monologue
夜明けに向けて
 



    最初の「スター・ウォーズ」が封切られた1977年5月わたしはアメリカに住んでいてドルビーステレオという音響方式に興味を覚えハリウッドのチャイニーズシアターに見に行った。まだ「エピソード4新たなる希望」という副題はなくただの「スターウォーズ」だった。前評判はそれほど高くなかったがしばらくすると全国的に話題になって大ヒットしだした。そのうち関連商品を子供達がこぞって集めるようになった。そして影響を受けたのが黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』だということを知るとその冒頭の凸凹コンビ太平の千秋実 をC3PO、又七の藤原釜足をR2D2というロボットコンビにしたのは秀逸だと思った。ジョージ・ルーカスは日本の様式美を宇宙に移してこれまでにない音響システムを使用して新たな世界を構築していたのである。

  今月2010年7月に、NHK-BShiで「スター・ウォーズ」シリーズ全作の5.1chによる世界初のエピソード順での放送が行われた。それでやっと全体のストーリーを理解することができた。それはジョージ・ルーカスの構築した新時代の神話だったのだ。
fumio

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