月とキャベツ

１９９６年　日本　１００分　ファンタジー/ロマンス
監督/篠原哲雄
出演/山崎まさよし、真田麻垂美、鶴見辰吾
（１００点）　オススメ　泣ける

ミューシシャンの花火はスランプに陥り人里離れた場所でキャベツを作って隠居生活をしていた。そこへ突然現れた謎の女子高生ヒバナ。ヒバナは言う「あなたの曲で踊りたい」。そして始まった奇妙な共同生活で花火は静かにスランプから立ち直っていきヒバナは月夜に踊るのだった。

名曲『One more time,One more chance』が感動的に流れる山崎まさよし初主演映画。
当時、一般的には無名で、映画のために作られたとしか思えないこの名曲も既に作られていた曲だったらしい。曲も山崎まさよしも知らない状態でこの映画に出会えたのは幸運だった。

月とキャベツ

イル・ポスティーノ

１９９４年　イタリア　１０７分　ドラマ
監督/マイケル・ラドフォード
出演/マッシモ・トロイージ、フィリップ・ノワレ、マリア・グラツィア・クチノッタ
（１００点）　オススメ　名作

ノーベル賞候補とかで世界的な詩人が政治的に亡命とかでイタリアの小さな島にやって来た。そりゃもう小さな島は大騒ぎさ。なんかこの詩人、爺さんのくせに若い子にもモテモテのようだ。漁師の若者は女にモテるテクニックを学ぶべく詩人に届く手紙の配達人となり近づいていく。詩人と純朴な青年の交流を描いた感動作。

ラストのセリフがイイ。全体的に明るく楽しく青年の恋模様など小さな島で起こる出来事が描かれているが、その背後の社会情勢なども暗示されていて奥行きのある名作だが、創作の根源に迫った映画として私は捉えていて大好きな一本。

イル・ポスティーノ

ボディ ・ターゲット

１９９３年　アメリカ　９３分　アクション
監督/ロバート・ハーモン（ヒッチャー）
脚本/ジョー・エスラーハス（氷の微笑）
出演/ジャン＝クロード・ヴァン・ダム、ロザンナ・アークェット、
　　　キーラン・カルキン、デビッド・レビン、ジョス・アックランド
（７９点）　オススメ・・・したいけど評判はイマイチ

悪質な地上げ屋に苦しめられている美しき未亡人とその子供たちを救うため、ならず者のヴァンダムが立ち上がる。西部劇シェーンの現代版。

安っぽいドラマなんだけど好きだ。このレビューを書く為に15年ぶりに見直したが面白かった。チャチでチープだけどＢ級アクションの王道的展開とホロリとする愛情ドラマにまんまと浸ってしまった。でもデータ収集のためにネットで調べて他の人の評価を見るとケチョンケチョンだった。いや、私には面白かった。好きだ！ロザンナ・アークエット美人！カルキンも良し。ヴァンダムも大丈夫！
結構いい映画だと思うんだけど・・・駄目？

ボディ ・ターゲット

その男、ヴァンダム

2008年　ベルギー/フランス　96分　アクション/ニセドキュメント
監督/マブルク・エル・メクリ
主演/ジャンクロード・ヴァンダム
（８７点）　ヴァンダムファンにはオススメ

ヴァンダムがヴァンダムを演じるセルフパロディで意外にも芸術性の高い傑作。
スタローン、シュワルツネッガーに次ぐ80年から90年代を代表するＢ級アクションスター、ジャンクロード・ヴァンダムも現在48歳。アクションするには年老いて、せいぜいビデオ向け映画に出る程度。再起を図った映画はセガールに取られ、私生活では養育権をめぐる裁判で敗色濃厚。最愛の娘からもそっぽ向かれ、銀行口座もすっからかんと落ち目街道まっしぐら。挙句の果てに郵便局強盗と間違えられ、哀れヴァンダム、どーなるヴァンダム。

