え ~ が ~ 天 獄

嗚呼、天国か地獄か、それなりに行き詰まりのパラダイス。
映画を中心に、あくまで個人的好き嫌いで感想紹介。

ぼくは怖くない

2009年07月28日 | ファミリー
2003年 イタリア 109分 ドラマ/少年時代
監督/ガブリエレ・サルヴァトレス
原作、脚本/ニコロ・アンマニーティ
出演/ジョゼッペ・クリスティアーノ、マッティーア・ディ・ピエッロ
   アイタナ・サンチェス=ギヨン、ディーノ・アッブレーシャ、
(100点) オススメ! 時代が生んだ傑作。感動の少年期映画。

麦畑が広がるイタリアの小さな村で少年ミケーレは元気いっぱいに走り回っていた。ある日、廃屋の裏に奇妙な穴を見つける。その中には鎖につながれた少年がいた。恐怖のあまりに逃げ出すミケーレだったが、気になり何度も穴に行く。そして少年と友情が芽生えていくが・・・。
美しい田舎の風景と辛い現実、そこから逃げないまっすぐな少年の心がまぶしく痛い、感動の名作。

なんでこんなにいい映画を観ないんだよー!
せめて映画ファンの友人に観てもらおうと熱く語ったがこの映画の魅力を語ろうとしたらネタバレの部分を避けて通れない。しかしあえて語ってしまったネタバレの部分を聞いた友人はそれで満足してしまい観てくれなかった。うおお!
ちょうど公開時期のとき、とくにタイムリーだったので観て欲しかったのに。
凄くいい映画なのに・・・。嗚呼。

ぼくは怖くない

ぐるりのこと。

2009年07月28日 | ドラマ
2008年 日本 140分 恋愛/ドラマ
監督、脚本/橋口亮輔
出演/木村多江、リリー・フランキー、倍賞美津子、寺島進、
(100点) オススメ! 一組の夫婦と10年の日本の記録

のんびり屋のフランキーは法廷画家。しっかり者の多恵は出版社の編集員。それなりに幸せな夫婦だったが赤ん坊の死をきっかけに多恵の精神が崩壊していく。一組の夫婦の再生の物語と90年代に日本で起こった事件を並べてその時代の日本人を描いた佳作。

楽しい話ではないがユーモアたっぷりで魅力的な役者が揃い、楽しく観れる極上の人間ドラマ。
DVD特典の音声解説も必聴。
アドリブのように見える芝居が綿密に計算、練習の末生まれたものらしい。

ぐるりのこと。

味見したい人妻たち

2009年07月28日 | ホラー
2003年 日本 60分 成人映画
監督、脚本/城定秀夫
出演/KaoRi、橘瑠璃、白土勝功、田嶋謙一、サーモン鮭山
2003年度第16回ピンク映画大賞第三位、新人監督賞、主演男優賞
(100点) オススメ! 城定監督デビューの名作ポルノ

元教師の主婦が、かつての教え子を押入れに隠して夜は夫と、昼は教え子とセックス三昧の日々を過ごす定番のポルノ。きっちりとたっぷり性描写をみせながらも独自のユーモアセンスでほんのりとした感動を残す佳作。

今後日本映画を背負って立つだろう期待の監督「城定秀夫(じょうじょう ひでお)」のデビュー作にして唯一のピンク映画。
60分の映画の中で濡れ場が45分、Hだけど下品にはなってない。
主演のKaoRiはこれがデビュー作らしく決して上手くはないが、幼さと妖艶さを兼ね備えた不思議な魅力をみせる。
大傑作とまでは言わないが、これをポルノ映画館で二本立てとか三本立ての一本として出会ったらスゲー傑作と思ってしまうかも。
未ソフト化は惜しい!

味見したい人妻たち

新宿区歌舞伎町保育園

2009年07月28日 | クラッシック
2008年 日本 コメディ 95分
監督/城定秀夫
出演/鎌苅健太、河合龍之介、宮野真守、兼崎健太郎、DAIZO、桂亜沙美
(90点) オススメ! 若手イケメンを観る映画

欲望渦巻く新宿歌舞伎町。イケメンホストに不幸が訪れる。ヤクザの金をちょろまかした店長の借金を背負わされるは、見知らぬフィリピン女性の赤ちゃんを背負わされるは、さらにホステスたちの子供を次々と背負わされるはで、もうこうなったらホストクラブを保育園にしちゃえー!と立ち上がるが・・・。

マイナーなイケメン俳優のプロモーション企画映画。
低予算だが、もっと低予算のVシネばかり撮っている城定監督にとっては最大規模の製作条件できっちりとイケメンを魅力的に撮りあげている。
欲望渦巻くネオン街で子供たちの笑顔がはじけ、ほんわかムードが漂うハートフルな快作。

