに、むりやり飾っていた。
 亡くなった祖母の趣味が日本画を描くことだったため、絵はいろいろとあった。それを、壁にフックをつけて紐でつなぎ、鴨居に額の片端を乗せる、というような飾り方をしていた。絵も居心地が悪そうだった。
 私は、この状況をなんとかしたいと思っていたので、家の新築に当たり、絵を飾る場所を設けるように建築家に要望した。

 絵は平たいものだから、床の間のような大それた場所を確保する必要はない。壁にスペースがあればかけることができる(だからこそ、絵の居場所は無視されやすいのだが・・・)。
ただ、最初から絵をかけることを想定した壁とそうでない壁では、絵の収まりはだいぶ違うはず。照明の効果や日射も意識する必要がある。
壁にニッチをつけたなら、そこは堂々とした絵画の居場所になる。
 
 新しい家では、居間と、私達夫婦の寝室、親夫婦の寝室の3箇所に、そうした絵画を飾るための場所を設けた(単なる壁の一部ではあるが)。
 こうした場所は作るのに、材料面でたいしたコストはかからない(照明の位置の調整と壁の凹みだけ)。しかし、ハウスメーカーにそういう場所を作れといってもなかなかできないのではないだろうか。オプションのラインナップにありそうもない(私が知らないだけ?)し、作らせたら妙に高い請求がきそうな気がする。
細かいことかも知れないが、建築家・設計事務所と建てるメリットはこういう部分にしっかり表れる。

 絵のための場所には、子供が描いたおもしろい絵も飾ってみようかと考えている。子供が絵を描く時の意気込みもちょっと変わってくるだろう。