地味だが骨太、96分と程よく短い映画なのでテンポよく見やすい。
ヴァンダム？誰それ？と言う人にはオススメしないが、ヴァンダムと言う名前に食指が動いた人ならば必見かも。
意外に演技力のあるヴァンダムの新境地を切り開いた歴史的一本になるかもしれない珍品の逸品。

その男、ヴァンダム

オズの魔法使い

1939年　アメリカ　102分　ミュージカル/ファンタジー
監督/ヴィクターフレミング
出演/ジュディ・ガーランド、フランク・モーガン、レイ・ボルジャー、バート・ラー
（１００点）　オススメ　豪華で楽しい娯楽作
　
竜巻がやって来てドロシー飛んじゃう！カンザスの田舎娘ドロシー飛んじゃう。虹の向こうの魔法の国へ。ちっこい人が歌って踊ってる。良い魔法使いがアドバイス。黄色い道通ってエメラルドのオズの国の大魔王に助けてもらえと。カンザスから飛ばされたドロシーは言われるままにオズへと向かう。途中かかしとブリキ男とライオンが出てきてコンニチワ。嬢ちゃん一緒に行きましょう。

70年も前、戦前の映画とは思えないくらい綺麗で楽しい。もっとストーリーとかテーマとかちゃんとある御伽噺かと思っていたら、なんもない。ただもう魔法使いや愉快な仲間が出てきてコントみたいな冒険して、志村後ろー！みたいなノリでワキャワキャしているうちにハイおしまい♪ってな映画だった。
ファンタジックで豪華で楽しい贅沢なひと時を味わえる逸品。

オズの魔法使い

築地魚河岸三代目

２００８年　日本　１１６分　ドラマ/コメディ
監督/松原信吾
原作/はしもとみつお、鍋島雅治
　　　（小学館『ビッグコミック』連載）
出演/大沢たかお、田中麗奈、伊東四郎
（７９点）オススメ

サラリーマンたかおは出世街道に乗っていたが上司が佐野史郎では仕事に喜びを見出させずにいた。そんなとき恋人の田中麗奈が病気の父に代わって早朝魚市場で働いているのを発見。おせっかいのたかおは勝手に手伝い始める。そして魚市場での仕事に喜びを感じ、ここで働くことを決めるが、そうは伊東四郎がおろさないのであった。

松竹が「寅さん」「釣りバカ」に続く人気シリーズにすべく製作したが、興業的にコケたのでシリーズ化はどうなることか。いい感じで力が抜けていて、芸術性のかけらも感じない雑で軽い構成が逆に娯楽映画としての力強さを感じさせる。二本立て興業の時代ならシリーズとして定着も有り得たかもしれないが、これだけでロードショー公開はきついかも。映画としての魅力にあふれる人情喜劇としてオススメの一本なんだけれど・・・。

築地魚河岸三代目

UFO 少年 アブドラジャン

１９９２年　ウズベキスタン　８８分　ＳＦ/ファンタジー
監督/ズリフィカール・ムサコフ
出演/ラジャブ・アダシェフ、シュフラト・カユモフ、ウラジーミル・メニショフ
（６０点）　なんかほのぼのします

スピルバーグさま、ＥＴはいい映画でしたね。ワタシの村にもＥＴが来て面白い事件を起こしました。ＵＦＯはなべ型と言うかナベそのものでちゃっちいです。ＥＴは見た目ただの少年です。自転車は飛びませんが鍬（くわ）が宙に浮きます。スイカが巨大化します。特撮はしょぼいけど戦車や軍人は本物です。スピルバーグさま、こんなウズベキスタンのＥＴ映画、どう？

レンタル屋で見かけるたびに何故か気になる映画だった。期待したほどの映画ではなかったけれど、なんか心に残る。 宇宙人よりもウズベキスタンの田舎町の住人たちの方が不思議な味わいでＳＦでファンタジーしてると思う。

