monologue
夜明けに向けて
 



<夏休み昔話料理講座第十回>
  献立「桃太郎」その二


 『古事記』「黄泉の國」の条

黄泉比良坂(よもつひらさか)の坂本(さかもと)に到りし時、その坂本にある桃子(もものみ)三箇(みつ)を取りて、待ち撃(う)てば、悉(ことごと)に迯(に)げ返りき。ここに伊邪那岐命、その桃子に告(の)りたまひしく、「汝(なれ)、吾(あれ)を助けしが如く、葦原中國(あしはらのなかつくに)にあらゆる現(うつ)しき青人草(あをひとくさ)の、苦しき瀬に落ちて患(うれ)ひ愡(なや)む時、助くべし。」と告(の)りて、名を賜ひて意富加牟豆美(おほかむづみ)命と號(い)ひき。


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 これは「桃太郎」の下敷きになった日向族の祖、伊邪那岐命が黄泉國から逃げ帰る場面である。この時点で日向族にとって桃は一族の守り神になっていたのである。

結論から述べると「桃太郎」はその日向族が出雲族を鬼になぞらえて征伐する説話であった。
老夫婦が桃を割ると中から男の子が生まれた。それが「桃太郎」なのだが「桃」を割ると「木」「兆」が生まれるがそれ以上のことが見えない。そこで「百(もも)」を割ってみる。すると「一」と「白」が生まれる。「白」は九十九(ツクモ)と読み一を上にひくと「百」になってモモと読む。 この世は「白」の世界であり、その白に一を加えた「百」をかれら日向族は象徴にしていたのだ。「白」の世界の王は文字通り重ねると「皇」となる。それが日本一の「桃太郎」の由縁であった。
鬼は、「鬼門(丑寅)北東」の存在で裏鬼門は坤(ひつじさる)で南西であるので桃太郎の従者には羊と猿がふさわしかったが当時、九州は西州と呼ばれ、筑紫の國(筑前筑後)、豊の國(豊前豊後)、火の國(肥前肥後)、日向(日向、大隅、薩摩)の國の四つの國が存在した。出雲は東の方角の寅、卯、辰とみて日向は西州であるから西の方角にある申(サル)、酉(キジ)、戌(イヌ)を対抗する従者に選んだのだ。
fumio

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