monologue
夜明けに向けて
 



「うーん、たしかにむつかしい、六さん、わたしにゃ無理だ、ギヴアップ。じゃあね。バイバイ」
「ちょっと、ちょっと、ご隠居さん、冗談ですよ。ヘソを曲げねえでくださいよ。ほかに宛ないんですから、ご隠居さんが頼みの綱なんですよ。もしこの『アオウエイ』が素晴らしいのならこれから声出し稽古はこれにしようと思っています。そうすればすこしは実力が上がって運が向いてくるかも…」

「ダメだろうね、六さんの劇団はそんなことでどうにかなるレベルじゃないから。あきらめたほうがいいよ。どうせ声出しするのなら念仏でも御詠歌でも唱えてりゃなにかの功徳になるさ。」
「どうして、さあ、これから芝居の練習だというときに念仏を唱えるんですか、萎えますよ」
「ご先祖様が集まってきて力を貸してくれるかもしれないじゃないか」
「ちょっと冗談をいうとこれだ、わかりました、おいらが悪うございやした。今度いい御詠歌を見繕って練習しておきますから、いい加減に教えてくださいよ、知恵の出し惜しみしないで…」

「出口王仁三郎は「アオウエイ」を五大父音としてその働きを言霊学釈歌に詠んだのだね。」

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   ○
久方の天之御中主の神は 五十鈴川の(ス)ごゑなりけり
   ○
あのこゑは我言霊の上よりは 宇比地邇神、須比智邇神
   ○
おのこゑは我言霊の上よりは 角杙神、活杙神
   ○
うのこゑは我言霊に照らし見て 大戸之道神、大戸之辺神
   ○
えのこゑの其言霊を調ぶれば 面足神、惶根神
   ○
いのこゑは言霊学の助けより 伊邪那岐神、伊邪那美神
   ○
あのこゑの活動なすは須比智邇の 神の保てる本能なりけり
   ○
おのこゑの活動するは活杙の 神の表はす本能なりけり
   ○
うのこゑの活動保つは大戸之辺 神の表はす本能なりけり
   ○
えのこゑに万の物の開くるは 阿夜訶志古泥の神の御本能
   ○
いのこゑの活動なすは伊邪那美の 神の御言の本能なりけり

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 「そして日月神示には
『アイウエオからアオウエイの世にうつって来るぞ。』
『アオウエイの世が天国ぢゃ。』とある。なるほど、なるほど」

「そうさねえ、王仁さんの歌は現代人にはなんのことかわからないね。六さん、はしょっていえば『アオウエイ』というのはすべての元になっている陰陽和合の仕組みさ」
「えーっ、なんのことですかそれは…」
fumio



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