え ~ が ~ 天 獄

嗚呼、天国か地獄か、それなりに行き詰まりのパラダイス。
映画を中心に、あくまで個人的好き嫌いで感想紹介。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

2016年11月27日 | ファンタジー
2016年 イギリス/アメリカ(ワーナー) 133分 ファンタジー
監督/デヴィッド・イェーツ
脚本/J・K・ローリング
出演/エディ・レッドメイン、ダン・フォグラー
    キャサリン・ウォーターストン、アリソン・スドル

(70点) 新シリーズらしいが主演俳優の元々の魅力以外凡作に感じた。

ハリーポッターの世界観で動物学者がドジって魔法動物を人間界に逃がして大騒動。

つまんなくはないがそんなに面白くもない派手な特撮満載なのに地味な印象のファンタジー大作。
「博士と彼女のセオリー」「リリーのすべて」のエディ・レッドメインが出ているので観たのだが、それ以外に魅力は感じなかった。
新シリーズ一作目だが、面白くなるといいが・・・。
日本ではかろうじてヒットしたようだが、続編はつくってるのだろうか。


(2016年11月有料鑑賞)

聖の青春

2016年11月21日 | ドラマ
2016年 日本(KADOKAWA) 124分 ドラマ/青春/伝記
監督/森義隆
主題歌/秦基博『終わりのない空』
出演/松山ケンイチ、東出昌大、染谷将太、リリー・フランキー
    安田顕、柄本時生、竹下景子

(79点) 東出昌大の羽生っぷりを楽しむマツケン映画

あの羽生善治のライバルと言われながら病気で苦しみつつも名人目指して少女漫画を読んだり麻雀したり古本屋のおねーちゃんにクラクラしたりしつつ吉野家牛丼を食べ将棋人生を闘い、若くして亡くなった怪童 村山聖をマツケンが太って熱演。
羽生善治そっくりの東出昌大が最高な実話を基にした将棋青春映画。


タイトルのダサさは何とかなんらんか?
と、思いつつも原作がこの題なので仕方ないのか、内容的にも題名どおりではあるし・・・。
しかしまー、予告見て東出昌大の羽生善治っぷりに笑い、モーレツに観たくなった。将棋はほとんど知らないが「三月のライオン」は愛読しているのでおデブちゃん棋士二階堂君のモデルが村山聖とは知っていたので、その二点の興味で観に行った。
この役のために太ったマツケンを観る映画だったが、やっぱり東出昌大の羽生がいい。
いや、マツケンも良かった。デブは嫌いだけど嫌悪感を感じなかったのはマツケンだからか。
地味で映画としてはそんなに面白くはないのだが、なんかそれなりに満足。
まんまとアイドルと結婚した羽生善治と定食屋で話してるシーンは良かった。病気でなかったら女を抱きたかったと、結構リアルな女中のケツに欲情しているシーン最高。
将棋映画と言うよりもそー言うドラマとして胸に来た。
主題歌も良かった。


(2016年11月19日ミッドランドスクエア2にてレイト会員1100円にて鑑賞)

タイム・トラベラーズ

2016年11月18日 | SF
1964年 アメリカ 83分 SF
日本劇場未公開 テレビ邦題「原始怪人対未来怪人」
監督・脚本/イブ・メルキオー
出演/プレストン・フォスター、フィリップ・ケリー、メリー・アンダース
    ジョン・ホイト、スティーヴ・フランケン、ジョーン・ウッドベリ
    デニス・パトリック、フォレスト・J・アッカーマン

(70点)  B級SFとしては大作な方、特撮と言うよりトリックを楽しむ映画


未来を映し出すタイムテレビの実験をしていた科学者たちが偶然作り出してしまったタイムトンネル。
画面が未来の窓口となって中に入れてしまった。
ボンクラ技術員が入ってしまったので追っかけて科学者たちが入ったところでその窓が締まってしまう。
嗚呼ここは何処?ここは核戦争後の荒廃した未来。そこでは地下基地で科学者たちが宇宙に脱出するためのロケット作ってて、地上ではミュータントと化した人類がウオーウオーしていた。
そんな未来を垣間見た現代人、一緒に宇宙に行くつもりだったが無理らしく荒廃した地球に置き去りにされるらしい。
どおしよお。
そうこうしているうちにミュータントがウオー。
タイムトンネルこさえて現代へ。しかし・・・。



子供の頃、深夜映画で観て部分的にだけ覚えていて気になっていた映画だった。
その時も今もたいして面白い映画ではないが、意外とシリアスで真面目な後味の悪い話ながら、どこか微笑ましいB級SFだった。
全体的にコミカルな音楽が鳴りつづけ舞台中継のような画面構成でB級役者がそれなりの演技をし、ハゲギョロ目のアンドロイドとチャチなメイクのミュータントが出てきて未来的な化学と称して特撮ではなく手品的トリックで観客を楽しませようとしているのにバッドエンドと言う作りがなんか妙に心に残る。
これがイブ・メルキオーなんだなー。
「巨大アメーバの惑星」や「デス・レース2000年」(原作)のイブ・メルキオー。
センスや才能やサービス精神はあるけれど技術が伴っていな感じがどこか愛しい。
でも無理して観なくても良い映画。
ポスターのような面白さはない・・・。


(2016年11月準新作半額130円にてDVDレンタル鑑賞)

星を追う子ども

2016年11月17日 | アニメ
2011年 日本 116分 ファンタジー/宮崎駿
監督・原作・脚本/新海誠
声の出演/金元寿子、入野自由、井上和彦
      島本須美、日高里菜、竹内順子、折笠富美子

(90点) いや知らんけど宮崎駿マニアの新海誠によるバッタモンアニメの傑作!!

