ひまわり博士のウンチク

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消しゴム

2010年10月05日 | 日記・エッセイ・コラム
Eraser1
 
 子供の消しゴムがないとカミさんが言ってきたので、最後の買い置きを譲った。
 思えば、自分のために買い置きをしておいたのに、全部子供にとられてしまった。
 それでも、周りにある消しゴムを集めたらこれだけあった。
 
 子供というものは、消しゴムを本来の目的の字消しとして使うだけではない。
 小さなスーパーカーを作って、シャープのノックではじいて競走させた経験はないだろうか。
 嫌な教師を殴り飛ばす代わりに、鉛筆で消しゴムをぐさぐさ刺してストレスを発散させたこともあるだろう。
 向こうの席でよろしくやっている同級生カップルに、消しゴムを投げつけて知らん顔をしたりもするだろう。
 つまり、子供にとって消しゴムはおもちゃでもあり、武器でもあるのだ。
 
 そして、そんな子供たちの想像力を商品化したのが「キン消し」だ。キン消しはすでに消しゴムではない。
 まあ、その話は今度にする。
 
 話を戻せば、消しゴムを消しゴムとして使っているだけなら、そうそうなくなるものではない。
 だものだから、消しゴムの買い置きなど最初からする必要はなかったのだ。

 

Eraser2
 
 
 この消しゴムはステッドラーの製図用消しゴムで、いつから使っているものか忘れたくらい古い。
 以前、ステッドラーのカタログを作っていたときに、撮影用の見本としていただいたものの一つである。かれこれ20年以上は使っていることになる。
 STAEDTLER MARS PLASTIC GRANDという製品で、今は廃番。数年前、新品を買おうと思ったが遅かった。
 
 でかいので、紛失しにくい。しかも減り方が遅い。だからいつまでも手元にある。
 あまりにも長持ちするので、これでは商売にならないと廃番にしたのではないかと勘ぐってしまう。
 
 専門用でなければとんでもなく大きい消しゴムもあって、消しゴム版画家のナンシー関さんが使っていた中には、単行本くらいの大きさのものがあったそうだ。
 しかし、消しゴムの本来の用途としては使いにくいだろう。
 
 仕事で使う消しゴムは大きければいいというものではない。使いやすくカスの少ないものがいい。そういった意味でもGRANDはナイスだ。
 復刻しないものだろうか。
 
 仕事柄消しゴム遍歴は長かった。「電動字消し」というのがあって、電動歯ブラシのようなものなのだが、先端に太さ3ミリ、長さ2センチほどの円柱状の消しゴムを差し込んで使う。
 知り合いの建築士が使っていたのを見てこれは便利だと思ったのだが、いちいちスイッチを入れたり、勢い余って消したくないところまで消してしまったり、大きくて邪魔だったり、思いのほか不便だった。
 邪険にしているうちに故障して動かなくなったので捨てた。
 替えの消しゴムだけが未だに残っている。
 
Eraser4
 
 スティック型の消しゴムも使ったことがある。これは直径一センチ、長さ10センチほどの消しゴムがホルダーに入っていて、シャープペンシルの要領で繰り出して使う。
 だからなんだ? という程度の物である。
 思いのほか減りが速くて、最初から入っていた一本目がなくなったとき、替えゴムを買うまでもないと使うのをやめた。
 
 で結局、オーソドックスな定番品ということになって、GRANDを20年も使うことになったわけだ。
 
 
 ところで、消しゴムというと、いささかネガティブなイメージがつきまとう。
 韓国映画の『私の頭の中の消しゴム』は若年性アルツハイマーがテーマ。
 テレビドラマには、忘れたい過去を消してくれる「消しゴム屋」なるものもあったし、「消しゴムお亜季」なんていうのもいた。
 
 今の時代、政治屋さんたちが最も欲しいものが、「過去を消す消しゴム」ではなかろうか。失言、暴言、失態、スキャンダル。
 もしそんな便利な消しゴムがあったら、鳩山由紀夫は総理大臣を辞めずに済んだろうし、遡って麻生太郎などは、いくつあっても足りなかったろう。
 今そんな便利な消しゴムを一番ほしがっているのは、小沢一郎かもしれない。
 もっともこの人の場合、一度消したところに再び同じことを書きかねないが。
 
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