新宿区歌舞伎町保育園

どれいちゃんとごしゅじんさまくん

2009年07月27日 | エロス
2008年 日本 70分 セクシィ/Vシネ R-18
監督、脚本/城定秀夫 原作/山本直樹
出演/持田茜、網島渉、サーモン鮭山
(79点) Hシーン満載のチープな低予算ファンタジー

女子高生どれいちゃんは同級生のごしゅじんさまくんが大好きだ。ごしゅじんさまくんに呼ばれればいつでもヌレヌレでやって来て言われるがままにHな要求を受け入れる。それでも本人はラブラブハッピー。そんなどれいちゃんに想いを寄せるデブメガネ鰯水くんがストーカーのようにつけまわす。そして、どれいちゃんはメロン売りとバッコンバッコン。宇宙人にベロンベロン。体育教師、クラスメートともズッコンズッコン♪デブメガネ鰯水くんは叫ぶ「どれいちゃん!君は間違っている!!」と。しかし、モチロン鰯水くんも間違っていた。

セクシー漫画の鬼才、山本直樹原作の漫画を二作Vシネ化したついでに、もう一本撮れと言うことで急遽作られた一作ながら城定監督のカラーが色濃く出ていて監督自身お気に入りの一作に。
服従愛をつらぬくどれいちゃん演ずる持田茜の白痴美が光り、これ以降監督のお気に入り女優として活躍。

どれいちゃんとごしゅじんさまくん

咲子の寿司 ~絶品・寿司対決!!~

2009年07月23日 | クラッシック
2005年 日本 80分 エロス/コメディ R-18 
監督、脚本/城定秀夫
出演/天衣みつ、伊沢涼子、江沢大樹、中務一友、畠山寛、
    長門薫、閔東旭、野上正義、中村英児
(80点) オススメ チープなエロVシネだが味わい深い

かけおちして出て行ったものの、男に逃げられ実家の寿司屋に戻ってきた咲子。天性の舌を持つ娘に期待していた父だったが親子関係はぎくしゃくしている。咲子の帰りを知り男を取られた幼馴染の金持ちのお嬢さんは腹いせに寿司屋を乗っ取りに掛かる。執拗な嫌がらせに父ダウン。寿司屋を嫌っていた咲子だったが家を守る為に寿司対決をすることになる。

AVギャルを使ってのVシネ。料理対決もののパロディでくだらないのだが、くだらないと思ってハードルを下げて見ると案外面白い。ライバル側の天才寿司職人のあの指がアソコをまさぐるシーンとか妙におかしい。不必要に出てくるアヒルがアクセントになって、なんかイイ映画を観たような気分になる。
城定マジックを感じる一作。

咲子の寿司 ~絶品・寿司対決!!~

ガチバン

2009年07月23日 | ドラマ
2008年 日本 74分 ヤンキー/青春/Vシネ 
監督/城定秀夫
出演/窪塚俊介、秋山奈々、深水元基、佐藤二郎、伊佐山ひろ子、梅津栄
(80点) オススメ  ヤンキー風童貞コメディ

学園の番長目指しケンカに明け暮れる窪塚君の今一番の悩みは彼女がいないこと。硬派を気取っているので悶々とオナニー地獄にはまるのみ。なんか知らんけどザーメンの妖精が現れて、ティッシュじゃなくて女の中に出してくれよーと詰め寄る。そんなとき演劇少女の秋山奈々に一目ぼれ!まんまとお友達になり自転車の二人乗りしてキャホランラン♪その頃学園では停学していた番長が復活して大暴れ。でも、脳みそピンク状態の窪塚君にはケンカどころではない。友情と愛と性的欲求の狭間で悶々とする窪塚君の明日はどっちだ!

「クローズゼロ」や「ワルボロ」などの人気にあてがって作られたバッタモン。カッコイイ不良映画と思ってみると童貞コメディでビックリする。一応ヤンキー映画のセオリーに従って、ケンカ×友情×全国制覇と基本は盛り込まれているのに城定監督定番の童謡風のBGMのおかげでほのぼのとしたファンタジーと化してしまっている。異色作として傑作とする人と、こんなのヤンキー映画じゃないっ!!と嘆く人と評価が極端にわかれる珍品。
佐藤二郎演ずるザーメンの妖精には笑う。

ガチバン

ホームレスが中学生

2009年07月22日 | テレビドラマ
2008年 日本 76分 学園/コメディ
監督、脚本/城定秀夫
出演/うつのみや八郎、蛭子能収、和希沙也、パッション屋良、
    阿藤快、石崎直、望月美寿々、椿直
(90点) オススメ ひょっとして本家よりも面白いかも