日本の田舎の女の子らしき主人公が怪物に襲われヒーローに助けられ、なんか知らんけど地帝国に行ってラピュタの悪役っぽい先生と冒険してナウシカっぽくネコと戯れ、もののけ姫のアシタカのようなヒーローも加わって、ファ・ファンタジーだなーーーー。
そして旅は終わり、またいつもの生活が・・・。
何処かで観たことあるような誰も見たことないような冒険活劇。血沸き肉躍るマンガ映画・・・。


ラピュタとナウシカともののけ姫を足してNHKで製作したような新海誠監督による宮崎駿バッタモンアニメの傑作!!
「君の名は。」を観て以来、新海誠監督作品をだいたい観た。最後にコレを観て新海監督の芸風をやっと理解。
アマチュア!!
いやいやこれだけ臆面もなく宮崎駿作品をてんこ盛りに盛り込んで一本の映画に仕立てるなんて並のオタクじゃーできねー。
しかも同人映画ではなくプロの商業映画と言うんだからたいしたタマだ。
よくもまージブリや宮崎駿から訴えられなかったものだ。
しかしまー自主映画として見れば大傑作。
「雲のむこう、約束の場所」や「君の名は。」もいろんな映画のイタダキを感じた。
「秒速5センチメートル」や「言の葉の庭」は単に私が元ネタを知らなかっただけなのかもしれない。
「君の名は。」で一躍超メジャーになってしまったので次回作からあからさまなパクリは出来なくなってしまうかもしれないが、私はコレ、けっこー面白く観てしまったのでこの芸風は貫いてほしいなーと思ったり思わなかったり。


(2016年11月レンタルDVD50円にて鑑賞)

この世界の片隅に

2016年11月13日 | アニメ
2016年 日本(東京テアトル) 126分 アニメ/日常ドラマ/戦争
監督・脚本/片渕須直 原作/こうの史代
アニメーション制作/MAPPA
音楽・主題歌/コトリンゴ
声の出演/のん(能年玲奈)、細谷佳正、稲葉菜月、潘めぐみ

(100点) 必見!戦時中の日常エッセイ的な珠玉のアニメ

昭和初期、広島で海苔を作る家で生まれ育ったのんびり屋のヒロインが呉に嫁ぎいろいろあって戦争がドーン!いろいろあって、それでも、それでも生きて日常を作っていく。


こんなの誰が観るの?的なよくある文部省特選印のアニメだと思いつつ、ミリオン座での上映することの信頼感と(少し前「クハナ」の裏切りがあったけど・・・)町山智弘が絶賛していたこともあり初日に観に行った。
うん、面白い。
良い映画は最初から良い映画だ。「はじまりの道」に感じたのと同じ心持で観始めた。
時代は戦時中だがほのぼのとしたエッセイまんがのアニメを観ているようで今の時代と地続きの生活空間がそこにあり、興味深く楽しく鑑賞。
しかし、そこかしこに時代の悲劇もあり、当然の如く戦争の悲劇も描かれる。
ところどころに描かれるファンタジー要素も悲しくなり過ぎないようにするための主人公の心持なのかもしれない。
最大の悲劇の描写でカナダの実験アニメ作家ノーマ・マクラレンの「線と色の即興詩」そのものの画像が使われた意味はなんだったんだろう。
エンディング後、個人出資者の名前が流れるシーンも見逃してはならない。
「君の名は。」や「聲の形」もいいけど、コレもヒットしなきゃ。
アニメファンも観ない、映画ファンも観ない、デートムービーに使えない。
観た人が口々に伝えて行かなければいけない映画だ。
難しい映画でも説教臭い映画でもない見やすいほのぼのとした雰囲気の名作である。
のん。も頑張ってるから観てね🎵


(2016年11月12日ミリオン1にて会員1,000円にて鑑賞)

永い言い訳

2016年11月01日 | ドラマ
2016年 日本(アスミック・エース) 124分 ドラマ
監督・原作・脚本/西川美和
出演/本木雅、竹原ピストル、藤田健心、白鳥玉季
   深津絵里、堀内敬子、黒木華、池松壮亮

(95点) 妻の死を受け入るまでのモッ君の右往左往。

深津絵里を事故で無くしたモッ君だったが泣けなかった。
そのときモッ君は黒木華を抱いていたのだ。
号泣する竹原ピストルの家庭に何故だか入り込み子供の世話をしだす。
いろいろあって、そして、長く書けなかった小説を書く。
そして妻の死を受け入れ、やっと涙。


なにが良いってミリオン2で観たことが良かった。
大きさを感じるスクリーン、座り心地良い椅子、傾斜角度。
ここで観ると2割増しで映画が良く観える。
そのミリオン座で一押ししていたので観た映画だったのだが、ポスターから受ける印象と映画はだいぶ違った。
もっとクソ真面目でセンチメンタルなシリアス作品かと思いきや、モッ君の子育て奮闘記的なコミカルなシーンが多く、結構楽しく観てしまった。
役者がいちいちイイ味出してる。
噛みしめていくともっと良い映画と感じていくんだろう。
子役の藤田健心は長ゼリフになるとちょっとアレだが女の子のように美しく心奪われそうになった。


(2016年10月31日ミリオン2にて招待券鑑賞)