UFO 少年 アブドラジャン

駅馬車

１９３９年 アメリカ　９９分　西部劇
監督/ジョン・フォード
出演/ジョン・ウェイン、トーマス・ミッチェル
（１００点）　オススメ　西部劇の古典にしてロードムービー

娯楽活劇の金字塔！
様々な人々を乗せて駅馬車は西部の荒野を疾走する。貧しい人、賭博師、金を持ってとんずらしようとしている頭取、保安官、そしてお尋ね者のリンゴ・キッド。インディアンの襲撃、ほのかな恋模様、手に汗握る決闘。今観ても色あせない名作中の名作。必見！

古い映画だと思ってなめて観たらその面白さに度肝を抜かされた。西部劇アクションかと思いきや極上のロードムービーだった。今や差別言葉となったインディアンが登場するが扱い方がきちんとしていて差別表現は避けていると思う。
やはり、この映画でスターダムに伸し上がったジョン・ウエインの存在感が魅力の大傑作。楽しい♪

駅馬車

片腕マシンガール

２００７年　アメリカ/日本　９６分　ホラー/アクション
監督、脚本/井口昇
出演/八代みなせ、亜紗美、島津健太郎、穂花
（１００点）　オススメ　血みどろＺ級女子高生アクション

女子高生の片腕がマシンガン。最愛の弟を殺された恨みを晴らすため忍者の血を引くやくざ一家と対決だ。火を噴くマシンガン。爆発する頭。乱れ飛ぶ人体。噴出する血しぶき！駆け抜けるセーラー服のパンチラも眩しい血まみれアクションホラーの快作！

北米のビデオメーカーの資本で作られた為、日本の規制を超えた残酷描写が可能で、低予算ながらやりたい放題やり切ってしまったスプラッターホラー。
残酷描写は凄いが凄すぎてギャグの域に達してしまいカラっとしている。
主演のグラビアアイドル八代みなせの魅力が光るマニア絶賛の一本。

片腕マシンガール

鴨川ホルモー

２００９年　日本　１１３分　コメディ
監督/本木克英　脚本/経塚丸雄　原作/万城目学
出演/山田孝之、栗山千明、濱田岳、石田卓也、芦名星
（５５点）

京都の町でゲロンチョリー！大学生がゲロンチョリー！小鬼を操りゲロンチョリー！ゲロンチョリーったら、ゲロンチョリー！！
ただの仲良しサークルのつもりでに入ったら、そこは何百年にも渡って人知れずオニを使って戦う「ホルモー」を実践する集団だった。大学生の恋と友情とサークル活動を描いた沖縄コメディ映画祭グランプリ受賞作。

悪い意味で原作どうり。
原作は本屋大賞に選ばれるなど高く評価されている。映画はほぼ原作どうりで小ジンマリとまとめた感じ。それなりに面白いが、起承転結で言えば「承」で終わっちゃってる。肝心の大学対抗のオニ同士の対決「ホルモー」がほとんどなくて物足りない。
オニを操るときのポーズは映画のオリジナルで楽しい。
軽い気持ちで観るには十分だが、映画ならではの脚色で盛り上げて欲しかった。

鴨川ホルモー

シンドバット 七回目の航海

1958年　アメリカ　88分　ファンタジー/冒険
監督/ネイザン・ジュラン　特撮監督/レイ・ハリーハウゼン
出演/カーウィン・マシューズ、キャスリン・グラント、トリン・サッチャー
（９０点）オススメ　怪獣映画の古典

一つ目巨人が！火を噴くドラゴンが！双頭の巨大ワシが！ガイコツが！謎の島で大暴れ！そしてシンドバットが戦う。小っちゃくなっちゃったお嫁さんを元に戻す為に。

特撮アニメの神様レイ・ハリーハウゼンの代表作。
一つ目巨人サイクロプスの造形が素晴らしい。
悪役のソクラが命を削って魔法を使っているのが興味深い。その姿は怪物に命を吹き込むハリーハウゼンそのものなのかもしれない。