本物のホームレスが中学に編入。学校中が大騒ぎの中、映画研究会の三人がドキュメンタリー映画を作成するためにホームレスに近づいていく。
社会現象にもなった「ホームレス中学生」の完全に便乗企画のバッタものだが本家より面白いと高評価の低予算映画。

公開日もDVD発売日も「ホームレス中学生」と同じ日に持ってきて本家にとっては迷惑な一作だが、内容は別物。
ただタイトルを借りて本物のホームレスを強引に中学生に仕立てるだけの無茶な映画だが、意外とイイ。現代日本の縮図すら感じさせつつ青春物ともファンタジーともとれる小品として、なんか楽しい。

とりあえずタイトルと予算以外は自由に作らせてもらえたとかで、監督は楽しく作れたと言っていた。
ホームレス芸人うつのみや八郎が歌う主題歌も面白い。

ホームレスが中学生

ジェネラル・ルージュの凱旋

2009年07月20日 | クラッシック
2009年 日本 123分 ミステリー
監督/中村義洋
出演/竹内結子、阿部寛、堺正人、羽田美智子
(79点) オススメ パート2としては上々の出来か

医療ミステリー「チーム・バチスタの栄光」シリーズ第二弾。
田口女医(竹内)と厚生省のキレモノ白鳥(阿部)の凸凹コンビ復活。血まみれ軍曹(ジェネラル・ルージュ)と恐れられる救命治療医のオニ、速水(堺)の不正疑惑に挑む。

田口女医のオロオロする姿を楽しめる前半が楽しい。
ただ、原作では男の田口を女にしたことで今回は同僚である速水との関係がただの同僚でスルーするには無理が感じられて残念。
前作と同じスタッフ・キャストで小慣れた感じで安心して楽しめる娯楽作ではあるが、途中から完全に堺雅人に持ってかれている。全体の構成など、やや完成度には欠けるものの役者は相変わらず魅力的。クライマックスが上手くストーリーと絡みあったら傑作になったかも。

ポスターの出来が良くて、この竹内結子の困った顔が気になって前作と今作を続けて観ることになった。なんか、たまらん♪

ジェネラル・ルージュの凱旋

チームバチスタの栄光

2009年07月18日 | エロス
2008年 日本 120分 ミステリー
監督/中村義洋 原作/海堂尊
出演/竹内結子、阿部寛、吉川晃司
(90点) オススメ

奇跡的な成功率を誇る医療チームが連続失敗。原因はなにか?
苦情係のぼんやり医師竹内結子が調査に乗り出させられる。厚生省のキレモノ変人阿部寛もドカドカやってくる。凸凹コンビの掛け合いを楽しむ医療ミステリー。

ベストセラーの原作では竹内結子演じる田口医師は男らしいのだが、女にして正解だと思う。もう竹内結子のアイドル映画。阿部寛はこんな役ばかりだけどハマってる。ミステリーとしてはたいしたことないけれど役者の面白さで魅せてくれる。
軽く楽しめる娯楽作。

チームバチスタの栄光

ゾンビ

2009年07月15日 | 時代劇
1978年 アメリカ/イタリア ホラー
「ダリオ・アルジェント監修版」 119分
「米国劇場公開版」127分
「ディレクターズ・カット版」 139分
監督、脚本/ジョージ・A・ロメロ  特殊メイク/トム・サヴィーニ
音楽/ゴブリン、ダリオ・アルジェント
出演/ デヴィッド・エムゲ、ケン・フォリー、
    スコット・H・ライニガー、ゲイラン・ロス
(100点)個人的には米国版がオススメ

ゾンビがいっぱい。ヘリコプターで逃げるのだ。ショッピングモール発見。ここに住むのだー。ショッピングモール内のゾンビを皆殺しにして悠々自適の毎日。そこに暴走族がやって来て、ああ、人間の方がゾンビよりも始末が悪いわー。

ゾンビ映画の生みの親ジョージAロメロによるゾンビ映画の決定版。
ゲテモノホラーだが消費大国アメリカを皮肉ったブラックユーモアな逸品。
大きく分けて3バージョンあり、日本初公開時のアルジェント版が人気だが、個人的にはロメロ色の強い他2バージョンが好き。ラストの印象が若干違う。ロメロ版にはハッピーエンドを感じる。

ゾンビ

恋する神父

2009年07月06日 | ファンタジー
2004年 韓国 108分 ロマンス/コメディ
監督、脚本/ホ・インム
出演/クォン・サンウ、ハ・ジウォン、キム・イングォン、キム・インムン
(85点) オススメ 気軽に楽しいラブコメディ

