monologue
夜明けに向けて
 



<5>

ゆうべに辿る道は険しかろうと 朝露の道は輝いているだろう
砂浜は波に洗われ洗われ 其方達の足跡を残すことは無い
過ぎ行く時の しじまを縫って帆掛け舟は出て行く
時と時との間にある にかわを溶かす者は何処に眠っているか

耶麻女(ヤマメ)の走る先 清き流れの元となる所
総ての雪の生まれる所、馨しき香の流れる所

音で辿れ あまねく人々の耳に快い音で
それは 葉ずれの音
それは 波打ち際の音
それは 深山の音

ようやくにして 心と心の音の解る人々が生まれてきたことよ
黄金のサキツチの世に、虐げられるもののあることを許すまじ
闇の世 永くは栄えぬことよ
そは すべからくアジナの主の言う通り

メの神の世には 光 未だ齢(ヨワイ)を持たず
今 しばらくの時を待つべし

---カリカラの明王

「光の黙示録」より


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「ようやくにして 心と心の音の解る人々が生まれてきたことよ」

「心と心の音の」「kokoroto kokorono otono」を解剖してその音をみれば母音「o」ばかりが使用されているのが解る。オーと伸ばして子音KRTNで区切って文章にしているのだ。「心と心の音」とはオーン。つまりAUMあるいはオンで以心伝心するらしいのである。
fumio

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