シンドバット　七回目の航海

デーヴ

1993年 アメリカ　110分　コメディ
監督/アイヴァン・ライトマン　脚本/ゲイリー・ロス
出演/ケヴィン・クライン、シガーニー・ウィーヴァー、フランク・ランジェラ
（９０点）安心してオススメ♪　大統領のそっくりさんが大統領に！

大統領が腹上死！?
この緊急時にそっくりさんを代役に立てるが、このそっくりさんがファーストレディに惚れちゃうは、政治に目覚めちゃうはで、ホワイトハウスは大騒ぎ！
政治の世界を舞台にした人情コメディーの秀作。

「なんかイイ映画ない？」と聞かれたら安心してオススメ出来る一本。
軽く観れてジンとくるアメリカン・コメディの底力を見せ付けてくれる傑作。
ケヴィン・クラインも良いけれど、シガーニー・ウィーヴァーが美人なんだよなー♪

デーヴ


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対話の可能性

１９８２年　チェコ　１２分　粘土アニメ/シュール
監督/ヤン・シュヴァンクマイエル
ＤＶＤ「シュヴァンクマイエルの不思議な世界」に収録
YuoTubeにて二分割で動画有り
（１００点）オススメ　驚愕の短編アニメ

シュールでグロテスクでブラックな笑いに満ちた驚異の短編アニメ。
だまし絵のような食器や文房具で出来た人形の言い争いや、粘土のラブシーン、粘土オヤジの口喧嘩の三部構成から成り、リアルな造形が不気味な笑いを生み出す。
シュヴァンクマイエルの代表作。

この作品を含む短編集の上映会終了後、まっすぐ歩けないほどの衝撃を受けた。
ＣＧではなく手作業でこんなものを作るなんてマトモではない。
すげー。
気持ち悪くなるかもしれないけどこの作家の作品は必見。

対話の可能性

ミラクル７号

2008年　香港　88分　ＳＦ/コメディ
監督、脚本/チャウ・シンチー
出演/チャウ・シンチー、シュー・チャオ 、キティ・チャン
（８０点）オススメ　バカなノリのファミリー向けＳＦ

貧乏父子の拾ったボールのようなものは宇宙から来たモジャモジャだった。
少年にミラクル７号と名づけられたモジャモジャとともに巻き起こる珍騒動と奇跡。
そして無意味に繰り広げられる愛と友情といじめとクンフーとダンス♪

「少林サッカー」等と同じくいつものチャウ・シンチー印のお馬鹿映画でありながら、家族向けのＳＦとして可愛らしさもプラス。しかも88分と短いので馬鹿馬鹿しさがシンプルになっていて見易い。
特別なんの役にも立たないヒロインも綺麗だし、期待せずに観ると、ちょっと面白いぞ。

ミラクル７号

モンティ・パイソン・アンド・ナウ

１９７１年　イギリス　９０分　コメディ
監督/ イアン・マクノートン、テリー・ギリアム
出演/グレアム・チャップマン、ジョン・クリーズ、テリー・ギリアム、
　　　　エリック・アイドル、テリー・ジョーンズ、マイケル・ペイリン
日本語吹き替え版/山田康雄、納谷悟朗、広川太一郎、飯塚昭三、
　　　　　　　　　　青野武、古川登志夫、松金よね子
（１００点）オススメ　オムニバスギャグの古典

シュールな切り絵アニメも楽しいギャグコント集。
イギリスの伝説的コント番組からよりぬきで製作された劇場版。
広川太一郎のマシンガントークが冴え渡る吹き替え版は必見（必聴）！

映画館で観た後、ビデオを買って全エピソードを丸暗記するくらい見まくってハマった。
「駅に行く道を教えてくれませんか？」に相当する英語は「俺のケツ舐めてくれたら言うこと聞いちゃう！」のギャグがお気に入り。

モンティ・パイソン・アンド・ナウ