ああ神タマ。ボクには神タマだけなのです。ボクのすべてを神タマに捧げます。
そんな神父街道まっしぐらの神学生クォン・サンウの前に現れた破天荒娘ハ・ジウォン。
ああ神タマ。ボクは神タマ一筋なのに、年頃の娘が、アメリカから恋に傷ついて帰って来た年頃の娘が、泣いて怒って歌って踊って、そしてボクに微笑んでいる・・・。
あああ、神タマ。神タマだけを見ていたいのに、彼女の姿がボクを悩ます。
そしてボクは叫ぶ、デオ グラシアス!

人気イケメンマッチョ、クォン・サンウがその肉体を神父服に隠して歌い踊るハートフル・ラブコメディ。恋のお相手ツンデレ美人のハ・ジウォンが最高にキュート。気軽に観れる楽しい定番のラブコメとして秀作。
脇役の三枚目デブッチョもイイ感じ。

恋する神父

ピョコタン・プロファイル

2009年07月05日 | テレビドラマ
2008年 日本 102分 アイドル/コメディ
監督/梶野竜太郎
出演/木嶋のりこ、鈴木ゆき、金井アヤ
(60点) くだらないが我慢して見ると味が出る

なぞの生命体「ピョコタン」捕獲のため南の島へ。
ピョコタンってなに?
島で出会った女の子に島を案内してもらおうと思ったら女の子の彼氏がピョコタンだった。
ピョコタンは人畜無害だが人の唾液に触れると地球半個分の爆発をするらしい。
ピョコタンってなに?
女の子を騙くらかしてピョコタンを捕獲しようとするが・・・。
紅ショウガ大好き木嶋のりこと地球の運命や如何に!

ゆる~いアイドル映画。
我慢して最後まで観れば、そこはかとなく面白味も感じられるが、観始めて10分もしないうちに「俺はなんでこんなもんを観に来たんだろう。」と途方に暮れる。最初からくだらない映画だと言う事は分かっていたのに。
カワイコちゃんは何人か出てアイドル映画としての体は保っているが、実は誰もたいして可愛くない・・・。
で、でも案外退屈はしない。
ピョコタンの造形が妙にいとしく不思議な味わいのどーでもいいZ級アイドル映画。

ピョコタン・プロファイル

キャリー

2009年07月04日 | ファンタジー
1976年 アメリカ 98分 ホラー
監督/ブライアン・デ・パルマ
原作/スティーブン・キング 脚本/ローレンス・D・コーエン
出演/シシー・スペイセク、パイパー・ローリー、ウィリアム・カット、ジョン・トラボルタ
(100点) オススメ ホラーと敬遠するには勿体無い名作

さえない女子高生キャリーは友人もなく、母親からも疎まれていた。遅い初潮を迎えたときから超能力に目覚めてしまうキャリー。無自覚に目覚めた超能力をコントロールする術もなく、卒業パーティの夜、いたずらで豚の血をあびせられ能力が暴発。そして会場は怒りの炎に包まれる。

学園青春映画の問題作としてオススメ。
あまりにも有名で中途半端にテレビで観ただけでまともに観てなかった。最近になって、ちゃんと観たら、その凄まじさに言葉を失うほどの衝撃を覚えた。救いのない悲しい話だがホラーファン以外にも観て欲しい必見の名画。
超能力少女が怒りで覚醒するいわゆる「イヤーっ!ボーンッ!!現象」の原点。

キャリー

ウォッチメン

2009年07月03日 | サスペンス・ミステリー
2008年 アメリカ 167分 SF
監督/ザック・スナイダー
出演/マリン・アッカーマン、ビリー・グラッタブ、マシュー・グード
(100点) マニアック超大作 通好み

アメリカンヒーローたちが次々と血祭りにあげられていく。そこにはアメリカの闇と巨大な陰謀があった。ヒーロー間で行われる色恋沙汰や嫉妬、欲望とエゴイズムに満ち満ちた姿が生々しい。正義の名において世界を支配するアメリカそのものを皮肉ったダークパロディ超大作。凄すぎて着いていけない人続出。

インテリのヒーローオタクが映画会社を騙して作り上げた変態映画。
70年代に活躍したアメリカンヒーローのパロディで、元ネタと60年代から70年代のアメリカ史を知らないとついていけないが、それらを知っていてもついていけない。でもなんかスゲー。とくにブルーマンの存在感とアレはインパクト絶大。よくこんなものが作られて公開できたと呆れる。拍手。

ウォッチメン