monologue
夜明けに向けて
 



カリフォルニア・サンシャイン40
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わたしはアルバムのタイトルを「プロセス」としてプロデューサー、宮下富実夫に人類が絶滅する嵐を音楽にした曲を作ってほしいとオファーした。地球規模パンデミック、温暖化気候変動、経済破綻、原発稼働、エネルギー危機、核戦争などなど解決できない様々な問題の渦中で争い地球絶滅につき進む人類の姿をストームとして音楽にするのだ。宮下富実夫が自身の8トラックレコーダーで時間をかけてレコーディングしてきたシンセの多重録音の曲「嵐(STORM)」を24チャンネルトラックにコピーする際、エンジニア、ガナパーチと揉めた。宮下は嵐のすごさを表すために50ヘルツ以下の低音をインジケーターの針振り切れッ放しにして録音していた。ガナパーチはエンジニアとしてそれを非難した。それでも宮下はアーティストとしてゆずらず論争になったがそのままコピーさせた。エンジニアは電気、物理の法則に忠実に仕事するがアーティストは常にべつの可能性を求めて無理でも試そうとする。アルバム「PROCESS」ができあがって大音量で聴くと、その部分にさしかかると部屋の窓ガラスが震えてずいぶん効果があったのだがのちにCD化された時、自動的に50ヘルツ以下の帯域がカットされて再現されなくなって残念ながら宮下の苦労は水の泡になってしまうのである。
fumio


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